あさんの映画レビュー・感想・評価

あ

悪は存在しない(2023年製作の映画)

4.8

初日。対話と理解と社会的構造。水は低いところに流れる、都会のストレスを捨てにくる。分かり合えるのか、分かり合えないのか。本当は分かりあわないことを望んでいるのかもしれない。自己分析と他者理解の限界値。>>続きを読む

パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

3.0

期待しすぎたせいかそこまで良くなかった。初恋は実らないのそれだが、なんだか乗り切れない。あの時会いにきてくれたら、ってわかるけどどこか自分勝手だなと思った。でも自分勝手なので、そんなに干渉しすぎてもな>>続きを読む

オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.3

やっと鑑賞。なんで日本で上映がなかなか決まらなかったのかが理解できる内容の作品。ファーストカットの暗い画面に映った地面に打ち付けられる雨にカットバックして深刻な表情をしているオッペンハイマー。演じるキ>>続きを読む

夜明けのすべて(2024年製作の映画)

4.5

PMSの女とパニック障害の男、とその周囲の人々の話。
傑作すぎてもう言葉がないですね。本当に泣いた。正直、自分がPMS的な症状を患っているゆえ、そうそうそうなんだよと強く頷きながらも、本当はこういう寄
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落下の解剖学(2023年製作の映画)

3.9

主役のサンドラヒュラーが圧倒的でした。
圧倒的な彼女だから、旦那の繊細さや弱さ、他の出演者たちの脆さがより際立って見えた。自殺かと思った旦那の死が、徐々に妻が殺したのではないのかという疑惑に変容してい
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.9

純粋無垢な子供の頭脳を持った身体は成熟している女性は世界を見つめ直した結果、何を思うのか。性的趣向がど真ん中だったということも含めて最高でした。合法ロリセックスを実現とした本作は自分の今まで悩んでいた>>続きを読む

日本のいちばん長い日(1967年製作の映画)

4.2

東宝創立35周年映画。この映画の製作時に誰もが当たらないと思っていたというには傑作すぎる内容であると再認識した。
冒頭、ポツダム宣言から始まり天皇が終戦を決める場面からのタイトルイン。ナレーションとと
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私は貝になりたい(1959年製作の映画)

4.0

橋本忍の初監督作品。
戦時中から話は始まり、理髪店で働く主人公の清水(フランキー堺)は赤紙で招集される。戦況も悪い中、上官の指示で米軍の兵隊を虐殺未遂してしまう。(清水は気の弱いたちで嫌々やったものの
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狂った触覚/激愛!ロリータ密猟(1985年製作の映画)

3.4

佐藤寿保監督の第一回目の監督作品。拉致監禁レイプとかなり強めなエッセンスの並ぶ本作は、それにしてもそこまでの陰湿さを感じない。むしろカラッとしている印象を受ける。新宿でのゲリラ撮影でおっぱい丸出しは攻>>続きを読む

東京物語(1953年製作の映画)

4.5

正月の映画初め一本目。観るたびに味わいが深まる傑作。家族との関係性の歪さ。血のつながった親子よりも義理の娘(原節子)の方がよほど親切だということ。日本の侘び寂びの向こうにある歳をとっていくことの悲しみ>>続きを読む

ブルーバレンタイン(2010年製作の映画)

5.0

年に最低でも2回は見直す作品。この年の瀬に、自分の正気を保つために鑑賞。毎回朝に子供とライアン・ゴズリングに叩き起こされるシーンで涙腺が崩壊する。犬の死から始まる死のにおい。自分の子供ではないが、愛し>>続きを読む

リバー・オブ・グラス(1994年製作の映画)

3.4

現実逃避に逃避行を決行する男女の話。マイアミに住む30歳の主婦・コージーは隣人の男・リーと共に夜中にプールに潜り込む。銃を拾っていたリーは誤って暗闇の中、その銃口を人に向けてしまい、発報してしまう。人>>続きを読む

窓ぎわのトットちゃん(2023年製作の映画)

3.6

戦前少し前から描かれている黒柳徹子の話。戦争の前、幸せな時期を描きながらそれが崩壊してしまうという圧倒的な暴力に時折涙が出た。それを差し引いても人間の倫理や道徳について、生きるということにここまで真正>>続きを読む

ホーム・アローン(1990年製作の映画)

3.8

クリスマスなので久しぶりに鑑賞。1990年制作のホームドラマ映画。改めて見直しても良く出来ているなと思う。主人公の男の子と母親の話を中心に大家族とホームレスと噂されている怖いおじいさん。泥棒の二人組に>>続きを読む

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

3.8

役所広司がとにかくよかった。良すぎて他のキャストが本当ににあまり良くなく感じる。これは良いことなのかよく分からないが、日本の俳優部をうまく使いこなせなかったのかなとも思う。長井短も石川さゆりも、田中泯>>続きを読む

枯れ葉(2023年製作の映画)

4.0

『愛を、信じる。』日本版のポスターに書かれたこの言葉が意味するのは、単純に人間同士の愛にとどまらないのを感じることができる贅沢で幸福な時間だった。ラジオから流れる戦争のニュース、クビになったり辞めたり>>続きを読む

VORTEX ヴォルテックス(2021年製作の映画)

5.0

肉体の死と精神の死についての話。向き合う人間がたとえ目の前にいてもタイミングを逃し合い、お互いに失望の連鎖、のちに地獄の沼の底を垣間見る。感覚が少しずつズレていってもそれを整えるタイミングはやってこな>>続きを読む

⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023年製作の映画)

5.0

傑作過ぎて星を減らす理由が見当たらない。

東映の水木先生への愛と人間と妖怪との邂逅を見た。戦後、水木先生がどんな思いで鬼太郎を描いて、どんな希望を見ていたのかをも想起させる作品。
人間の弱さと愚かさ
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花腐し(2023年製作の映画)

3.8

荒井晴彦の新宿乱れ街だし、Wの悲劇。
冒頭、一緒に生きれないし逃げれないから一緒に死ぬことの希望的観測。
ピンクの終わり。国映のお姉さんとか出てきてまじでレクイエム。
あまりにも男たちの腐りかたがリア
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ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

3.2

このレビューはネタバレを含みます

戦後の日本を舞台に戦争と同義のような登場のゴジラ。やっぱり大きな音でいろんなものが破壊されていく姿は大きなスクリーンで目撃してしまうとなぜか涙が出る。
序盤、ヒロインの話し言葉がどうも気になる。昭和の
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