ジジョさんの映画レビュー・感想・評価 - 7ページ目

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ギレルモ・デル・トロのピノッキオ(2022年製作の映画)

3.0

戦争、独裁、差別などを背景に据えるホラー味のあるピノッキオ。
ディズニーのアニメ版とは異なるダークな厚みと重みが好きだけど、なんとなくノリきれないまま終わろうとした最後になぜか涙腺が崩壊した。
「命は
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あのこと(2021年製作の映画)

4.2

観るのはキツいけど、たくさんの人が観てくれたらいいと思う。これは現在進行形の現実だし、そのほんの一部だし、当人が感じる怖さと孤独感は、この1000倍だと思う。

映画の内容を論じるよりも、その先の現実
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奈落のマイホーム(2020年製作の映画)

4.1

災害にあったとき、シリアスな状況の中でも笑える時はあるわけで、そこで生まれた人間関係が自然とドラマを作る。
特別なヒーローもいないし、誰かを犠牲にすることで感動を生むようなこともしないことが誠実に思え
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犯罪都市 THE ROUNDUP(2022年製作の映画)

3.8

殴る!蹴る!刺す!切る!撃つ!血!血!血!
拳勝負の接近戦!銃よりナタ!
マ・ドンソク!ソン・ソック!
男!男!男!男!で熱かった。

最後の打ち上げ的なシーンがなんとも言えない幸福感。あれを観るため
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ある男(2022年製作の映画)

3.9

自分に貼られたレッテルに縛られ、それが無い人生を思い描く。
自分の土台が見えなくなるほど上書きし続けることで得られた人生は「嘘」なのかもしれないけれど、感じた幸福は「本物」だったのだろうと思う。

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ザ・メニュー(2022年製作の映画)

4.2

「レストランに行くらしい」しか知らずに鑑賞。
設定もジャンルもわからないまま、闇鍋のような怪しげなレストランを満喫。マーゴと同じ様な気持ちで過ごす106分のディナータイム☆

状況よくわからなくても
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サイレント・ナイト(2021年製作の映画)

3.0

個人的に災害に関するアンテナが立ちまくってる時の鑑賞だったので、本当に怖かった。入場者特典はポストカードじゃなくて、あの薬を配って!と思った。

終末に語れる過去を持つ大人たちは未来をあきらめ、これか
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すずめの戸締まり(2022年製作の映画)

-

深い傷のある物語を語るときに、観た人も作る人も傷つかずにいれるのであれば、それは「キレイゴト」と言うのではないだろうか。
悲しみの中心に立ち語ることは痛みが伴う。その覚悟がないものはカタチだけで心地よ
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ペルシャン・レッスン 戦場の教室(2020年製作の映画)

4.5

クラウス・コッホ大尉について考えた。
彼にとってジルとのレッスンは楽しい思い出で(あの時までは)、ジルと心を通わせているし、彼を優遇している自分はなんて優しい男なんだと思っていたに違いない。こんなに良
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シャイニー・シュリンプス!世界に羽ばたけ(2022年製作の映画)

3.6

ブリアナからのブリトニーでセーラームーンなオープニングがゴキゲン!

No水球は想定内だけど、思いがけずNoジャパンで某国へ行っていたけれど、日本の状況もあまり変わらないのではないか?と思えたり。日本
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ドント・ウォーリー・ダーリン(2022年製作の映画)

3.8

フレーレンス・ピューの歪んだ表情と全力の走りが好き☆その姿を堪能できる上に、ディタ・フォン・ティースが出てきた!なんという贅沢☆

気づいてしまったら後には戻れない。洗脳が解けたように違う世界が見え始
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パラレル・マザーズ(2021年製作の映画)

3.8

個人の人生は歴史も政治も無縁なんかでいられない。
過去を語り、自分の立つ今を知ることで未来を作る。見なかったことにして埋めた黒い部分も、いつか掘り起こされるという戒めと希望。

「ハモンハモン」から変
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ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー(2022年製作の映画)

2.9

MCU弱者で、前作も未見での鑑賞。
よく知らない人のお葬式に来てしまったような居心地の悪さを終始感じた。何だか申し訳ない。。

大切な人を亡くした人たちの喪失感は理解はできるけれど、それが戦争の動機に
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ミセス・ハリス、パリへ行く(2022年製作の映画)

3.1

たかが洋服、されど洋服。自分にとっては武装であり、擬態であり、その服が持つ世界観の中に自分を置くことでもある。

オートクチュールからプレタポルテへの変化は、貴族から民衆への動きでもあり、ファッション
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バーバリアン(2022年製作の映画)

4.1

ジャンルさえ知らずに観たのでビックリした。予習しない性質の自分を褒めたい☆

客観的に見ている人にはツッコミどころな行動でも、その場にいる人ならそうしてしまうのかもしれない。。
警戒なんかせずに生きて
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シスター 夏のわかれ道(2021年製作の映画)

3.9

中国の政策を通して加速した家父長制の犠牲になった人々の話。
主人公である女性の生きづらさは想定内だけど、前の時代を生きた叔母の諦め、次男としての叔父の生き方、意図せず期待をかけられる長男としての弟、と
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同じ下着を着るふたりの女(2021年製作の映画)

3.0

毒親とその娘の共依存。そのあり方は万国共通ということなのか。
一言。たった一言、自分の非を認めてくれたら許せることってあるよね。でも非を認めるとその人の何かが崩れるのだろう。必死に守っているものは何な
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アムステルダム(2022年製作の映画)

2.9

豪華だけど味の薄い料理を食べた気分。
まずいわけではないのだけれど、何かが足りないような、あんなに美味しそうなのに。

もっと3人のわちゃわちゃを観たかった。
実話ベースという部分が、唯一物語に厚みを
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貞子DX(2022年製作の映画)

2.2

どんなに設定や場面を変えてもイジられても、その価値を保ち続けるキャラクター「貞子」。元のキャラクターの強さがあってこそ。改めて「貞子」のすごさを実感する。

スマホやネットの普及で廃れたものを取り戻し
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明日に向って撃て!(1969年製作の映画)

3.9

お気楽な強盗二人組のわちゃわちゃの日々をずっと観ていたい。時代が変わって、環境が変わって、状況は悪化していくのに二人を観ていると、彼らが笑える時代が豊かだったのではないか?とすら思える。

雄大なアメ
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ロザライン(2022年製作の映画)

3.5

有名な物語の隅っこで語られなかった(かもしれない)もう一つのお話。こういう世界線があったのかも!は楽しさしかない。気軽な程よいラブコメ感。

幸せになったような、なってないようなあの二人は、意外と末長
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タバコは咳の原因になる(2022年製作の映画)

4.5

彼らの語る「怖い話」に夢中になって、ふと「あれ?なんの話観てるんだっけ?」と我に返る。のパターンにツボる☆
アイツが焼ける前に話を聞きたかった。

タバコは、ああいう時のためにあるのかもしれないね。

第三次世界大戦(2022年製作の映画)

3.6

彼をあの行動に導いたものは軽く扱われた命への悲しみと怒りだったように思う。それは「テロ」と呼ばれるものなのかもしれないけれど、そこまで追い詰められた過程を思うと、それは彼の「身勝手さ」だけなのだろうか>>続きを読む

神探大戦(2022年製作の映画)

3.8

暑苦しいものを観たい欲が程よく満たされて、雑な感じに癒される。観客のリアクションも含めて香港で映画観てるみたいだった。

エア拳銃とリアル拳銃の二人羽織感がツボ。アレをもっと観たかった☆

あちらにいる鬼(2022年製作の映画)

3.0

妻の物語だった。

男女や夫婦はこうである。という型から外れることもあるわけで、その時の想いの落とし所に苦悩がある気がする。頭では理解できるが心が拒否したり、逆もまた然り。

相手に違う世界線の自分見
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ノースマン 導かれし復讐者(2022年製作の映画)

4.2

ダークな色彩なのにギラギラしていてドロドロしていた。血に縛られて、血を流して、血で紡いていく。。最後のアムレートの表情は本当に素晴らしかった☆

ずっしりとした重力と神話の無重力感。人と自然と動物と見
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チケット・トゥ・パラダイス(2022年製作の映画)

4.0

ジュリア・ロバーツが昔と変わらず大きな口を開けて笑っていた。「笑うとシワになるから」とかもない全力の笑顔は可愛かったし、かっこよかったし、見ていて幸せだった。

ジョージ・クルーニーも昔と変わらず甘い
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アフター・ヤン(2021年製作の映画)

2.0

「その人をもっと知りたかった」は残された人の感情ではないかと思う。その人が存在した時の姿が全てであって、本人が見せなかったものを見に行くことの是非を考えた。

もし私が死んだら、私のスマホは何も見ずに
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RRR(2022年製作の映画)

4.5

激盛りで特農な179分。IMAXの音と映像はギンギンでくらくらした☆

動物同士がゴッツンコ!からの、猛獣ズドーーン!友情イチャイチャで、最高のタイミングで踊るナートゥダンス☆

特にダンスシーンは、
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もっと超越した所へ。(2022年製作の映画)

2.0

我慢したり、目をつぶったりして超越した先の足元はぬかるんでると思う。
どんな関係でも二人が良ければ良いのだけれど、それは現実の話で、これはリアリティショウの様な悪趣味感。

キャラクター達がステレオタ
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デュアル(2022年製作の映画)

4.5

冒頭「お!」ってなって、途中から「なにそれw」ってなって、最後に「え!」ってなって、帰りながら「なんだったのw」ってなった。

ずっと無感情のカレン・ギランにジワるし、いろんなシーンを思い出すだけでニ
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線は、僕を描く(2022年製作の映画)

2.0

わたしに1本の線の大切さを教えてくれた人たちがいる。彼らが描くと一瞬で絵が動き出した。あの時の様な感動を映画でも見たかったのに、劇中の水墨画は美しかったけど、何も感じることが出来なかった。

傷ついた
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プリンセス・ダイアナ(2022年製作の映画)

4.3

ダイアナの生涯を教科書的になぞるドキュメントかと思いきや、「ダイアナ」という事象を通して、報道や大衆心理の狂気を映し出す映画だった。

ニュース映像からホームビデオまで、あらゆる目線で語られる当時の記
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スペンサー ダイアナの決意(2021年製作の映画)

3.2

心のバランスを崩してしまったひとりの女性の物語として観た。
君主制は形を変えて私たちの日常にもある気がする。「らしさ」を押し付けられ、箱に押し込まれたような息苦しさは誰もが陥ることで、人ごとでは無い気
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とら男(2021年製作の映画)

3.8

やらなかった事の後悔は後々まで残る。それが他者の人生に関わる事であるなら、よりその後悔は日増しに大きくなっていくような気がする。
個人の想いがぎっしり詰まっていた。形は無骨でもそういう作品はグッとくる
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弁当の日 「めんどくさい」は幸せへの近道(2021年製作の映画)

2.5

家族の食事を作り、食について勉強した10代の頃を思い出す。それは、私にとっては食を通して自分と向き合うと同時に、社会を見た経験だったのだと思う。
「食を学ぶ」ではなく「食で学ぶ」。
あの時感じたことは
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