DZ015さんの映画レビュー・感想・評価 - 15ページ目

消えた声が、その名を呼ぶ(2014年製作の映画)

4.4

100年前のオスマン・トルコ。アルメニア人鍛冶職人のナザレットは愛する妻と双子の娘と幸せに暮らす。しかし第一次大戦が始まると強制連行され奴隷同然の過酷な労働を強いられる。

そこからまぁ怒涛の不幸の連
>>続きを読む

バーバラと心の巨人(2017年製作の映画)

4.0

友だちも作らず空想世界に生きる少女バーバラ。バーバラは巨人がやってきて自分の住む町を破壊すると信じて疑わない。「怪物はささやく」を想起するダークファンタジーテイストの成長物語でかなり好みの世界観。アイ>>続きを読む

屋根裏の殺人鬼フリッツ・ホンカ(2019年製作の映画)

4.1

強烈。1970年代ドイツに実在した連続殺人鬼フリッツ・ホンカの物語。大好きな監督のひとりであるファティ・アキン作品とあっては見逃せない。

シリアスな作品かと思いきやブラック・コメディ的な仕上がり。軽
>>続きを読む

だれもが愛しいチャンピオン(2018年製作の映画)

5.0

半端ない傑作。傲慢な性格のプロバスケットボールコーチのマルコ。重大な交通違反から命じられた社会奉仕活動は知的障がい者たちで構成されたバスケットボールチーム「アミーゴス」の指導。

ブラックだけど温かい
>>続きを読む

ヘヴィ・トリップ/俺たち崖っぷち北欧メタル!(2018年製作の映画)

4.3

劇場で観たかったが都合がつかないうちに終わってしまった待望の作品をようやく!最高すぎた。

「ジャンルは?」
「終末シンフォニックトナカイ粉砕反キリスト戦争推進メタル」

というやりとりで爆笑出来る種
>>続きを読む

ルイの9番目の人生(2015年製作の映画)

4.7

映画も音楽も本も、日々とても追いきれないほどリリースされる。生きている間にとても消化しきれない、と思うと苦しくなるのでいつからか「自分が本当に必要とする作品にはいつか必ず出会う」と考えるようになり落ち>>続きを読む

ロスト・イン・ラ・マンチャ(2001年製作の映画)

5.0

「テリーとの仕事はキツい。まるで裸馬に乗るようなものだ」
「脳みそを切断したい。アイデアがありすぎるのよ!」

当時61歳にしてスタッフにこう称されるテリー・ギリアム監督のバイタリティ。

「ドン・キ
>>続きを読む

残酷で異常(2014年製作の映画)

4.2

はいタイムループSF掘り出し物。設定的には主人公の冴えない中年エドガーが何度も何度も「妻を殺した」状況に戻ってしまうという定番。しかし観ている間はすごく面白いが鑑賞後なにも残らないことが多いループもの>>続きを読む

黒い司法 0%からの奇跡(2019年製作の映画)

4.8

「俺たちは生来有罪なんだ」

はい号泣。どこまでも温かな目線が持ち味のデスティン・ダニエル・クレットン監督のノンフィクションということで期待値はとても高かったが余裕で超えてきた。えん罪で死刑宣告された
>>続きを読む

家族を想うとき(2019年製作の映画)

4.3

「わたしは、ダニエル・ブレイク」に続き、身につまされすぎて辛い作品。

イギリス、ニューカッスル。4人家族の父リッキーがマイホーム購入を夢見て宅配ドライバーとして独立することから歯車が狂いだす。「個人
>>続きを読む

SKIN 短編(2018年製作の映画)

4.1

とんでもなく濃密な21分。映像、演出共にセンスが抜群なのでエンタメとして観ることが出来てしまうが、とても根深い差別問題が内包されている。終わりなき負の連鎖。どうしたら断ち切れるのか鑑賞後に考え込んでし>>続きを読む

ミッドサマー(2019年製作の映画)

4.1

ようやく観れた。噂に違わぬ強烈な作品。暗闇や大きな音、振り向くと間近にいるといったこけおどしに一切頼らないどころか、白夜のスウェーデン、青空、カラフルな色彩、祝祭という逆張りホラー。なのにものすごく怖>>続きを読む

ボーダーライン(2015年製作の映画)

3.6

ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督作品なのでもちろん緻密で重厚な仕上がり。しかしこの前に観てしまったのが壮絶すぎる「灼熱の魂」だったのが災いしてか、ヴィルヌーヴ監督作品の中では「普通」に思えてしまった。

やは
>>続きを読む

人生スイッチ(2014年製作の映画)

3.4

シニカル、ブラックな笑いを好む人間にはたまらないオムニバス作品。1話目から最高すぎて。

オール・アバウト・マイ・マザー(1999年製作の映画)

3.8

とてもシリアスで辛い展開なのに鑑賞後ほっこりとした「愛」が残るのは何故だろう。成人男性は認知症のおじいさんとエロしか頭にない劇団員しか登場せず、あとは女性とゲイの物語というところにもペドロ・アルモドバ>>続きを読む

ドリームハウス(2011年製作の映画)

3.3

切ない系サスペンススリラー。「永遠の子供たち」とか好きなら。

イマジン(2012年製作の映画)

4.5

「彼らは一日中店の外で通りを眺めてる だが何も見てないんだ」

リスボンの視覚障害者施設に赴任した自らも全盲のイアン。指や舌を鳴らした音の反響で周囲を把握する“反響定位”を教える。

素晴らしすぎた。
>>続きを読む

たかが世界の終わり(2016年製作の映画)

4.6

「愛されてないと?理解されてないと?そのとおりよ。理解できない。でも愛してる。」

参った。漫然と観ていたらよその家庭の不仲を延々と観せられるだけの作品だっただろう。

根が素直(自称)なのでオープニ
>>続きを読む

裸足の季節(2015年製作の映画)

3.0

軟禁状態の5人姉妹と、ソフィア・コッポラ監督「ヴァージン・スーサイズ」を力強い女性像で描く現代版にアップデートしたような作品。

衝撃的な出来事は起こるもののストーリーは至ってシンプル。美少女たちの戯
>>続きを読む

アップグレード(2018年製作の映画)

3.8

「ソウ」シリーズの脚本担当のリー・ワネル監督作品。さすがの手腕で低予算を逆手に取ったような斬新なアイデアに唸らされる。よく練られたシナリオを含め、ありがちなAI暴走モノのひとつの到達点じゃないでしょう>>続きを読む

草原の実験(2014年製作の映画)

4.1

これは凄い。一切台詞のない96分。シュールで詩的でファンタジック。ただひたすらに映像美を堪能する寓話的作品かと思いきや、実はリアルで過酷な現実がドキュメンタリーばりに表現されている。繰り返しますが、凄>>続きを読む