いち麦さんの映画レビュー・感想・評価 - 34ページ目

いち麦

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忘れないと誓ったぼくがいた(2015年製作の映画)

3.0

ゆったりと向かう喪失への予感。抗う早見あかりの力強い演技。少女の記憶は何かのメタファーかと辿るがどうも違う。皆が信じて誓うが貫くことの難しさ。寧ろ記憶に留め続けること自体が恋愛の暗喩ではないかと。

ブライド・ウエポン(2014年製作の映画)

4.0

戦闘能力も身体能力もズバ抜けた新妻が新婚旅行先で行方不明になった新郎を捜索。ジップ・ライニングのシーンは手に汗握るスリリングな最高の見せ場か。最後まで息の抜けない緊張感十分なアクション・サスペンスだ>>続きを読む

ニンジャ・アベンジャーズ(2013年製作の映画)

3.0

甲賀流忍者の教えを受けた米国人が亡き妻の復讐へ。強引な展開でプロットも粗いが基本的に丸腰から臨む格闘技は速さ切れ味とも良く興奮。日本語や俳句、アイテム等に混じり気のない日本文化への愛が感じられ好感。

おんなのこきらい(2014年製作の映画)

2.0

これほど虚像作りに余念がないキリコなら心を入れ替えるキッカケが幾ら何でもこれでは弱い気がするなぁ。寧ろ周りの女も男もソコソコ性格悪く破綻してるしね(笑)。森川葵の熱演ぶりは凄く良かったが残念ながら周>>続きを読む

マッチポイント(2005年製作の映画)

3.0

窓を伝う愛欲の雨。不倫関係の炎上していく至極オーソドックスな愛憎濃いラブ・サスペンス…だがいよいよ山場でオペラの名曲に彩られる演出始まる辺りからようやく皮肉たっぷりのW.アレン節が走り出し結末まで止>>続きを読む

アンリミテッド(2014年製作の映画)

4.0

ラフな姿でジャングルの様な都会の障害物の間を猿の如く飛び跳ね疾走するパルクールの爽快なアクションとB級クライム・サスペンスのコンビネーションに新鮮な興奮。T.ロートナー他役者勢がなかなかクセ顔揃いな>>続きを読む

カフェ・ド・フロール(2011年製作の映画)

4.0

愛する者を誰かに奪われていく耐え難い喪失感が時を違えた全く別の2つの異彩放つエピソードで紡がれ繋がっていく妙。無責任男の胸糞悪さ。窒息感を湛えた甘美な水中ショットや挿入曲のセンス良さに魘されそうにな>>続きを読む

トレヴィの泉で二度目の恋を(2014年製作の映画)

4.0

晩年カップルの話には付き物の辛い老いの現実感が殆どなく寧ろ軽やかで愉快さが勝る話。S.マクレーンの茶目っ気ぶりが可愛くさえ思えた。C.プラマーのラスト・ショットが見事でここで一番ハートを掴まれた。>>続きを読む

ジュピター(2014年製作の映画)

3.0

2D字幕。C.テイタムの愛嬌ある顔が拝めずこのメイクと動きが残念。ウォシャウスキー姉弟らしくネタや映像の構図には往年の日本アニメの数々との類似点が散見されニンマリ。ギリアムの名作まんまなパートは座り>>続きを読む

ゴスフォード・パーク(2001年製作の映画)

5.0

ミステリーの味わいを認めつつも事件の犯人探しが主なテーマとはなってない人間ドラマ。遊戯を目的に集った貴族たちとその使用人たち。2つの人間集団の生々しい生態。その間に立ちはだかる絶対に越えられぬ境界線>>続きを読む

すくってごらん(2021年製作の映画)

2.0

金魚すくいの極意は意外や意外、左遷された銀行マン処世に効くのかも。現実離れした艶やかな色彩と明暗、ポップな楽曲が不思議と心地よい浮遊感に。ただ物語にもっと深みや起伏が欲しい。オーバー・アクションなミ>>続きを読む

ソロモンの偽証 後篇・裁判(2015年製作の映画)

5.0

大人たちの論理と平行し対照的に中学生らしい正義感と感受性が存分に炸裂。板垣クンも望月クンも清水クンも吸引力充分な表情。前篇のテーマがそのまま余すところなく展開していく見応え十分の人間ドラマだった。

ソロモンの偽証 前篇・事件(2015年製作の映画)

5.0

超現実的な話だが勢いを感じさせてくれた学園ドラマ。大人たちの当然な憂慮と目覚めた中学生たちの正義感との対立から校内裁判が形成されていく過程がスリリング。この前篇だけでも見処や山場があり十分満足。
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あなたとのキスまでの距離(2013年製作の映画)

4.0

F.ジョーンズ&G.ピアースがストレートに愛を口にしてはならない二人を好演。演奏家としての共感から男女の愛までの間。劇伴と映像優位の心情表現やソフィアの背景が愛の下地になっていたりで見応えあった。

ダイナマイトどんどん(1978年製作の映画)

4.0

破綻スレスレの絶妙ドタバタ・コメディ。これ真面目な野球ファンが見たら怒るかも知れないし今ならアウトなネタも含んでいるが無茶苦茶可笑しい。菅原文太の地がそのまま笑いになっていて痛快。田中邦衛にも笑った>>続きを読む

太陽を盗んだ男(1979年製作の映画)

5.0

久しぶりに劇場鑑賞。当時の文化が偲ばれる部分と今もって色褪せぬ細部のリアリティ感に酔えた。サスペンスに魅せられた若い頃と違って人間ドラマの部分に一層込み上げる自分になった。菅原文太の演技も痺れる。名>>続きを読む

酒中日記(2015年製作の映画)

2.0

坪内祐三が酒場を廻って次々と親交の深い文化人たちと酒を酌み交わす様子を納めた変わった品。個人的には酩酊していく重松清の姿を見られた対談パートが興味深く面白かった。が後はねぇ…所詮は酒飲み話だから素面>>続きを読む

あしたになれば。(2015年製作の映画)

3.0

青臭いし緩いし演技もまだまだな未熟さ。でもそれを差し引いても余りある純粋さが不思議なほど微笑ましい。沖縄出身、主演の黒島結菜の初々しい魅力を知ってしまった。デビュー当時の薬師丸ひろ子を彷彿させる話し>>続きを読む

バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)(2014年製作の映画)

5.0

過去の栄光の亡霊に苦しめられる映画俳優の物語に、大衆娯楽と評される映画界がずっと抱き続けた舞台芸術へのコンプレックスと足掻きを見た。愛おしくなるような作品だ。滑る様なカメラワークと長回しの様に見える>>続きを読む

ワンダフルワールドエンド(2014年製作の映画)

3.0

少女と少女の脆くも瑞々しい関係。橋本愛の弾き突っ張る演技がイイ。今時のJKアイドルにはツイキャスやらブログやらとセルフ・プロデュースできる環境がある。その横で事務所のやってることの狭さが可笑しい。

陽だまりハウスでマラソンを(2013年製作の映画)

5.0

老いの現実が痛く胸に突き刺さりかなり報える…その分だけ余計に麗しい夫婦愛の温もりに目頭が熱くなった。娘の人生や女性介護士の人柄もさり気なく映像を通して描写されていて、きめ細やかなドラマだと感じた。

ナイト ミュージアム エジプト王の秘密(2014年製作の映画)

3.0

1、2作目ともフックがありM.ルーニーとR.ウィリアムスへの追悼色が濃い。ついでにジョナ・ヒルも出して欲しかった。小ネタでは楽しめたがCG・VFXで出来て当たり前の今では流石に辛い気が。

ブルー2 トロピカル・アドベンチャー(2014年製作の映画)

4.0

TAAF鑑賞。3D字幕版で見たかった。挿入歌は前作より少な目。一羽一羽きちんと個体差のついた野生インコの群れを大画面で見られ感激。ブルーの目元が一層J.アイゼンバーグ似になった気がする。

インド・オブ・ザ・デッド(2013年製作の映画)

4.0

久々に声上げて笑った楽しいゾンビ・コメディだった。綺麗なビーチに囲まれた離島が舞台なんだが独特のインド風味の笑いネタ満載で自分のツボにストライク。どこか冴えない男どもが妙に愛敬があって可愛いのも丸。

神々のたそがれ(2013年製作の映画)

5.0

“識者狩り”をキーワードに人間の狡猾で醜悪な争いを見聞し俯瞰し嘆息する神的視点。描写される人間模様の一つ一つが実に濃密であり原始的な様相だ。特に狩られる者たちの知恵の種類やレベルにそれが垣間見え非常>>続きを読む

クラウン(2014年製作の映画)

3.0

呪われたクラウンの衣裳を着て豹変した男は夫なのか父親なのか悪魔なのか。家族がどう決断するのか苦悩する姿も見どころの憑依モノのホラー。次第に変化していく顔は寧ろ明るい映像で…ピエロならではの哀愁も見せ>>続きを読む

アナベル 死霊館の人形(2014年製作の映画)

4.0

オーソドックスに音響でビビらせる部分以上に映像の緊張感で高めていく部分が良くできていてクラシックな味ながら楽しめた。ただしあのオチには仰け反りたくなった。彼処へ持って行くには伏線不足なんじゃないかと>>続きを読む

デビルズ・バースデイ(2014年製作の映画)

1.0

カメラを持った人間が諸とも魔力に掛かる映像は唯一PoVならではの迫力。あとはもう…捻りもなく陳腐。Fワードしか吐かぬ旦那さんも退屈で付き合ってられぬ。肝心の出産シーンにも首傾げたくなる筋が多かった。

正しく生きる(2013年製作の映画)

2.0

弱い者たちが剥く牙が刺さる中、狂気の芸術家とその女子学生の話が一際異彩を放っていた。異なるEpの人物たちの関わり具合もさり気なくて良かった。ただ期待していた緊張感が不思議と感じられなかったのがとても>>続きを読む

ジェサベル(2014年製作の映画)

3.0

ミステリアスな状況の理由がラストで明かされる心霊ホラー。とは言え全編通して全く怖くない。辻褄が合わぬ細かな粗は目をつぶり主にオチを楽しむタイプなのかも知れぬ。仄かに肉感的な匂い漂わすサラ・スヌークの>>続きを読む

ディオールと私(2014年製作の映画)

5.0

伝統の継承と新規性のプレッシャー。ラフ・シモンズ氏が移籍後初めて挑むオート・クチュール発表会となるパリ・コレへの道のり。門外漢にも共感できる実にエキサイティングなドキュメンタリーだった。
お針子か
>>続きを読む

唐山大地震(2010年製作の映画)

5.0

目を覆うばかりの地獄のような大震災の惨状。心に深い傷を負った娘と決して許されることのない責めを背負い続けた母親の人生が過酷過ぎる。母親役の徐帆の嗚咽演技に激しく揺さぶられ、家族の絆の強さを思い何度と>>続きを読む

恐怖分子(1986年製作の映画)

4.0

大勢の人間が暮らす大都会ならば確率的にこんな酷い因果の連鎖が起こっても不思議ではない。冷ややかな物語を紡ぐ静か過ぎるほどのショットの数々…実に雄弁であり尚且つクール。ラストの映像表現もカタルシスを感>>続きを読む

光陰的故事(1982年製作の映画)

3.0

子供から大人に至る成長を追うようにリレーする4話構成のオムニバス。エドワード・ヤンのデビュー短編作品である第二話「指望」が飛び抜けている。導入3分で物語の予想がつく見通しにも好感度大だが少女の表情を>>続きを読む

キャンディマン(2021年製作の映画)

4.0

これリメイクではなく続編。ヘレン・ライルの話など原版の要素を含みながら、視覚効果の効いた、しっかりした現代のホラーへと再構築されていた。お馴染みの唱歌引用もあって“飴男”としての演出は原版より好感。>>続きを読む

キャンディマン(1992年製作の映画)

2.0

妙に耳に残る劇伴のメロディー。連続殺人を犯しているのは? ホラーなのかサイコ・スリラーなのか…この境目を巧みに縫う悩ましい映像演出の分だけ吸引力あった。ただ、ゴア描写もそれ程ではないし、キャンディマ>>続きを読む