フルチがデ・パルマばりの撮影テクニックでグイグイ攻めてくるジャーロ。面白い。スローモーション&ジャンプカットを多用したスタイリッシュな悪夢シーン。電車の通路から真っ白な廊下への唐突な転換、行けども行け>>続きを読む
作品としての出来はさて置き、清水美砂のあまりにも完成され過ぎたビジュアルに完全に恋しちゃったので満点。一目惚れでした。
都市ビルを借りたと思しき殺風景な精神病院のロケーション。無機質な廊下、プール、エントランス。モダンなデザインがゆえの空疎さで暗鬱とした近未来を描く低予算ならではのセンス。前半は病院内をウロウロしてるだ>>続きを読む
途中までクソつまんなかったのに、ラスト手前でいきなり激ヤバキチガイホラーへと変貌するから困った。殺人事件の謎を追うミステリー展開はどこへやら、想像を絶する狂気のエネルギーによって物語は暴走する。映画そ>>続きを読む
「潜水艦映画にハズレなし」とはよく言うが、逆に言うと良作の数が多すぎて細かい所で差がつきやすい。
ヴェネツィアの風情あふれるロケーションをバックに、変態夫婦のアブノーマル性生活とサングラスハゲの連続猟奇殺人が並行して描かれる。濃厚なエロとグロが交互に楽しめるC級ジャーロ。たぶん尺の半分くらいがレオ>>続きを読む
戦争という巨大な暴力によって運命を歪められた二人の男が、再び暴力を行使することで自らの過去と対峙する。一人は自らの安全を確保するために、もう一人はかつての因縁を果たすために。終わりなき暴力の輪廻、戦後>>続きを読む
三池崇史がいちばんイケイケだった頃の傑作ヤクザムービー。抜群に面白い。超絶ガビガビな画質とドグマ95ばりにブレッブレなカメラワークが、画面に独特の情緒をもたらしている。古ぼけた質感がやけにエモい。漫画>>続きを読む
広島とフランス、戦争のトラウマを介して通じ合う男と女の刹那的交感。不倫だけど。原爆の爪痕が淡々と提示される強烈なオープニング、そして広島とヌヴェールがクロスする一連のモンタージュ、編集のキレ味!
きったねぇボロ雑巾みたいなスライム怪獣・カルティキが、人間や建物をドロドロ溶かしまくる! 皮膚を食いちぎられて眼球むき出しの髑髏と化した顔面、肉が溶けて骨だけになった腕...。50年代なのに80年代ス>>続きを読む
踊り狂う謎の老婆、分娩台に横たわる妊婦、青い目の男、振り下ろされるナイフ。開幕からビザールな悪夢世界が洪水のように展開され、パワフルな映像感覚にただただ平伏す。何が現実で何が夢なのかというジャーロにあ>>続きを読む
人間こうも最低かつ下品であれるのかと、深く感動いたしました。
人生絶望キッズ二人組のL.A.殺人旅行。やり場のない衝動と行き場のない不安、その果てにある無意味な暴力の虚しさ。何も成せず、周囲からも相手にされず、ミソジニーとルサンチマンを振り回すことでしか社会に関>>続きを読む
マザコン長男のブノワ・マジメルが、メンヘラサイコ女と奈落の底へ一蓮托生。ローラ・スメット、最初はパッとしない印象なんだけど、狂気のような愛を表し始めたとたんにどんどん美しくなっていくから凄い。地下室へ>>続きを読む
すげーオーソドックスなジャーロ映画。覆面殺人鬼、露骨な性描写、胡散臭い登場人物。お決まりのパターンが大体揃ってるけど、バーヴァやアルジェントの傑作なんかと比べればかなりアッサリしている。ブームに乗っか>>続きを読む
フランコ自身によるユルユルな『美女の皮をはぐ男』リメイク。変態外科医ヘルムート・バーガーとその仲間たちが夜のパリへとお出かけ、次々に美女を攫っては皮膚を引っ剥がす。その繰り返し。あとは雇われ探偵が囚わ>>続きを読む
己の意地とプライドを賭けて、オッサン同士が汗を滲ませながら静かに対峙する二時間二十分。やはりアルドリッチはブレない。社会派のポリティカル・サスペンスであっても、男と男の骨太で暑苦しいドラマを貫き通す。>>続きを読む
やべーめっちゃ面白い。軽薄なスラッシャーでありながら隅々まで手の込んだ演出に痺れまくり。斧でカチ割られた顔面を誤魔化さずにハッキリ捉える冒頭からして、本作がいかに信用に足る映画なのかがよく分かる。切り>>続きを読む
タネを明かせば大した真相ではないんだけど、難解なニューロティック・スリラーに仕立てたおかげで他のジャーロとは一線を画した怪作になってる。首吊りマネキンが現れる不気味なオープニングに始まり、途中まではシ>>続きを読む
ランベルト・バーヴァが撮ったジャーロ。意外と真面目にミステリーをやろうとしているが、演出はかなりぬるい。殺人シーンは超淡白、エロティックな見せ場も無く、ストーリー展開は火サスみたいな安っぽさ。真犯人も>>続きを読む
『猟奇!喰人鬼の島』に次ぐジョージ・イーストマン大暴れ二部作の後編。実験施設から脱走した不死身の殺人鬼(弱点は脳ミソ!)が出会った人間を片っ端から屠っていく。それだけといえばそれだけ。彼を追う神父や刑>>続きを読む
ジャック・パランス率いる狂人患者四人組が大停電の夜に精神病院から脱走! 道中で気に食わぬ人間を適当にブチ殺しながら、目指す場所はいけ好かない新任医師の自宅! 巨漢、放火魔、帰還兵、ジェイソン(?)とい>>続きを読む
デタラメ過ぎて面白い。家そのものが化け物となり、超自然のパワーで次々と人間を嬲り殺していく。怪異を霊的現象ではなく、物理的暴力として描いてしまうのがいかにもフライシャーらしい。蝿の猛襲に突然発火、『フ>>続きを読む
我がトラウマ映画。小さい頃、たまたま目にした本作のワンシーンがあまりにも恐ろし過ぎて、長らく見直すことを躊躇っていた。70年代のこういう陰惨なホラーはマジで怖い。人里離れた不気味な屋敷を舞台に、次々と>>続きを読む
追う者、追われる者。それぞれの素性がまるで明かされない宙ぶらりんの逃亡劇。迫りくる謎のヘリコプターと、ひたすら逃げ惑う二人の男。その極めてシンプルな構図が、何の説明もなくラストまで貫徹される。めちゃく>>続きを読む
真夜中から夜明けにかけてのアンニュイなパリの街並み、ガソリンスタンドの侘びしげな青白い照明が最高。卵焼いたり、菓子を食ったり、酒を飲み交わしたり。孤独な小太りのオッサンとアラブ人青年の間で、ダラダラと>>続きを読む
あんまりハマらなくて悲しかった。
見せ場を詰め込み過ぎた結果、根本の作劇がおざなりになるっていう最近多いパターン。
川井憲次の音楽は良かったです。
ハリケーンがマジでやべぇ。制作年代云々を抜きにしても、いや下手すれば現代のディザスター・ムービー以上に迫力があるかもしれない。荒れ狂う大波、吹きつける暴風、なぎ倒される木々。瓦礫の下敷きになって息絶え>>続きを読む
哀愁漂う70年代ゴシックホラーの良作。メランコリックな音楽で幕を開けるオープニングからして、既に物悲しいムードが画面に充満している。枯れ木に覆われた仄暗い森、閑散とした集落、何かに怯える住人たち、夜に>>続きを読む
窓枠を効果的に利用したカットの数々が、そのままラストの窓ブチ破りアクションへと繋がる演出の巧さ! オーディ・マーフィの動きもキレッキレですごい。物語自体はスピーディに展開させ、ここぞという局面でカメラ>>続きを読む
たけし流・アンチ大河ドラマ。過剰にカッコ良く描かれがちな戦国武将たちの戦いを、オッサン同士のしょーもない殺し合いとしてシニカルに描き出す。いかに歴戦の武将をカッコ悪く見せるか、その一点に演出を集中させ>>続きを読む