YKさんの映画レビュー・感想・評価 - 9ページ目

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ビバリウム(2019年製作の映画)

3.0

人生におけるネガティヴ部分を誇張してSFチックにしたような作品。ちょっと頭でっかちな印象。短編だったらまたちがう感想になってたかもしれない。

戦場のメリークリスマス 4K 修復版(1983年製作の映画)

4.5

東洋と西洋の価値観のちがいや、戦中の人々の葛藤とかあるけど、そういった言葉で表せるもの以上の人同士の心の通いあいや、言葉のやりとりといったものに味わい深さが感じられ、映像と音楽の表現も相まって心に残る>>続きを読む

JUNK HEAD(2017年製作の映画)

3.5

個人制作のストップモーションアニメということだが、造形にはかなりこだわりが見える。とくにセットが緻密で、未来の地下空間という世界観に奥行きが感じられる。「作品の品の良さは美術が決める」というのはある巨>>続きを読む

シェイプ・オブ・ウォーター(2017年製作の映画)

4.0

1962年が舞台らしい。観てみると、とても現代的な物語だ。手話を使う主人公。同僚も隣人も、そして「彼」も、声を上げることができず社会の片隅で生きる人々だった。

ぐらんぶる(2019年製作の映画)

2.0

竜星涼と犬飼貴丈が好きで観始めたけど、30分が限界で断念。

とくにファンでない人は観なくていいと思います。

街の上で(2019年製作の映画)

5.0

自分はエモ邦画好きでもなければゆるふわ大学生でもないということを前置きした上で、本作は今泉監督最高傑作であると確信している。雰囲気映画だと思われがちだが、芯の通った物語だ。「変わっても無くなっても、あ>>続きを読む

パンズ・ラビリンス(2006年製作の映画)

4.0

空想の世界は、オフェリアが見る現実の風景。しかしどちらにせよ、戦争という残酷な社会を前にしては無力だ。

なんとなく、日本っぽいところあります。

グレムリン(1984年製作の映画)

4.0

ギズモがキモカワイイ。マペットやストップモーションで撮影したかと思う独特の動きに魅力。

外国製、アメリカびいき、故障…いろいろと時代背景やメタファーが取り入れられてるような感じだが、人間模様の雰囲気
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よこがお(2019年製作の映画)

4.5

深田晃司監督の映画は、最初から最後まで見逃せない。なんて言うとありがちな感じがするけど、ほんと「冒頭ひとつめのカットからラストカットまですべてが見もの」だ。

「淵に立つ」につづいて、筒井真理子が見せ
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37セカンズ(2019年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

傑作!年上の友だちと買い物に行ったり遊びに行ったり、編集部へ持ち込みしてみたり。どれも自分には経験がないことで、自ら行動していくユマさんに憧れた。劇中のさまざまな音楽もいい感じ。

ワールドワイドに制
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アルプススタンドのはしの方(2020年製作の映画)

3.5

高校野球が舞台の映画だが、グラウンドはまったく映らない。アルプススタンドの端っこにいる4人組の感じがとても好きです。

「しょうがない」という言葉、たやすく他人に使ってしまうのはとても情けなく思えてく
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his(2020年製作の映画)

3.5

ボーイズラブの映画と思っているとけっこう違う。

氷魚さんと藤原季節の演技ははじめて観た。松本穂香の役なんかもうちょっと描くことあるような。パイプオルガンなんかのエピソードもちょい分かりやすすぎる。
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スパイの妻(2020年製作の映画)

4.0

妻が抱く夫への疑念のサスペンス、夫婦が手にした国家機密をめぐるサスペンス、まばゆい光はけっして希望を示さず、時代の闇を浮かび上がらせているよう。

蒼井優の早回しな喋り方はすごい。

イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ(2010年製作の映画)

4.0

バンクシー監督による現代のアートをめぐるドキュメンタリー。グラフィティが描かれる様子を映している点でも貴重な映像。

バンクシーは、たびたびオークションやアート商品を風刺して芸術の価値を問うことをして
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さよなら渓谷(2013年製作の映画)

4.0

16ミリで撮られた渓谷の夏の緑が美しい。

加害者と被害者という関係の2人。その関係性はいびつだが、記者の男は2人に興味を示していく。お互いがお互いでなければいけない関係と、自分がいつでも取り替えられ
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愛がなんだ(2018年製作の映画)

4.5

「5周くらい先回りして…」って、そんな言われたらグサッとくるな。恋人じゃないのに恋人みたいな微妙な関係性がいちばん哀しい。そして恋愛を超えた、愛ではない、執着の先にあるものとは…。真面目に観すぎるのは>>続きを読む

淵に立つ(2016年製作の映画)

4.5

すごい。違和感と、緊張感と、気味の悪さ。全年齢対象なのにここまで重く、ホラーな映画だとは。色の使い方も印象的。

浅野忠信、古舘寛治、筒井真理子、中野太賀の4人がそれぞれすごい存在感。

四月の永い夢(2017年製作の映画)

3.5

心地いい空気感で、まさに夢みたいな雰囲気。でも、主人公たちのセリフや行動にはところどころハッとさせられ、説明が少なくとも全体に奥行きを感じる。冒頭の桜と菜の花のカットが美しい。

かぐや姫の物語を思い
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スポットライト 世紀のスクープ(2015年製作の映画)

4.0

神父による児童虐待事件から、キリスト教会の腐敗報道。「教会はなんでも出来る」とまで言われるその恐ろしさは衝撃だが、それを追う記者たちの姿が、まさに「事実は小説よりも奇なり」という感じ。映画からジャーナ>>続きを読む

下衆の愛(2015年製作の映画)

3.5

登場人物、みんな下衆い。それは何かに取り憑かれて、そのせいで生き方が下手になってしまった人々に見えた。その姿は、下衆くても愛嬌がある。

渋川清彦、古舘寛治、でんでんさん。どのキャラクターも味があって
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音楽(2019年製作の映画)

4.0

シュールな空気感と妙な芝居が魅力的な青春映画。ロトスコープといえど、日常はデフォルメを効かせた作画で、演奏シーン等はリアルめと、それぞれの表現でとても”感じ”が出てる。

原作漫画を読んだことはないけ
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映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ(2016年製作の映画)

4.5

「悪い予感がする」「なにが起こるか分からない」いまの時代に感じる暗さや不安をうまく言い表し作品にしていて、もっと早く観ればよかったと思った。

微妙な、ぎこちない恋愛模様も良い。「ざまぁみろ」のおっさ
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滑走路(2020年製作の映画)

3.0

歌人、萩原慎一郎の歌集『滑走路』をもとに作られた映画。ポスターからの印象だと少し爽やかさも感じられるが、重いシーンもあった。

直接短歌が登場することはないものの、いくつか、モチーフとしたシーンが出て
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窮鼠はチーズの夢を見る(2020年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

細かい描写がリアル。ただ最初のベッドシーンは、大倉忠義が受けでいいの?2人の感情的にそうなるのは、理屈では理解できるけど、同性経験が無い彼がしょっぱなそっちは若干無理あるような…。成田凌は最高。退屈な>>続きを読む

イエスタデイ(2019年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

カブトムシとか、エリナ・リグビーとか、ホワイトアルバムとか…小ネタはおもしろいが、脚本には無理があるような。どんなに小ネタを挟んでも、それはビートルズが在った結果としての今の視点でしかないので、簡単に>>続きを読む

羊飼いと風船(2019年製作の映画)

4.0

風船越しの風景、冷たくて澄んだ空気感、そんな映像に冒頭から引き込まれる。

ただ、内容は残酷。羊、風船といったものをメタファーとして、チベットでの伝統と近代化のはざまに生きる家族の葛藤が迫ってくる。こ
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花とアリス殺人事件(2015年製作の映画)

3.5

「世界で一番小さな殺人事件が起こった」これがすべてを語っている。高校生活でのとある出来事をきっかけにはじまる物語は、「ユダ」とか「毒」というミステリアスな単語が加わることで、すこし空想っぽく、コミカル>>続きを読む

桐島、部活やめるってよ(2012年製作の映画)

4.5

学校内の、交わることのないそれぞれの人物が、「桐島」という存在をめぐって左右され、それぞれの視点の物語が描かれる。

ずっと観てなくて初見ですが、桐島ってのは神木隆之介のことだとおもってました。でも、
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カランコエの花(2016年製作の映画)

4.0

生徒の会話や教室の雰囲気がリアル。思春期というかただのガキというか、あの嫌な感じ。そして高校生の不安定で危うい感情が画面から滲み出る。「理解してるつもり」が「傷つけてしまっている」事実をどう意識するか>>続きを読む

シン・エヴァンゲリオン劇場版(2020年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

『まごころを、君に』の一歩先へ。商業アニメのエンタメ性と庵野秀明の作家性が結晶した最高の物語。好きなシーンを2つ。まずは冒頭、44A殲滅からの、ラ・デファンスを背に現れる44Bと4444C。パリの区画>>続きを読む

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