もとまちさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

車夫遊侠伝 喧嘩辰(1964年製作の映画)

3.9

三度目の結婚式を迎えるラスト。男と女、スモークに包まれた橋の上、官能的な光と影の交錯。もはやフィルムノワール。桜町弘子の微笑みと共に、彼女の背後を光が満たしていくあの幕切れが美しい。男女の心が重なり合>>続きを読む

我が胸に凶器あり(1996年製作の映画)

3.0

作り手が楽しそうにカメラ回してる様子を遠くからボーっと眺めてる感じ。車内ワンカット高低差銃撃スローモーション射殺怪奇映画ごっこ。あれもやりたい、これもやりたい。溢れ出るB級活劇への憧れと欲望。こういう>>続きを読む

明治侠客伝 三代目襲名(1965年製作の映画)

3.7

コッテコテのニンキョーやニンジョーがいっぱいいっぱいで胃もたれ起こしそうになったけど、画面がずっとパキっててカッコいい。祭りを俯瞰&線対称で捉えた美しいファーストカット、からの強烈な殺し屋顔面アップ。>>続きを読む

そして、神はカインに語った(1970年製作の映画)

3.8

夕闇のおとずれと共に、嵐を引き連れて過去の亡霊が街に帰ってくる。鳴り響く鐘、吹き荒ぶ風、たなびくカーテン。男たちのむさ苦しい西部劇空間に、古色蒼然とした怪奇映画のムードが突如流れ込む異様さ。闇夜を縫っ>>続きを読む

ザ・トレイン(1989年製作の映画)

3.4

なんかもったいない。悪霊が機関車を乗っ取るって設定は面白いし、顔面がベロベロ剥がれるわ人体が真っ二つに割れるわでゴアシーンも充実してる。鉄道局が暴走機関車を何とかして食い止めようと線路を解体したり野郎>>続きを読む

やくざ絶唱(1970年製作の映画)

4.1

おもしろすぎる。シスコンヤクザ勝新が妹への迸る性的欲求を暴力衝動へと転化させ、周囲の人間を誰彼構わずブン殴る。増村お得意のキチガイ映画で最高。制御不可能の暴力マシーンと化した勝新が終始ヤバい。圧倒的な>>続きを読む

未亡人館の惨劇(1971年製作の映画)

3.2

あまりにもどん詰まり過ぎるオチ。本当の本当に追い詰められた時、人は爆笑するしかない。主人公の運命を文字通り突き放す(ズームアウトする)カメラワーク。無情のエンドクレジット。

SEXマシーン 卑猥な季節(2005年製作の映画)

3.7

ノリも世界観も苦手だけどショットがクソ端正だから全然見れる。平和な日本の日常風景の中にコオロギの存在だけでこれほどデタラメな異世界を構築出来たんだからもう勝ち。滾るエネルギーをセックスで発散する吉岡睦>>続きを読む

妄想少女オタク系(2007年製作の映画)

3.8

余裕で怖い。キラキラ映画の定石を踏まえるフリしてズラしまくった映画。バリバリ不穏なアンビエントノイズに唐突な8mmフィルム映像。語られる物語とは明らかに別の出来事が画面上で起こっている。思うに、堀禎一>>続きを読む

千年女優(2001年製作の映画)

4.3

劇場で大音量ロタティオン聴けて無事昇天できました。本当にありがとうございました。

色情団地妻 ダブル失神/わ・れ・め/笑い虫(2006年製作の映画)

3.8

ぜんぜん意味わかんなくて面白かった。堀禎一のフィルモグラフィ順に追ってるけど段々ジョセフ・ロージーみたいになっていくな。どこから突っ込めばいいのか分からんくらいに変な瞬間ばかり。鏡ファック、プロレス、>>続きを読む

草叢/不倫団地 かなしいイロやねん(2005年製作の映画)

3.9

脱・「団地妻」映画。一人の人妻と、彼女を取り巻く団地という空間がめちゃくちゃ立体的に描かれていた。子供たちのはしゃぐ声、廃品回収車のアナウンス。何気に凝られまくった音響。会話の「間」やちょっとした仕草>>続きを読む

愛欲温泉 美肌のぬめり(1999年製作の映画)

3.5

血まみれの葉月蛍が月明かり射し込む森の向こうへと消えていくあのワンカット。完璧! 昼間はのどかな温泉街の風景をひたすら冷たく撮ってるのに、夜が来ると『サスペリア』みたいなパッキパキの照明に変わるのお>>続きを読む

SEX配達人 おんな届けます/宙ぶらりん/弁当屋の人妻(2003年製作の映画)

3.9

バカみたいなタイトルからは想像もつかないほどの丁寧な人間ドラマ。アラサーカップルの停滞とすれ違いという普通の話を超丹念に撮っていて感心しきり。「ピンク映画」としての濡れ場がひとつも無く、どれも男と女の>>続きを読む

汚れた女(マリア)(1998年製作の映画)

3.8

罪と罰で繋がれた男女による地獄のような温泉旅行。殺したくても殺せない男と死にたくても死ねない女が雪原の中でずっとウダウダやってる。どうしたって救いは無いし、でも引き返すことはもう出来ないから、とりあえ>>続きを読む

迷い猫/新宿♀日記 迷い猫(1998年製作の映画)

3.9

記者が殺人を犯した女へ淡々とインタビューするだけの内容なのにずっと面白い。無表情を保ちながらも呆れや憤りを薄っすらと滲ませる平泉成の熟達した芝居。それに対する長曽我部蓉子の虚無と諦念が入り混じった「空>>続きを読む

セックス・フレンド 濡れざかり/セックス・フレンド 発情(1999年製作の映画)

3.6

倦怠期を迎えたカップルのちょっとしたロードムービー。だだっ広い田園風景と抜けるような青空。気だるげな夏の空気が充溢していてよかった。大人になれない男女たちがキャッチボールや追いかけっこをするっていう束>>続きを読む

青空/果てしない欲情 もえさせて!(2000年製作の映画)

3.8

ランナーズハイってこういうこと? 逃走手段としてのランニングが走ってるうちに目的化しちゃって、どんどん頭がおかしくなっていく男の話。ガサ入れに来た警察をかわして、夜道を裸足で駆け出すシーンが美しい。カ>>続きを読む

連鎖自殺 メル友(2001年製作の映画)

3.1

世紀末少女たちの憂鬱と死。屋上でセックスしながら「ねえ、ハルマゲドン来なかったね」「今なら、地球が終わってもいいよね」「ああ」。開幕早々こんなノリだからもうたまらない。大人になったら汚れてしまう、汚れ>>続きを読む

エスパー魔美 星空のダンシングドール(1988年製作の映画)

4.1

原恵一すげえなやっぱ。母の死、青春の終わり、朽ち果てた埋め立て地(お台場)。会話してる内に日は暮れる。過ぎ行くもの、時間の不可逆性への反発という『オトナ帝国』にも繋がりそうな主題。極力ケレン味を抑えた>>続きを読む

傷物語Ⅲ 冷血篇(2017年製作の映画)

3.3

人体バラバラスプラッターバトルだけおもしろかった。

傷物語II 熱血篇(2016年製作の映画)

3.5

OPかっこいい。音楽かっこいい。

羽川さんがどうしても好きになれなかった。
メガネっ娘苦手人間。

ソウル・サバイバー(1984年製作の映画)

3.8

旅客機の墜落事故でたった一人生還した女の元へ、拾い忘れた魂を手に入れるために死神があの手この手で襲いかかる。次々に現れるあの世からの刺客。ヒタヒタと緩慢に迫り来る死の恐怖。何気ない日常の中に異物として>>続きを読む

The Strange Vice of Mrs. Wardh(英題)(1971年製作の映画)

3.8

マルチーノのジャーロ第一作。最初の作品とあってかストーリーはかなりの正統派。人妻浮気モノと美女連続殺人事件が交錯するようなしないような。豪雨が降り注ぐ中での激しいセックス、肢体の上をきらきらと舞い散る>>続きを読む

女体(じょたい)(1969年製作の映画)

3.9

ほぼモンスター映画。プレデター浅丘ルリ子が愚かな男どもを次々に食い荒らしてはポイと捨てる。史上最狂の人生クラッシャー。本人はマジでやりたいようにやってるだけだからタチが悪い。悪意とか承認欲求とかそうい>>続きを読む

何がジェーンに起ったか?(1962年製作の映画)

4.0

ババアによるババアイジメを描いたドン引きサイコサスペンスが次第に異様な哀愁を帯びていく。縋るものが無さすぎてもはや可哀想なベティ・デイヴィス。マザコンピアノデブの気持ち悪いユーモア。姉妹の愛憎のかたち>>続きを読む

密殺集団(1983年製作の映画)

3.5

社会派サスペンスにもヴィジランテ・アクションにもなりきれない中途半端なシナリオはどうかと思うが、とりま夜の撮影がカッコ良すぎてご飯三杯はイケる。冷たい夜のL.A.をクールに切り取った映像はちょっと初期>>続きを読む

本番レズ 恥ずかしい体位/九月の堕天使(1994年製作の映画)

3.4

瀬々レズ。廃屋と世紀末と戦士症候群と。
俺の好きな平成がたくさん詰まってました。

放課後(1984年製作の映画)

4.0

田舎ヤンキー集団vs.肝っ玉兄妹(パパは陸軍大佐)の熾烈な戦いを描くバイオレンス・アクション。陰湿なイジメとその報復合戦が、最後には血で血を洗う殺し合いに発展! いくらでも惨く出来そうな話を爽やかティ>>続きを読む

高級ソープテクニック4 悶絶秘戯/迦楼羅の夢(1994年製作の映画)

3.4

団地映画。
よく分からんけど団地の撮り方がカッコ良かったのでオーケー👌