堊さんの映画レビュー・感想・評価 - 17ページ目

堊

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(1928年製作の映画)

3.8

犬→死体→犬→死体→犬は常人にはできない。初夜のキスのくだりがサイレント映画にあるまじき長回しでとても楽しい。字幕が5分近く出ないで会話が続くがリリアン・ギッシュのキモ男相手の演技が巧みなた面白い。風>>続きを読む

グリード(1924年製作の映画)

3.5

ヤブ医者の元で教わったのが元凶のように最後まで付いて回っている。指導教官が狂人だったせいで大学院やめることになった先輩思い出した。ラストはなぞの西部劇。正面切り返しが凄まじい。ここまで変な映画を淀川が>>続きを読む

あなたの目になりたい(1943年製作の映画)

3.9

トリュフォーまじでギトリ好きなんだなぁ。あとこれは怒られるかもしれないけれどやっぱりジャン=ピエール・ジュネのグロテスクなヒューマニズムみたいなものもこのあたりの精神性から来ていそう。懐中電灯のくだり>>続きを読む

ブラック・ウィドー(1986年製作の映画)

3.8

死亡欄に疑惑を持つ政府の女性捜査員。亡くなったのは資産家ばかり。木嶋佳苗的な犯罪における単なる『氷の微笑』モノを想像していると、「わたしはあなたになりたい」と犯人を追っている女捜査官が突然言い放つのだ>>続きを読む

スピオーネ(1928年製作の映画)

4.5

超面白い。『グランドブダペストホテル』どころかウェス・アンダーソン元ネタ集。



今日はコミティア会場【よ16b】にいます。みんな来てね〜〜

Keiko(1979年製作の映画)

4.4

実話に基づくかどうか、史実と異なるかどうか、この際そんなことはどうでもいい。だが「ほんとうの映画」は存在する。岩井俊二が自らのルーツとして公言していることからも本作が『リップヴァンウィンクル』の着想の>>続きを読む

エマク・バキア(1927年製作の映画)

4.0

アイディア集。ふつうに原始tiktok的欲望に溢れてる。

おたくのビデオ 劇場版(1991年製作の映画)

3.7

フェイクドキュメンタリーパートが面白すぎる。セル画泥棒を手持ちカメラで追いかけるあたりは『女犯』とかバクシーシ山下監督作品を思い出させた。本田雄の作画が堪能できる。山賀博之の経歴にキズを付けないために>>続きを読む

東京戦争戦後秘話 映画で遺書を残して死んだ男の物語(1970年製作の映画)

3.5

映画サークル内幕ものとしてふつーに面白かった。『略称~』を解説していくかのようなシークエンスも。主役の顔と演技が知り合いにクッソ似てた。心当たりのある方は声かけてください。「革マル用語でいう野合だね、>>続きを読む

ジャド・アパトーのザ・リターン(2017年製作の映画)

3.4

「男のエクスタシーは成功でもあり、失敗でもある」だなんてやっぱり性についての滑稽さを真摯に語っているほうが生き生きとしているジャド・アパトー。オバマはよかった、だなんてどの程度の距離感で受け取ればいい>>続きを読む

モール★コップ(2009年製作の映画)

3.0

セグウェイ主人公に対抗してショッピングモールでパルクール集団が占拠する話。モールのきらびやかさみたいなものを見せるために物語が進行していて非常に好感。モールをセグウェイでなめらかに横移動すれば、その後>>続きを読む

マスターズ・オブ・ホラー恐1グランプリ/ハンティング/ムーンフェイス(2005年製作の映画)

3.5

『ハンティング』のみ。ラリー・コーエンの女、ローレン・ランドンがちゃっかり出演している上に50歳を超えていてもキュートでビビる。えらくドキュメンタリーで満足してそうなコーエン自らの口ぶりのとおり、ホス>>続きを読む

秋津温泉(1962年製作の映画)

4.7

バカ面白い。緻密で過剰なフレーム内フレームがアニメみたい。母と娘を襖の枠ではっきり仕切って「出られる人」「運動で枠内を往復する人」としてるのなんて押井守っぽい。全カットに思想が絡みついている。音楽が最>>続きを読む

リアル 完全なる首長竜の日(2013年製作の映画)

3.1

水道橋から神保町へ至る道を綾瀬はるかが彷徨い歩くワンショットに、自分の生活圏内で黒沢清と綾瀬はるかが撮っていたことにヘンに感動した。首長竜のCGと首をなぞるカメラワークに驚くが終盤の脚本にはうんざり。>>続きを読む

ブルーベルベット(1986年製作の映画)

3.0

後半から一気に街の物語になっていき、多少ノレたものの根本的に会話劇なので退屈。これの二番煎じを浴びきったのでデニス・ホッパーのあれこれも陳腐に思えてしまう。それでも「一緒に立ち上がろう1,2,3」なん>>続きを読む

飾窓の女(1944年製作の映画)

3.6

ジジェクの映画での『マブゼ』引用箇所に驚いたが、『斜めから』でこれにかなりのページを割いて解説していたのにも驚いた。けっきょくは夢オチ。でも夢が覚める前のジョーン・ベネットはずっと迷っている。「なにも>>続きを読む

エスケープ・フロム・L.A.(1996年製作の映画)

4.3

移動→移動→移動でアクションが連鎖していくので英時代のヒッチコックっぽくてぶち上がった。ホログラムは『透明人間』になるため、セット丸出しの街を直線で走り回るのもフラーの『四十丁の拳銃』で、夜の街ハレー>>続きを読む

クリーン(2012年製作の映画)

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クリスティーン(1983年製作の映画)

4.4

前半の『スーパーバッド』な廊下での切り返しにブチ上がった。もう満足。撮影が良すぎてチビる。ドライブインシアター映画では最高のひとつだとおもう。死に間際にエンブレムをなぞる指がえっち。カーペンター、あと>>続きを読む

スラヴォイ・ジジェクによる倒錯的映画ガイド(2006年製作の映画)

4.5

「性行為の最中におろかなことをしていると不意に思ってしまった経験はみんなあるだろ?その瞬間、現実から断絶される。我々は理解する。夢に耐えられない人のために現実があるのだと」
「女にとっては、行為自体で
>>続きを読む

やぶれかぶれ一発勝負!!(1985年製作の映画)

4.8

最高。ほとんど一発ギャグ集なんだけど妙に狂っていてクセになる。「延々と自殺を試みていてるが失敗している主人公。街ではスキーができない奴は人間じゃないとして差別されている」←意味不明のあらすじ。カットの>>続きを読む

タイム・リミットは午後3時(1987年製作の映画)

4.7

撮影監督がバリーソネンフェルド。ドリーズーム×100くらいやってるし、メモを盗みみたけど鍵が開かない!のくだりは『三十九夜』っぽかった。今年見た映画の中でいちばんオープニングがよかった。主人公に最初か>>続きを読む

四十挺の拳銃(1957年製作の映画)

3.5

どっかで冒頭だけ見たと思ったら去年の『ハリウッド映画史講義』講演会でハスミンが冒頭だけ上映してた。嵐が凄すぎる。延々歩き続けるショットやラストの歩きながらの乱射にも笑ったが、「あの歩き方は…!」って全>>続きを読む

真夜中の青春(1970年製作の映画)

3.9

『ラブひな』っぽいなーと思っていたけれど帰ってから読み返したら3巻に今作と同じエピソードがあって笑った。冒頭からの円環構造といい、切り刻んだ編集がとても心地いい。ベッドシーンで挿入されまくる絢爛なイメ>>続きを読む

ベストフレンズ(1981年製作の映画)

2.5

確かに80超えて映画を撮っているのもすごいが、『反日本語論』読んでしまうとジョージ・キューカーの遺作が『青い鳥』じゃなく、さらに5年後撮られた本作であることにちびるなぁと思っていた、が…。果てしなく微>>続きを読む

夜歩く男(1948年製作の映画)

3.0

とつぜん統合失調症的なババァが出てきて「わたしの毎朝飲むミルクには毒が入れられてるんだ、どうにかしてくれ」と言われるがまったくの意味不明。ラスト10分は『第三の男』(『人狼』)している。冒頭で即撃たれ>>続きを読む

とらんぷ譚(1936年製作の映画)

4.1

なるほど、こういうのをエスプリっていうんですね。『アメリ』っぽいなぁとか口半開きで思ってました。性交渉厳禁からの元妻セックスだったり、アカギみたいなイカサマ成り上がりも超面白い。回転扉長回しも普通にす>>続きを読む

ドニー・ダーコ(2001年製作の映画)

3.5

たしかに最速でストレンジャー・シングスやってる。ベタにいちばん盛り上がるところでJoy Divisionのテーマがかかったのでエラいと思った。正直ぜんぜん逆回転じゃないし、思ったよりも冗長で退屈で(n>>続きを読む

ストリート・オブ・ノー・リターン(1989年製作の映画)

3.7

ウェルズの『フォルスタッフ』とか『フェイク』に近い過去と現在を爆速で繋ぐ編集。人物が移動しながらのミドルショット切り返しを多用しまくってて、かなり異様。シャツを着るだけでも4カット。語りがもはや置いて>>続きを読む

東京暗黒街・竹の家(1955年製作の映画)

4.2

ぶっ飛ばされることで扉が開く。いちいち室内での暴力で殴られる→ぶっ飛ぶ→花瓶とかタンスとか音の出るものに突っ込む→そのさらに先にカメラが置かれるで進行する。発炎筒だけでこんなにカッチョいいなんて……。>>続きを読む

新・死霊伝説(1987年製作の映画)

3.5

頼りない父と子の話かと思いきや父がヴァンパイア🧛‍♀️と🏨して子供🧒つくるあたりからラリー・コーエンのギアが…。サミュエル・フラーが拳銃ぶっ放して出てきて、「俺はナチハンター!バンパイヤをぶっ倒す!」>>続きを読む

ザ・クラフト(1996年製作の映画)

3.6

常にショット(写真をやぶく手、ロウソクに火を付ける、飛び込み台の前で逡巡している姿)→何が映っているのか→語りによる補強という形式を徹底しているのでこの手のティーン向け映画にしては珍しいシブい印象。ゴ>>続きを読む

ラブソングができるまで(2007年製作の映画)

4.5

ほぼロメール。HAPPY&LOVE!。ドリュー・バリモアも流石にいい年で…なんて不安を破壊してくれるガキとのダンレボやってる姿の愛おしさよ。会話が無茶苦茶早いし、まぁそうなるでしょっていう王道プロット>>続きを読む

天使の復讐(1981年製作の映画)

4.3

こんなにカッコいいスローをはじめてみた。『天使の処刑人』はこれと鈴木清順だったっぽい。バイオレンスの簡潔な語りに長谷部安春みを強く感じる。でもやっぱりアベル・フェラーラはクレバーというよりむちゃくちゃ>>続きを読む

ハル、孤独の島(1998年製作の映画)

3.0

トーベとトゥーリッキの撮ったプライベートフィルムを別監督2人が編集し、別の女優が声をあててる時点でどこまでトーベ作品と言っていいのかは不明だが、かなりチルくて悪くなかった。が8mmに後付けの音楽が壊滅>>続きを読む