ばっしぃさんの映画レビュー・感想・評価

ばっしぃ

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Wの悲劇(1984年製作の映画)

3.8

夏樹静子原作の『Wの悲劇』を劇中劇に使う贅沢さ。全体としては舞台で脚光を浴びることを夢見る若い駆け出しの女優のラブストーリーで、劇中劇の身代わりをオーバーラップさせ、現実の世界で一世一代の大芝居を打た>>続きを読む

幼獣マメシバ(2009年製作の映画)

3.2

引きこもりの35歳を世界に引っ張り出すために、母親が豆柴を使って仕掛けた壮大な鬼ごっこ。映画はかなりファンタジー色があるので、ドラマ版も見てみたい。佐藤二朗の毒を含んだ心の声がこぼれ落ちてしまう演技が>>続きを読む

探偵物語(1983年製作の映画)

3.3

大人と子供の狭間の女子大生がむこうみずにも果敢に奮闘する、ミステリー仕立てのラブコメディ。角川映画×赤川次郎×鎌田敏夫×薬師丸ひろ子×松田優作という80年代の黄金タッグ。当時はあまり思わなかったが、今>>続きを読む

勝手にふるえてろ(2017年製作の映画)

4.1

相手にどう見られているか、どう思われているかを自分の価値観だけで評価していて、相手の気持ちに寄り添おうとなんかしない。相当にこじらせている。もっと素直に生きられればいいのだが、簡単にはできない。正直に>>続きを読む

パンとスープとネコ日和(2013年製作の映画)

3.6

小林聡美、もたいまさこ、光石研、塩見三省らが出ている、緩くて優しいドラマ。

クワイエットルームにようこそ(2007年製作の映画)

3.6

精神病院の閉鎖病棟というなかなか重いテーマを扱っているが、松尾スズキらしいアナーキーな過剰な演出でコミカルに仕上げている。人は相当に面倒なことに囲まれながら生きている。心は鎧を着て強そうに見えるが、少>>続きを読む

ノマドランド(2020年製作の映画)

4.4

ノマドの人たちは自らこの生き方を選んでいるのか?様々な事情で選ばざるを得ないのか?そこには社会や経済の問題も影を落としている。一見自由な生き方にも見えるが、何者にも守られない不安の中で生きている。定住>>続きを読む

甘いお酒でうがい(2019年製作の映画)

3.7

40代独身女性の日記風。大きな変化のない日常の些細な発見、喜びも哀しさも淋しさも諦めも強がりも迷いも葛藤も深淵も恋心も、まるで植物の観察日記のように、すべて心の声で淡々と語られる。シソンヌじろうの独特>>続きを読む

プルートで朝食を(2005年製作の映画)

3.9

アイルランドの政情と時代の流れの中で、孤児のゲイが翻弄されながらも親探しの旅をしていく話。細かく章に分けタイトルが付けられ、音楽とともにテンポよくポップに展開していて、とても見やすい。コマドリの会話な>>続きを読む

恋妻家宮本(2017年製作の映画)

3.7

正しいかどうかも大事だけど優しいかどうかはもっと大事だ。うまく話せないならそばにいるだけでいい。不器用で優柔不断で自分をうまく好きになれない旦那に阿部寛はぴったり。蝋燭の灯りの中、第二のプロポーズシー>>続きを読む

禅と骨(2016年製作の映画)

3.2

ヘンリ・ミトワの人生、生き様を描いた映画。戦前、戦中、戦後を日米のハーフとして両国の狭間を生き抜き、禅や茶道、華道、陶芸、絵画、そして映画と実に多才な人だった。ドキュメンタリーを軸にドラマやアニメを組>>続きを読む

しあわせの隠れ場所(2009年製作の映画)

3.9

アメリカに残り続ける、黒人にまつわる格差や差別の問題。劣悪な環境によってどれだけの有能な人材が埋もれてしまっただろう。マイケル・オアーを受け入れた家族の温かく時に熱い応援と確かな絆が彼をプロにまで導い>>続きを読む

最高の人生のつくり方/最高の人生の描き方(2014年製作の映画)

3.7

老いらくの恋に家族愛を重ねた、ロブ・ライナーらしい優しいラブロマンス。歳をとってもマイケル・ダグラスはセクシーだし、ダイアン・キートンはチャーミングだ。

シェフ!~三ツ星レストランの舞台裏へようこそ~(2012年製作の映画)

3.5

フレンチコメディで軽く見られる。ジャン・レノが味と厚みを与えながら軽やかにコメディを演じているのがいい。

キャスト・アウェイ(2000年製作の映画)

3.8

遭難して無人島での4年間。希望を持てば絶望が待っている。しかし希望を捨てたら生きることはできない。奥さんのことを思い続けることで希望を持ち続けたのだが、生還後にこんな絶望が待っているとは。それでも絶望>>続きを読む

羊と鋼の森(2018年製作の映画)

3.4

ピアノにまつわる思い出や情熱、それらに関わる調律師の繊細さ、面白いところにスポットライトを当てている。
「明るく静かに澄んで懐しい文体、少しは甘えてゐるやうでありながら、きびしく深いものを湛へてゐる文
>>続きを読む

ビューティフル・マインド(2001年製作の映画)

3.8

偏屈な数学者からのプロポーズに対して奥さんの愛情の証明は宇宙の証明と同じと答えるのがお洒落。数学者の鋭敏で繊細な神経ゆえ精神を病み、幻覚がどんどんひどくなっていく。そんな旦那を献身的に支える妻の強さで>>続きを読む

キッチン(1989年製作の映画)

1.8

当時とても流行っていた吉本ばななの小説を森田芳光が監督した映画。小説の空気感は出ていたが、主人公の二人の演技があまりに拙くて見ていられない。80年代の日本映画はこのレベルの作品も結構あった。

ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ(2016年製作の映画)

3.4

ビジネスの成功と拡大に野心は必要だが、野心が誠実さを上回った時、ビジネスではなくただの虚飾だ。レイ・クロックは確かに目の付け所はいいし、商才に秀でていたかもしれないが、こういう不誠実な人間もビジネスも>>続きを読む

ポネット(1996年製作の映画)

3.6

4歳って何もわからなさそうで実はよくわかっている、いろいろわかっていそうでよくわからない、そんな年頃。母の死をどう受け止めるのか?そもそも死が何を意味するのか、どう理解するのか?ポネットが神様に祈りを>>続きを読む

シャッター アイランド(2009年製作の映画)

3.8

設定と配役の妙。閉ざされた孤島の精神病棟の刑務所を舞台に、謎と幻覚が交錯し、最後まで陰謀と幻覚のどちらが真実か最後まで巧妙に惑わさせられた。

サウンド・オブ・メタル ~聞こえるということ~(2019年製作の映画)

4.0

一時期、片耳だけ急性難聴になったことがあるが、耳に水が溜まったような不快感とずっとこのままだったらという不安感に襲われた。耳が聴こえなくなったら世界との付き合い方を再構築しなければならない。それは想像>>続きを読む

レイニーデイ・イン・ニューヨーク(2019年製作の映画)

3.7

人生は気まぐれな運命のイタズラで些細な歯車のズレから意図せぬ方向に動いていく。雨はそんな運命のイタズラを象徴的に演出する。最後に意外なオチがあり、自分の歩む道を選択するという、ウディ・アレンのお得意の>>続きを読む

ホノカアボーイ(2008年製作の映画)

3.7

ハワイ島北東の小さな町ホノカアを舞台にしたゆるーい映画。風景も映像も優しい。置き去りにしてきた時間がゆっくりと流れ、そこに住む人たちはみんな優しい。特に倍賞千恵子演じる少し人見知りでとても人懐っこいビ>>続きを読む

お名前はアドルフ?(2018年製作の映画)

3.5

世の中には言っていい冗談と悪い冗談がある。売り言葉に買い言葉で言わなくていいことまで口走り、しこりは残り続け矛先はあちこちに向けられ、怒りは飛び火し連鎖する。次々と隠していた秘密や不満が飛び出す。それ>>続きを読む

望み(2020年製作の映画)

3.7

加害者か被害者か、いずれにしても悲しい結末。親としては信じたい気持ちと最悪の事態の想定で気持ちが揺れ動く。
マスコミとネットの憶測に基づく無神経、無責任かつモラルのない発信、拡散が第二、第三の不幸を呼
>>続きを読む

インターンシップ(2013年製作の映画)

2.7

IT無知なおっさん二人がGoogleのインターンシップに紛れ込み、やることなすこと破茶滅茶だが人生経験と人望でTeam workを構築し若い子達を導いていくという王道のお決まりパターンのストーリー。

チップス先生さようなら(1969年製作の映画)

4.6

グノテセイヨートン。己を知れ。こんな人間的な先生に出会えたら、幸せ。

シェフ 三ツ星フードトラック始めました(2014年製作の映画)

3.9

パパと息子のロードムービー。お互いを認め合い心を通わせていく様は微笑ましい。SNSに疎いパパと自由に使いこなす10歳の息子の対比が面白い。映画に出てくる食べ物は全部美味しそうだし、美味しいものはみんな>>続きを読む

止められるか、俺たちを(2018年製作の映画)

4.0

尖りたい心、溢れる若い熱量、交わる創造力、60年代終わりから70年代の一番熱かった頃の日本に憧れを抱く。若松孝二のカリスマ性と才能に集まる若い才能は、時代と自分の才能と闘いながら疾走するがエネルギーを>>続きを読む

羊の木(2018年製作の映画)

2.6

サスペンスかと思って見始めたらなかなか展開せず、ヒューマンドラマかと思って見ていたらいきなりサイコパス。ラスト30分だけが緊迫感だと思ったら、結局迷信の話。これは原作の問題なのか脚本の問題なのか。キャ>>続きを読む

最強のふたり(2011年製作の映画)

3.8

障害者は腫れ物のようにすごく気を遣われてしまうが、本人にとってはかえって居心地の悪いことなのかもしれない。ドリスの少々乱暴だが気さくでずけずけ入り込んでくる関係性、距離感が案外心地よいのだろう。貧富の>>続きを読む

キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン(2002年製作の映画)

3.7

実在する人物の実話に基づく物語としては面白かった。手口の大胆さと巧妙さと動機の幼さのアンバランスさ、FBI捜査官との関係性など主人公の魅力がこの映画の魅力だろう。

ヒキタさん! ご懐妊ですよ(2018年製作の映画)

3.4

妊活の辛くて大変な日々を、二人で支え合いながら前向きに歩んでいく姿を描いている。期待と失望を繰り返す日々は本当に辛いんだろう。これは二人の愛の形を探す日々なのかもしれない。明るく描いているけど、結構辛>>続きを読む

騙し絵の牙(2021年製作の映画)

3.7

時代の流れの中で、文芸、書店の衰退の危機にどう生き延びていくかをテーマに、エンターテイメント作品に仕上げている。伝統的な文芸派と改革派が鎬を削る面白さがあり、最後までどんでん返しのストーリーで面白かっ>>続きを読む

007 スペクター(2015年製作の映画)

3.7

冒頭の太鼓のリズムに合わせた4分にもわたるワンカットシーンから始まるいきなりのアクションは緊迫感があってかっこいい。久しぶりのスペクターの登場だが、やはり対峙する悪の組織があったほうがよい。

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