crnさんの映画レビュー・感想・評価 - 12ページ目

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日日是好日(2018年製作の映画)

3.5

流し見していたら、黒木華に引っ張られ止められずに鑑賞。こういう役が本当に似合う。樹木希林と二人の雰囲気、和、四季、丁寧さ、等々の映画を構成するものが、想定どおりに安定しておさめられている印象。
家族や
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食べる女(2018年製作の映画)

3.0

テーマと女優陣を推したいというのが強く伝わってくる作品。
キャラクタそれぞれにちょっと素敵と思うところがあったり、しょうがないなと共感してしまうところがあったり、女性の群像劇としては成立してる。でも「
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この世界の(さらにいくつもの)片隅に(2019年製作の映画)

3.5

(さらにいくつもの)片隅も取り上げたことで、すずは女性らしさが増すなどキャラクタに厚みができ、彼女の周りの人々も彼女と同じように戦時下で日常を生きていたのだと見せている。のんびりとしたタッチの中で、人>>続きを読む

マザーレス・ブルックリン(2019年製作の映画)

3.0

色々な余分と都合のよさが目立つ作品。ノートンが初監督ということで頑張りすぎてしまったような印象。ただし、役者としてのノートンはさすがに上手。
いくら演奏が良くてもあれだけのジャズシーンは映画としては不
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存在のない子供たち(2018年製作の映画)

4.5

貧困、無知/教育の欠如、伝統や慣習/因習、そしてそれらの再生産は、多くの人たち延いては世界的な課題だとされるけれど、その状況の中にいる人自らが解決しようと動くことは難しい。この少年は親への絶望が強かっ>>続きを読む

ザ・サークル(2017年製作の映画)

3.5

最近よくあるSNSが人の社会を侵食していく系の近未来のお話。その中でこの作品の特徴は、SNS/システムへの対抗やその破壊ではなくて、それをより活用することによって未来を取り戻そうとするエンディング。>>続きを読む

ROMA/ローマ(2018年製作の映画)

3.5

これが観たくてNETFLIX加入。これだけ静かな作品が世界中で観られたことに驚く。黒寄りの白黒の映像美と、独特なカメラワーク。

クレオと彼女がメイドを務める家族と、階級も人種も違うけれど、人としての
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ロマンティックじゃない?(2019年製作の映画)

3.0

ウィルソンはこういうのが向いている。出来上がった世界と想像通りのエンディングに安心して見られるコメディ。
歌とダンスで締めるボリウッド的終わり方、増えていきそう。

彼女がその名を知らない鳥たち(2017年製作の映画)

3.5

映画のつくりとしては、ストーリー展開がうまくて、キャラクタと役者が見事にはまっていて、面白かったという感想。
主題については咀嚼が難しい。「あなたはこれを愛と呼べるか」というコピーに対しては、NOだと
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グリーンブック(2018年製作の映画)

3.5

好対照な2人が、どちらも人として魅力的だった。ロードムービーならではのさわやかさと、後半やエンディングでの人種を超えてつながろうとするシーンが後味良し。「人種よりも大事なものがある」という意識に支えら>>続きを読む

そらのレストラン(2019年製作の映画)

3.0

ほっこり&おいしそうな北海道作品シリーズ。今回はファンタジーになりすぎずに良いバランスだったように思う。安藤玉恵さんの現実っぽさが結構効いていたような印象。
かもめ食堂シリーズはいろんな国に独特の世界
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眺めのいい部屋(1985年製作の映画)

3.0

とてもきれいに映像化された大人の少女漫画のような作品。
演者がはまっているのに加えて、上流階級の文化や言葉づかい、そして音楽の力で2時間があっというまに流れる。BBC版「高慢と偏見」の近代版のような印
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ハメット(1982年製作の映画)

3.0

ヴィム・ヴェンダース×ハードボイルドというのが不思議で見てみたら、ヴェンダースらしさは感じなかった。
小説がそのまま映画になったようで、おそらく小説の方が想像が膨らむ分面白いのだろうと思う。映画として
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勝手にふるえてろ(2017年製作の映画)

4.0

松岡茉優見たさに鑑賞したら、彼女の良さが良く出ていた。
根っこの暗さ、自分の世界、その中での強さ、感情のブレやその表現としての暴言や歌、等々の振れ幅が非常に魅力的。繊細だけどアニメチックな表現も分かり
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バースデーカード(2016年製作の映画)

3.5

簡単に言えば、親子の愛情、とか、家族の絆、とかになるのだろろう。筋書きはわかりやすいし、結末が分かっているのに、一人ひとりの表情や言葉に惹かれて見てしまう。皆、良い人たちだから。
アタック25に傾く後
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蛇のひと(2010年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

蛇のひとが幸せなエンディングが難しいのは最初から分かっていて、その彼が生きるか死ぬかを思いながら観るサスペンス調ドラマ。
西島さんの関西弁の完成度の低さが回収されることもなく、振り返りパートの子どもた
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万引き家族(2018年製作の映画)

4.5

社会の認めるかたちや正しさと、人の幸せは必ずしも一致しない。家族って何だろう、幸せって何だろう、優しさってなんだろう、と思わされた。
誰かと自分の幸せのために家族というかたちをとり、誰かの幸せのために
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はじまりのうた(2013年製作の映画)

4.0

気付けば二回目の鑑賞。でも見て良かった。
音楽映画は心をつかみやすくてずるいなといつも思うけれど、この映画はストーリーの中に音楽の要素がしっかり組み込まれていて上手。音楽を創る人の感情や対人関係の変化
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高台家の人々(2016年製作の映画)

2.5

自由に脳内妄想している最初の30分のおもしろさと、脳内を読まれないようにと好きな人をブロックするせつなさまでは、お話はきれいに流れる。その後、主人公はハッピーエンドに向かって行けたけれど、観ているこち>>続きを読む

今夜、ロマンス劇場で(2018年製作の映画)

3.0

オズの魔法使いのように白黒の世界が色づき、オードリー・ヘップバーンのようなお姫様が現れ、ビッグ・フィッシュのように過去と今が交互に展開していく。ちょっと昔の映画のポスター(高峰節子!)や映画撮影所(京>>続きを読む

女が階段を上る時(1960年製作の映画)

4.5

いかにも銀座のママっぽく立ち振る舞っているのに、ママになりきることにためらいや諦めがある女性の姿がよく現れていた。
映画の中での存在感でいえば、男性は女性の添え物。でも、女性は男性を頼ったり使ったりし
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あらくれ(1957年製作の映画)

4.0

男の情やらある種の生命力に絆されやすい女っ気と、許せない相手とは取っ組み合う男勝りな勝気さを持つ主人公の女。男に依存せず逞しく生きようとしながら、男なしでは生きられない/生きないという生命力が物語を引>>続きを読む

フラワーショウ!(2014年製作の映画)

2.5

実話をもとにしたサクセスストーリーに、イマドキの自然志向と、まっすぐな若者の恋愛。面白くなりそうなのにそうならないのは、映画としては筋とキャラクターが薄っぺらいから。主人公ふたりの環境破壊への批判とそ>>続きを読む

女の座(1962年製作の映画)

4.0

成瀬版の東京物語。
原節子の品が高峰秀子の不幸せオーラに変わり、小津の作りこまれた抑制が成瀬だと人情やら下世話さやらに富んだ群像劇になる。キャストがそれぞれ個性的で、より大衆的なおもしろさ。
東京物語
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島々清しゃ(2016年製作の映画)

2.5

自分から自分の世界を閉ざさないということがテーマなのだろうとは思うけど、どうも弱い。人が死んだり来たり去ったりがお話の都合に合わせて簡単に起こりすぎな印象。
安藤サクラのキャラクタと使い方が中途半端な
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風前の灯(1957年製作の映画)

3.5

一家に激しく人が出入りする1日のコメディ。皆、自分可愛さ、お金欲しさを遠慮なく出し合って、にくらしいけどおかしい。戸口のベルが鳴るたびに、次は何?と楽しみになる。
戦中・戦後を生き抜き、生さぬ仲の家族
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20センチュリー・ウーマン(2016年製作の映画)

4.0

お話の構成が良い。撮り方が今っぽくてきれいだし、史実やその時代の物の取り入れ方がおしゃれで、話の重たさが軽減される。
20世紀の一時をともに過ごした年代の違う女性三人が丁寧に描かれていた。皆根幹にある
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驟雨(1956年製作の映画)

3.5

夫婦が互いに責め合っているとはいえ、夫のモラハラがひどい。家庭内不和に加え、妻は敵意ある近所づきあい、虚弱体質の夫はリストラに通勤地獄にも苦しめられる。
全体的に見ていてあまり気持ちが良くない。これを
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恋人たちの予感(1989年製作の映画)

3.5

鑑賞者の視点がどんどんふたりに集中されていく。
結末が想定できても、何年にも亘るじれったい過程を観るのが大事。結末は、ハリウッド的というのか、くっつけばそれでハッピーエンドとみなされる。その感覚は数十
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細雪 ささめゆき(1983年製作の映画)

4.0

4姉妹、京都の風景、上流階級的な生活、と、品の良い美しいものづくし。独特の言葉遣いがまた世界観をくっきりさせる。
はかなさや悲しさの強い作品かと思ったら、互いを思いやる姉妹とその周囲の人の温かさがまさ
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月曜日のユカ(1964年製作の映画)

3.5

加賀まりこの可愛いさにやられる。頭を使わず本能と感情で生きているような、透明な表情と動きが上手。天性の小悪魔が、純なままに行動した最後、純粋さの別の面が見える終わり方もよい。
時代を感じさせたり、今で
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噂の二人(1961年製作の映画)

3.5

1961年に、女性の同性愛への社会の反応を映画にできたとは。ウィキペディアによれば原作は1934年の演劇とのことで、さらにびっくり。
楽園的な前半の雰囲気からラストのサスペンスまで、話がスムーズに展開
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ジェイン・オースティンの読書会(2007年製作の映画)

4.0

物語や登場人物の理解は人それぞれで、同じ本の話をしていても皆自分に引き付けて読んでしまう。オースティンを通して、自分のことを語りあう読書会のメンバーたちは良くも悪くも自分に正直。徐々に一人ひとりの個性>>続きを読む

しあわせのパン(2011年製作の映画)

4.0

大人のための童謡、おとぎばなし。洞爺湖の美しく移ろう自然の中で、ゆったりと生きながら誰かを癒そうとする人たちのお話。夢見がちで、出来すぎなストーリーでいい、求めている通りだから。
劇場公開以来の鑑賞。
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パリの恋人(1957年製作の映画)

3.0

オードリー見たさを満たす1.5時間。本人の歌と、バレエ仕込みのダンスが見もの。
映画はおしゃれに始まり、王道のサクセスストーリーとラブストーリーに落ち着く。前半の方がテンポが良く、オードリーの変身もあ
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カラスの親指(2012年製作の映画)

2.5

なんとなく見始め、なんとなく見終わってしまった。最後の種明かしは一人語りが中心で20分というのはちょっと長すぎる。演技する役者本人の癖が強くて、役同士の雰囲気がかみ合わない。
と、振り返るとネガティブ
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