Ryomaさんの映画レビュー・感想・評価 - 6ページ目

忘れられない愛の歌(2021年製作の映画)

4.1

頭の中に浮かぶ思いや感情が実体となり自問•葛藤する形は、綿矢りささん原作の『勝手にふるえてろ』を彷彿とさせる設定。また、主人公がカメラに向かい状況を説明する場面など単調な恋愛物語にならない工夫がされて>>続きを読む

きっと見つける(2023年製作の映画)

4.3

迷子になった愛犬を探そうと奮闘する人々の実話に基づく物語。飼い主本人だけでなく、家族や地域の保護団体、新聞社など多くの人の優しさに触れることができほっこりしたし涙が溢れた。TwitterやInstag>>続きを読む

マティアス&マキシム(2019年製作の映画)

4.2

2人の目線•表情、それを見るだけで、言語化せずとも彼らがどれだけお互いを思っているのかをはじめとした心情の機微が窺えるほどに繊細なお芝居だった。“好き“とか想いを直接伝えてない距離感におけるお互いを変>>続きを読む

帰らない日曜日(2021年製作の映画)

4.1

物悲しいピアノの音色に載せて紡がれる2人の恋愛劇は、名作『タイタニック』を皮切りに描かれてきた身分や地位の違いにおける互いを想う気持ちの尊さを強く感じた。
過去が回想的に語られることで、よりいっそう過
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ドリーム・ホース(2020年製作の映画)

4.4

まず情景や風景描写のショット一つ一つがとにかく美しく目を引かれた。特に、ウェールズの田園風景をはじめとした雄大な自然や朝夕で表情が変化する街並みが印象的だった。ハリポタやファンタビを想起させる魔法の世>>続きを読む

恋人はアンバー(2020年製作の映画)

4.6

今ほど同性愛者への理解がなかった時代。同じ境遇や心情、悩みを心の底から共有でき相談できる存在がいることがどれほどに尊く救われるものなのか計り知れない。そんな奇跡とでも呼ぶべき出会いは本当にかけがえのな>>続きを読む

フラッグ・デイ 父を想う日(2021年製作の映画)

4.3

アメリカ🇺🇸ミネソタ州の雄大な自然をバックに流れるカントリー調の優しい音楽、ショパンの名曲群とともに綴られる娘が父と過ごした日々がとても幸せそうで観ているこちらもほのぼの優しい気持ちにさせてくれた。>>続きを読む

ワン・セカンド 永遠の24フレーム(2020年製作の映画)

4.3

共産党の毛沢東による国の主権争いが激化した文化大革命時代。変化する時代や社会情勢に翻弄されたそんな1960年〜1970年代の中国において、何とか必死で懸命に生きようとする人々の姿がすっと胸の深いところ>>続きを読む

ハンナとその姉妹(1986年製作の映画)

4.3

序盤からウディ・アレン節全開のジャズ調の心地よい音楽で一気に引き込まれ、1980年代マンハッタンのどこかレトロさや懐古的要素さえ感じさせる美しい街並みをバックに綴られる人間模様がお洒落でいてかつ切なく>>続きを読む

ロレンツォのオイル/命の詩(1992年製作の映画)

4.4

少し破天荒で気が強い母親と優しさが滲み出ているような父親。様々な障壁や偏見に屈せず、たとえ無謀だと一蹴され跳ね除けられても、我が子を助けることを諦めなかった夫婦の姿に脱帽するほかない。彼らが度重なる困>>続きを読む

ザ・メニュー(2022年製作の映画)

-

序盤、飄々とした能天気なニコラスホルトと付き添いのしっかり者のアニャテイラージョイの少し噛み合わない会話劇が面白く、それとは裏腹にどこか掴みどころのないレイフファインズの狂気的な感じとの不釣り合いな関>>続きを読む

ある男(2022年製作の映画)

4.7

風景描写などの映像美、二転三転する予測しがたいストーリー構成、終始緊迫感・不穏さを感じる音楽や豪華な演者たちの表情など最高だった。
一種のミステリーだけではなく、社会派な部分やヒューマンドラマ的要素を
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海辺の家(2001年製作の映画)

4.3

家造りを通して紡がれる親子の絆に素直に感動。あたたかく優しい音楽や海辺の景色が重なってうるっときた。
生きていれば日々後悔や失敗の連続だけれど、それを受け入れた上で“今“をどう生きるかが大切なんだと感
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君といた108日(2020年製作の映画)

4.4

“歌の力“、“愛の力“の強さを感じずにはいられなかった。二人の互いを信じて疑わないただ純粋に思いやる姿に涙が溢れた。
信じられるものや人がいるだけで、また、信じてくれる人がいるだけで、日々は輝き心の支
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線は、僕を描く(2022年製作の映画)

4.7

ピアノとバイオリンを基調とした軽やかで爽快さを感じさせる音楽や畳や墨など日本の情緒を堪能できる趣深い日本的要素、それに今にも浮き出ようとするほどに臨場感溢れ躍動感を強く感じる水墨画に魅せられた。終始、>>続きを読む

わたしは光をにぎっている(2019年製作の映画)

4.3

移ろいゆく季節、日々過ぎ去る時間の中で変わりゆく街並み、そして、慣れ親しんだ風景が失われてはまた新たな景色が生み出されていく日常。雑踏や喧騒に囲まれながらも自分らしく生きようとする女性の姿が印象的だっ>>続きを読む

タレンタイム〜優しい歌(2009年製作の映画)

4.3

ドビュッシーの名曲『月の光』の穏やかで物悲しいピアノの音色に載せて紡がれる絆や芽生える恋心など彼らが織り成す瑞々しく一途な関係性が観る者を掴んで離さない。
昨今だと『コーダ あいのうた』や連ドラ「Si
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ソン・ランの響き(2018年製作の映画)

4.2

理想とはかけ離れた現在の自分に向き合う契機になった尊い“出逢い“、そしてかけがえのない“存在“。家族との確執や過去に被った癒えぬ傷など長年蓋をして封じ込めてきた切実なる思いが、一人の青年との“出逢い“>>続きを読む

手紙と線路と小さな奇跡(2021年製作の映画)

4.7

1988年に駅ができるまで隣の村に行くのに道路も駅もないそんな村が存在したことにかなり衝撃を受けた。それを知るきっかけになったというだけでも本当に観てよかった。

“親の子を想う一途な気持ち“、その逆
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スウィング・キッズ(2018年製作の映画)

4.3

靴が床に当たる甲高い音が心地よくいつまでも飽きない。軽快なリズムで繰り広げられ観客を歓喜の渦に巻き込むそんなタップダンスに魅せられ思わず踊りたくなってしまった。
アメリカ🇺🇸とロシア🇷🇺が生み出した資
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逃げた女(2019年製作の映画)

4.1

“出会い“によって新しい価値観や発見、喜びが生まれるのと同時に“ひとり“にならないと見えてこないものもあるんだなと思った。愛する人と一緒にいるのは大切だけど、人生を豊かにするには様々な世界や人と出会い>>続きを読む

シング・ア・ソング!~笑顔を咲かす歌声~(2019年製作の映画)

4.4

軍人を夫に持つ妻たちが悲しみを和らげようと共に苦難を乗り越えようと始めた合唱団。絶えず死と隣り合わせの状況下で苦境に立ち向かう夫。一見気の強そうで何事にも動じない様子の女性も、いつも夫の愚痴ばかり言っ>>続きを読む

林檎とポラロイド(2020年製作の映画)

4.2

稀少なポーランド映画🇵🇱。ケイトブランシェットの制作総指揮ということで惹かれた作品。
SF✖️ヒューマンドラマ&ミステリー。
まず映画で頻繁に見受けられる“記憶を失う“症状を患うっていう設定は、もう架
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彼女が好きなものは(2021年製作の映画)

4.7

このレビューはネタバレを含みます

鋭く心抉られ感情揺さぶられた。これほどまでに同性愛者の心情に深く迫った邦画があっただろうか。
作名が意図するものが気になっていたけど謎が解けたというか答えなるものがハッキリ分かってスッキリしたし、非常
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耳をすませば(2022年製作の映画)

4.1

出逢った頃から変わることのない瑞々しく一途な純愛物語に心奪われた。お互いの環境が変化しどんなに長い時間が過ぎようとも変わらない思いがありそれは誰にも断ち切れないんだと感じた。本作の2人の姿はそれを体現>>続きを読む

きみの鳥はうたえる(2018年製作の映画)

4.2

将来や現状に理由はない漠然とした不安を抱える若者の姿、何がやりたいか見つけられず悶々と無気力に時間を費やしてしまっている彼らの気持ちは同じ年代を生きるひとり(気持ち彼らの方が年上だけど)としてわかる気>>続きを読む

彼女の人生は間違いじゃない(2017年製作の映画)

4.1

東日本大震災のその後、震災を経験した福島に住む人々の生活や心情に迫った作品。
震災から十年超経ってもなお、仮設住宅は改めて残存しているんだと、そして、家族・恋人・友人などの大切な人を失った傷は癒えずそ
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KCIA 南山の部長たち(2018年製作の映画)

4.2

終始緊迫感が凄まじく、イ・ビョンホンの名演が光る一作◎

ロシア🇷🇺のプーチン大統領のように軍事独裁政権が続くとこんなにも悲惨で残酷な世の中になってしまうのかと落胆すると同時に、指導者に国の運命がすべ
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青葉家のテーブル(2021年製作の映画)

4.2

北欧を想起させるお洒落なアンティーク家具や雑貨などのインテリアがまず目を惹く。そして、作名にもある“青葉家のテーブル“に並ぶ食事が彩り良くなんとも美味しそう🤤
血縁関係同士じゃなくても、お互いに心の通
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ジョゼと虎と魚たち(2020年製作の映画)

4.3

切なすぎた。悲しくもあるストーリー展開にピアノを基調とした穏やかな音楽、映し出される美しい四季が彩る情景が重なることでとにかく切ないなという感想が第一に頭に浮かんだ作品。ゆったりと流れる2人の何気ない>>続きを読む

もみの家(2019年製作の映画)

4.7

長閑な田園風景や桜などの趣深く美しい四季の景観、それに、大切な人の死・子どもを思う親の愛情と親の愛情に気づく子・育まれる友情・芽生える恋心などだれしも生きていれば多かれ少なかれ経験するであろう様々なこ>>続きを読む

ミッション・マンガル 崖っぷちチームの火星打上げ計画(2019年製作の映画)

4.3

面白かった〜。
家族との時間など多くのことを犠牲にしてもなお、国のため夢のために信念を貫き世界初の火星探査を低予算で成功させた彼らの姿に素直に感動。実話というのも驚きで、実話に基づいた、いわゆる王道サ
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ハーモニー 心をつなぐ歌(2010年製作の映画)

4.2

韓国🇰🇷の綺麗事じゃない社会制度に頭を打たれたかのような衝撃を受けると同時に、そんな世の中でも希望を捨てずに必死で生き抜こうとする女性たちの姿に感情を揺さぶられる作品だった◎

韓国では、収監中に出産
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ハッピー・オールド・イヤー(2019年製作の映画)

4.2

初タイ🇹🇭映画。
終始穏やかなトーンで展開し、じんわり響く深い余韻を残してくれる作品。カメラワークもスタイリッシュで洒落たインテリアや音楽もよかった。

“断捨離を介して、物と一緒に封じ込めた過去の自
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ガンジスに還る(2016年製作の映画)

4.1

遅かれ早かれ人はだれしも最期はこの世から退くときがくるけども自分が自分でいられる時に自ら命を終わらせるという、安楽死とはまた異なる解脱という方法も国や文化、宗教によってはあるんだなと知った。別れは悲し>>続きを読む

帰れない二人(2018年製作の映画)

4.0

怒涛に情勢が変化する21世紀中国山東省において近づいたり離れたりする一組の恋人の生活、それぞれに過去と決別し前に踏み出そうとする姿が描かれていた。たとえ時を経て互いを思う気持ちが希薄になってしまっても>>続きを読む