いち麦さんの映画レビュー・感想・評価 - 26ページ目

いち麦

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ブラック・シー(2014年製作の映画)

4.0

青年から老夫まで…狭く暗い密室に次々に浮かび上がる男たちの顔、顔、顔…実に男臭い。J.ロウやB.メンデルソーンら味な俳優が出演するも話運びはスリルを求める余り粗く強引でB級臭すら漂う。でも納得のラス>>続きを読む

Mr.ノーバディ(2021年製作の映画)

5.0

愛しい家族と普通の暮らしがしたい…という、ごく普通の願いが一番難しいのかもネ。軽快なテンポとカメラワークで見せるアクションが素晴らしく爽快感も抜群。無駄を省く一方で、笑いの要素もドラマの要素もしっか>>続きを読む

サムジンカンパニー1995(2020年製作の映画)

4.0

入り口こそコメディ・タッチだが本筋は不遇の女性社員たちが不正や悪と闘う社会派ドラマ。コ・アソンの奮闘演技が魅力的。登場人物たちの立ち位置をミスリードさせる演出なんだろうが、却って話全体の見通しを悪く>>続きを読む

インターセプション 盗聴戦(2014年製作の映画)

3.0

お馴染み3人の盗聴犯シリーズ第3弾。阿漕な地上げ話なので終盤のクラッシュ・アクション以外は地味め。同じ穴の狢のはずが悪徳漢vs.正義漢の対決構図に変わる妙。前作同様やはりD.ウーの役処で胸が空く。

あの日のように抱きしめて(2014年製作の映画)

4.0

ネリーの一途な愛とその心の果てを男との“再会ごっこ”に見る…N.ホスの演技は見事。ただ呆れる程の男の鈍さやレネの背景など物足りぬ部分や引っかかる部分も。C.ペッツォルトも一層ジャンル物っぽくなった。

ブレイド・マスター(2014年製作の映画)

3.0

裏切りと陰謀、愛憎関係の目まぐるしい反転は中国武侠モノらしく、かなり強引で無理な部分も多かった。張震演じる沈煉のドラマが面白く飽きずに最後まで楽しめたが、アクションとしては並…カットも目まぐるしく今>>続きを読む

レッドカーペット(2014年製作の映画)

5.0

仕事の夢も恋も思い通りに行かないポルノ映画監督の胸中。ジョンウのウジウジしない性格が良い…自主映画製作の仲間とで風を捉え始めたところ辺りからが清々しい。コメディ部分も大いに笑えたしホロリとなったしで>>続きを読む

ルナ・パパ(1999年製作の映画)

4.0

バフティヤル・フドイナザーロフ追悼特集。荒唐無稽、御伽噺の様なファンタジー。珍しい景観と色彩美。愛嬌たっぷりなマムラカット。ナスレディン役でモーリッツ・ブライトロイの愉快な演技が際立つ。コミカルな場>>続きを読む

ふたつの名前を持つ少年(2013年製作の映画)

5.0

波乱万丈の逃亡劇、SSの目をも眩ませ幸運をも引き寄せるほどの少年の逞しさに打ちのめされた。アイデンティティ消す少年自らの言動には考えさせられる。悲劇の記憶を封印していた過酷さを思い知らす演出等も見事>>続きを読む

ビッグゲーム 大統領と少年ハンター(2014年製作の映画)

5.0

技量こそ身の丈ほどだがラップランドの狩人根性で道切り開く少年の大きな勇気に熱くなる。大胆さ都合良さは寧ろ北欧ファンタジー作品らしい素朴な味わい。W.ポールター似の少年の険しい目元が印象的。

日本のいちばん長い日(2015年製作の映画)

5.0

テンポ良いカットとシーケンスでスリリングな臨場感。昭和天皇の声音作りが見事な本木雅弘、頭に血管浮き立てて凶人演じる松坂桃李、胸内を穏やかに絞り出す役所広司、怪物の貫禄漂わす山崎努…皆さん素晴らしかっ>>続きを読む

この国の空(2015年製作の映画)

5.0

兵役を逃れ生に屈折した感情を抱くひ弱で奇異なキャラクターにマッチした長谷川博己とそんな男にさえ惹かれていく年頃娘の色気を匂わせる二階堂ふみ、そして娘を同じ女としての目線で慮る母の工藤夕貴、見応え十分>>続きを読む

パージ:アナーキー(2014年製作の映画)

5.0

貧富格差は広がり弱者切り捨ての政策を国自らが敷く、銃器の所持が許され犯罪検挙率は低く法の裁きも不十分…何処か現実に通じる様相。制度の狙いや反体制蜂起が窺われる分、前作よりクライム・サスペンス以上の面>>続きを読む

僕らの青春白書(2014年製作の映画)

4.0

不良少女の強気と一途で切ない恋心の二面性を表すヨンスク。すれ違いや込み入った事情などを織り込んだジュンギルとのドラマがグッと胸に来た。'70後半のポップスも流れ当時の男女間のケジメ意識を思い出させ懐>>続きを読む

最後の1本 ペニス博物館の珍コレクション(2012年製作の映画)

3.0

一部とはいえ人体標本をプライベートで合法的に入手する困難。館長のシッギがペニスに拘る理由も興味深いが、それ以上にトム・ミッチェルなる米国人が自分の巨根に異常なほど執着する愛に呆れた。

コシュ・バ・コシュ/恋はロープウェイに乗って(1994年製作の映画)

5.0

バフティヤル・フドイナザーロフ追悼特集。賭事に耽り浮ついていたロープウェイ操縦士の青年ダレル。タジキスタンの荒んだ情景、鳴り止まぬ銃声と爆撃音をバックに走り出した彼の一途な恋。演じたダレル・マジダフ>>続きを読む

さよなら、人類(2014年製作の映画)

3.0

ロイ・アンダーソン監督リビング・トリロジー最終作。一層削ぎ落とされた台詞、抑制の効いた人物の動き、端正でクリーンな構図で纏められた映像詩に人間の悲哀が滲み出る。意表を突く壮大なシーンの数々がシュール>>続きを読む

彼は秘密の女ともだち(2014年製作の映画)

5.0

映像で綴る少女時代からのローラ達二人の関係を下敷きに、ダヴィッドの女装で掴み、クレールの揺れる心の深奥へと次第に入っていく展開が見事。心配してたR.デュリスの女装顔はエマ・ワトソンを彷彿させOK。秀>>続きを読む

アギーレ/神の怒り(1972年製作の映画)

3.0

ヘルツォーク傑作選。征服者達の飽くなき野望が生んだ狂気の支配者…演じたクラウス・キンスキーの青い瞳と形相。アンデスの急峻な山道を下るOp、天然色の密林にカラフルな衣装、リアリティある細部の異様さが圧>>続きを読む

エボラ・シンドローム/悪魔の殺人ウィルス(1996年製作の映画)

3.0

『人肉饅頭』後のハーマン・ヤウへの期待をしっかり満たす出来映え。ウィルス取り込みまで見どころ満載…物語的に必要ないクレイジーなネタが笑える。拡散以降をアッサリと纏めたバランスがイイ。

少年、機関車に乗る(1991年製作の映画)

4.0

バフティヤル・フドイナザーロフ追悼特集。田舎機関車での旅は、訳アリ家庭の陰を落とす兄の心と弟の屈託なさを載せ、コミカルさの裏に悲哀が漂う。気になる描写豊富。粗末な家屋、不思議な光景と味わいある音楽も>>続きを読む

ミッション:インポッシブル ローグ・ネイション(2015年製作の映画)

5.0

字幕。謎を上手く撒きながらグイグイ引き込む秀逸なプロットと緩急つけながらスリリングなシーンの連続で文句無しの面白さ。身体を張ったアクションだけでなくT.クルーズのガツンと入った映画魂を見る思い。

ジュラシック・ワールド(2015年製作の映画)

5.0

IMAX 3D字幕。重量級エンタメ作の仕上がり。C.プラットの活躍が嬉しい。B.D.ハワードの憎めないキャラや仕草も魅力的だった。新しいネタで楽しませてくれる一方、旧作を懐かしく思い出させる仕掛けも>>続きを読む

愛おしき隣人(2007年製作の映画)

3.0

リビング・トリロジーの前作『散歩する惑星』に比べるとシュールさはぐっと減り、人間の日常の営みから零れ出した情感を掬い取った様なコラージュに一層親しみが湧く。ネタの味や音楽でタチ作品を彷彿させるパート>>続きを読む

海のふた(2015年製作の映画)

3.0

ゆったりとした時間の中でプレミアム感盛るかき氷の毅然とした“身嗜み”に窺われるマリの決心、ハジメの瑞々しさと繊細さ、海水のたてる音の遊泳感などが魅力。服装や止まった扇風機等、盛夏の季節感欠落は狙いか>>続きを読む

レッド・ノーティス(2021年製作の映画)

4.0

お馬鹿なギャグで一番笑いを取るのはR.レイノルズだし、オチまでは彼視点で描かれているので彼の役中心に見ればトコトン楽しい。特にD.ジョンソンとの微妙な心のすれ違いが愉快。G.ギャドットにもう少しドラ>>続きを読む

モスル~ある SWAT 部隊の戦い~(2019年製作の映画)

3.0

隊長の強力なリーダーシップの下に独自の行動を展開する、SWAT一部隊。スカウトされたカーワの視点に寄り添い最後の最後に明かされる、その熱き目的。それにしても戦禍に荒れた都市で突発的に始まる銃撃戦の臨>>続きを読む

散歩する惑星(2000年製作の映画)

3.0

ブラックな笑いを起こしながら連鎖していく男の悲哀なるポエム。遠近感強調の整理された構図と極端に抑制された動きが独特で多数の人間が居ながらも無機的な異彩を放っている。B.アンダーソンの親しみある音楽が>>続きを読む

コンフェッション 友の告白(2014年製作の映画)

4.0

誤解やアクシデントが重なり壊れていく男同士の友情。先読みを難しくする韓国ならではの要素も効いていて最後まで目が離せないドラマ。キャラクターの違いがじわじわと三人の運命を弄んでいく展開が切なすぎる。

ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ(1999年製作の映画)

4.0

スタジオ収録やカーネギー・ホールのシーンも魅力的だったがアムステルダムでのパフォーマンス・フッテージが最高。イブライムの美声は勿論、Cb&ティンバレスのソロ等とてもエキサイティングだった。

ラブ&マーシー 終わらないメロディー(2014年製作の映画)

4.0

メリンダやランディ医師との関係が主。名優達が演じてるしタイトル曲が直にテーマに通じてるから終盤は一寸物足りない。楽曲作りには深入りしていないがファンも楽しめるよう小ネタは結構拾っていた。

セバスチャン・サルガド 地球へのラブレター(2014年製作の映画)

4.0

広角レンズが細部まで詳細に描写するモノクロームの世界。語りかけてくる迫力の写真を解説付きで見る贅沢。人間を追い続けて来た彼が最後に自然再生の旅路に着いたことに深く考えさせられた。

八仙飯店之人肉饅頭(1993年製作の映画)

3.0

ハーマン・ヤウ&アンソニー・ウォン’90香港極悪映画特集。殺しから饅頭を作る工程が生々しく、やはり最大の見せ場。警官連中の間抜け具合や犯人の料理人が紋切り型サイコパスの様には描かれていないところが独>>続きを読む

タクシーハンター(1993年製作の映画)

4.0

ハーマン・ヤウ&アンソニー・ウォン’90香港極悪映画特集。善良なオジサンが自分の恨みを越え悪徳タクシー運転手共を成敗するダークヒーローに。オジサンの優しさに和む。グロさ僅か。笑い・爽快・和みのバラン>>続きを読む

ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール(2014年製作の映画)

4.0

E.ブラウニングの素朴で透明感ある美声に仰天。70’sサウンドを彷彿させる軽く爽やかな曲に載る裏腹な詞の世界。イヴが外の世界へ自分を開く音楽の力こそが友との絆を作り彼女自身を癒やし前進させていく。>>続きを読む

ベルファスト71(2014年製作の映画)

3.0

北アイルランド紛争の地でイノセント&ナイーヴな若き英兵が受ける武闘派組織らの“洗礼”。IRA絡む複雑な抗争関係と思惑に揉まれ生死の間をさ迷う長い一夜が緊張感溢れる映像で展開。彼の変容を窺わすラストが>>続きを読む