ばっしぃさんの映画レビュー・感想・評価

ばっしぃ

ばっしぃ

臨場 劇場版(2012年製作の映画)

3.3

長塚京三の存在感がとても優しく厚みを増している。
心神喪失で減刑されるという理不尽さは未だに理解できない。

ポテチ(2012年製作の映画)

3.7

中村義洋監督×伊坂幸太郎作品で、こんな作品があるのを知らなかった。お人好しでお節介な空き巣と運命が交錯するプロ野球選手。短編をシンプルにまとめた中にも最後のホームランにはシンプルに感動する。
濱田岳、
>>続きを読む

鳩の撃退法(2021年製作の映画)

3.7

虚構と現実を行き来しながら、観客をもスリリングに騙して行く。さすが佐藤正午の小説だけあってストーリーが論理的に緻密で面白かった。おそらく小説の方が時間と空間をより立体的に描いているのだろう。映画でそれ>>続きを読む

由宇子の天秤(2020年製作の映画)

3.9

真実を追及するドキュメンタリー監督としての矜持、加害者や被害者の家族がマスコミや世論から受ける被害への深慮、自分の生活への影響に対する打算、全てを天秤にかけて現在の均衡を保ち続けることは不可能である。>>続きを読む

太秦ライムライト(2013年製作の映画)

4.0

浪人の佇まいと斬られる背中で存在感を表す役者福本清三。その生き様をそのまま映画に投影している。殺気溢れる殺陣の迫力の凄さはもちろんだが、初の主演でも老いと憂いを演じきり深みのある存在感を示している。山>>続きを読む

99.9-刑事専門弁護士‐ THE MOVIE(2021年製作の映画)

3.2

物語はとても重く、いいものだった。
相変わらず見ていてイラッとするやりとり、無駄なカットが多く、ガチャガチャしていてテレビドラマとしては見られるが映画とするには無理があった。最近はなぜスペシャルドラマ
>>続きを読む

必殺仕掛人 春雪仕掛針(1974年製作の映画)

3.5

マカロニウェスタンのような音楽での始まりがかっこいい。山村聰、緒形拳、林与一、みんな声が艶っぽくてかっこいい。悲しい運命も全て地獄まで背負っていく。

ウェディング・ハイ(2022年製作の映画)

3.7

結婚式は開く側も出席する側も心を込め、その気持ちが凝縮する場、故にいろんなハプニングが起きる。それをうまくコメディに仕立て上げている。バカリズムならではの伏線回収はお見事。大九監督とバカリズム脚本の奇>>続きを読む

必殺仕掛人 梅安蟻地獄(1973年製作の映画)

3.6

「晴らせぬ恨みを晴らし ゆるせぬ人非人を消す いづれも仕掛けて仕損じなし 人呼んで仕掛人 但し此の稼業江戸職業づくしには載っていない」
TVシリーズが好きでよく見ていた。緒形拳、林与一(左内さんじゃな
>>続きを読む

夜逃げ屋本舗(1992年製作の映画)

2.9

借りない賢さ、貸さない優しさ、どちらが正義なのか?クズはクズなりに立ち直ろうとしているから助けるという道理もあるが、クズは何度でも同じ過ちを繰り返す、そんな奴を助けることにどうしても賛同できない。ヤク>>続きを読む

マイ・ニューヨーク・ダイアリー(2020年製作の映画)

3.5

東海岸に憧れ文学に憧れ、夢を持った若者が主人公で、モノローグを多用しているせいかWoody Allenテイストが漂っている。
作家志望の女の子がサリンジャーとサリンジャーのファンから多くの刺激を受け、
>>続きを読む

大怪獣のあとしまつ(2022年製作の映画)

3.0

子供の頃からウルトラマンがやっつけた怪獣はその後どうするんだろうと思っていた疑問をテーマにした映画。始まりは安いシンゴジラといった感じ。怪獣の後始末をネタにした政治風刺でリアリティがあるほど面白いのだ>>続きを読む

マイ・ブロークン・マリコ(2022年製作の映画)

3.9

親から虐待を受け、彼氏からも虐待を受け、どんどん壊れていく親友のマリコ。マリコを面倒に思いながらも心配するシイちゃん。全くタイプの違う二人が心の奥底でつながっていて、自殺してからも親友とのダイアローグ>>続きを読む

自分の事ばかりで情けなくなるよ(2013年製作の映画)

3.5

クリープハイプの楽曲をテーマにした4話のオムニバス。若い頃特有の自我をコントロールできずうまく生きられない感じ、人生の敗者や弱者に寄り添った歌に勇気づけられ支えられる。
本編とは関係ないが、キネマの舞
>>続きを読む

その日、カレーライスができるまで(2021年製作の映画)

3.6

短編だがほとんどが真っ暗なアパートに中年男が一人きり、聞こえる音は雨の音とラジオとカレーを煮込む音だけ。息子が亡くなり空いた心の穴はずっと埋まらず、息子の写真とのダイアローグは切ない。ラジオとカレーが>>続きを読む

ヒノマルソウル~舞台裏の英雄たち~(2020年製作の映画)

3.8

リアルタイムで長野のジャンプ団体の金メダル獲得の瞬間を見て感動したが、その舞台裏でこんなドラマがあったとはさらに感動せざるを得ない。
代表候補の人たちは全員フィジカル的にも技術的にも高いところで競い合
>>続きを読む

スワロウテイル(1996年製作の映画)

4.0

貧しさから桃源郷を求めてたどり着いたyentown。そこでもなかなか貧困から這い上がれず、異国の隙間、社会の隙間、人間の尊厳の隙間、希望と絶望の隙間に落ちた場所。偽札で見せかけだけの刹那の幸せを掴むが>>続きを読む

15時17分、パリ行き(2018年製作の映画)

3.3

実話の高速列車銃乱射事件で立ち向かった若者3人の物語。異色なのは3人の生い立ちを丁寧に描いていることと、本人たちが本人役で出ていること。単なるパニック映画になりそうなところ人間ドラマとして仕上げている>>続きを読む

老後の資金がありません!(2020年製作の映画)

2.8

もうちょっと面白いのを期待していたが、実に見るに耐えない。切実な老後のお金の問題をもっと扱えばいいのに、老後の資金問題ではなく、見栄ばかりで現実に目を向けず金銭感覚が0の人しかいない問題ばかりに苛立つ>>続きを読む

ダ・ヴィンチは誰に微笑む(2021年製作の映画)

3.7

ダヴィンチの一枚の絵画を取り巻く狂想曲をミステリー仕立てに描いたドキュメンタリー映画。
美術品の価値は純粋な芸術性としての価値だけでなく、ブランドとしての価値、投資対象としての価値など多面的で、ゆえに
>>続きを読む

薔薇の名前(1986年製作の映画)

2.9

中世の修道院を舞台にしたミステリーで話としてはよくできているが、この世界観に最後まで入り込めなかった。信仰と狂気は紙一重。愛欲も笑いも禁じられ、異端は罰せられ排除される。そんな歪んだ宗教観の話。

天使のくれた時間(2000年製作の映画)

3.7

投資家として成功し金と名誉が全ての男が、ある朝起きたら13年前に別れた恋人と家庭を持った人生に。そこにはお金はないがかけがいのない家族との生活。「地球へようこそ」から「おかえりパパ」へ子供からも認めら>>続きを読む

喜劇 大安旅行(1968年製作の映画)

3.0

懐かしい喜劇シリーズ。フランキー堺の車掌のシリーズも安定感がある。マドンナ役の新珠三千代、妹分の倍賞千恵子、脇を固める伴淳、左卜全、園佳也子らも定番感がある。

正義のゆくえ I.C.E.特別捜査官(2009年製作の映画)

3.7

アメリカの移民問題にまつわる群像劇。9.11と民族問題、宗教問題、不法入国と強制退去、グリーンカードに帰化問題、移民の孤児などの問題が提示される。夢や希望を持って移住したが問題は山ほどあり、この映画で>>続きを読む

ハナレイ・ベイ(2018年製作の映画)

3.3

村上春樹の短編で行間に心情が表現されているが、映画ではハワイの自然の風景と吉田羊の表情で表されている。

マゴリアムおじさんの不思議なおもちゃ屋(2007年製作の映画)

3.4

魔法がかかった不思議なおもちゃ屋と243歳のマゴリアムおじさんと人生に行き詰まりを感じているモリーと少年エリックの物語。
色鮮やかなファンタジックな世界と希望を見失ったモノクロの世界の対比もいい。おじ
>>続きを読む

リチャード・ジュエル(2019年製作の映画)

3.6

アトランタオリンピックの時の実話をクリント・イーストウッド監督が映画化した作品。あまり背景の脚色を過度にドラマティックにすることなく、事実を比較的コンパクトにテンポよく描いているが、その中にも作品とし>>続きを読む

沈黙ーサイレンスー(2015年製作の映画)

4.0

信仰の自由がテーマでとても重厚な映画。信仰は人々に救いを与え、ものすごい力となる。だから為政者にとって恐怖であり歴史的に迫害された。切支丹を弾圧していた当時の日本におけるキリスト教は日本に何をもたらし>>続きを読む

護られなかった者たちへ(2021年製作の映画)

3.8

震災に加えて生活者保護の厳しい現実がテーマ。重たくて扱うのが難しいテーマながら、それぞれの立場や心情を丁寧に描き、とても見応えのある内容だった。
瑛太演じる役人の無機質な表情と清原果耶の真っ直ぐな表情
>>続きを読む

シムソンズ(2006年製作の映画)

3.0

シムソンズをモデルとしたスポーツ青春映画。女の子たちの前を向いて頑張っていく姿が光っていた。

ハウ(2022年製作の映画)

3.3

ハウがとにかく可愛い。ハウの演技もすごい。ストーリーは安直だが単純に感動できる。

いぬ(1963年製作の映画)

3.6

この頃のフランス映画は最初のタイトルバックから世界に引き込む。白黒で光と影が差す道をただ歩いていくだけなのにかっこいい。
警察に仲間を売ったイヌが誰か疑うことを軸にストーリーを展開していく。クールなハ
>>続きを読む

劇場版 ルパンの娘(2021年製作の映画)

3.4

テレビの続編ではあるが、ストーリー展開的にもLの一族の重大な秘密が明かされ面白かった。

(ハル)(1996年製作の映画)

3.6

Windows95が出て人々がパソコンを使い始めた頃の物語。パソコン通信でのネットワーク空間でのつながり方、匿名性の付き合いの走り、現実空間とネットワーク空間のバランスなど、当時の環境や時代背景、空気>>続きを読む

配達されない三通の手紙(1979年製作の映画)

3.5

ミステリー映画ブームの70年代に、正統派エラリー・クイーン原作を萩を舞台に映画化。野村芳太郎監督が緩やかな物語進行の中でも人物描写を大事に描いている。お金持ちの良家に育ちの違う人が紛れ込んで愛憎のもつ>>続きを読む

コンフィデンスマンJP 英雄編(2022年製作の映画)

4.2

今回は3人がお互いに騙し合い競い合うという今までにないスタイルで、一人ずつスポットを当てつつ少しずつ種明かしをしていく。それでも誰が味方で誰が敵で誰から何を騙し取ろうとしているのか全くわからない。そう>>続きを読む

>|