きねまっきいさんの映画レビュー・感想・評価 - 20ページ目

きねまっきい

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それでもボクはやってない(2007年製作の映画)

3.0

脚本未読。
本作の怖さは「(本当はやった)それでもボクはやってない(と嘘をつき続けます。観客に対しても。)」ともとれることだと。
安易に真犯人を出してこないゆえ。
で、それでも疑わしきを罰してはいけな
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劔岳 点の記(2008年製作の映画)

1.0

DVD初見。
ああ面白くなかった。
景色観てもなあ。
名カメラマンによるストーリーテリングの稚拙さを確認出来た。
撮影の苦労は凄いのだろうけど、だからと言って加点水増しして観る訳にはいかぬ。

トウキョウソナタ(2008年製作の映画)

3.0

再々見。
香川照之流のこちらの予想を少しだけ裏切る足し引き演技の面白味に目が行き、小泉今日子ら他のパートが退屈に感じるのが欠点。
その中で児嶋一哉の得体の知れない孤独で打算的でリアルな大人像は買う。
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十三人の刺客(2010年製作の映画)

2.0

鑑賞後今に至り印象に残るは、蒼白な山田孝之の「死相」かな。

大崩壊するセットで大騒ぎの「絶倫バカ殿危機一髪」はドリフへの正調オマージュと見た。

シーン最後を一々哲学的な台詞で締める稲垣のキャラは新
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一命(2011年製作の映画)

3.0

リストラ社会の悲運と時代劇らしい善悪対置とが演者(観客も)の中で繋がらずに終わった気配。
満島は誰が憎いか分からず、お役所側の広司らもそんなに悪い事したっけって感じ。
秀作だろうが腑に落ちぬ。

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終の信託(2012年製作の映画)

2.0

段取り下手の美人ヤブ医者に終を信託した役所が融通の利かない(そうあるべきだ)お役所に死んでから叱られる、ぶ厚そうに見えて薄い話し。

周防は嫁にこう殺されれば良いが、同じ役所の失楽園の死の方が気持ちE
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清須会議(2013年製作の映画)

3.0

役所ら正統が巧く演る程に飄々と場面をさらう馬の骨大泉、実は上司先輩を尊敬していない生意気の痛快。

物語と配役のリンクこそ三谷。

祝復調。

秀吉、大泉の孤独が次の世を造る。青年よ孤独であれ、か。
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渇き。(2013年製作の映画)

3.0

確信犯らしき既視感に笑いつつ、Qタラやチャヌクら原典の品格を想う。
役所妻夫木オダジョら怪演は流石だが皆チョイ蛇足が悔やまれる。
青少年の危うさをMTVな映像編集で問題提起するも救う気が全く無い思念の
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バケモノの子(2015年製作の映画)

2.0

キネマ旬報で星4か5は甘いが、評者上島春彦氏の、細田守の描く世界には元々「きちんと育ってもヒトは孤独」という感覚が流れている、との評は支持。

千と千尋に果敢に挑むも、何処か撮る動機と新味に欠ける。

僕達急行 A列車で行こう(2011年製作の映画)

2.0

灰汁が抜け可愛いだけの彼らは先人が国土に完成させた遺物としての鉄道網を愛でることにしか興味がない。
出世欲性欲物欲の無い予め底抜けに明るい過去志向。
それがやたらモテる。
亡き森田にはこの国はこう映っ
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未来の想い出 Last Christmas(1992年製作の映画)

3.0

再見。

森田芳光が80年代を正確に撮ったのでなく、自身が糸井ラッセン寛斎らと80年代の造り手だったのだ。

昭和元禄日本の二十代に留まりバブる二十代ギャルが、バブル後の90年代に一歩踏み込めるか?な
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失楽園(1997年製作の映画)

4.0

再々…見。

平成枯れすすき。

1997。

バブル崩壊、1995震災、金融危機で、楽しかったサラリーマン職に静かに絶望した50男が、安楽に破滅する性愛ファンタジー。

当時の混迷日本を破滅性愛側か
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黒い家(1999年製作の映画)

4.0

クレーマー、ストーカーの悪辣が社会認知される前夜、現場の若手が丸く納めろとしたバブル直後の牧歌的時代。

実は私もこれで絶望的に疲弊した一人だ。

次世代の子らには体験させたくない。

時代を捉える嗅
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39 刑法第三十九条(1999年製作の映画)

4.0

再見。

銀残しの画に虚ろな表情で統一される中、樹木希林の自己ベスト演が光る。

超小声早口の巧演に感情を乗せて完璧に聞かせる脚本演出録音も評す。

森田芳光入魂のやり過ぎ技法で濃密な映画的時間を体験
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阿修羅のごとく(2003年製作の映画)

3.0

優れた原作を得た森田芳光は強い。早逝を悔やむ。

力まず演る役者陣の中、全力で滑稽側にはみ出す中村獅童、和製ショーン・ペン な自己ベスト演。

父性への渇望を物語るに最適サイズの群像。

下手に生きる
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ときめきに死す(1984年製作の映画)

4.0

再々…見。
そうと知りつつ見てもこのラストは衝撃だ。
35年も前に今の世をピタリ予見していた森田芳光、健在なら今から35年後を如何に予見したろう。
半開きの目でぽっちゃりジュリーに対して、杉浦直樹の体
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家族ゲーム(1983年製作の映画)

5.0

再々…見。

宮川一朗太、気持ち悪くも愛くるしい男子、実はこれに尽きるかも。

これを森田芳光演出のもと絶妙の間で盛り立てる松田優作、伊丹十三、加藤善博ら。

前後のどれにも似ない新味は令和にこそ必見
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それから(1985年製作の映画)

5.0

再々…見。劇場初見。
鑑賞中は退屈したが、日が経つと再見したくなる魅惑の一本。
優作美和子の動から静への転身、旬の小林薫、時代の寵児森田芳光が漱石ロマンの原作に集うイベント性に未だ痺れる。
神保町シネ
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