NOBUさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

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悪女/AKUJO(2017年製作の映画)

3.0

ともかくも映像が斬新でアクションシーンはかなりの見応えがある。冒頭から、ゲーム感覚のような構図でアクションが繰り広げられ一気に映画の世界へと没頭させる。ヒロイン、スクヒを演じたキム・オクビンは自分にと>>続きを読む

僕らの先にある道(2018年製作の映画)

3.8

北漂と言われる、田舎から北京にやって来たお上りさんを題材にストーリーが進行するが、決して裕福ではない等身大の上京組を描いている所に多くの中国人の共感を得たように思う。同時に一緒にやって来た二人のカップ>>続きを読む

ジャック・ドゥミの少年期(1991年製作の映画)

3.0

映画への情熱を燃やすジャックドゥミ監督の少年期を彼の妻でもあるアニエスバルダが監督した作品ではあるが、妻のドゥミに対する愛に溢れているのが、インサートでインタビューとして出てくるジャックドゥミ本人のシ>>続きを読む

汚名(1946年製作の映画)

3.0

ヒッチッコック監督にケーリー・グラント、イングリッド・バーグマンというスター勢揃いで制作された作品ではあるが、まだまだヒッチコック初期作品の部類に入る作品でそれほどのサスペンスと言えるものではなく、む>>続きを読む

君の結婚式(2017年製作の映画)

3.3

この手のストーリーはドラマ性も少なく平坦でつまらなくさせてしまう危険性すら感じるが、二人の表現力で見事に素晴らしい作品に仕上げている。

現在のウヨンの視点から過去に遡って高校時代から現代までのウヨン
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白い恐怖(1945年製作の映画)

3.0

ヒッチコックの初期作品でサスペンスホラーというモノではないが、端的に言って楽しめる作品であるし、イングリットバーグマンのファンとしてはやはり観ておくべき作品の一つであろう。

ただ、感情に乏しくあれだ
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あなた、そこにいてくれますか(2016年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

フランスの原作のタイムトラベルを題材にしているが、映画としては非常に出来栄えがよく、各キャラクターもよく練り上げられている。

映画を観ていて久しぶりに涙が溢れそうになった。

現在と過去のスヒョンの
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教授とわたし、そして映画(2010年製作の映画)

4.0

実に面白い映画である。なぜ面白いのか、これほどにまで脱力感極まりない作品であるにも関わらず、人生に対する皮肉をさらりとしながらしっかりと描ききっているからであろう。
面白い台詞を用意している訳でもない
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魔術師(1958年製作の映画)

3.8

ベルイマン作品の中で最もエンターテイメント性を取り入れた作品ではないだろうか。
とは言っても彼が元来テーマとしてきている生と死がしっかりと描かれており、そこに人々が持つ心の表裏と恐怖感を、それぞれの置
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ラスト・プリンセス 大韓帝国最後の皇女(2016年製作の映画)

3.3

日本では深く知られていない李氏王朝の末期、近代の韓国史からも一時は消し去られ、韓国併合の史実によって生じるイデオロギーに左右される悲しい過去の遺産ではあるが、映画という創作の観点からは見れば力作である>>続きを読む

ラストエンペラー/オリジナル全長版(1987年製作の映画)

3.2

劇場公開版はもう何度も観ていて素晴らしいことに変わりはなくく、ここで改めては書かない。
今回のこのロングバージョンは、溥儀を始め、其々のキャラクターをより深く理解する上では大変見応えのある作品。そして
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八日目の蝉(2011年製作の映画)

3.8

人間の持つ本質を見事なまでに描き抜かれた作品。
育ての母、実際の母、そして父の三者の立ち位置はそれぞれ複雑な心境を以って語っており、その人間関係の核となるのが、恵理奈であり薫であるが、過去と現在をクロ
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クレイマー、クレイマー(1979年製作の映画)

3.5

映画史に残る名作と言っていい作品。
今日の家族のあり方が代わろうしていたこの時代に新しい家族のあり方と現実を提示した作品であり、ストーリーに至っては申し分がない。

家事と子供の面倒を否応無く見る羽目
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ワン・デイ 23年のラブストーリー(2011年製作の映画)

3.0

映画としては、二人の主人公に対して確固たる目的を持たせていないストーリーであり、意外と難易度の高い構成なのであるのが、このエマとデクスターの二人がどうなっていくのか観る者をスクリーンから目を離させない>>続きを読む

彼女がその名を知らない鳥たち(2017年製作の映画)

2.0

蒼井優の演技も素晴らしく、関西弁も不自然なく日常会話で使う口語を台詞として見事に駆使しているところに彼女のプロ意識が現れている。
阿部サダヲも本当に素晴らしい。
関西人からすれば、ロケに使われる街並み
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沈黙ーサイレンスー(2015年製作の映画)

3.6

率直に言って、素晴らしい映画である。
藤沢周平の原作でスコセッシ監督が、日本の歴史ではあまり触れられないキリシタン禁制を深く掘り下げて描いている。
脚本視点からすれば、ストーリーは決して素晴らしいとは
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赤い風車(1952年製作の映画)

3.6

1952年の制作で70年近く前の映画でありながら色褪せることなく今観ても驚くほどの完成度に驚かされる。
画家アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレックの孤独で短い人生を描いた映画であるが、脚の障害が彼を孤
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青い凧(1993年製作の映画)

3.2

中国の近代史を知らなければこの映画は解らないし、つまらないで終わってしまう。
1953年というと、まだ国共内乱の傷跡が多く残っている中で第一次五カ年計画が発布され、新中国の発展に期待を寄せる市民たちの
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フランシス・ハ(2012年製作の映画)

3.0

モノクロ映像とアップテンポな構成で監督のセンスが一歩間違えれば、全編が失墜してしまいかねない所だが、さすがと言える。
フランシスは不器用な女性で物事が巧く噛み合わない女性で、見方を変えればイタいキャラ
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台北カフェ・ストーリー(2010年製作の映画)

3.0

幾多ものストーリーが台詞で語られ、それが、主人公の姉妹の心を動かせて映画を進展させていく手腕は見事である。台湾の多くの若い世代が持つ“外の景色”を観たいという願望が上手に表現されている。要するにカフェ>>続きを読む

天使が消えた街(2014年製作の映画)

1.8

結論から言って、残念な作品に思う。本作のストーリーの基軸になるイタリアでの事件と主人公の映画監督トーマスの世界が全く結びつくことなくストーリーが空中分解してしまっている。それぞれのキャラクターとそれを>>続きを読む

さよなら、僕のマンハッタン(2017年製作の映画)

3.5

ドラマチックな展開はそこまで強くないが、とにかく台詞が美しい。
父との確執に母の心の病、そして20代初めの多感な時期と相まって未来が見えずに悩む青年の視点が時折インサートで入るニューヨークの街のカット
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女と男の観覧車(2017年製作の映画)

3.5

ウディアレン作品では毎回、心の病んでいる人物が登場するが本作はほぼ全ての人物が病んでいる。
50年代の遊園地の空虚なコントラストに愉快な音楽が混じりその側では家庭が崩壊した男と女が現実的な考えから支え
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九月に降る風(2008年製作の映画)

4.0

一連の台湾青春モノの中では群を抜いて優秀な作品に思う。チャイムの音、野球観戦など日本人には馴染み深いサウンドが劇中から耳に入り、日本人なら誰もが自身の学生時代と照らし合わせて観るかもしれない。
仲良し
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彼は秘密の女ともだち(2014年製作の映画)

3.8

価値観や人生について深く考えさせられる映画である。女装する男の苦悩が全編に渡って描写されている中に、彼が見せるひと時の幸せな時間とは、彼の生きがいに共感できなくとも誰しもが持っている空間でついつい見て>>続きを読む

青いパパイヤの香り(1993年製作の映画)

4.0

1950年代からベトナム戦争が始まる前の1960代始めのごくごく穏和な時代にかけての一人の少女が召使いとして働きながら成長する話であるが、ベトナムの空気感を見事なまでに映像で表現されている。
台詞は最
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82年生まれ、キム・ジヨン(2019年製作の映画)

4.0

今、この時代に問われている女性の環境の問題を鋭く描き出した映画であるのは言うまでもない。
主人公ジヨンは特別な才能や特点を持った女性でもなく、韓国社会にありきたりと言っていいキャラクターであり、だから
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軍中楽園(2014年製作の映画)

2.8

中国と対峙する台湾金門島での軍隊が管理する慰安施設という影の部分が描かれた内容であり、そして、侯孝賢(ホウシャオシェン)のプロデュースと、中国、台湾それぞれの実力派俳優が出ているので大変見応えのある映>>続きを読む

アデライン、100年目の恋(2015年製作の映画)

3.5

脚本は至って深くまで練りこまれているわけではなく、ある程度は予想できるエンディングではあるが、本作最大のテーマでもある29歳のまま老化しないヒロインの苦悩をもっと引き出せたのではないかと思う。その意味>>続きを読む

太陽に恋して(2000年製作の映画)

4.0

おおよそ1時間半の尺ながらが、ボリュームたっぷりで、観劇後は2時間以上経った錯覚すら感じさせる。それだけに、構成がこの1時間半少しの中で、テンポよく次から次へと小刻みに変貌して随所に笑わせるネタを入れ>>続きを読む

グッバイ、レーニン!(2003年製作の映画)

3.6

タイトルから東ドイツの社会体制を批判した映画かと思いきや、もっぱら家族を描いた映画であり、体制主義の問題や抑圧された姿などほどんど顔を出さない。描いているのは、社会主義を信望する母のために必死になって>>続きを読む

ハンナ・アーレント(2012年製作の映画)

3.8

ハンナアーレントの人物像がアイヒマン裁判を通じて彼女の本質に迫った内容になっている。脚本の視点からすればドラマチックな要素はなくやや平凡ではあるが、アイヒマン裁判と自身への持論に没頭する姿に視点が絞ら>>続きを読む

ONCE ダブリンの街角で(2007年製作の映画)

2.8

音楽も当然素晴らしく、音楽で人と人を繋いでいく喜びがよく描かれているが、映画作品としては人間ドラマが単調すぎるように思う。そこには、それぞれのキャラクターの背景や生い立ちを語りだけで処理しているからで>>続きを読む

ベルンの奇蹟(2003年製作の映画)

3.3

敗戦後9年の1954年のこのスイスW杯が西ドイツにもたらした奇跡。この映画では、ある少年とその家族、そして、捕虜で帰還し家族と巧くいかない父の姿を中心に描かれた親子の物語ではあるが、そのラジオから聞こ>>続きを読む

帰れない二人(2018年製作の映画)

3.0

賈樟柯の作品でお馴染み趙濤が主役で二人の男女の17年に及ぶ人生を描いてるが、いつもの彼の作品と比べて、時代の変化とその人生のリンクがかなり弱いように感じる。時代の音を表現するのが巧い監督で、街の音やア>>続きを読む

シャンドライの恋(1998年製作の映画)

2.6

個人的には物足りなさの残る作品。テーマや経緯、そしてそこから通じる異文化の触れ合いなど、それに順ずる内容としては型にはまる事なく描かれており、カメラの構図などウォンカーワイファンにとってはどこか通じる>>続きを読む