ブルーベルベット以来のデヴィッド・リンチのパワーが凝縮されたような作品。
観る人をかなり選ぶのは間違いないが、ミステリとしての味わいが濃厚。同時にハリウッドの裏社会に対する風刺シーンも鋭く、エスプレ>>続きを読む
観る人を選ぶといえば、デヴィット リンチ、コーエン兄弟あたりが代表格か。この映画はそのコーエン兄弟の作品だが、わかりやすいエンタメ作品に徹していることもあり、かなり観やすい作品に仕上がっている。
音>>続きを読む
この作品の前作も見事なのだが、個人的にはこちらのほうに軍配を挙げたい。2010年代を代表する、魔法少女アニメの傑作である。
予備知識なく観たため、本作もフェイトとなのはが主人公なのだろうと思っていた>>続きを読む
砂漠と恋愛は相性がいいのか、シェルタリング・スカイや近作マリアンヌも砂漠とが舞台のラブストーリー。しかしこの映画の恋は、恋は恋でも不倫である。しかしなんとも美しい不倫である。倫理的にはダメだけど。>>続きを読む
4時間弱の大長編映画。これだけの長さの映画だと、国家や民族や歴史を題材にした作品が多いと思う。旅芸人の記録や、1900年などがその好例だろう。ところが、この映画で描かれているのは、台北の街の中の少年少>>続きを読む
ハマる人はとことんハマるだろうし、嫌いな人は途中で観るのを止めてしまうだろうなと思われる、かなり人を選ぶ作品。舞台は1939年、内戦終結直後のスペインの山あい。陰鬱なことこのうえない時代と場所が舞台。>>続きを読む
ここ10年のディズニー映画では圧倒的な傑作だったズートピアに較べたら、さすがに分が悪いかな…。とはいえ、いわゆるディズニー映画の「プリンセスもの」の中では、屈指の作品であるのは間違いない。
導入部は>>続きを読む
これは凄い。ここ最近、比較的落ち着いていたようにも感じる韓国映画のパワーが、この作品に結集されたような印象さえ受ける。
見終わった後の疲労感が半端ではない。全身のエネルギーを使い果たしたよう。話その>>続きを読む
脚本には色々と突っ込みどころがあるけれど、とても演出がよくてなかなか楽しい。ホラーというより、家族の物語だったかな。キャストがなかなか豪華で、演技合戦が楽しい。
華やかな結婚式の裏側でマフィアと依頼人の会談が進んでいたり、洗礼式と同じタイミングで凄惨な事態が発生していたり…と、多面的な要素を併せ持った作品。
これは冷酷さと包容力を持ったマーロン・ブランド演じ>>続きを読む
映画の中の「ここぞ!」という場面で流れる、ハンス・ジマーの曲がめちゃくちゃカッコいい。あの音楽を熱いアメフトシーンで流されたら、そりゃ最高ですわ。
アメフトに限らずスポーツを題材にした映画は試合の場>>続きを読む
ライアン・ゴズリングがスーツを着ているからといって、ラ・ラ・ランドみたいな話ではありません。あしからず。
サブプライムローンの破綻を予見して、金融市場で巧みに売り抜けた四人のトレーダーたちの話。金融>>続きを読む
インディ・ジョーンズシリーズの中で一番好き。冒頭の今はなきリバー・フェニックスの大立ち回りの掴みから、どんどん物語が加速していく感じがとてもいい。
ショーン・コネリーは無敵おじさんの役柄が多いイメー>>続きを読む
エマニュエル・ルベツキのトレードマークが、「俺、こんな長回しができるんだぜ。すごいだろ!」だとしたら、木村大作のトレードマークは、「俺、こんなシチュエーションでも撮影できるんだぜ。すごいだろ!」になる>>続きを読む
もし就活中の人がたまたまこの映画を観たら、絶対に大企業には就職したくないと思うだろうなあ。組織や企業の論理によって仲間が引き裂かれ、個人が潰されていく話だから。
多くの人々が交錯するけど、その中にお>>続きを読む
「マンチェスター・バイ・ザ・シー」に期待しつつ、観る前でのケイシー・アフレックのベスト演技はこれだと思う。
登場人物も物語上決して多いとはいえず、さらに話も淡々と進むので、確かに合わない人は合わない>>続きを読む
全映画好き必見!と叫びたくなる快作。そりゃあ、トリュフォーが撮ればいい作品ができて当然だとは思う。でも、この作品はトリュフォーの技術よりも映画への愛情が中心。映画が好きで好きでたまらないからこそ、この>>続きを読む
ツィゴイネルワイゼンを思い出した。いや、あの清順作品よりよほど分かりやすい映画なんだけど、役者たちから放たれる色気があの映画に匹敵すると思う。その一方で、どんなにダメ男でもどうしても離れられない女性の>>続きを読む
いい脚本を、うまい監督が名優たちを使って演出したら素晴らしく楽しい映画になるんだなあとしみじみ。ストーリーもいいけれど、豪華俳優陣の演技合戦を観てるだけで満足感が半端じゃない。
男優たちの芝居を一手>>続きを読む
男臭さ全開(三國連太郎&緒方拳の名演!)なのに、女性の空気が常にまとわりついている。小川真由美から放たれる、たおやかで妖艷なのに、破滅へと疾走していくすさまじいエネルギーが強烈だった。男優陣と同じか、>>続きを読む
初めて試写会に行って観た映画。
池脇千鶴目当てで行ったら、綾野剛ファンになって帰ってきました。高橋和也の「大事にしてるから、おかしくなるんじゃ」のセリフがずっと突き刺さっている。
ひたすら辛くて苦し>>続きを読む
チャップリンの天才ぶりを再認識させられる映画。ラストシーンのダンスは即興ですか…すごい。
自動食事マシーンは大爆笑。
傑作。パチーノもいいけど、デ・ニーロが素晴らしい。階段でのシーンはデ・ニーロの演技も撮影も最高。
湖のシーンでの、寒々とした寂寥感が印象に残る。
原作はかなり陰惨だけど、こちらの映画版はかなり明るい印象。都会の男の子と、田舎の女の子の、ほのぼのするボーイ・ミーツ・ガールもの。
イングマルの家庭環境が、さらりと映画に深みを与えている。
これはよかった。脚本がとてもしっかりしてて、ラストカットで最後の1ピースが綺麗にはまったような感動があった。過去のトラウマを、自分の力でしっかり乗り越えていくんだ!というテーマも好き。
小学生なのにこんなに作れるんだ!という驚きもありつつ、でもこんな授業を受けた子たちなら、きっと大きく成長していくんだろうなあ…。と思ったり。図工の授業の合間に挟まれる、小学生たちへのインタビューも印象>>続きを読む
もう、痛い。相手や時には自分自身のわがままに振り回されたり、その感情をどうすることもできないまま、ぐっとこらえたり。妻夫木聡がそうした感情の波のような移り変わりを、本当に鮮やかに演じていた。全て終わっ>>続きを読む
母親の息子を思う母性と、息子を守ろうとする狂気は紙一重。全てが明らかになったとき、母親は狂うしかなくなってしまった。このあと「アジョシ」を観て、ウォン・ビンの天才ぶりに震えた。
ハッピーエンドでも、なんか腑に落ちないなあ…。と思ってしまうものもある中、この映画のバットエンドなのに信じられないほどの爽快感といったら!ボガードもさることながら、ヒューストンの、どこか達観したような>>続きを読む
純愛…でもあるけれど、異国に来た心が寂しい者同士が、お互いの孤独を埋めるためにそっと寄り添い合う物語。誰しもが異国に来たら感じるであろう、普遍的な感情が映っていた。スカーレット・ヨハンソンの色気にやら>>続きを読む
キューブリックといえば、シャイニングや時計じかけのオレンジが有名だけど、これは偏愛してる一本。前半と後半が綺麗に分かれているのが特徴的。主人公は傍観者で、前半は教官が、後半はあるスナイパーが物語を支配>>続きを読む
ミュージカル映画史上、最高の衝撃度の作品。大抵のミュージカル映画は、それが現実にせよ、幻想にせよ、歌や踊りはそのキャラクターの気持ちが高揚したときに入るもの。ところが、この映画にはそんな定義はまるで通>>続きを読む
現実と幻想、過去と現在が入り交じる。舞台らしい演出がされたり、死者による怒涛の語りがあったり、何度観ても新たな味わいがある不思議な作品。ときどき理解が追いつかなくなったときに現れる、謎の楽隊がツボでし>>続きを読む
まさに大人の恋愛映画。どこかノスタルジックな雰囲気の中、マギー・チャンのチャイナドレス姿が鮮やかな雰囲気を残す。モラルと恋の狭間をたゆたっていく、主演ふたりの「愛の空気」がとてもいい。雨の日の描写が綺>>続きを読む
じんわりと沁みるロードムービー。
アメリカの田舎町の麦畑の様子が美しい。空の青さも印象的。大きな事件が起きるわけではないゆったりした話だけど、序盤に出てくる少女と木の枝のエピソードが、おじいさんが積ん>>続きを読む
音楽と映像の素晴らしい融合を堪能させてくれた秀作。封切り日に新宿に観に行ったら、全部の映画館が最終回までソールドアウトだったのを思い出した。
キャラクターたちが、時空を越えてまで「守り抜こうとしたも>>続きを読む