ピカルさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

星の子(2020年製作の映画)

3.5

ずっと引きつけれて見ていたが、唐突に終わる。時期的な偶然なのに、その水をのませると病気が改善されたら、水に込められた霊力を信じてしまうのだろう。

空気人形(2009年製作の映画)

3.8

土の人形の鼻から神が息を吹き込んで、人間が生まれたと聖書にある。あれはビニールの人形だが、私達も変わらないのかも知れない。息と生きは語源的につながりがあるのだろうか。
人形は心を持って幸福と苦しみを知
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夏への扉 ―キミのいる未来へ―(2021年製作の映画)

3.5

この方が山崎賢人か、本当に柔らかな雰囲気の、綺麗な顔をした人だなぁ、とドアップで目覚めるシーンを見て思った。清原果耶が、涙するシーンで、ただ涙を垂らすだけでは無く口元の震えやゆがみとか表情全体が、これ>>続きを読む

ビリギャル(2015年製作の映画)

3.7

常識はずれの無知を示すエピソードが、本当らしくて面白かった。ケーオー大学の文学部は、現代文や古典が無くて小論文ということは、やはり、独りよがりではない意見を語れる学生を求めている学校なのだな。採点大変>>続きを読む

恋は雨上がりのように(2018年製作の映画)

3.7

店長を上目遣いに見つめる時のあきらの豹のような妖しい眼の光こそが、この女優さんの魅力だと感じた。誰でも出せるものではない。走り方も、キレイで、準備運動の柔軟性にもびっくり、本当に身体能力が高そうだ。店>>続きを読む

シン・ウルトラマン(2022年製作の映画)

3.8

属国とはっきり言ってた。もし日本を全ての禍から守るためにウルトラマンがいてくれたら、日本は国際社会でどんな態度をとるのだろう。属国から、大国になろうとするのだろうか。しかし、ウルトラマン自体がそんな狭>>続きを読む

ロスト・イン・トランスレーション(2003年製作の映画)

3.7

思いはつのっても、簡単には一線を越えない、倫理とのはざまの切なさを感じた。それがアメリカの映画で東京を背景に描かれているところに、風情を感じた。題名は、こうやって言葉で説明するなということかな。ラスト>>続きを読む

セトウツミ(2016年製作の映画)

3.7

変わった題名だと思ったら、姓だったのか。場面はほぼ川辺の石段で、ほば2人の会話、しかし、面白かった。脚本はもちろん面白いのだろうが、役者の演技力がその面白さをちゃんと伝えている気がした。瀬戸の細いノド>>続きを読む

ザ・ファブル 殺さない殺し屋(2021年製作の映画)

3.9

アクション、スタントが凄い。ファブルと、ヒナコの絡みのコミカルなところもシリアスなところも良かった。岡田准一の眉間の力を抜いた飄々とした演技がSPや時代劇の時と違っていて良かった。平手友梨奈はコアなフ>>続きを読む

千年女優(2001年製作の映画)

4.0

満たされないから求め続けられる。求め続けるから自分でいられる。そんな自分が好きなのだろう。確かに、満たされない思い出の鍵は、思いがけずあらわれる。社長の一途さもいい。ずっと一途になれるものは、なかなか>>続きを読む

82年生まれ、キム・ジヨン(2019年製作の映画)

3.9

82年頃のオヤジ達の女性観は日本もあんな感じだった気がする。痴漢にあった娘をお前にもスキがあったと叱る父親みたいな。子供は兄弟姉妹の順、昇進も男優先のような男尊女卑があった。デヒョンの妻子への愛情、実>>続きを読む

ラ・ヨローナ ~彷徨う女~(2018年製作の映画)

3.2

将軍一族に迫る亡霊とか、カエルとか、ホラーとしては単純だったが、呪う黒魔術と、逃れるための儀式の道具が蝋燭と砂糖だったり独特だった。そこは塩だろうと思ったけど、国柄だから仕方がない。将軍の振る舞いへの>>続きを読む

騙し絵の牙(2021年製作の映画)

3.6

展開が速く、わかりやすい。面白いと言えば、面白い。しかし登場人物が皆あっさりし過ぎる気がした。そういう仕込みがあったのかと理屈で納得できる面白さがあるけど、登場人物の挫折感や苦悩ももっと味わえたら、爽>>続きを読む

ザ・スーサイド・スクワッド "極"悪党、集結(2021年製作の映画)

4.0

はじける頭、ちぎれ裂ける四肢や胴体をこれだけ見せられると、何というか、次々、ガラスをたたき割っていく爽快感がある。人の形をしたリアルな血糊やゼリーの入った風船を割っているようなスカっと感だ。失われた生>>続きを読む

青春残酷物語(1960年製作の映画)

3.4

男は、恋人もヤクザも皆DV。アンポ反対のデモを映像で見た。小走りの蛇行は、結構な運動量だと思った。結末が残酷ということなのだろうか。足掻いたけど、抜け出せなかったみたいな。

メランコリック(2018年製作の映画)

3.8

その瞬間の幸福感が、すごく伝わって来た。 おっしゃる通りだが、その先にも人生はある。終わればお別れだ。幸福感は美しさと同じように、散る。だから私達は、幸福や美にたどりつく過程を懸命に語りたくなる。しか>>続きを読む

バブル(2022年製作の映画)

3.3

映像も、音楽も良かった。原因不明の泡が、降って来たと、言われれば、受け入れるけど、なぜなんだろうと、思う。宇宙が不可思議な長さの時の流れ中で、人も、物も生滅、集散を繰り返し渦を巻きながら、たった一つの>>続きを読む

リトル・フォレスト 夏・秋(2014年製作の映画)

3.8

トマトの皮を湯むきするのは、知っていたが、十字に包丁を入れておけば、よかったのか。いつも自然破裂したように剥けて、手間だった。主夫は勉強になった。ああいう生活にも憧れはあるが、憧れにも、覚悟が必要と感>>続きを読む

蜜蜂と遠雷(2019年製作の映画)

3.7

一番楽しいのは、自分なんだろうな。あんな風に、月光を浴びて音と気持ちを絡めあいながら、連弾できたら、どんなに楽しいだろう、楽しいなんて言葉でもヌルい二人だけの恍惚の世界だ。だから、たった一人になっても>>続きを読む

スパイの妻(2020年製作の映画)

3.6

お見事な映画だった。正義と幸福の両立を目指していたが、あれは妻への愛だったのか、疑問だ。妻は、何にも怖くないが、離れることだけが恐い、と言ってたではないか。そしてアメリカは、参戦し、残虐な研究の罰とし>>続きを読む

浅田家!(2020年製作の映画)

4.2

役者が、全員、はまってた。ストーリーがなめらかに、繋がってた。浅田家の乗りに、笑った、そのさりげなさとは、うらはらの強い絆がしみた。様々な家族の内側を理解しながら撮りたい写真を撮る。がむしゃらではない>>続きを読む

野球少女(2019年製作の映画)

3.8

天才少女だった主人公が、下手だった男子に追い抜かれても、野球の夢を追い続ける話だが、根性物でも、ハンディーを乗りこえるただのサクセス物でもない。丁寧に現実の壁を描いてきちんとした努力で乗り越えていくと>>続きを読む

劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン(2020年製作の映画)

3.9

愛されて、愛を知る。愛を知って、人を愛する。与えたり与えられたりではなく、願いは側にいて欲しいだけ、これこそが純愛なのだろうなあ。月あかりの海辺のシーンは、この世のものとは思えないほど美しい。しかしそ>>続きを読む

私をくいとめて(2020年製作の映画)

3.5

ひきとめる、というのは、その方向に行こうとする自分をひきとめることだったのか。戻ろうとする自分を強引に引き止め、剥がして、新世界に連れて行くのも自分なんだろう。Aとの対話は、軽い狂気を感じさせる。そこ>>続きを読む

二重生活(2016年製作の映画)

3.5

映画は、人の生活をのぞいているが、登場人物と関わることは、出来ない。2時間余りの観察者。観察者同士が、解釈や感想や評価を言い合う楽しみはある。しかし尾行は違う。登場人物が、こっちを見る。気づかれるかも>>続きを読む

26年(2012年製作の映画)

3.5

タクシー運転手を見て、光州事件を知った。朴大統領の後も、軍事政権が引き継がれていたのか。民主化運動の学生や民衆に、発砲を命じることのできる点が、理解出来ない。自国の軍隊が、自国民に発砲する、どんな神経>>続きを読む

薬の神じゃない!(2018年製作の映画)

4.2

感動した。自分を優先するのが生き物だ。しかし、犯罪者になるリスクを犯しても、他者の生命を助けたくなる。それはいつでも、誰にでも生まれる気持ちではない。昔、教科書で遠藤周作のコルベ神父を語った随筆を読ん>>続きを読む

The Hand of God(2021年製作の映画)

3.6

明るい日差しの中、外で、集まって食事をするのが、気持ち良さそうだった。体型とか気にせず、水着になって、水浴を楽しんでいたので、勇気が湧いて来た。マラドーナが、ナポリでプレーするのは、それほど衝撃的喜び>>続きを読む

スタートアップ!(2019年製作の映画)

3.5

予想を全く裏切らない面白さ。それにつけても、マ.ドンソクのワンパンチ、ノックアウトは、本当にスカッとする。

ゼロ・グラビティ(2013年製作の映画)

3.5

宇宙は静かなんだろうな。母船から切り離されて、宇宙服だけがシールドで、浮遊する孤独感。すべてが独り言。語りかける生き物は、虫でさえいない、しがみつく岩壁も自分をのみこむ水も、衝撃を与える地面も、最期を>>続きを読む

ラストレター(2020年製作の映画)

4.0

許そう何をされても、許そう。よっぽど好きなんだね。静か、しみじみ、身に沁みる。面白いとか、そういう言葉は、馴染まない、本当にいい映画だった。

ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

3.8

背中が綺麗。車が素敵。失ってああしまった、取り返しがつかない、悲しい、もう一度会いたい、嫌なことも、いいことも実はまだ何も伝えてない、答えも聞いてない、という永遠の悔恨が、示したいことの一つなのか、と>>続きを読む

カセットテープ・ダイアリーズ(2019年製作の映画)

3.9

パキスタン人への差別、圧倒的に支配する父、閉塞感、尾崎豊みたいな歌が慰めだった。私が感じいったのは、奥さんの前では、自分の情けなさに、あのお父さんが、泣いちゃうところ。展開は、期待通り。ああいう閉塞感>>続きを読む

ビッグ・フィッシュ(2003年製作の映画)

3.7

話はオヒレが大事、真実なんか、一つあれば充分って、宇多田ヒカルさんも歌っている。面白いこともない世を面白く生きようって高杉晋作も言っていたよ。苦楽の真実をもっと面白くかたれる心を失ってはいけないと私も>>続きを読む

イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密(2014年製作の映画)

3.9

より多くを救う為に解読によって救えた多くの命を見殺しにする。正しいのだろうか?あの爆弾は戦争を早期に終わらせるためと真顔でいえる異国の人々を思いだした。
そういう感想は、この映画の、趣旨とはまるでずれ
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