Ryomaさんの映画レビュー・感想・評価

Ryoma

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水は海に向かって流れる(2023年製作の映画)

4.3

大西利空さん演じる男子高校生と広瀬すずさん演じる謎多き女性、その他一緒に暮らしているシェアハウスの住人と織りなす心温まる作品だった。2人がそれぞれが抱える苦悩を分かち合うような姿にぐっときたし、過去を>>続きを読む

反撥(1964年製作の映画)

4.0

ドラム🥁の不吉感漂う歪なリズム・ビートに合わせアップされるカトリーヌドヌーヴのさもすべてを見透かすような大きな眼球・瞳、それに、動く視線に合わせ瞬く瞼が長い睫毛と眼力だから尚更恐ろしく不気味さを感じる>>続きを読む

グッド・オールド・サマータイム(1949年製作の映画)

4.1

トランペット🎺やフルート、ピッコロなどの管楽器からバイオリン🎻やヴィオラなどの弦楽器、ハーモニカなどの鍵盤楽器、そして、大合唱へと繋がる冒頭からもう好き。満面の笑みを浮かべてみんなが声を揃えて口ずさむ>>続きを読む

サマー・ストック(1950年製作の映画)

4.1

サーカス🎪🤡でも始まるかのようなウキウキ感。それを具現化したようなジュディガーランドのどんな過酷な状況をも跳ね返すような力強い歌声と高揚感が湧き上がるようなトランペット🎺の演奏で一気に心掴まれる。どれ>>続きを読む

木と市長と文化会館/または七つの偶然(1992年製作の映画)

4.2

“地方分権“や“保守派“など、政治的なワードが連発する政治劇ではあるが…長閑な時間が流れるフランス🇫🇷の田舎町を舞台としていただけあって、それほどまでに深刻さは窺えず、政治を語る人たちには笑顔も見え、>>続きを読む

草の上の昼食(1959年製作の映画)

4.0

バイオリンの美しい旋律をバックに映し出される風にそよぐ草木や生い茂った木々、それに、澄んで綺麗な川を流れる水のせせらぎが、南仏プロヴァンス🇫🇷の長閑で穏やかな生活の様子を体現していてとにかく癒される☺>>続きを読む

フレンチ・カンカン(1954年製作の映画)

4.2

ジャン・ルノワール監督作品初鑑賞。
先日観た『アネット』がほぼミュージカル調だったものだから、ミュージカルの定義を見失いつつあるが…キャッチーでポップな音楽にあわせて煌びやかで色鮮やかな衣装を身に纏い
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地下室のメロディー(1963年製作の映画)

4.2

スコセッシ最新作の予習でもないが、クライム映画はあまり観ないため、同じジャンルで予習のようなことをしてみた。
サントリーのコーヒー・BOSS無糖ブラックのCM曲でお馴染み、モダンジャズ調の“地下室のメ
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渇水(2023年製作の映画)

4.3

生田斗真さん、山崎七海さん、柚穂さんらの演技が圧巻。生田さん演じる市役所職員である岩切の、仕事や規律に従った行動をとるのか、それとも、自分の心の声に従いルールに縛られない選択をするのか、人として大切な>>続きを読む

アネット(2021年製作の映画)

4.2

まず2人ともお歌が上手いこと。2人のハモリも凄い。マリオン・コティヤールは、エディットピアフで上手いことはわかってたけど、アダム・ドライバーもまずまず。そして、会話の殆どがミュージカル調というのは、違>>続きを読む

セイフティ 最高の兄弟(2020年製作の映画)

4.5

不遇な環境に置かれてもなお断ち切れない兄弟の強い絆と不条理でフェアではない世界でも決して堕ちることなく生き抜いた彼らの姿に胸を打たれた。実話に基づいているということや登場人物の多くの人の優しさに触れら>>続きを読む

パラレル・マザーズ(2021年製作の映画)

4.3

冒頭からアルモドバル節炸裂の小気味良いバイオリンの音色が心地よく、ペネロペクルス演じるジョニスが着ている紫紺がかったバイオレット色のセーターが目を引く。その他、彼女のスマホやバッグ👜、部屋に飾られた花>>続きを読む

パパに教えられたこと(2022年製作の映画)

4.2

時にはぶつかりながらもお互いに信頼し合い想い合える父親と娘の絆や仲睦まじい関係性にぐっときた。
ネバダ州やテキサス州、ルイジアナ州など様々な名所をバックに流れる音楽のセンスが最高。ロードムービーやっぱ
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夜明けの詩(2021年製作の映画)

4.3

“生と死“、“時間“、“記憶“、“思い出“、“希望“をテーマに、様々な人が抱える想いが映し出される。それと同時に語られる幻想的な詩や小説も印象的な作品。
夢などの虚構と現実の狭間で現実と向き合いながら
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乱世備忘 僕らの雨傘運動(2016年製作の映画)

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2014年に香港🇭🇰で起こった、民主主義を求めるデモ活動、通称“雨傘運動“を辿ったドキュメンタリー。まず、監視社会、経歴社会である中国🇨🇳で、このような反政府的側面を孕んだ作品が制作、上映されたことが>>続きを読む

TAR/ター(2022年製作の映画)

4.2

全体的に長めの間やカット割りが印象的で、サスペンスフルな構成やあからさまには怖さを感じさせない絶妙なホラー的要素や演出、登場人物の少し意味深な発言やシーンなどを感じハラハラしながら楽しめた。同時に、誰>>続きを読む

ファイブ・デビルズ(2021年製作の映画)

4.3

どう転ぶか分からない展開、それに、ひとつのジャンルに括れない非常にジャンルレスな作風、“タイムリープ“と“香り・嗅覚“を巧みに使った緻密な脚本が凄まじく、終始引き込まれていた。設定や展開の仕方含め、出>>続きを読む

説得(2022年製作の映画)

4.1

“説得“というタイトルが妙にしっくりくる。周りに流されて自分を押し殺して、自分の人生を諦めてしまう。そして、幾度となく後悔してしまう…その主人公が抱く心情が痛いほど解って苦しいほどだった。相手を気遣い>>続きを読む

グッバイ・ゴダール!(2017年製作の映画)

4.0

フランス🇫🇷の世界的映画監督ジャン=リュック・ゴダールの妻であったアンヌ・ヴィアゼミスキーの自伝的作品。2人ともこの世にいないと思うとなんだか感慨深い。
他人と一緒な行動を自己疎外と称しそういう行動を
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マノロ・ブラニク トカゲに靴を作った少年(2016年製作の映画)

4.0

今や世界的に有名なイギリス🇬🇧のシューズ👞👠ブランドであるマノロ・ブラニク。
スペイン🇪🇸で生まれたマノロブラニクは、家で絵をよく描いていたという優しい母親から独創性を、何か国語も話せたという父親から
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ブリングリング(2013年製作の映画)

4.0

ソフィアコッポラ監督の他作である『somewhere』とは打って変わって、嫉妬や自己中心さ、裏切り、憎悪など人間の負の部分を痛いほど感じる作品。芽生えた羨望や憧れの気持ちは、良い方向に活用できれば、自>>続きを読む

SOMEWHERE(2010年製作の映画)

4.2

起伏はないため演技というよりあるがままの日常を切り取ったよう。その着飾らない様子やゆったりと流れる穏やかな時間が心地よくもあり、日常に近しい感覚で違和感なく見ることができた。傍から見れば順風満帆、万事>>続きを読む

せかいのおきく(2023年製作の映画)

4.2

白黒のモノクロで綴られる江戸時代末期の3人の若者の群像劇。紙屑拾いや下肥買いという当時の最下層と呼ばれる身分、職や上位層のまるで汚物を見るかのような冷ややかな視線などの彼らに対する酷い差別・偏見、同身>>続きを読む

ヴィレッジ(2023年製作の映画)

4.4

冒頭の少し不気味で不穏さをも感じさせる能の舞・戯曲に載せて切り替わる連続カットが不気味で恐ろしさもあり、それを経て“village“というタイトルバックが出るまでの流れが途轍もなくカッコ良い。ここで一>>続きを読む

サイド バイ サイド 隣にいる人(2023年製作の映画)

4.2

ファンタジックで少しダークな世界観かつ非常に穏やかで静謐な作品故に、随所にバックに映し出される田舎の一面に広がる田園風景や深緑の木々から漏れ出す木漏れ日、丘から見下ろす茜色の夕陽や夜空に輝く星の数々な>>続きを読む

ザ・ホエール(2022年製作の映画)

4.0

室内で繰り広げられる会話…空間的には限りなく制限され狭いはずだけれども、それとは対照的に主人公ブレンダーフレイザー演じる男性における感情の揺れ動く振れ幅や心の葛藤の深淵さが凄まじく、彼の剥き出しの演技>>続きを読む

田園の守り人たち(2017年製作の映画)

4.1

ミレーの落穂拾いを想起させるフランス🇫🇷の田園風景で女性が種を撒き収穫する描写のカットがなんとも美しい。女性の逞しく生きる姿もとても印象的だ。
第一次世界大戦中、夫や息子が戦争に駆り出され死と隣り合わ
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モリのいる場所(2018年製作の映画)

4.2

生い茂る木々、小鳥の囀り、猫の鳴き声に虫の羽音、あたかも風の吹く音が聴こえてきそうなほどに穏やかで長閑な自然の風景に心が浄化されるようだ。人生の価値はお金が全てじゃないんどなと改めて。誰と過ごすかであ>>続きを読む

翼のない天使(1998年製作の映画)

4.2

『シックスセンス』『オールド』のM.ナイト.シャマラン監督の長編デビュー作。主人公の少年ジョシュアと祖父との深い絆に素直に感動。祖父との輝かしき思い出が回想的に綴られることでより仲睦まじい関係性だった>>続きを読む

あなたがここにいてほしい(2021年製作の映画)

4.7

まさに“純愛“。離れている時間がどれだけ長かろうと社会の不条理が襲いかかろうと互いを想う気持ちは変わらないし誰にも断ち切れない。綺麗事かもしれないけれどそう感じたしそう信じていたい。
“別れ“と“一緒
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インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌(2013年製作の映画)

4.1

一癖も二癖もあるキャラクターが織りなすジムジャームッシュ作品を想起させるオブビートな会話劇と穏やかな人生讃歌のような優しいカントリーミュージックがすっと沁みてくる。オスカーアイザック、キャリーマリガン>>続きを読む

旅立ちの時(1988年製作の映画)

4.3

ベートーヴェン作曲ピアノソナタ第8番悲壮のピアノの物悲しくも美しい旋律が沁みる。その他全体を通して哀愁漂うギターや優しいピアノの音色が心地よくノスタルジックな気持ちにさせてくれる。
人っていうのは些か
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ペルシャン・レッスン 戦場の教室(2020年製作の映画)

4.3

実話というのが驚愕すぎて…死と隣り合わせの状況下において尋常じゃないほどの不安や想像しようもないほどの絶望の中、記憶と強靭な精神力、それに度重なる勇気ある決断で、ただ生きるために必死で命を繋げようとし>>続きを読む

凪待ち(2019年製作の映画)

4.2

白石和彌監督作初鑑賞。香取さんの演技、感情の振れ幅が大きく暴力性に満ちた役柄の演技がとにかく凄すぎた。また、暗めな照明が主人公の陰鬱な感情とリンクしていたことやサスペンス要素も含みながらも重厚なヒュー>>続きを読む

魂のゆくえ(2017年製作の映画)

4.2

サスペンスやスリラーならではの不穏な効果音等の劇伴をほぼ排した淡々と進む構成故に、少し疑問が残るラストが妙に腑に落ちず珍しく作品を振り返りしっかり考察した。
牧師という難しい立場、敬虔なキリスト教論者
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アジアの天使(2021年製作の映画)

4.6

異文化相互理解“を主軸に、家族や人との繋がり、日々を懸命に生きていく中での生きづらさや歯痒さが描かれていた。
しっかり者で誠実な池松壮亮さんと飄々とした能天気なオダギリジョーさんの少し噛み合わないよう
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