味コスモさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

味コスモ

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ホワイト・ノイズ(2022年製作の映画)

3.0

ゴダールやグルスキーのイメージを援用するところは愉しい。

毒にも薬にもなりうる大量消費社会の中に身を投じて、どうにか気を紛らわせながら、あらゆる強迫観念とうまく距離をとって生きる。あるいは、強迫観念
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グリーン・ナイト(2021年製作の映画)

4.0

テリー・ギリアムほどシニカルでもなく、ジム・ジャームッシュほどオフビートでもない、独自のバランス。

成長すると(一人前の騎士として)殺される、成長しないと(フェイク野郎のまま)王になれる。すごい話。
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すずめの戸締まり(2022年製作の映画)

3.5

セカイ系の想像力の外側には行かないまま、その内側でうまく折り合いをつけようと試みている。

『シン・ゴジラ』も『未来のミライ』も、天皇の最寄駅こと「東京駅」までしか出さずに距離を保っていたけど、この映
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WANDA/ワンダ(1970年製作の映画)

3.0

ハンバーガーのタマネギは別に捨てずにワンダが食べればいいじゃん、と思った。もちろん、そういう融通がまるで利かないという描写ではありますが。

さかなのこ(2022年製作の映画)

3.5

冒頭の「男か女かはどっちでもいい」はなくていい。なくても充分、いろんな「どっちでもいい」が伝わってる。

小学生時代のミー坊がすごくいい。セリフも聞きとりづらいし、うまくもナチュラルでもないんだけど、
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NOPE/ノープ(2022年製作の映画)

4.0

今度は「撮る」側として、忘れられない存在になる!

前2作では、ネタばらしのくだりでベラベラしゃべって、映画が安くなってしまっていた。そこが持ち味でもあるんだけど。今回はそういうパートはなくて(安全確
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わたしは最悪。(2021年製作の映画)

3.0

主人公が写真という媒体を選ぶのは、最初からちゃんと勘がはたらいていたってことなんじゃないかな。被写体の前にいなければ写真は撮れないにしても、漫画のように自分の身体を伝って出てくるものとは違うわけで。結>>続きを読む

PLAN 75(2022年製作の映画)

4.0

「少なっ!」と思った支度金10万円は、これはこれでかなりリアルな金額。

おばあさんどうしの悪口の感じも超リアル。

消防車が通りかかるシーンは、撮影中たまたまだったのだろうか? いずれにせよ、さりげ
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あなたの顔の前に(2020年製作の映画)

3.5

甥の彼女に対する妙な当たりの強さ、なんだったんだ。

イントロダクション(2020年製作の映画)

3.0

冬の海に入ることよりも、パンツが濡れたまま乾いたズボンを穿くほうにむしろ、無鉄砲さを感じてしまうね。

流浪の月(2022年製作の映画)

3.5

俳優がすごい。

引っ越すまでの前半はぐいぐい引き込まれた。というか、物語が本格的に動き出すまえのほうがむしろおもしろい。後半は端折りすぎて、とっ散らかってる感じも。

最大の秘密が「オチ」のように見
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シン・ウルトラマン(2022年製作の映画)

2.5

まくしたてるような説明ゼリフが、まったくグルーヴになっていかなくて、乗りきれない。批評性も感じないし、また『シン・ゴジラ』みたいなことやってるね、で終わってしまう表層だけの演出。真似の真似であって、根>>続きを読む

マイ・ニューヨーク・ダイアリー(2020年製作の映画)

3.0

仕事と執筆に食らいついていく様子をもっと描いてくれないと、説得力がない。「作家になりたい」のはわかった。でも、文章を書いているあいだの喜びや苦しみは、この映画のどこにある?

TITANE/チタン(2021年製作の映画)

4.0

怖い! 痛い! スクリーンを直視できない。

「イエスだと思って受け入れた子が、実はマリアでした」っていうめちゃくちゃ強いプロットがあるから、どれだけ意味不明なことが起きても、最後まで興味は持続する。
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MEMORIA メモリア(2021年製作の映画)

4.0

映画の枠組みを用いながら、その前提となるあらゆる物語の生まれる場所まで、ゆっくりと深く降りていく。そういうすさまじいことを試みている一方で、ときどきあっけらかんとしたユーモアも挟んでくるのがまた魅力的>>続きを読む