広島カップさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

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列車に乗った男(2002年製作の映画)

3.8

正体の知れぬどこか影がある列車の乗客、彼はとある田舎町の駅に降り立った。
街の薬局に立ち寄った男はそこでにこやかでお喋りな男に話しかけられ、ひょんな事で彼の家に泊めてもらうことになる。
氏素性の知れ
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ザ・ライト -エクソシストの真実-(2011年製作の映画)

3.0

悪魔に憑依されてネジくれる身体、神父に悪態をつく悪魔、「何が出るかお楽しみ」口から何かを出すシーン等々...ストレートにエクソシスト映画の楽しみが溢れています。
でもコレってこの分野のパイオニア『エク
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ヒッチコックの映画術(2022年製作の映画)

3.5

監督のマーク・カズンズのヒッチコック論ではなく、ヒッチコック自らが自分の映画について語る作品。
自身の映画について過去にした自己分析を今の時代に語るという体裁のもの。
もっとも敢えて6つのテーマに分
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愛は静けさの中に(1986年製作の映画)

3.0

聾学校に赴任した教師(ウィリアム・ハート)とそこに掃除係として務める聾唖の女性(マーリー・マトリン)の交流を描く物語。
本作で映画デビューした当時21歳のマーリー自身は聴覚障害者で、本作でアカデミー主
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イン・ザ・スープ(1992年製作の映画)

3.8

「苦境に陥る」「困った事になる」と言った意味の俗語表現である"イン・ザ・スープ"。
映画作家志望の男(スティーブ・ブシェーミ)は収入が無くニューヨークでカツカツの生活を送っていた。
いよいよ金に困り自
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離愁(1973年製作の映画)

3.5

これはお国柄を感じざるを得ない、フランス/イタリア映画。

戦争が在ろうが無かろうが?
周りに人がいようがいまいが?
身重の妻と可愛い娘が近くにいようがいまいが?
いい歳した男女が互いに好きになっちゃ
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藍色夏恋(2002年製作の映画)

4.0

直球の高校生の恋愛ストーリーだ。イザ!目をツムってド真ん中に投げ込メ!

「こっちもフルスイングしたるケェのう」?などと受け止めてしまいたくなる、なんとなくそんな夏の高校野球広島地方大会?のような、清
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グランツーリスモ(2023年製作の映画)

3.5

私がこれまで観てきたレーシング映画はどれもこれも渋い男が主役で男の生き方みたいな物を全面に出し、エグゾースト、爆音、オイルの臭いが強くする作品が殆どでした。
本作は若造が主役でしかもレーシングに関して
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テナント/恐怖を借りた男(1976年製作の映画)

3.8

投身自殺をした女が住んでいた部屋を借りた男(ポランスキー自身が演じている)が徐々に精神破綻をして行く。
ジワジワと少しずつ崩れて行く男がゾッとする。
ハッキリとした理由は判らないが、周囲が「そっちへ行
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名探偵ポアロ:ベネチアの亡霊(2023年製作の映画)

2.8

これでは私の灰色の脳細胞は困ってしまいます。
ポワロにはホラーっぽい演出は合わないと思うし、更に加えてジャンプスケア的な味付けは全く似合わないと思います。
もっと腰を据えて推理劇の方に力を入れてもら
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ミステリと言う勿れ(2023年製作の映画)

2.9

ヒステリと言う勿れ、主役の女の子がマァよく泣く事!
原菜乃華という初めて見た女優は、涙と鼻水のダラダラ大安売り状態ですしやたらとキンキン大声出すし、こういうのをヒステリと言うのではないでしょうか。感情
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鬼談百景(2015年製作の映画)

1.4

私は子供の頃から怖い話をするのも聞くのも好きで、中学生の頃には夏になると友達と勉強もせずよくそんな話をして勝手に震えて遊んでいました。
小中学生の頭の中で想像する怖い話なので、とても身近でスケールの
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ゴールデンスランバー(2009年製作の映画)

2.5

仙台を遊説中に爆破テロで殺害された総理大臣。その犯人として濡れ衣を着せられた主人公の逃走劇。

彼が逃げられるかどうかも確かに気になりますが、日本ではケネディ暗殺のような奥の深い陰謀が絡んだテロ事件な
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ドラキュラ/デメテル号最期の航海(2023年製作の映画)

4.0

秋のお彼岸が近いのですがまだまだ暑いので、ホラー映画の冷却効果が欲しくなってしまいます。

幽霊船ならぬ19世紀末の吸血鬼船の話で、ロンドンに向かう帆船デメテル号の中に一匹の蚊が...いや吸血鬼が乗り
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ザ・コール [緊急通報指令室](2013年製作の映画)

2.8

911の緊急通報指令室のオペレーターが取った電話の向こう側には誘拐事件が現在進行形だ。
同じようなプロットの作品に『THE GUILTY/ギルティ』(2018)という電話のこちら側だけで構成された良く
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ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)

4.0

第二次世界大戦の末期、ドイツに住む10歳の少年ジョジョ君(ローマン・グリフィン・デイビス)はヒトラーユルゲントの合宿に参加。総統万歳!ユダヤ人を殺せ!
キラキラしたつぶらな瞳の彼は訓練中に呑んだくれ教
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原発をとめた裁判長 そして原発をとめる農家たち(2022年製作の映画)

4.0

様々な社会問題がある中で、私はとりわけ原発問題に対して関心があります。それには訳があって、実はもう他界している私の父が原子力村※の村民だったからです。

約半世紀前、私が子供の頃にTVドラマ「3年B組
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アステロイド・シティ(2023年製作の映画)

2.7

セリフの数が多くて英語のニュアンスの理解が悪いと、裏にありそうなヴェス流侘び寂びの理解が難しい映画でしょうか。
何が言いたいんだか解りにくくて、凝った色彩と音楽とカメラワークだけ目についたし、名の売れ
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アサイラム 監禁病棟と顔のない患者たち(2014年製作の映画)

2.7

「あざとい」という言葉を最近よくメディアで目や耳にしますが、主に男性の気を惹くために可愛らしさや女性らしさをアピールした言動という意味で使われています。本来の意味は、抜け目がなくやり方が露骨なことを>>続きを読む

志乃ちゃんは自分の名前が言えない(2017年製作の映画)

4.5

青春は誰もが皆んな自分の居場所を探している。

吃音症があり内向的な志乃(南沙良)と、ロック好きで影があり昔でいうツッパッている加代(蒔田彩珠)。
高校に入学し同級生になった二人は居場所探しに日々精一
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日の果て(1954年製作の映画)

3.7

太平洋戦争の末期、フィリピンの日本軍は食糧弾薬ともに底をつきかけていた。前線の最高司令官(加藤嘉)は「それでも退却はしない、脱走者は許さない」とあくまでも徹底抗戦の構え。
脱走者のうちの一人の軍医(岡
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MEG ザ・モンスターズ2(2023年製作の映画)

1.5

MEG ザッ(雑)・モンスターズですねこれは。
教科書通りにパワーアップせよ!パート1よりとにかく派手にやるのがアクション映画のパート2であるという、昭和の続編物の王道パターンを胸を張って歩く中国資本
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Pearl パール(2022年製作の映画)

3.0

ホラー作品を作るにあたり製作者側には大切な事があるのだと本作は気付かせてくれました。
残忍に殺人を繰り返すミア・ゴス演じる主人公のパールはシリアルキラーというより完全に精神疾患というニュアンスが濃厚で
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SAND LAND(2023年製作の映画)

4.5

S&L&
....と来たら次はMかな?

小さいのから大きいのから中くらいのサイズまで、キャラクターがバラエティ豊かに大集合の...
Spectacular & Large-scale MOVIEです
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ブギーマン(2023年製作の映画)

2.5

♪ペットフゥードはドギィーィマンッ!
(ペットフードのTV-CM)

本作のブギーマンはドギドギ...いやドキドキさせるだけでちっとも殺(や)る気が無い!
真剣にターゲットを殺る気があるのかねドギーマ
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竹山ひとり旅(1977年製作の映画)

3.8

半盲目の津軽三味線奏者である高橋竹山の放浪の物語。
子供の頃に麻疹で半盲目となった為、母親が近所の三味線芸人の所に入門させたことにより三味線の道に進んだ高橋。主に東北地方を中心に周る門付芸人としての若
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三文役者(2000年製作の映画)

4.0

三文文士という言葉はありますが、三文役者と辞書で引いても出て来ない。役者の世界でのみ通用する言葉なのであろうか。
三文文士とは売れない作品しか書けない文筆家のことだが、同様の意味だとして考えたら彼に
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独裁者(1940年製作の映画)

5.0

人類の自由が失われていた時代...と冒頭に記されて本作は始まります。

左でも右でもないチャップリンが自由と民主主義の為に我慢ならなかった相手は、自分と誕生日が四日しか違わない、しかも自分と同じチョビ
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(1963年製作の映画)

4.0

戦後の広島で暮らす親娘。娘(乙羽信子)には就学前の頑是ない男の子がいる。
娘は二度の離婚を経験し暮らしは決して楽ではない。
そんなある日、娘が生きる糧にしていた男の子に脳腫瘍が見つかり手術の為に多
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わが道(1974年製作の映画)

4.0

今から57年前の昭和41年(1966)に起きた事件を描いた作品。

青森から東京に出稼ぎに行った男(殿山泰司)が街で行き倒れ、身分を証明する物を持っていたにも関わらず身元不明者として扱われ解剖実験材料
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泥の河(1981年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

政府が経済白書の中で「もはや戦後では無い」と宣言した昭和31年。大阪を舞台に当時の日本人の生活を描く宮本輝原作の映画化。

川の辺りで定食屋を営む夫婦には小学三年生の男の子がいる。ある日、川の向こう
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原爆の子(1952年製作の映画)

4.0

娘がまだ小学生だった頃、家族で広島に旅行に行き宮島の弥山に登りました。
よく晴れた夏の日、汗だくになって登った弥山の頂上から海の向こうの広島市内の方向を向き、夏の雲が広がる空を見渡しました。
本作には
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どぶ(1954年製作の映画)

4.0

終戦後あちらこちらにあったバラック。本作はカッパ沼という沼の周囲にあったバラックに生活する貧しい人々を描いている作品で終戦の九年後に作られた。

毎日生きる事に汲々としてはいるが酒を飲んだり博打をした
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イノセンツ(2021年製作の映画)

3.8

この感覚はまるで大友克洋の『童夢』のようだ。
日本の団地をノルウェーの森が近くにある団地に移して、その静謐さが漂う空気の中でサイキックな世界を展開している。
主人公達が『AKIRA』(同じく大友作)の
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第五福竜丸(1959年製作の映画)

4.5

1954年1月22日:
23人の乗組員を乗せた遠洋マグロ漁船第五福竜丸が家族他大勢の人達に見送られて焼津漁港を出航。

3月1日:
南太平洋ビキニ水域で「西から登る太陽」(米国の水爆実験)に遭遇。
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薮の中の黒猫(1968年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

平安時代、野武士の一団が一軒の農家を襲いそこに住む二人の女(乙羽信子、太地貴和子)を惨殺し家を焼いた。
殺された女二人は飼い猫だった黒猫に憑依し侍達を殺すことで現世に留まった。
夜な夜な復讐の為に侍を
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