軽率さんの映画レビュー・感想・評価 - 6ページ目

プラットフォーム(2019年製作の映画)

3.2

これまたアイディア勝負みたいな映画だった。一分の隙も許されない完璧な御馳走が降りていく穴。下へ下へ。貪り、食い散らかし、奪い合い、人を食べ、紙を食べる。醜さと一筋の希望。たった一つこの世界に持ち込むも>>続きを読む

サークル(2015年製作の映画)

3.2

悪意ーって感じの映画。いつもなんらかの形でしている選択を、実際に見てみましょうねというアイディア一発勝負は嫌いじゃないが、デスゲーム自体は嫌いなのでうんざりする。ヘイトをためたら死ぬ。ためなくても死ぬ>>続きを読む

エンドレス・エクソシズム(2018年製作の映画)

3.5

よりアクティブな「ジェーン・ドウの解剖」?悪くないと思う。モルグがあんな感じなのかどうか知らないけど。あのコンクリートうちっぱなしみたいな堅くて冷たくて薄暗い空間、不気味な雰囲気が良い。でも私があそこ>>続きを読む

パリタクシー(2022年製作の映画)

4.2

厭世的なタクシー運転手が面倒なババアを拾う。老婦人のおしゃべり、ハチミツとオレンジの味、人生の輝く断片。次第に彼女は特別な客になっていく。壮絶な過去、恨んでも憤ってもそれでも世界の美しさを忘れなかった>>続きを読む

ジャスティス・リーグ:ダーク アポコリプス・ウォー(2020年製作の映画)

3.5

全体的にこれ以上ないくらいしんどい。個人的には序盤で散っていったキャラの、終盤での再登場。あの誇り高い人たちがこんな仕打ちを受けるなんて…とショックだった。
ので、終末にあってゲラゲラ笑って楽しそうな
>>続きを読む

SNS-少女たちの10日間-(2020年製作の映画)

3.5

最悪な気分になるので感想をちょっと寝かせた。作中でも「(必ずしも)小児性愛者ではない」と言われてて、要するに、簡単に騙せて簡単にコントロールできるなら誰でもよくて、簡単だから子どもがいいんだろうな、と>>続きを読む

デイズ・オブ・サンダー(1990年製作の映画)

3.0

あまり、私向けじゃなかったな。才能だけで走ってるコールと技術畑のハリーの「互いに通じる言葉を作らないとな」から始まっていった親子みたいなやりとりはまあまあ好きだけど、車でトップガンやってるみたいな、変>>続きを読む

ザ・ロストシティ(2022年製作の映画)

3.5

バカっぽい冒険ものが見たい!と思って。ハズレなく面白かった。その人だけの宝物って、良いよね。他の誰にわからなくても、本当に宝物だった。ロマンチック!私はロマンチックな話が好きです。そしてDon't j>>続きを読む

幸せへのまわり道(2019年製作の映画)

3.5

ずっと怒っていたから、どうやって向き合ったらよいかわからなくなってしまったんだね。そういう気持ち、わかる。
不思議な質感の優しい物語。子供番組の司会者フレッド・ロジャースを取材することになった主人公。
>>続きを読む

TAR/ター(2022年製作の映画)

3.2

何を見せられるんだろう…と思った。もう少ししっかり音楽の話かと思っていたら、わりと普通に、生活・人生の話で、予告から思っていたのと違った。ただ、音楽でなくても、生活音が強くて、音に敏感な人が生きている>>続きを読む

ヴィデオドローム(1982年製作の映画)

3.8

現実と幻覚が混ざり合っていく、肉体の変化やぬちゃぬちゃした銃…表現が独特。よくわからないし気持ち悪いんだけど、目が離せない。鞭打ち、最初はおずおずときごちなかったのに、笑ってるんだよね、マックス。他に>>続きを読む

不死身の保安官(1959年製作の映画)

3.2

めっちゃくちゃ緩いコメディ西部劇。イギリスの武器商人がアメリカ西部へ銃を売りに来た…のだが…。徹頭徹尾西部の空気とズレた英国紳士は、マイペースに死亡フラグをへし折っていく。西部劇的には腰抜けなんだろう>>続きを読む

ヒドゥン(1987年製作の映画)

3.5

内容を一切知らずになんか面白いって聞いたことがある…?くらいの理由で見始めたので、銀行強盗の画面から始まってのSFに普通に驚いた。100分くらいの、これくらいのちょっとハラハラする映画が一番見やすくて>>続きを読む

チップス先生さようなら(1969年製作の映画)

3.5

こんな話だったのか!勝手に、もっと「いまを生きる」みたいな生徒側からの話かと思ってた。人生を教育と少年たちに捧げた人の、そして愛する妻に捧げた人の物語。
生真面目なチップス先生が若い舞台女優と恋に落ち
>>続きを読む

リメインダー 失われし記憶の破片(2016年製作の映画)

3.5

おー。この一瞬のための物語だったのか。タイトル忘れたからボカすけど、ユアン・マクレガーの出てたある作品ぽさがあった。そういうオチ?と思ってた。違うけど。
そういうつもりで見てたわけじゃないんだけど、ト
>>続きを読む

ザ・ホエール(2022年製作の映画)

3.8

一つの部屋と、訪れる人だけで構成される物語。救い…だろうか。自分の考えを人に訴えかけるしかないんだよな、人生って。と、よくわからないままに、朝からバシャバシャに泣いた。自分の絶望から目を逸らすため、食>>続きを読む

パイレーツ・ロック(2009年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

やー、良かった。昔見た時よりも、俳優の顔がわかるの意味で解像度が上がってるし。これは…ダンケルクと言っても過言ではないのでは?(過言です)ケネス・ブラナーのカッチカチにスクエアなおじさんたちの世界が間>>続きを読む

ジプシー(1962年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

Rose's Turn知ってるー!の理由で見始めたけど、あんな曲だったんか…もう、怖いわ。すごい映画だとは思う。すごいけど、嫌い。怖くて泣いちゃった、冗談じゃなく。何があってもへこたれず、ずっと前に前>>続きを読む

落下の王国(2006年製作の映画)

4.5

めっちゃくちゃ良かったー!現実と向き合うための、心を救うためのフィクション。現実がちょこちょこ混じるああいう「物語」、大好き。それにエキゾチックで色に溢れた世界。優しいアレクサンドリアの存在が物語と死>>続きを読む

パラドクス(2014年製作の映画)

3.2

空間ループもの。階段から出られない3人。バカンスへ行く途中の空間から出られない一家。かたや自堕落に、かたや建設的に過ごしながら、同じ一本道をハムスターのように走り続ける描写。正直、まだ内容をしっかり理>>続きを読む

ブロンコ・ビリー(1980年製作の映画)

4.0

わりと驚いた。イーストウッド、こんな、ちゃんと自分がかっこいいうえで、普通に朗らかで面白い作品も撮ってたのか。西部劇が終わりを迎える時代…とかでもなく、とっくに終わっていて現代。もうストレートにジリ貧>>続きを読む

ザ・スクリブラー(2014年製作の映画)

3.0

連続自殺事件、多重人格主人公。好きな女優ばっか出てるヒャッハー!と思いながら見たけど、あと一歩…話も絵も少々安っぽい「エンジェルウォーズ」感。
ケイティ・キャシディが出ずっぱりなので、それ目当てならヨ
>>続きを読む

ベルベット・バズソー: 血塗られたギャラリー​(2019年製作の映画)

3.5

呪いを振り撒く絵画、巻き込まれホラー。高尚な世界…ではあるんだろうけど、どことなく傲慢で鼻につく登場人物たちが、奇妙で惹きつけられる絵画に狂わされていく。処分すべきものをしなかったばっかりに。地味めな>>続きを読む

セントラル・ステーション(1998年製作の映画)

3.8

手紙を書くことで縁を繋いでしまったから。決して"良い人間"とは言えないドーラと赤の他人のジョズエのロードムービー。「グロリア」からスリルを引いて、切なさを足したような作品。
祈りでいっぱいの場所で昏倒
>>続きを読む

メアリーの総て(2017年製作の映画)

2.8

つまんなすぎて死にそう!メアリ・シェリーには興味あったし、自由恋愛はどうぞどうぞだけど、離婚もせず妻子を放っておいて親の金で若い家出姉妹(姉妹!)を囲う男に愛とか希望とか言われてもwと思っちゃうし、恋>>続きを読む

胸に輝く星(1957年製作の映画)

3.8

若造保安官ベンを教え導く通りすがりの賞金稼ぎモーグ。期待されてなかったベンが教えの成果で街の敬意を勝ち取るのも素敵だが、ベンの理想への熱意に感化されるモーグも良かった。こういう役のヘンリー・フォンダ、>>続きを読む

ヨギ&ブーブー わんぱく大作戦(2010年製作の映画)

3.0

喋るクマとパークレンジャーの公園救済ドタバタコメディ。クマがおバカで天才。悪徳市長が閉鎖しようとする公園…クマですでに人呼べるレベルの珍しさでは?とは思う。バスケット盗まれるけど。トム・キャヴァナーと>>続きを読む

舟を編む(2013年製作の映画)

3.9

ぬめり感…指に吸いつくような滑らかさで、あの薄くて軽いページを捲るように、静かにながーく続く物語。穏やかでクスリと笑えて、少し寂しい。
辞書って、もしかしたら一度も読まれない語があるかもしれない書物で
>>続きを読む

Govindudu Andarivadele(原題)(2014年製作の映画)

3.8

正体を隠した旅人(主人公アビー/ラーム)が家族の問題を解決して再び結びつける神話・英雄譚ぽさもあり、農村と絶対権力者おじいちゃんな大家族のほのぼのストーリーでもあり、最後にいくつかの結婚をまとめあげる>>続きを読む

デス・ウィッシュ(2017年製作の映画)

3.2

良い家族〜という導入が丁寧なので復讐の気持ちはよくわかる。が、善人が悪人を始末するといえば聞こえは良いけど、「自分のテリトリーは自分で守るのが正しい」の描き方がちょっと…その精神はアリなのか…と思わな>>続きを読む

Catwoman: Hunted(原題)(2022年製作の映画)

3.5

話は、まぁ、普通!ルパン三世…てか、峰不二子的な。そりゃまぁそうでしょ、って感じ。バットウーマンの役割がほとんどバットマンと変わらないのが残念だが、キラキラな日本のアニメ(監督・スタッフが日本人)な絵>>続きを読む

Batman: The Long Halloween, Part Two(原題)(2021年製作の映画)

-

このレビューはネタバレを含みます

うっわー…アニメになるとそういう改変するー…いや、大変わかりやすくて良いけれども。そっかそっかー、なんか薄々思ってた。面白かったけれども。マイケルとフレドが合体したみたいなアルベルトがますます不憫だな>>続きを読む

Batman: The Long Halloween, Part One(原題)(2021年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

オープニングかっこよすぎるでしょ…ティム・セールの絵の使い方!贅沢!と思いながら見てたら、声当ててるのが知ってる俳優だ!え?まじ?となり、それだけで買った甲斐があったー!(ナヤ・リヴェラ…悲しい…)>>続きを読む

ガンズ・アキンボ(2019年製作の映画)

3.2

ダニエル・ラドクリフが二丁拳銃、以外の情報を知らずに見たため、デスゲーム系って好きじゃないんだよなぁ…と最初ちょっと沈んだものの、悪ふざけが過ぎるのでどうでも良くなっちゃった。ぼんくらな巻き込まれキャ>>続きを読む

追跡(1947年製作の映画)

3.5

微妙に嵐が丘っぽい西部劇。家族を亡くした少年が兄妹がいるいえに引き取られ成長するも、本人が知らない理由で執拗に命を狙われる。いちおう相思相愛で結婚するも全然幸せそうじゃない。陰翳の濃い部屋と花嫁のコン>>続きを読む

ニューヨーク東8番街の奇跡(1987年製作の映画)

4.0

立ち退きを迫られるアパート、住人は認知症の老婦人と介護&仕事に明け暮れる夫、売れない画家、一人暮らしの妊婦、無口で臆病な管理人?…と崖っぷちから始まり、どんなハートウォーミングな奇跡が起こるのかと思っ>>続きを読む