ねこさんの映画レビュー・感想・評価 - 6ページ目

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ウェイ・ダウン(2021年製作の映画)

3.5

地味なキャストとよくある話で期待値は低めだったのだが、ちゃんとハラハラドキドキは存在していた
お国柄からくるW杯の熱狂もうまく絡めてあり、イニエスタに一役買わせるあたりもニクイ
その頭脳、ほんとにそれ
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ベネデッタ(2021年製作の映画)

3.3

信仰するか利用するか
昔も今も宗教の使い道はそのどちらかだ

女性が圧倒的不利な立場に置かれていた時代、神という最強の武器を駆使しながら階段を登っていく様は見事だが、上に立ってからの行いはすべてが愚行
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夜空に星のあるように(1967年製作の映画)

3.6

クズの中からよりマシなクズを選び続けて終わるであろうジョイの人生
まだ幼な子のジョニーの行く末さえはっきりと見える
自分の足で立つことも違う世界に飛び出すこともない籠の鳥
その籠を作ったのは彼女の両親
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コンパートメントNo.6(2021年製作の映画)

4.0

お慰みでも気まぐれでもない「本物」を見つけた
そして、本当の自分も

怒って泣いて転げ回って、ラウラは自分に気付いていく
最後に見せた笑顔は、あの居心地の悪い部屋で貼り付けていたものとはまるで別のもの
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トレイン・ミッション(2018年製作の映画)

3.0

疑問と言うか、そんなバカなと言うか
とにかく納得いかないことが色々ある
それなのにそこをいちいち追求しようという気にならないのは、リーアム・ニーソンが主演だからだろう
ストーリーはほどほどに、推理とア
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ライフ・ウィズ・ミュージック(2021年製作の映画)

3.0

すべてをリアルに描くことが正解とは思わないし監督の意図も別の方向にあることはわかっているが、いくつものトラブルの結果がどれもふわっとしていてその甘さが好きではなかった
唯一心に残ったのはフェリックスの
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オペレーション・ミンスミート ーナチを欺いた死体-(2021年製作の映画)

2.5

もっと緊張感漂う内容かと思いきや、漂っていたのは男の嫉妬だけだった
どうしても任務遂行よりも恋愛メインのようにしか見えず、非常時に何やってんだお前ら、という気持ちしか湧いてこない
上の方に棲む人間の傲
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ブラック・サバス/恐怖!三つの顔(1963年製作の映画)

3.3

ホラーのお約束がたくさん詰まっていた
ストーリーはかなり単純だが、とにかく女性が美しくグラマラスで露出過多
1話目など、あれほど怯えるのならまず逃げやすい服装に着替えればいいのにと思うが、それでは美し
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マイ・ボディガード(2004年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

持て余していた命の有効活用、とクリーシーは思ったかもしれない
あれだけ手際の良いプロフェッショナルが事件を防げなかったのだから、そうでもしなければ自分を許せなかっただろう

幸せは人の気持ちを弛ませ、
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さらば友よ(1968年製作の映画)

3.4

男二人の行動理由がわからないし、なぜ?と思う部分もありはしたのだが、ブロンソンが口にする台詞のカッコ良さとラストシーンのインパクトで印象に残る作品となった
特に、連行されてからのブロンソンに漂う余裕が
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NARC ナーク(2002年製作の映画)

3.6

呑み込まれるか踏みとどまるか
キレイゴトの通じる世界で生きる人間にはまったく理解の及ばぬ世界
そして、ヘンリーの狂気にも正義はある
それでしか救われない人がいるのだから

抜群の存在感を見せるレイ・リ
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ハッピーログイン(2016年製作の映画)

3.6

邦題から想像したものとはかなり違ったが、嫌な感情がひとつも湧いてこない優しい作品だった
特に子供二人を含めた男性陣は好感度高し

キム・ジュヒョクが穏やかな顔で掃除して料理を作って洗濯物をたたんでいる
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87分の1の人生(2023年製作の映画)

3.4

“運命に寄り添う”
「受け入れる」や「委ねる」の先にあるもの
そんな漠然としたイメージしか持てないが、簡単なことであるはずがない

アリソン、その母、ダニエル、その孫
誰も彼も傷付いていることはよくわ
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ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士[完全版](2009年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

一般人では手に負えないほど敵が強力過ぎたのか、正義の公安登場で一網打尽という展開は少々残念ではあるが、物語の完結編としては納得できるものだった

天涯孤独になったリスベット
その代わり、信頼できる人た
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ミレニアム2 火と戯れる女[完全版](2009年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

前作に比べるとやや地味な印象だが、リスベットの過去が明らかになり、いかにして今の彼女が出来上がったかがわかるようになっている
リスベットを信じて疑わないミカエルも良かったが、事件に巻き込まれてしまった
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小さな悪の華(1970年製作の映画)

2.0

このレビューはネタバレを含みます

“悪”ではなくバカな子供のごっこ遊び
どこにも恍惚が存在しない
せめて“華”くらい美しければよかったのに

自分が消えてどうする

OSLO / オスロ(2021年製作の映画)

3.4

このとき確かに彼らは“今を生きる道”を見つけたようだった
だがそれはすぐに閉ざされてしまった
“失ったものに執着しているから”
“過去に生きているから”

30年後の今、一緒に何かをすることも世界を変
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戦火の馬(2011年製作の映画)

3.5

戦争だがファンタジー
映像も人間も美しい
その美しすぎる部分も丸ごと受け入れて、素直に泣くしかないだろう

馬という生き物の造形美にも感動

テオレマ 4Kスキャン版(1968年製作の映画)

3.6

訪問者への欲望を抑えきれないブルジョワ一家に対し、家政婦の方は自らを捧げているように見えるのが面白い
語らず求めずただその存在だけで世界をひっくり返していった訪問者
わからないことばかりだが、すべては
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ナポリの隣人(2017年製作の映画)

3.2

愛されたいと言う前に、愛したのか?
私の気持ちがお前にわかるかと激昂するが、その逆はどうなのだ
一方的では良い関係は生まれないという当たり前のことを、人はどれだけ生きても学べずにいる

歴史を感じるナ
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8番目の男(2018年製作の映画)

3.3

韓国映画らしくエンタメ仕上げになっているが、個人的にはシリアス路線で見たかった

まっさらな心で見る難しさ
わからないと言える勇気
慣れないこと
聞く耳を持つこと
どれもとても難しい

ひとりの人間の
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女はみんな生きている(2001年製作の映画)

3.8

20年以上も前の作品に対して「古い」という感情がまったく湧かない
それはとても残念なことだと言える
当時から何も変わっていない証拠だろうから

可笑しくてハラハラして腹立たしくて苦しい
馬鹿だと思って
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ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女[完全版](2009年製作の映画)

3.6

アメリカ版は絹ごし豆腐
こちらは木綿豆腐
そんなイメージ
面白さに変わりはないのだが

さらっと語られるハリエットの過去があまりにも禍々しい
だからあえて触れるだけなのか
まともに食らうと闇から抜け出
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ダンシング・クィーン(2012年製作の映画)

3.4

笑えるだけの話かと思いきや、毒あり涙ありメッセージあり
結婚が主従関係の始まりになりがちなことと政治が茶番で成り立っていることは、日韓共通の常識らしい
非現実的な展開ではあったが、パク・ジョンミンやラ
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ナイトメア・アリー(2021年製作の映画)

3.3

箱の中からはみ出さなかった
行儀良く最後は蓋まで閉めた
そんな印象

ブラッドリー・クーパーより適任がいそうだが

ファーザー 息子の行方を探す旅/父の椅子(2012年製作の映画)

3.3

このレビューはネタバレを含みます

長年恨んできた父親が自分(息子)を飛び越えて息子(孫)と繋がっていたら、そりゃ暴れたくもなるだろう
あっちもこっちも雪解けでめでたし、かもしれないが、息子は蔑ろにしてきたのに孫は可愛いがりたいという父
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サイコ・ゴアマン(2020年製作の映画)

3.7

ミミが最強
誰の指図も受けねぇよ
そのまま真っ直ぐ大人になりたまえ

特撮愛をひしひしと感じ、昭和を懐かしむ
どの宇宙怪人もいい味出してるのがまたたまんねぇっす

クリーン、シェーブン(1993年製作の映画)

3.4

(おそらく)親に愛されたことのないピーターが自分の子供を探し求める
いったいどんな気持ちなんだ
もしかしてその子が唯一の味方だと感じていたのか
そう思ってしまうくらい、ピーターには誰もいなかった

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クライ・マッチョ(2021年製作の映画)

2.0

イーストウッドのファンや長年彼の作品を追っている人には滋味深いのかもしれないが、そうでなければどこが面白いのかさっぱりわからない退屈な作品で終わってしまいそう
ロマンスもさすがに…

バカすぎる追っ手
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ノースハリウッド(2021年製作の映画)

3.0

共感できるエピソードは多かったのに、主人公を通して見るとなぜか面白いとは思えない
子供から大人へと変わっていく年頃とはいえ、まだ残っている子供の部分にはやはり清い何かを期待してしまう
その何かが単に自
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メランコリア(2011年製作の映画)

3.5

やっとこの日が来てくれた
嬉しいでもワクワクでもなくただ安堵する気持ち、味わってみたかった
目を閉じるなんてもったいない
最後の最後のギリギリまで見つめ続けてこそじゃないか
虚ろだったり蔑んだり見抜い
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帰れない山(2022年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

ピエトロという男がどういう人間なのか、よくわからないまま終わりを迎えた
父親の人生を全否定するほどの確執がどこにあったのだろう
そこに躓いてしまったせいで後の展開もあまり心に響かず、美しい山々ばかりが
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ビフォア・ザ・レイン(1994年製作の映画)

4.0

いくつかのシーンを切り貼りし、いくらかの想像を加えて、自分なりの一本に仕立ててみた
だが、それに意味はなかった
そこには終わりが存在しないから
男が女になったり、マケドニアがロンドンになったり、昔が今
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フェイブルマンズ(2022年製作の映画)

3.4

ありのままを映しても脚色しても、誰かの何かを狂わせる
相手が見たいものを見せる
自分が見せたいものを見せる
映像が持つ途轍もない力に、この若さで気付いてしまっていたのか

スピルバーグファンならたいそ
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好男好女(1995年製作の映画)

3.0

“やがてそのふたつの愛は微妙に重なり、ひとつに溶け合っていく”とあらすじにはあるが、そんな風にはまったく見えなかった
台湾史の知識がないため劇中劇の登場人物を知らず、自分の中でカラーと白黒の世界が分離
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こんにちは、私のお母さん(2021年製作の映画)

3.4

監督が注ぎ込んだお母さんへの愛が、大きなうねりとなって鑑賞者を呑み込んでいく
その最中にそれぞれの「お母さんスイッチ」が刺激され、物語で泣いているのか個人的な思いに涙しているのかわからなくなる
冷静に
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