きねまっきいさんの映画レビュー・感想・評価 - 16ページ目

きねまっきい

きねまっきい

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蛇イチゴ(2003年製作の映画)

5.0

嘘がテーマのこれ以上の作品を知らぬ。

座敷の暗闇に佇む宮迫の死相。

大谷の様にこの役を演れる女優が世界に何人居るか。

序盤教室の金魚の件(染谷将太)が全編の通奏低音になる構成の妙。

本処女作を
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月はどっちに出ている(1993年製作の映画)

4.0

再々見。

1993年当時に我が国の多国籍感猥雑感を察知し端正且つ何処か緩慢な群像劇に整理した手腕を再度評す。

バラバラの個々への視線に崔洋一の優しさが滲む。

ルビーモレノの関西弁の効果絶大。
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The ショートフィルムズ/みんな、はじめはコドモだった(2008年製作の映画)

3.0

豪華対決で、
李相日の巧さ、井筒和幸の尖り、
役者クドカンの勘、樹木希林の滑舌
が抜きん出た。
そして大森一樹のツマラナさ(下手さでなく、ここ一番でこの話しを選んでしまうニブさ)。

阪本順治、佐藤浩
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GO(2001年製作の映画)

3.8

#GO
当時以来の再見。思春期恋愛ものの軽い骨格に添いつつの重いテーマの塩梅が正しい。老い以前で黒光る #山崎努 の生臭さが懐かしい。テーマからして憎むべきはずの警察の空洞化したスカスカを体現する #
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ゆれる(2006年製作の映画)

4.0

再々…見。

接見、法廷と映画的見せ場多めでリアルに仕上げつつ、映らない曖昧さをこそ撮る西川美和の動機の強さと手際を改めて評す。

不気味な内面の多重を軽々と顔だけで演る香川照之は、脚本演出の冴えもあ
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漫才ギャング(2010年製作の映画)

2.0

今風漫才の喰い気味の呼吸をフィルムに焼き付けることには成功。
30分切って「野蛮人のように」的なのと角川併映で調度よいかと。
ま、一応、良質。
で、映画でデキ婚は頂けぬ。
客に隠れて主役がソレをとっく
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ヘルタースケルター(2012年製作の映画)

3.0

挑発的役者による煽情的映画として成功。

当時旬のたけしを坊主にして大島が「戦メリ」を撮ったのに似る。

同性愛的描写や極彩色高湿度の映像ゆえか。

アロノフスキー、ハネケからも巧く拝借。

で桃井か
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アウトレイジ ビヨンド(2012年製作の映画)

3.0

支持する。

怒鳴りっぱなしの俳優陣の滑舌の良さを評する。

録音の良さもあろう。

三浦友和のルックスを逆手にとったセルフパロとも言える怖バカっぷりは彼の自己ベストアクトかと。

その夜の侍(2012年製作の映画)

2.0

作者は「伏線回収」と「事件落着とテーマ掘下げ」を混同してないか。

何だか描きたい感じの諸々を描き散らして放ったらかしの印象。

激演怪演の山田、邦画の誇る豪華助演陣(でんでん新井安藤田口谷村綾野)に
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さよなら渓谷(2013年製作の映画)

4.0

野球エリートでは食えぬと世が見放し始める前夜、女子高生ブランドのブルセラ援交化前夜。

未来を見失ったことを認めぬ青年が犯した罪。

過ぎた若気の至りは時を経て青春の熱が引く程にグロテスクに膿む。
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永遠の0(2013年製作の映画)

3.0

家族、愛、友情、生死、特攻。

日本人好みのピースを感動一点に目掛けて丁寧に脚色整理した山崎貴、原作より効率良い語り口。

三丁目1と並ぶ成功脚色。

感動の為の装置として戦争や特攻を弄る危険を自覚し
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百円の恋(2014年製作の映画)

4.0

万引き家族の安藤サクラでは物足りず再々見。

百倍こっち。

日本の日常にデニーロ凌駕の激演が映える喜び。

駄目な新井浩文もタイプキャストをかわす儲け役。

これだけスポ根しつつ恋の映画だと宣言する
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俳優 亀岡拓次(2016年製作の映画)

2.0

良い役を得てプロにこそ尊敬される無名過ぎず有名過ぎない俳優のファンタジー。

持味の気持ち悪さを薄めて横浜聡子が撮るも、孤独な程に卑屈で気持ち悪い「大日本人」に軍配。

小料理屋は倍賞千恵子から麻生久
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葛城事件(2016年製作の映画)

2.0

意欲作風の凡作。
バラバラと詰め込まれる不幸要素、役者巧演、気のきいた説明台詞で点描されるキャラは立たず物語はブツ切りのまま、可哀想で巧いね、だから何?で終わる。
撮る動機の希薄さゆえか。尤もらしいが
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