Ryomaさんの映画レビュー・感想・評価 - 7ページ目

凱里ブルース(2015年製作の映画)

4.0

生きていれば輝いている瞬間や絶望感に駆られる瞬間があり、様々な時期を経て生きていく。同じ瞬間をともに過ごした人たちも互いに違う道を進むことで記憶も薄れていく。そして、人は忘れたり忘れられたりしながらも>>続きを読む

鵞鳥湖の夜(2019年製作の映画)

4.0

再開発から取り残された中国南部の鵞鳥湖周辺が舞台のクライムサスペンス・逃避劇。映像も少し暗めで終始不穏な気配が漂っていた。逃避行が加速することで浮き彫りになる鵞鳥湖周辺地域の過酷な現実。血が飛び交うク>>続きを読む

芳華-Youth-(2017年製作の映画)

4.7

青春、友情、恋愛、戦争、政治など様々な要素が詰め込まれた壮大な人間ドラマだった。ひとつの傑作小説を読了したかのような満足感。毛沢東が没した1970年代の激動の中国🇨🇳において必死で生き抜いた若者たちの>>続きを読む

最愛の子(2014年製作の映画)

4.8

濃密すぎた。今年観た社会派かつ実話に基づいた作品の中で一番衝撃を受け心が鋭く抉られる作品だった。
まず、中国で年間約20万人の子どもが誘拐されているという事実に驚愕したけど、救出された数はその0.1%
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在りし日の歌(2019年製作の映画)

4.7

濃密すぎる185分だった。とてつもない満足感。中国の激動の時代を生き抜いた家族の物語。罪と償い、赦しと解放が大きなテーマにもなっていた。一人っ子政策、恐慌による不況、そして家族との別れ、80年代〜90>>続きを読む

長江 愛の詩(2016年製作の映画)

4.0

ひとりの男性と女性との恋愛模様がアジア最長、世界3位の大河長江の地域・朝夕ごとに変わる表情をバックに詩的に映し出されていた。女性を思い各地で男性が謳う詩が哲学的で美しくとても沁みた。穏やかな時間が過ぎ>>続きを読む

淪落の人/みじめな人(2018年製作の映画)

4.6

何気なく過ごしている日常の中においても、夢や目標を見つけ人生を謳歌することの大切さに気づかされた。自分も気づかないうちにそういう存在に出会っているかもしれないなと思うとより人との関わりや出会いを大切に>>続きを読む

イロイロ ぬくもりの記憶(2013年製作の映画)

4.6

初シンガポール🇸🇬映画。
共働き夫婦と息子、異国のメイドの交流が描かれた作品。
少年視点で描かれている本作では、学校にうまく馴染めず家族にも素直になれない彼の苦悩が、彼がこれまで生きてきた時間が短く彼
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こんにちは、私のお母さん(2021年製作の映画)

4.6

完全に油断してた〜。久しぶりに映画観て泣いてしまった〜😹。
コメディ要素強めのファミリードラマかなと鑑賞中も思ってたら、後半尻上がりに怒涛のぐっとくる&込み上げるものがあった。予想を裏切る展開にもより
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薬の神じゃない!(2018年製作の映画)

4.4

ジャケからばりばりのコメディ作品かなと想像してたけど終盤は結構うるっとくる場面もあるヒューマンドラマ&中国の社会問題に迫った傑作だった◎
展開も早くエンタメ的にも抜群に楽しめると感じた。

当時201
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ノンストップ(2019年製作の映画)

4.2

コメディ要素多めのスパイもので面白かった。ジャケの広告に記載の前情報のみで視聴したけど、伏線が結構随所に張られていてハラハラしながら楽しめた。リーアムニーソン出演作『トレインミッション』や『フライトゲ>>続きを読む

きっと忘れない(1994年製作の映画)

4.5

学歴社会、出世重視の固定観念を擦り付けられている現代社会においてその価値観を見つめ直させてくれる一作。人生において本当に大切なことは何かに気づかせてくれる作品だった。
ネットの書き込みや噂のみを鵜呑み
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婚約者の友人(2016年製作の映画)

4.3

カラーとモノクロで映し出される映像美と心地よいテンポで小気味よく進む物語に惹きつけられる。ジャケの言葉に示されている“彼の正体が明かされたとき…“の瞬間に驚愕するとともに、それまでの過程がスリリングで>>続きを読む

ライオンは今夜死ぬ(2017年製作の映画)

4.0

年老いた俳優が映画撮影に勤む子どもたちと穏やかに過ごす時間が愛おしい。妻を失くし喪失感に苛まれた彼が南仏の美しい自然の中で自分自身と向き合い前に進んでいく姿も印象的だった。南仏の海岸、紺碧色を帯びたコ>>続きを読む

天才作家の妻 -40年目の真実-(2017年製作の映画)

4.1

作家の栄光の裏に隠された事実が明らかになるとき試される夫婦の愛。そして周囲からある疑いを向けられたときに揺れ動く妻の複雑な心情。客観的には理解できないけどお互いに思いやっているからこそ相手のために尽く>>続きを読む

運命は踊る(2017年製作の映画)

4.0

邦題にもある“運命“が鍵になった作品。息子が戦死したという知らせにより悲し嘆き取り乱す両親。翌日誤報だったと分かるのだけど、その一つの事象によって浮き彫りになる両親が抱えるお互いへの思いとか息子への愛>>続きを読む

汚れたミルク/あるセールスマンの告発(2014年製作の映画)

4.0

自分の命を懸け家族を危険な身に晒そうとも大勢の幼い子どもを守ろうと信念を貫いた男性の姿に胸が震える。賄賂が常態化し大企業が支配する社会、それを黙認し手をこまねいている政府、そんな悪態が同じアジア諸国の>>続きを読む

HELLO WORLD(2019年製作の映画)

3.9

SF要素ありの純愛もので面白かったし、曲がとにかくよかったね。特に、髭男のイエスタデイはホントにいい!
あと、北村匠海さんと浜辺美波さん、松坂桃李さんの声優よかった👌

ホリデイ・イン・ザ・ワイルド(2019年製作の映画)

3.6

珍しくないラブコメだけどアフリカの広大な自然の景観と動物のあるがままの姿には見惚れてしまった。現在野生の象が絶滅の危機に瀕しているという社会問題についてもわずかに触れられていてよかった。

ドクター・ドリトル(2020年製作の映画)

4.2

ロバートダウニー.JRのコミカルな役よかったな。そういうえばエンドゲーム以来かな、彼の作品観るの。正義は勝ち悪者は敗北というディズニーっぽい展開で安心してみられてよかった。
字幕で観たけど後で動物のキ
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そらのレストラン(2019年製作の映画)

4.1

美しい自然もそこでの長閑な暮らしも大切な人との別れもすべてを経験して学んでいく“生きていく“ということ。大切な人と美味しい食事があれば他には何もいらないんだと思わせてくれる雄大で穏やかな自然の景観、家>>続きを読む

ブルー・ミラクル(2021年製作の映画)

4.1

資金難の孤児院を救うべく賞金獲得を目指し釣り大会に出場した男性。実話に基づく物語。
世界には虐待や育児放棄によって孤児になった陽の目に当たることのない多くの子どもがいて、彼らを救っている人がまたいるん
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最高に素晴らしいこと(2020年製作の映画)

4.2

だれもが傷や喪失感を抱きながら生きている。耐えきれずに自ら命を絶つ人もいるけどひとつの出会いによって救われる人もいる。そんな思春期の心の脆さと命の儚さを痛切に感じる作品だった。

思いやりのススメ(2016年製作の映画)

4.2

笑い&じーんとくる要素のバランスがよき作品だった。ポールラッドといったらアントマンだけど、それを払拭するほどに普通の人が似合っていた。
辛い経験や悲しい思い出があるからこそ人に優しくできるし、相手から
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レスキュードッグ・ルビー(2022年製作の映画)

4.2

保護犬ルビーから警察犬ルビーへ。飼い主でもあり警察官でもあるダニエルと次第に紡がれていく強い絆に素直に感動。人でも動物でも信じ合えば心は通じ合えるんだよねとふと気づかせてくれた作品だった。

ボブという名の猫 幸せのハイタッチ(2016年製作の映画)

4.0

“ボブ“に癒された〜。前情報なしで観たけど実話に基づいてたのが驚き。とにかくほっこりする作品かなと思ったら、ホームレスやドラッグ中毒のような暗部にも触れられていて結構ヘビーなとこもあったなー。
終わり
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犬部!(2021年製作の映画)

4.5

現代社会で問題視され続ける飼い主による飼育放棄や多頭飼育崩壊が原因の無惨な殺処分。その現実を変えようと命懸けで人生をかけて少しでも殺処分される動物を減らそうと奮闘した“犬部“の物語。
連日多数が殺処分
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ここは退屈迎えに来て(2018年製作の映画)

3.9

様々な人物の人生が交錯する恋愛群像劇。自分が一生一緒にいたいと願っている相手でも、自分が思うよりも相手は自分のことを第一に考えてるわけではないこともあり、そこの価値観や考え方が噛み合わなかったりズレが>>続きを読む

夏への扉 ―キミのいる未来へ―(2021年製作の映画)

4.3

タイムスリップ&ラブストーリー&ファンタジーはやっぱり好きだなあ。山崎賢人さん演じる研究者の高倉宗一郎と清原伽耶さん演じる璃子の仲睦まじい姿がひたすら胸に沁みる。彼らの関係が一生続いてほしいと何度思っ>>続きを読む

のぼる小寺さん(2020年製作の映画)

4.2

ひとつの物事に一所懸命打ち込んでいれば必ず誰かが見ていて応援してくれる。そして、その見ている人たちも頑張ろうと思える。痛切にそんなことを感じた、ほのぼのしたいときに観たい一作だった。

一見穏やかに見
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かそけきサンカヨウ(2021年製作の映画)

4.7

今泉監督にしては珍しい恋愛が主軸じゃなく、思春期に考えうる自己価値やアイデンティティ、それに家族との関係などにスポットが当てられていた。
傍からみれば未熟で子どもだと思っていても、当の本人は大人が考え
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宇宙でいちばんあかるい屋根(2020年製作の映画)

4.4

前向きな気持ちにさせてくれる爽やかな感動作。
口悪く思ったことをずばすば言う桃井かおりさん演じる“星ばあ“の着飾らない何気ない言葉が清原伽耶さん演じる燕だけじゃなく観ている側にまで心に響くものを届けて
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しゃぼん玉(2016年製作の映画)

4.4

たとえ過ちを犯してしまいそれが決して許されない罪だとしてもそれすらも受け入れて一緒に償ったうえでともに人生を歩んでくれる。林遣都さん演じる罪を犯した青年を我が子同然それ以上に大切に扱ってくれる市原悦子>>続きを読む

マスカレード・ホテル(2019年製作の映画)

3.9

事件を防ごうと奮闘する中で垣間見れるホテル業界の実態。ホテルに訪れる不審な顧客やそこで起きる不可解な事件や違和感の連続に結構ハラハラの心理サスペンスだった。様々な人の複雑な人間模様も窺えて楽しめた。

空飛ぶタイヤ(2018年製作の映画)

4.0

不正に目を瞑らず人間として本当に正しいことを行動に起こせる勇気、そして、たとえ自分の身に危険が及ぼうとも自らの信念を貫いた彼らの姿にただただ脱帽。
不正が蔓延る現代において、そういう人々にスポットを当
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羊の木(2018年製作の映画)

3.6

まず題材・設定がいい。過疎化が深刻な日本において国家の極秘プロジェクトとして受刑者を仮釈放である地域に移住させる。今まさに少子高齢化が深刻な日本でも全く考えられない話じゃなく他人事じゃないからこそいっ>>続きを読む