IkuoKomiyaさんの映画レビュー・感想・評価

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REBEL MOON ー パート2: 傷跡を刻む者(2024年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

ネトフリ版スターウォーズの2作目。倒した筈の帝国軍提督ノーブルがサナギの中から生き返りコラを“スカーギバー(傷痕を刻む者)”と呼んで復讐に燃える。上映前のビデオメッセージでザック・スナイダー監督は本作>>続きを読む

怪談新耳袋Gメン ラスト・ツアー(2021年製作の映画)

3.4

「この世ならざる物が本当に撮れたら必ず見せる」木原浩勝氏の高橋洋監督との20年来の約束がこの映画で果たされる。ブニュエルの映画を思わせる映画的イメージだ。

ジュデックス(1916年製作の映画)

3.4

「ファントマ」に比すれば表現はマイルド。これは大戦中でも家に残る事を許された者の為の映画。「ファントマ」を支持した若者達は皆戦場で死んでいるのだから。

かりそめの幸福(1935年製作の映画)

4.1

人気女優クララの射殺未遂を起こしたアナーキストが法廷で彼の無実を訴えるクララの芸能人としての打算と虚飾を告発。刑期を終えて出所する彼を恋する女となった彼女が待っていた。「人でなしの女」のレルビエ監督が>>続きを読む

劇的ドキュメント レポート'78~'79(1979年製作の映画)

3.7

小劇場ブーム前夜の熱気を伝えるインタビュー集。「演劇と競馬の関係は?」との問いに見事に答える寺山修司。後に同じく競馬を語る人になる森田監督に重要なサゼッションを与えたであろう事は想像に難くない。

水蒸気急行(1976年製作の映画)

3.2

森田芳光監督の初期8㎜作品。一切のナレーションを排し電車に乗りっ放し60分。「時間芸術」の概念を体現させたフィルムと言えるかもしれない。デ・シーカ『終着駅』の引用で映画史に目配せもしている。

馬上の二人(1961年製作の映画)

5.0

コマンチ族に拉致された開拓民を家族の元に帰す為に交渉役に立たされた保安官が旧知の騎兵隊中尉と共に危険な旅に出る。『捜索者』と同様の題材だがより過酷で現実的な世界観の中で描く。けれども暗さやペシミズムと>>続きを読む

WALKING MAN(2019年製作の映画)

2.9

特殊清掃に入ったアパートで見つけた一冊のノートとウォークマン。「やめんなやめんなやめんななめんな」そこには無意味にも見える言葉の連なり。当人が生きている間は誰にも届かなかったかも知れない言葉が1人の青>>続きを読む

一寸先は闇(1971年製作の映画)

4.1

親友の妻を不倫の果てに絞殺してしまった男。警察の捜査の対象とはならず、秘密を抱えたまま一人の父親としての日常に戻る。物語は成瀬巳喜男監督の1966年作「女の中にいる他人」と同じ原作による物。実は同じ1>>続きを読む

野獣死すべし(1969年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

「奴を殺す」我が子を車で轢き殺した犯人とその家族に接近し、交際の中で復讐の機会を狙う男。だが暴力夫であり毒父である犯人は我が子からも殺意を以って憎悪されていた。『あんな男の血が半分入っているなんて』と>>続きを読む

真昼の不思議な物体(2000年製作の映画)

3.4

〝足の不自由な少年に勉強を教えていたドークファ先生がトイレに中座したまま戻ってきません。さて?〟から始まる出たとこ任せの伝言ゲーム式即興劇。まるで新たなフォークローレが生まれるのを見届ける様なスリリン>>続きを読む

モスクワへの密使(1943年製作の映画)

4.6

世界大戦前夜、スターリンとの同盟の是非を諮る為にソ連を旅する外交官。彼を迎えた政府高官達が次々とトロツキー派のテロリストとして処刑される。その一人が法廷で『外的世界の現実性』について語ろうとして『哲学>>続きを読む

デイアンドナイト(2019年製作の映画)

2.9

 秋田県風祭市という架空の都市が舞台。市の主要産業を担う自動車メーカーのリコール隠しを告発しようとした下請けの町工場の主人がフェイクを流したとして逆に社会的に抹殺され自殺に追い込まれる。葬式も出せない>>続きを読む

ビッグ・リーガー Big Leaguer(1953年製作の映画)

4.7

プロ野球チーム、ニューヨークジャイアンツの入団テストを受ける為に全米から集まる野球青年達の青春群像。彼らを選抜する教官コーチとの一週間のドラマ。束の間の疑似親子関係が実際の親子関係を人生を変える。コー>>続きを読む

BLAME!(ブラム)(2017年製作の映画)

4.0

『ブラムBLAM!』
それを「未来」なんて呼んでも何の意味も無い。
それほど私たちの日常生活とは隔絶した舞台。
だがそこで始まる物語の中で主人公達は「何か食べたい!」という飢餓に駆られて命をかけている
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ムーンライト(2016年製作の映画)

4.8

言葉を奪う映画。映像の美しさで『ラ・ラ・ランド』を凌ぎ、演技のパフォーマンスの高みに於いて『LION』を凌ぐ。ブラックムービーと呼ぶ事が今も許されるなら『スイートスイート・バック』『ドゥ・ザ・ライトシ>>続きを読む

ブリッジ・オブ・スパイ(2015年製作の映画)

4.0

スピルバーグの作品系列で言うと同じトム・ハンクス主演で実話ベースの『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』系のノリかと思いきや「ET」「未知との遭遇」に感動の質は近かった。何故なのか? 
その昔50年代
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あの日の声を探して(2014年製作の映画)

2.2

 第二次大戦後3年の1948年に作られたアメリカ映画『山河遥かなり』のフランス版リメイク。オリジナルは「地上より永遠に」「真昼の決闘」「ジュリア」のフレッド・ジンネマン監督の作で彼の出世作にあたる。ナ>>続きを読む

Zアイランド(2015年製作の映画)

3.3

 ゾンビを「ゾンビ」と呼ぶな! の「ワールドウォーZ」に続く『Z』第二弾。劇中誰かが『ぞ…』と口にしようものなら、たちまち「ピー」音にかき消され誰もゾンビと口にする事が出来ない…というのはこの映画の予>>続きを読む

おかあさんの木(2015年製作の映画)

3.5

登場人物に生身の存在感が希薄だと思う。女手一つで育て上げた愛息、愛娘を戦禍で失う銃後の母を演じる時、かつての女優達は母であると同時に女である部分も無言の内に匂い立たせ、役柄に奥行きと説得力を持たせてい>>続きを読む

ソロモンの偽証 前篇・事件(2015年製作の映画)

2.7

試写の招待状には「前代未聞の裁判をお楽しみください」とあるが。それを裁判とするのなら映画の中で裁かれるべき「罪」は描かれていたか? 裁く側に「正義」はあったか? 「僕らをイジメる不良や暴力教師を自分達>>続きを読む