このレビューはネタバレを含みます
アメリカで暮らしている主人公サンオクが、突然韓国へ帰国し妹のもとを訪ねる。なぜ帰国したのか語られないまま物語は進むが、時折、サンオクは一人で祈りの言葉をつぶやく。「私の顔の前にある全ては神の恵みです。>>続きを読む
馴染みがない文脈と情報量の多さで整理が追いつかない部分もあったが、画面作りがとてもすばらしかった。監督のセンスもあると思うが、撮影、美術スタッフの仕事が見事だと思う。
もうちょい分かりやすい物語だっ>>続きを読む
都会の大学生ってこんな感じなんでしょうか…。みんな気持ち悪い。
主人公含むキツめな女子グループが、2,3歳下なだけの奴らに「キツっ」って言ってるのとか、キツくておもしろかった。でも、そういうのを真面>>続きを読む
アカデミー賞ノミネートで話題になった、ドキュメンタリー映画かつアニメーション映画な作品。当事者を使いながらも、本人を映すことはできない、ということでアニメーションが使われている。そしてドキュメンタリー>>続きを読む
異国の地で愛する人を待つキム・ミニ。具体的な数字が出てこない前半。いま何時なのか、何日の何曜日なのか。謎の男に時刻を聞かれてもわからない。
ライブシーンは、カット数が少なくて同じ画ばかり。さすがに画面が持たないし長すぎる。犬王と友魚がけっきょく何をしたいのかも、観客には伝わらない。
とはいえ、作画アニメーションにおもしろさを感じさせてく>>続きを読む
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前半と後半で、2度同じシチュエーションの物語を描く。同じと言えど、「あのときこうしていれば…」という自分の選択だけでどうにかなるというマンガ的思想ではなく、寺で一緒になる観光客やカフェに同席するおじさ>>続きを読む
入管の実情や外国人いじめなど、描こうと思えばいくらでも重く描けるところを、本作はそうしていない。ドキュメンタリーではなく、ある少女の実生活を通して描いた、在日クルド人、そして難民の問題。
とてもショ>>続きを読む
ジョーはメフィストフェレス的なやつかと思ったけど…。愛らしいコメディでありつつ、ちょっと不思議な人生ドラマ。
両隣のおっさんがずっと笑ってた。エンディングで、目の前のカップルが肩を寄せ合ってた。そう>>続きを読む
シンウルトラの後に改めて観ると、すべてのレイアウトがちゃんと意図のあるものになってるな、と実感。見た目のおもしろさにこだわった広角と望遠の使い分けや、fixとhandyの切り替えなども効果的。会議シー>>続きを読む
死を間近にしたブンミとその家族の、時間や空間を超えた物語。原題は「前世を思い出せる叔父ブンミ」。
生と死をつなぐ水の存在と、どこにあるのかさえ曖昧な森の存在が、我々を不思議の世界へと誘う。
タイの>>続きを読む
「現代社会の生きづらさ」を描く映画。これはもはやあるあるテーマで、一定の評価も得やすい。が、本作で特筆すべきは、物語を徹底して映像に語らせようとしている点だ。それが評価を分けるポイントの1つでもあるが>>続きを読む
コロナで浮き立った女性への負荷の大きさを描く、おそらく初の作品である。パーテーションで区切られた店内での、濃厚接触の異様さが際立つ。あんなに哀しい歯磨きシーンも初めてだ。ただ監督の見せたい要素が多すぎ>>続きを読む
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阿部サダヲ演じる榛村の造形がすばらしい。永野にしか見えない青年時代や、小綺麗でおしゃれなのになんか気持ち悪い現在の姿。その他のキャラクター含め、白石監督遊んでるだろ!というキャスティングがおもしろい。>>続きを読む
いま渋谷などで大量に展開されてるバブルの広告。これが偉い人の目指す"ジャパニメーション"というものなのか…オワコンだと思う。クレジットを見ればわかるが、責任持つ立場のスタッフが多すぎる。いったい誰がデ>>続きを読む
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オリジナルを再現したタイトルシーンや、高速テロップ入りプロローグ。冒頭から、遊び心とサービス精神満載でファンムービーとしてはおもしろげだ。しかし禍特対のパートに入ると、映画としての粗が目立ちはじめる。>>続きを読む
大根とにんじんの皮をむく2人の手。指には結婚指輪が見える。話しているのは、樹木希林とYOUだ。似た雰囲気の服を着た親子らしい会話。その後ろを、寡黙そうな父が通り過ぎる—。そんな冒頭3カットから、既に傑>>続きを読む
業界の大手ライバル会社2社が、ある1クールでの人気を競い新作アニメの制作に奮闘する物語。リアルというよりは脚色をけっこう感じるが、リサーチを徹底したのは伝わった。監督やプロデューサーだけでなく、撮影や>>続きを読む
聾者役には聾者を。本作では家族3人が実際の聾者だ。手話による会話が要となる中で、当事者でなければこれ以上の再現は不可能だっただろう。それぐらいのリアリティかつ演技力だ。マイルズ役の俳優が自分と同い年で>>続きを読む
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最近、新作でもモノクロの映画が多い。アカデミー賞脚本賞を受賞した『ベルファスト』をはじめ、『GUNDA』『パリ13区』『ライトハウス』(本作と同じA24製作)などが記憶に新しい。モノクロの利点はいくつ>>続きを読む
内容云々よりも、これを実現させるに至るスタッフ陣の大変さ・めんどくささが偲ばれる。やろうとは思ってもできないな。「35人、全員密着。」が嘘じゃない。生徒たちが割と素直に話してるのはどうやったんだろう。>>続きを読む
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移民が多く再開発が著しいパリ13区を舞台に、3人(4人)の男女が織りなす「新しいパリ」の物語。脚本には『燃ゆる女の肖像』のセリーヌ・シアマを迎え、御年70の監督が作ったとは思えない瑞々しい作品になって>>続きを読む
「新しいもの」を作ろうとして、時代の空気だとか令和の価値観だとかいろいろ言いながら結局しょぼい作品しか生み出せないクリエイターが多くいる中で、この作品は新時代の価値観を「はいこれですよ」という感じでポ>>続きを読む
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猫は最高だ。何を考えてるのかよくわからないが、愛すべき存在。猫が見てる中でのセックスもおもしろい。ただ、最初のマッサージからの流れは感じが出てて良かったのに、それ以降は退屈。それに『街の上で』と違って>>続きを読む
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セリフとかシチュエーションがめちゃ今泉力哉なのに、カット割やアングルが今泉力哉じゃなくて変な感じ。今泉監督の撮り方だったら笑えるんだろうなーってシーンがちょいちょいあった。でもそれも、この企画だから気>>続きを読む
監督ケネス・ブラナーが「極めてパーソナル」だと語る映画。まさにそんな感じ。セットっぽいベルファストの街並みや劇中映画の印象も、思い出の中の風景なんだろうな。話はベタだが、思いがけず2つの特別な感慨が湧>>続きを読む
はじめてのアピチャッポン監督。なんの予備知識も無いまま見始めると、映像なのになにも動かない画面が。いろいろと察しました。これは、アピチャッポンを観ようと思って観ないと意味がない映画だ。キュレーターが必>>続きを読む
ひたすら足立智充が最高な映画。
ニューライフデザイナーの人が、風貌といい身振りといい某広告代理店出身のデザイン科の先生に似てて妙に納得した。
映像クリエイターの初監督作というような感じの映画。こだわってはいるが意味があるのかはわからないカメラワークが続く。実在するガガーリン団地を舞台にしているものの、その解体の原因となるパリ五輪や移民の生活>>続きを読む
オーストラリア・ポートアーサー事件を引き起こした男の生い立ち、そして事件のプロローグを『エレファント』を思わせる雰囲気で描く。なぜ彼は無差別殺人という選択をしたのか。いまでも「動機不明」と言われるが、>>続きを読む
ヘヴィーだがかなり笑った。片山監督は、社会派要素を取り入れつつもあくまでポップに映画を作る。今回も実際の殺人事件をモチーフに、父と娘、指名手配犯や自殺願望者の人間模様を独特の目線で描いた。ユーモアとシ>>続きを読む
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ツッコミどころしかなかったが、そんな隙は与えないというようなテンポ感。原作の内容は知らないが、ゲームのスタートからクリアまでのダイジェスト版を観ているような感じ。めちゃむずそうな謎解きなんかも何故かス>>続きを読む
ファーストカットから『ナイト・オン・ザ・プラネット』意識というのが分かるが、いろんな小ネタ含めて誰に向けてこの映画を作ってるのかは不明。まさに他人の「ちょっと思い出しただけ」に2時間も付き合わされた感>>続きを読む
21世紀の子どもながら、自分も小学生の夏は、友だち3,4人と近くの山に登り秘密基地を作ったりなんかした。ただ、まっすぐに続く線路や赤い鉄橋は羨ましい。ゴーディたちが2日かけて辿り着いた場所も、不良グル>>続きを読む
辛い。ひたすら「まさか…」という悪い予感の方へと進んでいく。兄・良夫の気持ちになって苦しくなり、この状況はファンタジーではないという事実に二重に苦しくなる。海が近い地方のどこか。だが、どこかはわからな>>続きを読む