たかちゃんさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

たかちゃん

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あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。(2023年製作の映画)

2.4

公開2週目の末日なのに、女子で埋まった場内。後期高齢者はワシひとりじゃった。評判のわりに、結構よくできていると思ったが、タイムスリップがあまり活かせていない。戦争はもうじき終わることを訴えるだけで、成>>続きを読む

劇場版 SPY×FAMILY CODE: White(2023年製作の映画)

4.2

トレーラーを観て、面白そうだと思った。お子様向けかと思ったら、大人も楽しめるアニメだった。作者の勉強ぶりが作品に成果として反映されている。ジョン・ル・カレこそないものの、イアン・フレミングは端々に垣間>>続きを読む

地獄の英雄(1951年製作の映画)

3.8

ワイルダー得意の新聞社ものだが、コメディではない。流れ者の記者が田舎町のローカル紙に自分を売り込む。大口ばかり叩く奴だが採用される。蛇胎児の取材途中に、洞窟の落盤で動けなくなった男の情報を独占取材。そ>>続きを読む

ストレンジャーズ6(1949年製作の映画)

4.0

キューバの独裁政権に立ち向かう6人。墓地までのトンネルを掘り、爆弾を仕掛ける。だが、葬儀会場が変更になり…。ペドロ・アルメンダリスの公安警察が粘着質なキャラで不気味。ジョン・ヒューストンらしさは乏しく>>続きを読む

ボディ・アンド・ソウル(1947年製作の映画)

3.6

チャンプがギャングの八百長に手を染める。ラストは分かっているのだが、そこに至るまでの描写が巧い。周囲の人々は、チャンプに「騙されている」と警告しても抜け出せない。ワルはどこまでもワルで冷血だ。権力者、>>続きを読む

深夜復讐便(1949年製作の映画)

3.7

林檎の取引で、売手を騙す買手のリー・J・コッブ。悪人だがやり口がセコイ。父親の復讐を暴力で晴らすのがちと物足りない。しかし、日本の『トラック野郎』は、A地点からB地点に運ぶだけの話だった。市場に届けて>>続きを読む

真昼の暴動(1947年製作の映画)

3.2

残虐な刑務所長、人情家の医師、脱獄計画を密告する囚人、といったキャラの活かし方が巧い。女優陣が豪華。しかしチョビっとしか出演シーンがないのが残念。

ファースト・カウ(2019年製作の映画)

3.8

中国人との友情。彼がいたから生き延びられた。二体の白骨は、最後まで一緒だった証だ。登場人物は個性的だが、どうも好きになれないし、ハナシに奥深さが感じられない。

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.4

渋谷区の公園公衆トイレの清掃人は几帳面だ。仕事ばかりか、生活のリズムも大切にする。起床から仕事(鏡まで使う)、帰ってからの銭湯も鼻の下まで必ず湯船につける。その日々が丁寧かつ簡潔に描かれる。相方の若者>>続きを読む

ハンガー・ゲーム0(2023年製作の映画)

3.8

前三部作の前日譚。迷宮のようなゲーム。蛇と歌で切り抜けるヒロイン。そしておしゃべりな鳥が危機を招く。教育係の人道的な青年が、のちに独裁者に変貌するのだが、端々にその兆候を垣間見せる。お子様向けのようで>>続きを読む

ポトフ 美食家と料理人(2023年製作の映画)

4.3

黄金色の小径。ラストの円周パンニング。映像の力強さ。音楽不使用が成功している。ポーリーヌ役のボニー・シャニョー・ラボワールの初々しい美しさ。トラン・アン・ユンの実験映画の成果ともいえ意欲作。

きっと、それは愛じゃない(2022年製作の映画)

2.3

ヘンなタイトルだが、見合い結婚には愛がないという話なので、なるほどその通りのタイトルなのだ。パキスタン人、見合い結婚、ドキュメンタリー製作というおかしな組み合わせの、つまらない作品だが、リリー・ジェー>>続きを読む

ティル(2022年製作の映画)

2.8

白人至上主義の集団に壮絶なリンチにより殺害された黒人少年。白人ばかりの陪審員による裁判。母親の怒りが公民権運動につながる、という作品だが、不思議なのは、殺される黒人少年の描き方だ。事実に基づく描写なの>>続きを読む

マエストロ:その音楽と愛と(2023年製作の映画)

1.7

レナードの妻・フェリシアが主人公。恋愛結婚、乳がん、夫が男色家であることに悩み。夫婦仲は最悪に。ところが「夫は憎しみを抱いていなかったのね」と突然の和解。レナードの履歴はフェリシアとの会話で説明される>>続きを読む

VORTEX ヴォルテックス(2021年製作の映画)

4.0

ギャスパー・ノエが描く、老いの恐怖と哀しさ。夫、妻の同時間の行動を、画面分割で描く。夫は痴呆症の妻を心配しているが、その妻に救われる。夫は妻を守っているようだが、押しつけがましい。息子は両親を心配し、>>続きを読む

上陸第一歩(1932年製作の映画)

4.8

フランス映画のようにモダンで、素っ気ない会話。物欲しそうな態度をとらない男。女も愛を語らずとも、説得力のある行為を見せる。難を言えば、銃弾を3発食らっているのにピンピンしていることか。島津はどの作品も>>続きを読む

怪物の木こり(2023年製作の映画)

3.0

脳内チップが壊れ、サイコキラーに変貌。主人公は弁護士という設定だが、依頼人と話すシーンはなく、法廷場面もないのが物足りない。これでは弁護士の設定という必然性がない。法廷で暴れてほしかったな。菜々緒の刑>>続きを読む

市子(2023年製作の映画)

3.1

婚姻届のシーンで始まり、婚姻届で終わる。その間、過去に遡る。しかも時間軸が飛んだり戻ったり疲れる。市子の性格も掴みにくく、杉咲花としては最良とは言えない。演技が悪いのではなく、脚本(構成)に問題がある>>続きを読む

ロスト・フライト(2022年製作の映画)

3.6

飛行中の航空機が雷にやられ、フィリッピンの島に着陸。そこは武装グループの居住地だった。本作は『スネーク・フライト』のような機内を舞台にしているシーンは少なく、武装グループから乗客を救おうとする機長と護>>続きを読む

名人長次彫(1943年製作の映画)

2.2

彫り物師が彫った観音像を、「魂が入っていない」と女に言われる。役人に追われる友を匿う彫り物師。役人に騙され、密告するハメに陥る女。その心の揺れ動きが見どころなのだが、そこに至るまでが苦痛。

我が家の風(1943年製作の映画)

1.3

女性が涙を流す場面が幾度も出てくる。しかし、その涙は出征することへの涙ではない。男と離れることへの涙であり、反戦思想はない。田中重雄は軍部の要請に応えた戦意高揚映画を佐々木康と並んで多数作っている。し>>続きを読む

隣人X 疑惑の彼女(2023年製作の映画)

2.0

登場人物は、揃って相手の気持ちが理解できない。平然と裏切ることが出来る。雑誌記者はターゲットの女性に近づき、家族をも利用する。最初から恋愛感情などなかったのだ。これを恋愛とかロマンスで括ることは間違い>>続きを読む

バッド・デイ・ドライブ(2023年製作の映画)

3.4

スペイン映画のリメイク。韓国版のリメイク作は見ているが、やはり話はほとんど同じなので、どちらが優れているか、という比較はあまり意味がない。元ネタを探れば、『スピード』、『新幹線大爆破』だが、本作にはビ>>続きを読む

エクソシスト 信じる者(2023年製作の映画)

2.0

第1作の続編というが、まったく新しいエピソード。しかもフリードキンの音に対するこだわり、実験精神は本作にはない。3日間行方不明という3日間も活きていない。悪魔祓いなら、『死霊館のシスター』の方が遥かに>>続きを読む

ナポレオン(2023年製作の映画)

3.8

ナポレオンがフランス軍に加わるところから始まるサクセス・ストーリーであり、次々と戦いシーンを見せてくれる。だが、本作の肝はジョセフィーヌへの愛に苦悩し、裏切られつつも、別れてからも文通を絶やさなかった>>続きを読む

人肌観音 第一篇(1937年製作の映画)

2.2

笛がマクガフィン。その笛が簡単に敵に奪われたり、他愛もなく奪い返したりするのがちょっと安易過ぎる。そして高田浩吉までいるのにユーモア皆無。そこが衣笠らしいのだが…。

自来也/忍術三妖伝(1937年製作の映画)

3.5

1937年の忍術映画は、姿を消したり、ガマの上に乗って、敵をガマに吸い込んだりと、他愛もないのだが、マキノは特撮を楽しんで作っているようだ。そしてマキノ好みの勝気な娘、そしてユーモア。

ほかげ(2023年製作の映画)

4.1

少年の地獄めぐり。登場人物に幸せな人はいない。戦争が不幸の原因なのだ。本能的に食料を求める。上官への復讐は、殺さない。生かしておく方が辛いのだ。塚本は『野火』同様、戦争と飢えを描き続ける。

白日青春 生きてこそ(2022年製作の映画)

4.2

香港のタクシー・ドライバー(アンソニー・ウォン)が、父を事故で亡くしたパキスタン難民の少年と知り合い、少年を守ろうとするが…。盗みのグループに利用され、労働力を搾取されている少年。タクシー・ドライバー>>続きを読む

ボブ・マーリー ラスト・ライブ・イン・ジャマイカ レゲエ・サンスプラッシュ デジタルリマスター(1980年製作の映画)

4.4

1979年7月、ジャマイカで開催された第2回レゲエ・サンスプラッシュのドキュメンタリー。ボブ・マーリー&ザ・ウェイラーズに痺れる。だが、本作はジャマイカの闇をも見せてくれる。ジャマイカのガンジャ(大麻>>続きを読む

梟ーフクロウー(2022年製作の映画)

3.7

朝鮮王朝時代。清から人質となっていた王子が帰ってくるが、毒殺される。宮廷で働く盲目の鍼医師が、それを’見て‘いた。その犯人を宮廷にしらせようにも、相手が犯人側かもしれない。ようやく信用できる人物に知ら>>続きを読む

サウンド・オブ・サイレンス(2023年製作の映画)

3.7

音をたてると何者かが現れる。決して音をたててはいけない、という設定は目新しいものではない。しかし新しい仕掛けがあちこちにめぐらされており、結構はらはらさせられた。ヒロインのエマは父親が入院したため、N>>続きを読む

暗黒街大通り(1964年製作の映画)

1.5

三兄弟の、父親殺しに対する復讐譚、のはずなのに、それぞれ女に惚れ、兄が弟の女に「弟に近づくな」と言って兄弟喧嘩になり自滅。その兄もワルの罠に簡単に引っかかり、殺される。女たちも兄弟も死んで、ワルは生き>>続きを読む

(2023年製作の映画)

4.3

死体が累々と倒れているさまを俯瞰で見せる場面は、一幅の絵画のように怖く、そして美しい。話はやくざ映画の脚本に変更も可能な面白さ。男優陣の顔も演技も半端じゃない。存在感の競い合いだ。暴力と裏切り。支配と>>続きを読む

翔んで埼玉 ~琵琶湖より愛をこめて~(2023年製作の映画)

3.9

前作がヒットしたためか、今回はかなりカネをかけて作っている。脚本作りも、大阪、滋賀、和歌山の取材成果を活かしており、物凄い情報量を惜しげもなく注ぎ込んでいる。(出演者の藤原紀香まで俎上に)。鉄道ネタ(>>続きを読む

黄色い家の記憶(1989年製作の映画)

4.0

「黄色い家」とは刑務所のことだ、と冒頭のナレーションは言う。しかし『監獄の記憶』のような感動的要素は本作にはなく、『神の結婚』のように理路整然とした作りでもない。ブラック・コメディと呼ぶにはあまりにも>>続きを読む