たむさんの映画レビュー・感想・評価 - 74ページ目

ゾンビマックス!怒りのデス・ゾンビ(2014年製作の映画)

3.0

カウンセリング形式でゾンビ化した家族を殺したことなど、トラウマチックな出来事の描き方が最終的にあまり関係なくなっていきます。
ゾンビをコントロールしたり、色々な思惑のあるキャラクター達が暴走していく、
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ダンスウィズミー(2019年製作の映画)

2.0

邦画には昔、サラリーマン喜劇はほとんどがミュージカル仕立てだったことを思い出しました。
それが何十年ぶりに息を吹き返すのか、と期待したら…なんという奇っ怪な作品に…。
失われた伝統を取り戻すことは本当
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ドラゴンクエスト ユア・ストーリー(2019年製作の映画)

1.0

このレビューはネタバレを含みます

この映画に価値があるとしたら、『レゴムービー』が、いかに偉大で素晴らしい作品であったかに気付くことが出来る、という事です。
始まった瞬間から悪寒が走りますが、映画とゲームはストーリーの組立方が全く違い
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股旅(1973年製作の映画)

4.2

いつ観ても古くならない映画は名作となりますが、市川崑監督の映画はいつ観ても新鮮で斬新です。
驚愕のフィルモグラフィーで、ATG作品の本作はより自由に、より大胆な映画になっています。
映像表現と絶妙なギ
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マイ・エンジェル(2018年製作の映画)

3.2

親が子供をすてるタイプの映画が続きます。
2018年に世界同時多発的に製作されたのは、世界的にも重要なテーマという事ですね。
本作は必ずしも質の高い映画ではないかもしれません。
しかし、残酷なのは、親
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アポロ 11 完全版(2019年製作の映画)

3.8

どこで、どうやってこの映像が撮られたんだ、と驚愕の映像に彩られたアポロ11号のドキュメンタリーです。
『ファーストマン』や『ドリーム』とも一緒に観たいところですが、臨場感が桁違いです。
知っている出来
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マガディーラ 勇者転生(2009年製作の映画)

3.6

『マッキー』や『バーフバリ』の練習とも言える、歴史超大作です。
セクハラ野郎への制裁や輪廻をテーマにした物語展開もありますが、今回は400年の時が過ぎています。
『300』ばりのバトルシーンから、キャ
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よこがお(2019年製作の映画)

3.2

深田晃司監督の最高傑作ではないかと思います。
不穏な、言葉にならない汚濁のような感情が全編に満ち満ちています。
マスコミの描写などがステレオタイプなところがあり、そこより二人の主人公の関係に絞っても面
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ライオン・キング(2019年製作の映画)

3.0

神話的な物語は普遍的な魅力があり、力強い物語となっています。
映像が圧巻の一言で、新技術の御披露目映画のような印象もあります。
現代的なテーマとして、オリジナルより王になること、リーダーとは何か、を追
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死霊のはらわたIII/キャプテン・スーパーマーケット(1993年製作の映画)

3.7

スペクタクルとスーパーナチュラルと笑いのバランスが最高です。
ホラーコメディ大作として、絶妙な感覚で、サム・ライミ監督の素晴らしさが存分に発揮されます。

風をつかまえた少年(2019年製作の映画)

3.5

『存在のない子供たち』や本作など、今年の夏映画は少年の映画が非常に高い質を持っています。
世界的にもこのテーマが重要な事がよくわかります。
干ばつによる飢饉が発生したアフリカを舞台に、少年の発明が状況
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ピータールー マンチェスターの悲劇/ピータールーの虐殺(2018年製作の映画)

4.0

このタイプ、自由を求める民衆を弾圧する政治的なテーマを描いた映画が定期的に製作されるイギリスはある程度健全なのかもしれません。
マイク・リー監督なので、テンポはゆったり、結末までが長いのですが、それま
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存在のない子供たち(2018年製作の映画)

4.2

映画にする価値がある、というよりも映画にしなければならない、映画製作者の強い想いが感じられます。
物語の構成は法廷劇となっており、主人公の感情を観客は少しずつ、かつ強烈な激情を体験していくことになりま
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世界の涯ての鼓動(2017年製作の映画)

3.5

船の名前がアタラント号というだけで、とりあえず掴みはOKです。
ジャンル映画としてのラブストーリーで久々に心動かされました。
ジャンル映画でラブストーリーを撮っているのが、恋愛だけを追った邦画だけなの
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右側に気をつけろ(1987年製作の映画)

3.4

右から来たものを左へ受け流す、というギャグを何故か思い出したタイトルです。
ゴダール監督の映画は別ジャンルだな、と相変わらず思います。
ゴダール監督自身が繰り出す不条理なギャグを見せられているかと思う
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ワイルド・スピード/スーパーコンボ(2019年製作の映画)

3.7

ブロマンスアクションコメディとして、ほぼ完璧な映画です。
アウトローの世界だったオリジナルが見直すとユーモアがほぼない、真面目で硬派なアクションでしたが、捜査官とスパイを主人公にしたスピンオフは、徹底
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東海道四谷怪談(1959年製作の映画)

4.2

夏の風物詩、久々に鑑賞しましたが、圧倒的な映画ですね。
潰れかかった新東宝が最後にこれほどの傑作を世に放ち、日本映画史上に刻み込む、四谷怪談映画の代表作です。
長大で複雑な歌舞伎の原作から、シンプルに
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東京裁判(1983年製作の映画)

4.3

昭和史を描いたドキュメンタリーの代表作です。
映画でジャーナリズムを志向する、歴史を描く、このレベルの高さ。
227分の大長編ですが、日本だけではなく、世界各国の状況も映し出し、空前絶後の完成度を見せ
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ゴースト・ハンターズ(1986年製作の映画)

3.5

ジョン・カーペンター監督のごった煮映画の傑作です。
ジョン・カーペンター監督の活劇の志向性は素晴らしく、アクション、ファンタジー、ホラーのジャンルが見事な融合を見せてくれます。

カビリアの夜(1957年製作の映画)

4.7

ネオリアリズモから、唯一無二の世界観へ、フェデリコ・フェリーニ監督の作家性がより明確になる映画史上の傑作です。
このあとが『甘い生活』なので、心理的なネオリアリズモに達する前の試行錯誤状態といえば良い
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裁かるゝジャンヌ(1928年製作の映画)

4.8

映画史上燦然と輝く不朽の名作です。
どんな説明や文字でも決して伝わらないであろう、圧倒的な迫力。
作品のリズム、顔面、十字架のモチーフが、全てクライマックスへむけて加速して、残酷きわまりない終局に至り
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ZOOMBIE ズーンビ(2016年製作の映画)

2.0

動物園で絶滅危惧種の動物たちがゾンビになる、アイディア一本勝負の作品です。
題材に完全に負けている印象は拭えませんが、『ジュラシック・パーク』を意識していることはよくわかり、スピルバーグ監督のすごさを
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マクマレン兄弟(1995年製作の映画)

4.0

淡々とした、人間が描かれている映画はやっぱり良いな、と思います。
アイルランド系の三人兄弟がそれぞれの人生の帰路にたっていく。
家族や兄弟ものは、テーマを揃えても、各年代で違う出来事を描いていくことが
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アルキメデスの大戦(2019年製作の映画)

2.5

戦争とは、狂人が始めるものなのか、それとも忖度をする小役人が始めるものなのか。
現代的な内容とテーマにすることで、今を生きる我々にも、戦争を始める事の恐ろしさが伝わってきます。
個人的には、大和が沈む
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ペット2(2019年製作の映画)

3.0

もはや飼い主の留守中レベルの物語ではないレベルです。
三つの物語を同時進行させて、一つに結びつける構成はさすがで、キャラクターへの思い入れがあるだけではなく、物語も楽しめます。
ニューヨークの街中でロ
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新聞記者(2019年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

邦画では珍しくなってきた政治ミステリーです。
選挙の前に公開されたという意義も意欲も感じさせます。
タイトルは『新聞記者』ですが、実際は記者と政府の内部のクロスカッティングで描き出します。
ここがこの
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グリム・アベンジャーズ(2015年製作の映画)

2.1

やるなら、ここまでやるのか、タイトル通り、それ以上でも以下でもない、ごった煮のおバカアクションです。
悪役は『スターシップ・トゥルーパーズ』のジョニー・リコ。
観ようによっては面白いところもあり、王子
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ザ・ファブル(2019年製作の映画)

2.1

本作といい『ダイナー』といい、日活無国籍アクション時代だったら、鈴木清順監督だったら、きっと面白く作れたのでしょう。
設定ムチャクチャなので、リアルな任侠映画的な表現があわず、日常的な空間でない方が突
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遠すぎた橋(1977年製作の映画)

3.5

『史上最大の作戦』並みの壮大なパノラマ的な視点をもった圧巻の戦争大作です。
この映画の公開された77年は『スター・ウォーズ』があり、当時ですら時代錯誤があったのではないかと思うほど、作り方の古さを感じ
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インシディアス 序章(2015年製作の映画)

2.5

驚かさせる演出をさらにパワーアップ。
主人公を『裏窓』のような状況において、凄まじい勢いとパワーでアトラクション化します。

インシディアス 第2章(2013年製作の映画)

2.7

ジェームズ・ワン監督は『死霊館』シリーズと本シリーズを使い分けているような気がします。
ホラーとしてのレベルは圧倒的に『死霊館』が高いですが、こちらは過剰さと力業でみせてくれるアトラクション性が高いで
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初恋・地獄篇(1968年製作の映画)

3.8

残酷なほど、えぐるように描かれる青春映画です。
最近、ここまで掘り下げてくる映画は少なくなってしまったのですが、映画の力はこういう作品に強く感じます。
人間に対して向き合う姿勢がこの映画の見所です。

バットマン:キリングジョーク(2016年製作の映画)

3.1

『ジョーカー』の予習として鑑賞です。
日本のアニメとは表現が全く異なりますが、不穏で不気味な感じは出てきています。
ジョーカーの過去を描くのは、かなりのリスクですが、ティム・バートン監督『バットマン』
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東京喰種 トーキョーグール【S】(2019年製作の映画)

1.9

今年の邦画で一番面白いです。
途中までは。
B級映画として、グールとグールの戦いの中でテーマがあり、月山というキャラクターが最近の邦画では少なくなった、独特な悪役で、大いに笑わせてくれます。
よい意味
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チャイルド・プレイ(2019年製作の映画)

2.7

主人公がアンディってそういうことですか。
妙に納得します。
チャッキーがAIで大暴れしますが、テクノロジーの怖さも、人が人を呪ってきた時代と変わらない人間側の動機です。
テクノロジーの暴走で何でも出来
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ポラロイド(2018年製作の映画)

3.0

基本プロットはほぼ『リング』の心霊ホラーです。
心霊ですが、物理的な攻撃を加えてくる辺り、アメリカ映画的です。
撮られたら死ぬポラロイドカメラの存在から、その正体をめぐるミステリーと容赦ない怪物の攻撃
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