DZ015さんの映画レビュー・感想・評価 - 14ページ目

ナイチンゲール(2019年製作の映画)

4.3

いわゆる復讐劇に端を発し、徐々にイギリス人、アイルランド人、アボリジニによる多層的な人種差別問題が焦点に。

絶望と希望がないまぜに描かれ、いいように揺さぶられる。「バハールの涙」同様に自分が「男」と
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AMY エイミー(2015年製作の映画)

5.0

2011年7月23日。27歳という若さで急逝したイギリスのシンガーソングライター、エイミー・ワインハウスを追ったドキュメンタリー。敬愛するシンガーのひとりなのですぐにでも観たかったが、なかなか覚悟が決>>続きを読む

1917 命をかけた伝令(2019年製作の映画)

4.0

とにかく「全編ワンカット」(に見える映像)が話題の作品。確かに緊張感と没入感が半端ではなくあっという間の110分。巧みな編集を抜きにしてもどうやって撮ったのかと思う驚愕シーン目白押し。サム・メンデス監>>続きを読む

ポーラX(1999年製作の映画)

4.3

裕福な家庭で何不自由なく暮らすピエール(ギョーム・ドパルデュー)の前にある日突然異母姉と自称するイザベル(カテリーナ・ゴルベワ)が現れる。

まずもってピエールが暮らす城館がいきなりのツボ。洋館好きと
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ポンヌフの恋人(1991年製作の映画)

4.8

「目の前に海はあるのに あんたは足元しか見てない」

名作として名高い本作。甘ったるそうな邦題から今日まで放置していたことを激しく後悔。まばたきすら躊躇するような作品だった。全身の神経がむき出しの状態
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ボーイ・ミーツ・ガール(1983年製作の映画)

3.9

シンプルなストーリーであるのに画が強すぎて全然頭に入ってこない(良い意味で)。ハイライトシーンのひとつであるモノクロによく映える爬虫類顔のアレックス(ドニ・ラヴァン)とすきっ歯の美女ミレイユ(ミレイユ>>続きを読む

ロスト・ボディ(2012年製作の映画)

3.9

安置所から忽然と消えた一体の死体を巡るサスペンス。これまたすごいシナリオだこと。「私が、生きる肌」や「灼熱の魂」にも似て、若干のえずきと共に「おえぇ」と「うわぁ」が混ざって「おわぁ」とか変な声が出てし>>続きを読む

しあわせな人生の選択(2015年製作の映画)

4.5

これだから欧州映画はやめられない。余命宣告されたスペイン・マドリード在住の主人公フリアン。カナダから会いに来る親友トマス。笑いに振った軽い仕上げかお涙頂戴かに二分されやすいテーマですが、どちらにも振ら>>続きを読む

ネオン・デーモン(2016年製作の映画)

3.8

ずっと気になっていたがあまりの低評価に後回しにしていた作品。意外性もあって普通に好みだし面白かった。そもそも「The Neon Demon」というタイトルがカッコよすぎて優勝。

LAのファッション業
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12モンキーズ(1995年製作の映画)

4.7

どうしても観たくなって再鑑賞シリーズ。公開時はそれなりに(それなりに)若かったし着想を得たという短編映画「ラ・ジュテ」も知らなかった。なので1/3も理解していなかったように思う。多分3回目の今回。「謎>>続きを読む

アクト・オブ・キリング(2012年製作の映画)

4.0

60年代インドネシアで起こった100万人規模の大虐殺。いまも“国民的英雄”として平穏に暮らす実行犯たちにその虐殺を映画として「再演」してもらうというとんでもないドキュメンタリー。

殺人部隊リーダーの
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ガタカ(1997年製作の映画)

5.0

どうしても観たくなって再鑑賞シリーズ。これも好きすぎる一本。「優れたSF」として魅了された本作、十数年ぶりに観ると現実がSFのような世界になってしまったが故か「優れた人間ドラマ」として響き、こんなに泣>>続きを読む

ペルドリックス(2019年製作の映画)

3.9

いわゆるミニシアター系の良さがみっちりと詰まった愛すべき作品。事件などとても起こりそうもないのどかな田舎町の警官ピエール・ペルドリックスの前に突如現れるエキセントリックな女性ジュリエット。ピエールと家>>続きを読む

素敵なサプライズ ブリュッセルの奇妙な代理店(2015年製作の映画)

4.3

ある出来事をきっかけにすべての感情が止まったオランダ貴族のひとり息子ヤーコブは日々をどう自殺するかに費やす。ある日ひとりの女性に出会い少しずつ変化が。

というあらすじからはありがちな愛する存在に出会
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ガーンジー島の読書会の秘密(2018年製作の映画)

4.7

一冊の本をきっかけにガーンジー島の読書会メンバーと文通をするようになる作家のジュリエット。

もう全方位美しさしかない映画。最高。ガーンジー島の景色、人の高潔さ、愛情、友情、絆。どれもこれも美しすぎて
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アイデンティティー(2003年製作の映画)

4.1

嵐により寂れたモーテルに閉じ込められた11人が遭遇する恐怖。謎が謎を呼ぶ展開に1分たりとも気の抜けないサスペンスの傑作。



だが観始めて1時間後に昔観た作品であることに気付いた自分が一番のサスペン
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ネリー(2015年製作の映画)

3.6

テーマは重いのにまるで一編の詩のような、とても美しく柔らかなショートフィルム。この監督の長編も観てみたい。

コスモス(2015年製作の映画)

3.1

凄いものを観てしまった。アンジェイ・ズラウスキー監督の遺作となってしまったこの作品ですが遅ればせながらの初鑑賞。登場人物全員が狂ってる上に基本会話劇なので何を見せられているんだろうかと自問。丁寧な狂気>>続きを読む

バニー・レークは行方不明(1965年製作の映画)

4.5

面白すぎた。アメリカからロンドンに来たばかりのアン。保育園に預けている4歳の娘バニーを迎えに行くが姿はなく誰も見ていない。全登場人物が怪しい。

この手のミステリーは真相が分かってしまうと急激にテンシ
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ウンベルトD(1952年製作の映画)

4.2

辛い。30年公務員として働いたウンベルト。なのに年金だけでは家賃すら満足に払えない。1952年の作品ですよ。この頃から人の悩みがまるで変わっていないことに慄然とする。そんな食うや食わずの生活でも、愛犬>>続きを読む

未来を生きる君たちへ(2010年製作の映画)

3.9

親の難しさ。愛情の伝え方。とことん考えさせられる一作。正反対の性格の少年エリアスとアントン。どちらも親からしっかりと愛情を注がれているのに道を踏み外していく。「暴力」がひとつの大きなテーマ。中でもアフ>>続きを読む

ユキとニナ(2009年製作の映画)

3.8

パリに住む9歳の女の子ユキとニナ。基本は両親の離婚問題に振り回される子供たちを描く物語ながら、ホームビデオのような画質、フランス語と日本語、日仏の景色、現実と非現実が対比、交錯し、なんともファンタジッ>>続きを読む

少年と自転車(2011年製作の映画)

3.8

良いときも悪いときも相棒。そんな「自転車」がとても印象的で象徴的。甘い言葉で近づいてくる人間は信用出来ないのは万国共通。でも誰かひとりでも本気の愛情を与えてくれる存在がいれば人は大丈夫。たとえそれが肉>>続きを読む