おざわさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

おざわ

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散歩する侵略者(2017年製作の映画)

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よく出来すぎ感はあるけど滅茶苦茶アクチュアルな映画だった。

恵比寿駅からロシア語看板撤去とかふざけたニュースがあったけど、その時点で、というかそれよりずっと前から日本でも戦争は始まってるんだろうな。

ブンミおじさんの森(2010年製作の映画)

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マジックリアリズム的演出とかタイの田舎の光や空気とか、色々良かったところは多いけどやっぱり一番の収穫はあのラストだと思う。
物語のほぼすべての舞台である森を一切投げ捨てて、都会のホテルへいきなり舞台を
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MEMORIA メモリア(2021年製作の映画)

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映像よりも音響のほうが存在感のある奇妙な映画。運転している主人公を助手席の視点から数分間ただ長回ししているだけで観客をハラハラさせる映画なんて前代未聞じゃないか。
ただ回しているだけでその空間の時間や
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私はゴースト(2012年製作の映画)

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低予算で面白い映画をとろうと思うとやっぱりループものが一番やりやすいのかな

ハッピーアワー(2015年製作の映画)

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5時間という上映時間が「あっという間に過ぎた」というわけではもちろんなくて、その長いだらだらした時間が、ときには停滞や淀みをはさみながらだらだらした時間のまま肯定されていくような贅沢な映画。とくに有馬>>続きを読む

寝ても覚めても(2018年製作の映画)

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私が誰かを見ているときにあちらは私を見ていないかもしれない、もしくはその逆、交錯しない視線への恐怖、驚き、不思議と、それらが一致する一瞬の奇跡。平凡なようでいて恐ろしい、とてつもない映画だった。麦は死>>続きを読む

テレビで会えない芸人(2021年製作の映画)

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芸人が不良だったころの生き残り。ちょい物足りなかったけど良い。

芸人だろうがロックンローラーだろうが作家だろうが職業云々じゃなくそういう生き方ですよね。

偶然と想像(2021年製作の映画)

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偶然が介在する三つの極上のコミュニケーション。
偶然が自身の人生に大きな意味を投げかけるときそれは必然に昇華される、しかしそれはあくまで偶然にすぎないのだ、という少し冷笑的な、けれどどこか純粋さを含む
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ノマドランド(2020年製作の映画)

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幸福も惨めさも美しさも汚らしさもすべてがフラットで透明。徐々に死へ漸近していくような静けさ。旅行してー泣

エレニの帰郷(2008年製作の映画)

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過去と現在を交錯させる、さりげない長回しの手捌きが非常に良い。

SNS-少女たちの10日間-(2020年製作の映画)

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性犯罪やセクハラだとかについて今まで考えたことがない人はそりゃ観た方がいいと思うけど、元々興味ある人が観ても「やっぱ男ってキモいよね」という同調と共感にしかならないんじゃないかと思った。過激すぎて下手>>続きを読む

ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

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濃密すぎる三時間だった。作中に登場する「ワーニャ伯父さん」や「ゴドーを待ちながら」といった作品がすごく重層的に機能している。広島市のゴミ処理場のシーンのときに同じくベケットの「しあわせな日々」の主人公>>続きを読む

クリムト エゴン・シーレとウィーン黄金時代(2018年製作の映画)

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男性で異性愛者のキュレーターが縦向きに描かれたシーレのヌード画を横向きに配置したがるというエピソードが面白かった。

ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ(1999年製作の映画)

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おれはラテンアメリカの熱っぽさと楽器を演奏したり踊ったりしている人を見るのが好きだからサイコーだった。

老齢のピアニストが演奏してる横でバレエの女の子たちが楽しそうに踊ってるシーンなんか涙が出そうだ
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ハンナ・アーレント(2012年製作の映画)

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「悪の凡庸さ」という歴史的パワーワード。
周囲のユダヤ人やアメリカ人はハンナに「ユダヤ人的正義」を求めるがそういう彼らこそナチズムに似た民族主義に陥っているのに気づいていない。

にしても周りの人間が
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17歳の瞳に映る世界(2020年製作の映画)

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声を荒立てて何かを糾弾したり、答えを提示したりするわけでもなく現状では原題に示された四つの選択肢を投げこむしかできないというのが非常に痛ましい。

ティーンエイジャーを主人公にした映画って日本では学校
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ファンタスティック・プラネット(1973年製作の映画)

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内容も相まって知らない国のぶっとんだ神話を読んでるような、観てるだけで想像力がきりきり広がっていくような感じ。ギャグなのかマジなのかわからない本物のシュールさ。色や形の異質さがすごい。
こういうおぞま
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スパイの妻(2020年製作の映画)

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よくもこんな控えめな演出の背後に人間の強い感情を隠せるもんだ。大傑作。
特に蒼井優の演じっぷりを観てると大戦末期に実際にこんな婦人がいたんじゃないかと思えてくる。当時の上流階級の人間が実際にこういう喋
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ボヘミアン・ラプソディ(2018年製作の映画)

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偉大。讃美歌だろうがクラシックだろうがロックだろうが、音楽そのものが「善き考え、善き言葉、善き行動」なんじゃないかと思う。

メッセージ(2016年製作の映画)

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ただの英雄譚というわけじゃなくて人生に対する諦めに似た肯定感が底を流れているのが泣ける。SFど真ん中の作品なのにどこか宗教的。観終わったあと永劫回帰の思想について少し考えてしまった。
ヒロイックさがな
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花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)

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細かい感性を掬ったっぽいモノローグやよく聞くあるあるを入り混ぜたような二人の会話に全然興味をもてなかった・・・ 後半の二人の関係性が変化していくところは面白かったけど。
絹の就活を具体的に描かないでモ
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マルホランド・ドライブ(2001年製作の映画)

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再見必須なミステリー映画って一回目の鑑賞が二回目、三回目の鑑賞に従属させられているような気がしてあまり好きじゃないんだけどこれは意味不明なまま観る一回目からフルで面白い。

秋刀魚の味(1962年製作の映画)

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どっかで見たことある景色だなと思ってたら60年前の池上線だった。女優陣が全員きれいすぎる。

許された子どもたち(2019年製作の映画)

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直接的な暴力描写もそうだけど学校の授業の場面で中学生らしい空論を振りかざして問題をいたずらにややこしくしていく委員長ポジションの生徒が本当に最悪だった。自分に身に覚えがあるだけに。

街の上で(2019年製作の映画)

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長回しを多用するただの日常性に満ちた映画かと言えばそんなことはなく、妙な縁と偶然が積み重なっていって思いもよらない方向へ物語が進んでいくような作品。だからといって登場人物間の関係性が完全に露わになるわ>>続きを読む

アルプススタンドのはしの方(2020年製作の映画)

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話としてよく出来すぎてるだとか都合が良すぎるだとか言うのは簡単だけどそういう冷笑的な評価を吹っ飛ばすくらいのパワーはある。ラストは流石にいらなかったけど。あと茶道部顧問の俳優の憎めなさがすごい。
とは
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ようこそ映画音響の世界へ(2019年製作の映画)

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映画は工業的な技術との関わりが強いからそういう意味では今後もどんどん「新しい映画」が作られていくんだろうな。小説や絵画といった分野との違いはそこにあるわけで。

だからサブスクばかりじゃなくもっともっ
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ノーカントリー(2007年製作の映画)

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アメリカのマッチョさとその限界。

ほとんど音響を使わない演出のおかげで緊張と緩和の対比がえぐい。あんまスリラー映画見慣れてないけど殺し屋の妙な生活感とか一つ一つのシーンの完成度が高いことが素人でもわ
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去年マリエンバートで(1961年製作の映画)

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どこまでいっても客観へ至ることはない主観と主観の交錯。直線的ではない、かと言って円形でもない現在と過去が溶けあった時間の内部で混乱する女の視点がそのままスクリーン上に映しだされた幻惑的世界、ということ>>続きを読む

バッファロー’66(1998年製作の映画)

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途中まではそこまで興味をもてないまま観てたけどイエスの「Heart Of The Sunrise」が流れはじめてから一気に印象が変わった。スコセッシのタクシードライバーと少し似てるけどこっちの軽薄さの>>続きを読む