灯火さんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

灯火

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ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

4.4

丁寧な本読みや会話練、誤魔化しがきかない部分であり演技の根本。懐かしいな。演劇ではみんな当たり前のようにやるけど、映画でここまで成立させているのはなかなかないんじゃないかなと思う。それ故に、どのシーン>>続きを読む

レイジング・ブル(1980年製作の映画)

4.2

ストーリーに対する必然性を映像で担保してるというか、映像それ自体が強い説得力を持つような、そんな映画だな。
この人の映画はそういうのが多い気がする。脚本は至って単純なんだが、見いってしまう。

アンチクライスト(2009年製作の映画)

3.6

ハウスジャックビルトみたいなの撮ってるから、結構論理的な監督だと思っているけど、いかんせんキリスト教的なメタファーが何を指しているのか分からないので、理解しづらい部分が多くなっちゃう。結果ただの鬱映画>>続きを読む

硫黄島からの手紙(2006年製作の映画)

4.0

どこまでも虚しい戦争だな。
コントロールされた彩度がリアリティを作ってる。ひとつの映画内でこうもうまく使い分けられると、白黒の画面の美しさがわかる。
戦力差の割に長引いたなと思った。日本軍が玉砕をやめ
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この世界の片隅に(2016年製作の映画)

4.1

すずさんのあっけらかんとした強さが、逆につらい…。多くの人にとってそうであっただろう普通の暮らしに焦点を当てて、細かく丁寧に描かれている。悲しくて苦しくてつらくなる。

わが青春に悔なし(1946年製作の映画)

3.8

後半の受難のシーンよりも、どうしても前半の幸枝に魅力を感じてしまうわね。糸川に土下座を強要する原節子の表情、あの数秒の表情の変化だけで前半のシーンの幸枝の置かれている状況や心情の多くを物語らせている、>>続きを読む

パリ、テキサス(1984年製作の映画)

4.6

このレビューはネタバレを含みます

僕にとっての、映画表現の一つの理想形。
自然な時間の流れの中で、ひとつひとつは仔細な、しかし映画を通して見れば大きな変化に対して、丁寧に焦点を当てているのが心地よい。
大人だとか子供だとか、親と子だと
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ストップ・メイキング・センス(1984年製作の映画)

4.1

志磨遼平が公民の時のツアーでオマージュしてたのはこれだったんだな。
やっぱりサイコキラーが1番好き。

サマーフィルムにのって(2020年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

一歩足を踏み出す勇気と一瞬にかける熱量、衝動、いつか失ってしまうであろうあの軽率さに青春の本質をみた。ポップで生きた音楽の使い方と映画ならではのテンポ感がとても心地よかったな。ハダシが人間にフォーカス>>続きを読む

CLIMAX クライマックス(2018年製作の映画)

4.4

ギャスパーノエ本当に凄い。映画表現の可能性を問い直す。どこまでが虚構でどこからが現実か、どこまでが映画でどこからが自分か、境界が曖昧になってくる。唯一無二の映画体験。

アイズ ワイド シャット(1999年製作の映画)

4.3

事実を共有し承認してくれる第三者の存在があって初めて事実は事実たり得るが、逆に一人称でしか語られない事実は夢と区別することができない。その曖昧な狭間を彷徨う緊張感、恐怖がとてつもなくリアルに描かれてい>>続きを読む

アメリカン・スリープオーバー(2010年製作の映画)

4.1

これはオレがまだ魔法を使えた頃の話だ…
そういう感覚もいつの間にか薄れて忘れ去ってしまうのかもしれない。
今日この夜に何かが起こる気がする、そうやって彷徨った夜が私にもあった。
オレらは魔法を使えたん
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リップヴァンウィンクルの花嫁(2016年製作の映画)

3.8

雑に流し見た。途中までは、なーんにも考えてない優柔不断な女が綾野剛に搾取されてく映画と思ったけど、黒木華がカラッポなのはフィルターとして純粋なものにするためなんじゃないかな。そしてシュールエンド、あれ>>続きを読む

式日-SHIKI-JITSU-(2000年製作の映画)

4.1

大部分が「わけわからん」の連続なんだけど、段々と整合性が取れてきてしまうっていうか、庵野の面影を媒介にしてあらゆる要素が組み合わさってしまう、奇妙な感覚になる。
かと思えば、これは確実に庵野自身の言葉
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Tribe Called Discord:Documentary of GEZAN(2019年製作の映画)

4.2

GEZANを通してアメリカのストリートのかなり奥深いところにまで入り込んでいける。象徴的な歌詞が具体的にどういう経験やリアルに依拠していたのか、よく分かった。

LIFE!(2013年製作の映画)

3.8

25番が何のネガか、中盤くらいで想像ついたわね〜
いいなあ、またバックパックしたいなあ

リバー・ランズ・スルー・イット(1992年製作の映画)

3.9

自然、信仰、生まれ育った土地、家族、そういったものに対する適切な向き合い方を丁寧に探っていく映画にみえた。そしてそれらはフライフィッシングという技藝を通して有機的に結びつき、生を形作っていく。そういう>>続きを読む

セッション(2014年製作の映画)

4.2

ジャズの持ってる独特の緊張感を映画に反映させていた。フレッチャーとバンドの関係はキューブリックのフルメタルジャケットを連想する。血だらけの指に絆創膏を巻き付けて合奏に出ていた中高のジャズ研時代を思い出>>続きを読む

アデル、ブルーは熱い色(2013年製作の映画)

3.9

前半はマジで最高だった。
ちょっとした視線の動かし方に心を持っていかれた。顔のパーツの中でも目が特に物語るなあと思う。目の奥にその人の本質が見える。
画面の配色めちゃ綺麗だし、撮り方も細かく工夫凝らし
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街の上で(2019年製作の映画)

4.0

目当てだったマヒトの弾き語りがめちゃくちゃ良かった。不覚にもそこで泣いちゃってびっくりした…。あんなに綺麗な声で歌えるんだ。弾き語りの方のライブにも行ってみたいなというモチベになった。
今泉監督の作品
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undo(1994年製作の映画)

3.5

結構抽象的なので見る人によっては受け取り方がかなり変わりそうだけど…
ふとした行動、無意識の行動(あるいはギリギリ意識できてるんだけど止められなかった行動)によって相手を縛り付けてしまうことはある。し
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friends after 3.11【劇場版】(2011年製作の映画)

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なんとなく流し見した。
ノスタルジーにこだわって映画をとってる人だし。

ラストレター(2020年製作の映画)

4.5

岩井俊二監督の作品をひと通り見てから本作品を鑑賞したので、より衝撃が大きかった。これを描けるようになるまで長かった…。やっとここに辿り着けたんだなと思うとまた涙が出る。監督自身の故郷を舞台に選んで、自>>続きを読む

トニー滝谷(2004年製作の映画)

3.7

想像力が限定的になるという意味で映像が文章に負けている感じがあった

四月物語(1998年製作の映画)

4.0

私にとってはこれまでもこれからも経験することのできない”上京”
知らない街での新しい生活を身ひとつではじめるときの不安や高揚感
好きだった人に憧れ続けること
アパートの隣人に作り過ぎてしまった夕飯を分
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ヤクザと家族 The Family(2021年製作の映画)

3.9

色彩豊かな空のカット、煙突と煙、画面の明度・彩度の変化 わかりやすく丁寧な良い演出 ヤクザ映画は結局報われず最後ロクな死に方しないのが良い

花とアリス(2004年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

高校生であるが故の不器用さや不自由さを抱える女の子を描くのがうますぎる
自我を極力薄めた男のキャラクターがまたそれを引き立ててんだなと思ったり 強い光の使い方と音楽、夢見てるようなぼやけた画面作りは相
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セブン(1995年製作の映画)

4.5

観客を引き込んで離さない陰影や情景の作り込み、超細やかなサウンドデザイン、カメラワーク、ビジュアル、何よりテンポ感と時間配分、これら全ての目的が、徹底的にストーリーの魅力を最大化することに向かって、丁>>続きを読む

ハッピー・デス・デイ(2017年製作の映画)

3.8

よかったんだけど、パームスプリングス見ちゃったからな〜

シングルス(1992年製作の映画)

3.6

もっとグランジにフォーカスした映画だと思ってたけど、90年代の一般的なシアトルの雰囲気を捉えている映画だった。こうして見てみるとエディーヴェダーの方がグランジらしいというか、カートコバーンはグランジと>>続きを読む