hikariさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

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ふたつの部屋、ふたりの暮らし(2019年製作の映画)

3.5

向かいのお家を行き来していた二人の高齢女性カップル。カラスの鳴き声、焦げた料理、乾燥機、玄関のドアスコープのズームアップとか不吉な予感をさせるし、レズということを誰にも言えない二人の心情をうまく表して>>続きを読む

レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ(1989年製作の映画)

4.2

これを観て何かを学び取りたいという類の作品ではなく、ただただ微笑ましく、どこか滑稽で勇気すら湧いてくる、髪型がリーゼントの音楽集団。この絶妙なゆるさを作品にしたカウリスマキ監督の遊び心には尊敬しかない>>続きを読む

EMMA エマ(2020年製作の映画)

3.5

イギリスの田園風景と、豪華な邸宅の華やかさが凄く良い。
衣装もヘアメイクも手が込んでて、アカデミー賞ノミネートも納得。  
ストーリーは分かりやすく、よくあるラブコメだけど、アニャちゃんが360度可愛
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The Son/息子(2022年製作の映画)

4.0

親と子の心の距離ー
レビューを読んでいて、なんとなく結末も分かっていた。正直最後まで観る自信がなかったけれど、どの人物の感情も繊細に描いていて胸がいっぱいになった。
誰にでもすすめられる作品ではないが
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search/#サーチ2(2023年製作の映画)

4.3

面白かった!!!一作目も面白かったけど、スリルも構成もパワーアップしてた気がする。
スマホやPCの画面上でめまぐるしく進んでいくデジタル時代だからこその面白さがある。一時も目が離せなかった。
今一体誰
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ジョン・ウィック(2014年製作の映画)

3.6

孤独な元殺し屋がキアヌにハマり役。
派手で華麗なアクションシーンと親友を助けるウィレム・デフォーが渋かっこよかった。頰がこけたお顔と目とすきっ歯の存在感ええなあ。
復讐の割にマフィアの息子あっさり殺し
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落穂拾い(2000年製作の映画)

3.9

アニエス・ヴァルダ監督の斬新な発想と視点のドキュメンタリーで面白かった。ラップも遊び心を感じて可笑しかった。
落穂拾いってそういうことか。
街中で"落穂拾い"をして生活している人が今でも沢山いるという
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モンパルナスの灯(1958年製作の映画)

3.7

画家モディリアーニの画が好きかどうかは置いておいて、死んでから評価されるなんて虚し過ぎるし、それを見越して死を待ち続け後をつける死の商人(画商)には怒りとやるせなさを感じて気持ちが滅入った。
カフェで
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異邦人 デジタル復元版(1967年製作の映画)

4.0

冒頭『ママンが死んだ』から始まるカミュの不条理小説を映画化した作品。  
高校生の時に読んだきりだったけど、当時難しかった記憶。
イタリア人であるヴィスコンティの作品に対する理解が興味深かった。
ムル
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羅生門(1950年製作の映画)

-

人は自分の保身のために見栄や虚勢を張り、平気で嘘をつく。人間の普遍的なテーマである黒澤作品。
希望のあるラストも、疑いを持って見てしまう私は、いつからこんなに警戒心が強くなってしまったのかなどと。
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ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー(2023年製作の映画)

3.8

Nintendoからファミコン『スーパーマリオブラザーズ』が発売されたのが1985年。配管工のマリオは世界中のヒーローなんだなと再確認した。
とにかくゲームの世界に入ったような感覚で音楽や効果音、アイ
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カランコエの花(2016年製作の映画)

4.0

カランコエの花言葉は、
「あなたを守る」
「幸福を告げる」
「たくさんの小さな思い出」
𓍲

他の人と何ら変わらないのに、人と違うからと腫れ物に触るように特別扱いしたり、犯人探しをするかのような高校
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冷たい水(1994年製作の映画)

3.5

燃え上がる炎のエネルギーと寒々しい冷たさの対比。まさに彼女たちの青春の証のよう。目の前にある世界がすべてだった。危うさと脆さとを併せ持った思春期の若者は、必死に何かから抵抗することでしか生きられないほ>>続きを読む

アメリカの影(1959年製作の映画)

5.0

ジョン・カサヴェテス監督デビュー作、しかもシナリオなしの即興演出と知って驚いた。あまりに自然で訴えるものがある。最高すぎる。
そして、アメリカの人種差別の根深さを実感する。
妹の元恋人の白人男性に、「
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女は女である(1961年製作の映画)

3.9

超絶愉快で面白い。難しく考える必要なく、ただただ楽しめばいい映画なのかも。ゴダールさん、やっぱりアンナカリーナ好きも甚だしい。
冒頭のウインクに関しては繰り返し観たし、ラフなおだんごヘアにUピン刺すの
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場所はいつも旅先だった(2021年製作の映画)

3.6

世界5カ国の朝と夜を見つめた、旅するエッセイのようなドキュメンタリー。
映画というよりかはBSプレミアムで放送してそうな作品で、松浦弥太郎の視点が新鮮。
現地の人とリアルに交流する旅人の気持ちになれる
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お引越し(1993年製作の映画)

4.5

親の別居(離婚)の狭間で葛藤する小学六年生のレンコ。
子役の田畑智子が素晴らしいの一言。
相米慎二監督天才。  
昭和の景色、街並みはノスタルジックだったし、大文字焼きは夏も終わりだなあ、としみじみ。
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TAR/ター(2022年製作の映画)

-

権力者が何をやってもいいとは思わない。
リディア・ターが何をしてきたか、真実だったのか明かされないままで曖昧だったのが狡い演出だし同情はできない。
ラストシーンも単に"再生"だとは思えず。
ただ、ケイ
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対峙(2021年製作の映画)

4.3

高校で起きた銃乱射時間の被害者家族、加害者家族の対話を描いた会話劇。
上質な111分間で目が離せなかった。
どちらが被害者でどちらが加害者かなんて誰も決めることはできないのだと思い知った。
大切な我が
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あしたの少女(2022年製作の映画)

3.9

オンライン試写にて。
かなり辛い内容だったが、実話を元にしていると知って驚いている。 
もしかしたらトラウマがある人にはきつい映画かもしれない。
労働搾取される実習生(まだ現役の高校生)
がこんなに労
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(2022年製作の映画)

3.8

松居大悟監督×金子大地が気になっていたので鑑賞。今どきの恋愛をリアルに描いていた。
日活ロマンポルノ50周年記念プロジェクトの第一弾作品らしい。
"制約はあるけれど制約がないように見せたかった"とイン
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オマージュ(2021年製作の映画)

3.9

ポスターに惹かれて鑑賞。
主人公のイ・ジョンウンめちゃくちゃ良い味出してるなあ、と思ってたら 
パラサイトの家政婦役のおばちゃんか!
女性を家に押し込めようとする社会に立ち向かうスランプの女性映画監督
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シンプルメン(1992年製作の映画)

4.0

ハル・ハートリー監督作。
兄(泥棒)と真面目でおとなしい弟が、元大リーガーで犯罪者の父親を探す旅に出るが、そこで愛を見つけちゃった話。
ストーリー云々よりも、まあええがな〜って感じのインディーズ映画の
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狼たちの午後(1975年製作の映画)

4.0

1972年NYマンハッタンで実際に起きた銀行強盗事件を元にした作品。
ほとんど銀行内でのワンシチュエーションなのに、飽きさせないのが素晴らしい。 
計画性がまるでない強盗達だけど、アル・パチーノの間抜
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すばらしき映画音楽たち(2016年製作の映画)

4.8

一生観ていられるドキュメンタリー。 
名作映画の作曲家や監督の制作意図、実際のレコーディングシーンには興奮した。
ハンス・ジマーの、「いつも曲を生み出す恐怖心とたたかってる、それでもこの仕事を愛してい
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月世界旅行(1902年製作の映画)

-

満月の日に鑑賞✴︎
史上初のSF映画。1902年のフィルムを1コマ1コマデジタルにする作業なんてとんでもなく根気のいることだろうに、よく復元したなあ、と敬服。
天文学者達が月に到着しすぐに横一列で毛布
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日曜日が待ち遠しい!(1982年製作の映画)

3.6

コメディタッチの気軽に観られるサスペンスで面白かった。フランソワ・トリュフォーの遺作である本作は、晩年人生の伴侶でもあったファニー・アルダンが主演。
モノクロに映える凛としたお顔立ちがとても好み。
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ある男(2022年製作の映画)

3.7

原作未読、前情報なしで鑑賞。 
"ある男"の正体を追っていくのだが、そこまでの驚きがあったわけではなかった。
そうまでして生きなければいけない人がいる。
情報量が多過ぎて、個人的には本当に伝えたいこと
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ダラス・バイヤーズクラブ(2013年製作の映画)

4.0

AIDSで闘ったロン・ウッドルーフ(マシューマコノヒー)の生きた証はちゃんと残った。85年アメリカ。
マシューマコノヒーの、体を張った演技は圧巻。 
4ヶ月で21kgも落とした体は、病人にしか見えない
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エゴイスト(2023年製作の映画)

4.6

これは凄い。というか、日本映画凄い。
エゴイストという言葉の意味を、鑑賞後もしばらく考えてしまった。 
単なるゲイの恋愛映画ではない。見たことないほど美しい、間違いなくその先に愛があった。それはエゴイ
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ホモ・サピエンスの涙(2019年製作の映画)

3.7

全33シーンをワンシーンワンカットで撮影したロイ・アンダーソン監督作。彩度を落とし、霧がかったような映像はどこか非現実的でアート作品のよう。
すべてスタジオ内のセット、模型やマットペイントでの撮影、雨
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ほえる犬は噛まない(2000年製作の映画)

-

ポン・ジュノ監督の長編デビュー作。
こちらも『パラサイト』みたいに一気に彼の世界観に引き込まれてしまうような、ブラック満載のサスペンスコメディ。
でも、秀逸だけど、どうしてもこの作品は受け入れられな
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帰郷(2004年製作の映画)

3.0

元恋人の子供チハルと晴男(西島秀俊)が一緒に過ごすことになる話。
人様の子供を連れ回している男もどうかと思うが、母親の「魔が差しちゃった」がなんなのか理解できなくて、モヤモヤ。 どんな理由であれ、小学
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RRR(2022年製作の映画)

4.2

長すぎるし無駄に熱すぎるけど、こんな大スペクタクル映画を見せられたら、もう何も言えない!ビームもラーマも強すぎて笑える。そして、大切な家族、友、祖国のために命をかけて闘う姿にグッとくる。
インド人は銃
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羊たちの沈黙(1990年製作の映画)

4.2

アンソニー・ホプキンスの怪演が詰まっていて圧倒的面白さがあるし、何度観ても新たな発見があるのは凄い。
サイコキラーなのに、知性や品格、どこかカリスマ性まで感じてしまう会話術、、とんでもないレクター博士
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ゲット・アウト(2017年製作の映画)

4.2

やっぱりジョーダン・ピール作品は裏切らない。NOPEでもダニエル・カルーヤはかっこよかったけど、個人的にラキース・スタンフィールドがとても好きなのです。
彼が「Get Out!」と叫んだのはそういう意
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