ゴダールやグルスキーのイメージを援用するところは愉しい。
毒にも薬にもなりうる大量消費社会の中に身を投じて、どうにか気を紛らわせながら、あらゆる強迫観念とうまく距離をとって生きる。あるいは、強迫観念>>続きを読む
テリー・ギリアムほどシニカルでもなく、ジム・ジャームッシュほどオフビートでもない、独自のバランス。
成長すると(一人前の騎士として)殺される、成長しないと(フェイク野郎のまま)王になれる。すごい話。>>続きを読む
セカイ系の想像力の外側には行かないまま、その内側でうまく折り合いをつけようと試みている。
『シン・ゴジラ』も『未来のミライ』も、天皇の最寄駅こと「東京駅」までしか出さずに距離を保っていたけど、この映>>続きを読む
ハンバーガーのタマネギは別に捨てずにワンダが食べればいいじゃん、と思った。もちろん、そういう融通がまるで利かないという描写ではありますが。
冒頭の「男か女かはどっちでもいい」はなくていい。なくても充分、いろんな「どっちでもいい」が伝わってる。
小学生時代のミー坊がすごくいい。セリフも聞きとりづらいし、うまくもナチュラルでもないんだけど、>>続きを読む
今度は「撮る」側として、忘れられない存在になる!
前2作では、ネタばらしのくだりでベラベラしゃべって、映画が安くなってしまっていた。そこが持ち味でもあるんだけど。今回はそういうパートはなくて(安全確>>続きを読む
主人公が写真という媒体を選ぶのは、最初からちゃんと勘がはたらいていたってことなんじゃないかな。被写体の前にいなければ写真は撮れないにしても、漫画のように自分の身体を伝って出てくるものとは違うわけで。結>>続きを読む
「少なっ!」と思った支度金10万円は、これはこれでかなりリアルな金額。
おばあさんどうしの悪口の感じも超リアル。
消防車が通りかかるシーンは、撮影中たまたまだったのだろうか? いずれにせよ、さりげ>>続きを読む
冬の海に入ることよりも、パンツが濡れたまま乾いたズボンを穿くほうにむしろ、無鉄砲さを感じてしまうね。
俳優がすごい。
引っ越すまでの前半はぐいぐい引き込まれた。というか、物語が本格的に動き出すまえのほうがむしろおもしろい。後半は端折りすぎて、とっ散らかってる感じも。
最大の秘密が「オチ」のように見>>続きを読む
まくしたてるような説明ゼリフが、まったくグルーヴになっていかなくて、乗りきれない。批評性も感じないし、また『シン・ゴジラ』みたいなことやってるね、で終わってしまう表層だけの演出。真似の真似であって、根>>続きを読む
仕事と執筆に食らいついていく様子をもっと描いてくれないと、説得力がない。「作家になりたい」のはわかった。でも、文章を書いているあいだの喜びや苦しみは、この映画のどこにある?
怖い! 痛い! スクリーンを直視できない。
「イエスだと思って受け入れた子が、実はマリアでした」っていうめちゃくちゃ強いプロットがあるから、どれだけ意味不明なことが起きても、最後まで興味は持続する。>>続きを読む
映画の枠組みを用いながら、その前提となるあらゆる物語の生まれる場所まで、ゆっくりと深く降りていく。そういうすさまじいことを試みている一方で、ときどきあっけらかんとしたユーモアも挟んでくるのがまた魅力的>>続きを読む