ほぼ「誰も知らない」と一緒で、身勝手な大人たちのせいで居場所を失った子どもたちなんですが、この映画では、その子どもたちが仮に居場所を得たとして、その場所が社会的許容を越えた、しかしながら、子どもたちに>>続きを読む
結局、こういう話は、辻褄が合ってしまえば、それこそ陳腐になってしまいますし、何となく感じることがあればそれでいいとは思いますが、ただ、問題なのは、この映画、そもそも「吉野」じゃなくてもいいんじゃないの>>続きを読む
ホン・サンス監督らしい映画だとは思いますが、さすがにこれはやり過ぎではないかという(笑)、そんな感じでした。言い方を変えれば、ラディカル・ホン・サンス映画といったところでしょうか。
もう少し遊びが多>>続きを読む
いい映画ですね。
特に何かが起きるわけでもなく、ひとりの女性の心の揺れのようなものがゆったりと流れていきます。
ただ何も起きないと言っても、いわゆる事件などのドラマチックな出来事が起きないだけで、>>続きを読む
人生に疲れたおっちゃんが無垢な少女に癒やされる、あるいは癒やされたいと願うという物語を、男性監督だけではなく女性監督でさえ妄想するという映画です。
「タクシー・ドライバー」から一歩も進んでいません。>>続きを読む
この映画は、いろんなことが放り込んであるのですが、結局まとめきれなかった印象です。序盤は面白く、中盤は飽きがきて、後半は意味不明というところでしょうか。あるいは撮影期間切れか資金不足で撮り切れていない>>続きを読む
ダニエル・デイ=ルイスさんが映画のバランスを崩していると思います。
この物語ならば、普通、主人公は女の方ですよね。でも、この映画で圧倒的存在感を示しているのは、天才的仕立て屋レイノルズを演じたダニエ>>続きを読む
男性監督作品であれ女性監督作品であれ、およそ恋愛映画の大半は男の妄想物語ときまっています(異議は認めません(笑))が、それでも中には、その妄想にしとやかな品位をもって女の存在感を示す映画もあるわけで、>>続きを読む
過剰に盛り上げるなどのあざといことはしない、群像劇的に複数の物語を同時進行させ、ラストでひとつのテーマに収斂させようとする、そういう監督だと思いますが、この映画はいろんなことを入れ過ぎで、結局何をやろ>>続きを読む
予告編の冒頭に引用されている谷川俊太郎さんのコメント
『人間ももともとはけものと同じ生きものだった。
言葉がないと、意味の仮面がはがれて、
いのちのナマの姿が見えてくる。』
が、この映画のある一面をと>>続きを読む
こういう映画を見て必ず思うことは、「この子の将来は大丈夫だろうか?」ということです。
この子というのは映画の中のムーニーではありません。ムーニーをやっている子役のブルックリン・キンバリー・プリンスさ>>続きを読む
ギャンブル映画にみせたフロイト心理学的父娘関係の映画か?
果たして、アーロン・ソーキンさんが、それをこの映画のテーマであると意識しているのか、あるいはモリーの浮き沈みや裁判をめぐる駆け引きこそをみせ>>続きを読む
映画は、友達とともに、今まさにラジオ番組「おはようコバニ」をスタートさせようというシーンから始まりますが、ラジオ放送開始前の、まさに ISとクルド人民防衛隊の戦闘シーンや、おそらく防衛隊がコバニを奪還>>続きを読む
この映画、映画関係メディアのレビューに、貧困、差別、女性の自立がテーマのような見出しがついていますが、それはちょっと違うような気がします。
ベースにそうしたものがあるにせよ、特別それらを語っているわ>>続きを読む
映画は、「共産党宣言」発刊に至るまでの数年を、マルクスとエンゲルスの出会いを軸に描いており、舞台はドイツ(プロイセン)、パリ、ブリュッセルと移っていきます。原題の「Le jeune Karl Marx>>続きを読む
この映画製作の動機が、現在起きている人種差別に対するジョージ・クルーニーの怒り(的なメッセージ)であるとすればそれは敬意を表されてしかるべきだとは思いますが、いくらなんでもこの映画の中の人種差別はあま>>続きを読む
批評的であることはいいけれど、心優しき映画ではないですね。
物語としては、現代美術館 X-Royal Museum のキュレーター、クリスティアン(クレス・バング)が、世の中の不誠実さや理不尽さが、>>続きを読む
「ボーイズラブ」という漫画や小説のジャンルがあることは知っていますが、実際のところどんなものかは全くわからず、この映画も見て、あるいはこういうものがそうなのかと思い、つまり、性的表現を入れつつも、美し>>続きを読む
あまりのメロドラマに、涙と笑いが同時に起きてしまいビックリ!
この映画のいいところは、まずはキャスティング、そしてむちゃくちゃベタな話をむちゃくちゃベタにやりきっているところです。その徹底さに感動し>>続きを読む
見る前からかなりのシリアス系と想像し、見ている間も7割方までこりゃいいぞ、このままいって変にまとめないでねと期待と願望を持って見ていたのですが、なんと終わってみれば、年の差カップルのラブコメか?と判断>>続きを読む
若手中国人監督5人によるオムニバス映画。青春ラブストーリーですのでベタな内容が多いのですが、それぞれしっかり作られています。
ウォン・カーウァイを思わせる映画もあり、第3話、パリ編が結構いいです。基>>続きを読む
ファティ・アキン監督の映画は、 「愛より強く」以来すべて見ていますが、前々作の「消えた声が、その名を呼ぶ」から、製作上の制約からかもしれませんが、かなり変わってきており、名の知れた俳優を使い、物語もわ>>続きを読む
12歳の子どものいる夫婦が離婚しようとしています。すでに夫婦どちらにもパートナーがいて、子供をどちらが引き取るかでもめています。親権を争っているのではないのです。どちらも自分の新しい生活には子供はじゃ>>続きを読む
ふたつの物語がどういう関係なのかとか、どうつながっているのかということを考えてもあまり意味がありませんし、それを伝えたい映画ではないように思います。
たとえば家にいて、ふっと何か今ここのものではない>>続きを読む
8割方セックスシーンのコメディのような映画。
ほぼ全編とは言わないまでも8割方はセックスシーン、それも内容はほぼ AVネタですし、映像的にも、XXXXやXXXなんて AVでしかやっちゃいけないことで>>続きを読む
描かれているのは、チャーチル(ゲーリー・オールドマン)が首相に就任する前日の5月9日から6月4日の有名な「We Shall Fight on the Beaches」の演説までの27日間です。
この>>続きを読む
前作「明かりを灯す人」は、自然豊かで、質素ではあっても豊かな暮らしを営んでいる村に、都会から、村を発展させ皆を幸せにしてやるという男がやってくることで起きる騒動を、のどかな雰囲気の中で描いていたのです>>続きを読む
大人向けのアイロニカルな舞台劇を見ているような映画です。
この映画、G8財務相会議の面々が、マジで自分たちが世界を牛耳っているかのように振る舞い、それをあたかも真実であるかのようにシリアスな音楽をバ>>続きを読む
なんだか難しい映画です。
HIV感染者への差別を描いているわけでもなく、ゲイ・コミュニティの映画というわけでもなく、青春映画というわけでもなく、ラブストーリーというわけでもなく、結局、刹那的な人間関>>続きを読む
http://www.movieimpressions.com/entry/2018/03/21/210207
から抜粋
この映画を爽やかでとても気持ちよく感じるわけは、こうした同性への愛を異性への>>続きを読む
「聖なる鹿殺し」なんてタイトル、無茶苦茶そそりますね。
ギリシャ悲劇『アウリスのイピゲネイア』をベースにしているとの話もありますが、直接的に物語を基にしているわけではないようです。それに、ネット上に>>続きを読む
クリント・イーストウッド監督が、何をどう撮ろうと思ったのかはよくわかりませんが、事件であるタリス内のシーンはラストの10分か15分くらいじゃなかったでしょうか。
じゃあ他のシーンは何を描いているの?>>続きを読む
なんとも奇妙な映画ですね。作っているうちに、何やってんだかわかんなくなってしまったような…(笑)。
アレクサンダー・ペイン監督、これまでの印象としては、ベースはヒューマンドラマ、主役のキャラがユニ>>続きを読む
この映画はモードとエベレットの愛情物語です。
二人がとても可愛らしく見えます。
生涯4メートル四方の小屋で暮らし、絵を書くことが生きがいの女性画家とそれを支えた夫の実話ベースの映画です。
http>>続きを読む
ミヒャエル・ハネケ監督はどうやら「死」に取り憑かれているようです。
前作「愛、アムール」に引き続き「死」について語っています。むしろ、この映画の方が「愛」がない分、より「死」に向かっているように思い>>続きを読む
ファンタジーものには必須のシンプルさとテンポの良さで最後まで集中して見られます。
そして何より、この映画は、今世界中に蔓延する「偏見」と「差別」に対して、皮肉を込めた心優しきメッセージでもって静かな>>続きを読む