ねこさんの映画レビュー・感想・評価 - 8ページ目

ねこ

ねこ

映画(2365)
ドラマ(0)
アニメ(1)

不思議惑星キン・ザ・ザ(1986年製作の映画)

3.5

現代にも通じる風刺の効いた作品
ソビエト時代に製作されたのだから、このとぼけた雰囲気が必要だったのだろう
“クー”と“キュー”でほぼ会話が通じる設定など、発言の自由がない社会主義を極端に表現しているよ
>>続きを読む

ノースマン 導かれし復讐者(2022年製作の映画)

3.3

出演者は豪華だし面白くないわけでもないのに、気持ちが盛り上がらないのはなぜだろう
鑑賞後に残ったの本物の自然の美しさと、さぞかし撮影は大変だっただろうということだけ
時間も少々長かった

聖なる泉の少女(2017年製作の映画)

3.3

聖なるものと文明
継承と犠牲
どちらの問題も、静かな営みにじわじわと侵蝕してくる
気付いたときにはもう手遅れ
せめて犠牲だけは免れて欲しいのだが

“わしの人生は何だ?“
そっくりそのまま娘に言わせた
>>続きを読む

柔らかい肌(1963年製作の映画)

3.7

中年男が若い女に惚れて…というよくある話だが、夫、妻、愛人それぞれの「こんなはずじゃなかった」がテンポよく無駄なく描かれている
無邪気に浮かれ次第に苛立ち、右往左往する自己中男
もしも不倫のプロがいた
>>続きを読む

小公女(2017年製作の映画)

3.7

ミソは何かの化身のようだった
あんな日々でも汚れや臭いとは無縁の、人間社会を超越した存在であるかのようだった

彼女と友人たちは違っているが違わない
大切なものはそれぞれ別だが、満たされていないのはみ
>>続きを読む

生きる LIVING(2022年製作の映画)

3.7

貫かれる落ち着いた雰囲気が良い

主人公にはウィリアムズという名前があるが、彼の人生は「或る男」のものであり、ひいては「或る人」のものでもあった
彼だけではない
彼の部下たち、息子夫婦、ジェームズ卿や
>>続きを読む

ウーマン・トーキング 私たちの選択(2022年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

男にのみ都合のいい社会や、男たちが身勝手に解釈した掟の蔓延る国に閉じ込められている女性にこそ観て欲しい作品だが、彼女たちにその機会が訪れることはまず無いだろう

文盲で外界を一切知らない人たちの会話に
>>続きを読む

レイジング・ファイア(2021年製作の映画)

3.9

香港映画が熱かった時代の香りは残しつつ、アクションはハイクオリティに
特に終盤のドニーvsニコツェの本気を感じさせる一騎打ちは見応えがあった
爆発したドニーのカッコよさは言うまでもないが、それに負けず
>>続きを読む

ナイン・デイズ(2020年製作の映画)

3.3

あまりに個性豊かな候補者たち
魂の段階でこれだけ色がついているのなら、生まれた先の家庭環境の影響など微々たるものではないかと思ってしまう
「生きる」を問う深淵さは感じるものの、選別者の未熟さがどうにも
>>続きを読む

マーメイド・イン・パリ(2020年製作の映画)

3.0

少しだけ毒のある童話という雰囲気だったが、自分の中でガスパールのキャラクターと彼のタトゥとがどうしても一致せず、おかしな気持ちのまま終わってしまった

加えて、なんだか見たことあるような…→なんか似て
>>続きを読む

SHE SAID/シー・セッド その名を暴け(2022年製作の映画)

3.8

ミーガンとジョディが娘の顔を見て願うであろうこと
それが本作の核だと思う

悪に加担している自覚がありながら自己の利益のために見てぬふりをし、都合のいい解釈で自らを正当化する人間の醜さを忘れない
そし
>>続きを読む

しあわせはどこにある(2014年製作の映画)

2.0

軽〜い気持ちで観れば面白いのかも
ロザムンド・パイクのスキップだけ憶えておく

配役は豪華

未知への飛行(1964年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

大統領の決断に思わず「えっ?」と声が出た
荒唐無稽にもほどがある
もっと現実的な着地点があるだろう…と考えてみたのだが、しかしそのどれもが嘘くさく、非現実的で安っぽかった

軍人脳と政治脳と学者脳が出
>>続きを読む

TAR/ター(2022年製作の映画)

3.7

真相が明かされなかったり匂わせるだけで終わったりすることが多いため、映像をしっかり見ながらあれこれ考えなければ情報が掴めないという、気の抜けない150分

わかったのは、ターは全身全霊で真摯に音楽に向
>>続きを読む

対峙(2021年製作の映画)

3.8

無宗教の人間にとって非常に理解が難しい“赦し”
被害者に芽生えるその気持ちは、自分自身が前に進むための儀式のようなものとして何となく理解できる気がするのだが、加害者が受け取る赦しとは?
赦されて心が軽
>>続きを読む

スターフィッシュ(2018年製作の映画)

1.5

これで自己再生が出来たのなら、まぁよかったね
としか言えない

“実話を基に”の意味

トムボーイ(2011年製作の映画)

3.9

真夏の太陽の下、汗を流しながら何かに興じる子供たち
それがすべてでいいじゃないか
あとは大人がうまく導いてあげればいい
怖がらないで
心配しないで
そう言って寄り添ってあげればいいのに

とにかくミカ
>>続きを読む

ボーンズ アンド オール(2022年製作の映画)

3.0

食人に生まれついた若き二人の混乱、苦悩、葛藤、そして愛
残酷で美しい世界…
という物語を読んだ気分
シャラメの存在がそうさせるというのもあるが、それ以上に現実味がまったく感じられないことが最たる要因だ
>>続きを読む

アンネ・フランクと旅する日記(2021年製作の映画)

3.4

このレビューはネタバレを含みます

本質を忘れがちな人間に原点回帰を促す作品
エライ人たちこそ観て学ぶべき

アンネの身代わりのようにいくつもの初めてを経験するキティだが、彼女が難民問題に関わったり演説したりすることには違和感があった
>>続きを読む

罪の手ざわり(2013年製作の映画)

3.3

広大な大陸のどこかで何かが弾け、凸凹が生まれたとしても、また戦車でひと平しすればよい
そう考える上の方の人たち
好きで手を出したわけではない
どうしようもなくなって…
切羽詰まった下の方の人たち
どち
>>続きを読む

ベスト・オブ・ザ・ベスト(1989年製作の映画)

3.3

異常に熱い
昭和の漫画かと思うくらい熱い
物語は単純明快
ひたすら闘う、それだけの話
韓国チームの修行が面白過ぎてつい笑ってしまうが、余計なことは考えず、汗まみれの男の世界に浸りきれれば楽しめると思う
>>続きを読む

声もなく(2020年製作の映画)

3.7

普通の場所で普通に見える人たちが普通ではない会話をし、とんでもないことをする
その違和感が気持ち悪い
そこに笑いや和みが加わって、次第に感情が麻痺してくる
善人だから善行を、悪人だから悪行をという単純
>>続きを読む

憧れを超えた侍たち 世界一への記録(2023年製作の映画)

5.0

これは泣く
何回観ても泣く
語りたいことがあり過ぎてどうにもならん
だからひとつだけ
誠也と栗林のユニフォームも共にベンチ入りさせてくれたことに心から感謝する
ずっと野球を好きで良かった
本当にありが
>>続きを読む

ミセス・ハリス、パリへ行く(2022年製作の映画)

3.2

このレビューはネタバレを含みます

善意と優しさでみんなが幸せになる
まさに夢物語
しかし、どうしても解せないことがある
いくら焼け焦げた箇所があるにせよ、あれほど憧れてやっとの思いで手に入れたドレスを川へ投げ捨てたりするだろうか
しか
>>続きを読む

モンタナ・ストーリー(2021年製作の映画)

3.7

姉弟の間に漂う距離感、緊張感が、過去の映像を勝手に浮かび上がらせる
そこにある愛と恨みと憎しみが家族を散り散りにし、姉弟の心に深い傷を残したのだが、モンタナの自然の前ではそれすらも些末なことのように思
>>続きを読む

レミニセンス(2021年製作の映画)

2.5

ヒュー・ジャックマンはこの役の何が良くて引き受けたのやら…
とにかく主人公が何をやっても笑える
バカっぽいとかアホっぽいとかではなく、大真面目に愛を求めているのに笑える
カッコいいはずなのにカッコ悪い
>>続きを読む

リトル・ジョー(2019年製作の映画)

3.5

非暴力で本人も気付かぬうちに洗脳完了とは、なかなかうまいやり方だ
これならあっという間に思い通りの世界ができる
傲慢な人間へのしっぺ返しと働く母の本音
どちらも静かに、だが確実に存在している

全体に
>>続きを読む

トゥモロー・ウォー(2021年製作の映画)

3.0

考えちゃいけないやつ
観終わってからニヤニヤしながらツッコミどころを数えるのだ

ベイビー・ブローカー(2022年製作の映画)

2.5

韓国ではこんなに簡単に赤ん坊が買えるのか?

お人好しのブローカーと独断が過ぎるヒラ刑事に、まるで現実味がない
そして、命を地べたに置き去りにし、盗み、売買するような行為はただでさえ気持ちの悪いことな
>>続きを読む

僕を育ててくれたテンダー・バー(2021年製作の映画)

3.6

気にかけてくれる大人がいることのありがたさ
微笑ましいエンドロールが涙を誘う

恋愛部分は好きではないし伯父さんと両親の関係もよくわからなかったが、勝手に妄想することはできる
なんとなくせつない伯父さ
>>続きを読む

遙かなる帰郷(1997年製作の映画)

3.9

プリーモが観察者の目をして見ている
混沌とした世の中を、仲間を、あるいは見知らぬ人々を、その目でじっと見つめている
まるでそれらひとつひとつを咀嚼するかのように
だが彼の中には地獄があった
無理矢理ね
>>続きを読む

フォードvsフェラーリ(2019年製作の映画)

3.4

フェラーリとの対決というよりもフォード上層部vs現場といった様子

何でも思い通りになると思っている大企業
誇りは忘れちゃいないが、どうしても親会社には逆らえない下請け
天賦の才に恵まれながらも埋もれ
>>続きを読む

チア・アップ!(2019年製作の映画)

3.0

軽くて短めな上に意外性ゼロという無味無臭の作品だが、好きなことをしているメンバーたちが輝いているからか嫌な気持ちにはならない

たとえ夫や息子でも、自分の人生を支配されるなど真平御免
と、もっと早く言
>>続きを読む

日曜日が待ち遠しい!(1982年製作の映画)

3.3

オープニングのファニー・アルダンがすべて
ただ歩いているだけなのに3回も観てしまった
彼女以外の登場人物にはまったく魅力を感じないしストーリーもそれほどスムーズではないが、もうファニー・アルダンさえ映
>>続きを読む

モンキー・ビジネス(1952年製作の映画)

3.5

若返りの薬で大騒動のドタバタ劇
ケイリー・グラントは相変わらず軽妙だし脇役のモンローも愛らしいが、一番輝いていたのはジンジャー・ロジャースではないかな
突然のパイの歌には思わず笑ってしまった

若さよ
>>続きを読む

イーグル・ジャンプ(2016年製作の映画)

3.3

ちょっと気持ちが悪いほどのまっしぐら
周囲が見えない(見ない?)エディに困惑しつつも最終的にはまぁ良かったんじゃない?と思えるのは、彼の中に邪さが存在しないからだろう
しかし、個人的には孤高の鳥人ニッ
>>続きを読む