Kenyさんの映画レビュー・感想・評価 - 13ページ目

オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ(2013年製作の映画)

4.5

アンニュイというかニヒルというか、この独特な空気感。そしてアラビックを帯びたギターサウンド。なんともクール、しかし退廃的で皮肉っぽい。
好きすぎる。
深いこと考えるより、ただ感覚すべてをこの世界に投じ
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タクシードライバー(1976年製作の映画)

4.4

昔観た数多の名作たちの中でも鮮烈な記憶が残る一作。観賞はその飛び散った閃光を滲ませていく感覚で。
イエローキャブの窓ガラスに映るネオン。娼婦の行き交う道々と下水から立ち込める蒸気。当時のNYの不快な匂
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世界一キライなあなたに(2015年製作の映画)

3.4

邦題のクサさも的外れではないくらい、あざとい映画だがたまにはいいでしょう。何よりエミリアクラークがムチムチで可愛い。
よくあるラブストーリーに収めず最後までよく踏みとどまりました。あーあとネビル

マダム・フローレンス! 夢見るふたり(2016年製作の映画)

3.2

メリルストリープの手抜き知らずのデニーロアプローチ、ヒューグラントの皺。
フランスの同じような映画はなんなのだろうかね。

キングスマン(2015年製作の映画)

1.5

なんかキムポッシブル感ある構図。あそこで威風堂々流したのは笑えるけど、それ以外は、そうだな、コリンファースよどうしたと言いたい。
紛う事なきアメリカ映画。

ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅(2016年製作の映画)

3.8

マグルのおっちゃん馴染むの早すぎだろ。とか細かいこと置いとけばめっちゃ楽しかった。ティナ役の女優さん、いい具合に好き。
CGがCGすぎて、そこまでしないで!って言いたくなるね。
もう少しストーリーを詰
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戦場の小さな天使たち(1987年製作の映画)

3.9

戦争を子供目線で。ルイマルの"さよなら子供たち"のようなね。でももっと軽く日常的に。"小さな恋のメロディ"の方が近いだろうか。
空襲は花火、瓦礫はおもちゃ、ドイツ兵ごっこ、戦争で街が壊れることより学校
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シザーハンズ(1990年製作の映画)

4.2

初期作のバートン感、そしてウィノナライダーの可愛さ。

人は傷つき傷つけ合うもの。切なくて切なくて、いいー映画だ。
ハロウィン装飾なんてしなくとも雰囲気抜群の映画館で観たのがまた乙でしたな。

ブリジット・ジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ期(2016年製作の映画)

3.7

楽しかったなー
このブリティッシュな雰囲気だけでいいんだよこの映画は。
爆笑に包まれる映画館にいるだけで楽しめた。

羅生門(1950年製作の映画)

4.5

おおおおお、、。
人間の本質の不気味さたるや。

三者三様の証言の齟齬。それは嘘というより幻想といった方が的確だろうか。人間は自身の色眼鏡越しの主観の上に生きているっていうことのさらに向こう側に、色眼
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タイタニック(1997年製作の映画)

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小さい頃ドキドキしながら観てたシーンは今でもちょっとドキドキしちゃう

この映画批評し出したらいよいよめんどくさい

アイズ ワイド シャット(1999年製作の映画)

4.2

図らずもキューブリックの誕生日に彼の遺作を観るというね。

冒頭から終盤直前まで靄がかかったような見えるようで見えない世界観。それに呼応するように演者の台詞回しは非常にゆったりとしている。夢だの妄想だ
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彷徨える河(2015年製作の映画)

4.2

壮大で圧倒的な自然の力を感じさせるアマゾン。一方でモノクロ映像であることによってそこに帯びる閉塞感。カラマカテと2人の白人。"モノ社会"とは何か、文明の尊厳とは何か。安易な警鐘ではないそれは不気味な教>>続きを読む

ロッキー・ホラー・ショー(1975年製作の映画)

4.0

なんだよこれ、楽しすぎ。
よくわからんイントロソングから普通じゃない魅力を感じて、タイムワープでもう面白すぎて、フランクンのHow do you doで完全に落ちた。
デヴィッドボウイのような、キュー
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イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ(2010年製作の映画)

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お前たちはアートの何を評価している?表面か?内面か?
インテリだろうとミーハーだろうと大抵メディアという先入観の中に生き、それが自分であるかのように錯覚しているんじゃないのか。兎にも角にもブームのよう
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ノッティングヒルの恋人(1999年製作の映画)

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お久しぶりNottinghill
一見王道シチュエーションのラブコメなんだけど、違うんだよなー、一癖も二癖もある。ラブコメどうでもいい人間だけどこれは特別枠。
何がいいってこのブリティッシュ感よ。独特
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クィーン(2006年製作の映画)

3.4

雅子様お亡くなりになった時美智子様もとい皇族みんなこんな冷たい対応だったよーひどいやつらね、って話映画にするあたりに文化の差を感じるよね。
圧巻のヘレンミレン。作品が役者に負けてるタイプの映画。僕はエ
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インターステラー(2014年製作の映画)

4.0

終始口開けて観てた。
特に前半の迫り来る黙示録的なパートよかったね。だからこそ宇宙パート入ってからのハリウッドライクなプロットが非常に悔やまれる。そこは頼むよノーラン。
相対性理論ってこんなすごいのか
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もしも建物が話せたら(2014年製作の映画)

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建物がその国の言語じゃなくて全部英語で喋っちゃうってのはなかなかに拍子抜け。
さすがに建物だけで3時間は人間に慣れた身としては気が狂いそうになる。

おみおくりの作法(2013年製作の映画)

3.7

ひとりぼっちに見えなくても人は結局はひとりぼっち。でも、ひとりぼっちに見えても、本当はそうじゃないってこともある。
生と死ってのは真逆のようで密接な関係性。
ラストシーンはじわーっとくるね。

アマデウス ディレクターズ・カット(2002年製作の映画)

4.4

凡人は天才には勝てない、残酷な世の縮図。しかしそのどうしようもない嫉妬心をモーツァルトにではなく神に向けているところがこの映画面白い。と同時に天才も人の子なのだなと。誰もが誰かに認められたい。
嫉妬は
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エル・スール(1982年製作の映画)

4.4

変わってしまった祖国と別離し、新たな地で生きようとした父。しかし、娘との交流と時の経過が父に郷愁と共に若き日の恋を思い起こさせる。だが、過去には彼の居場所はない。そして過去に生きようとした結果、現在に>>続きを読む

ドライヴ(2011年製作の映画)

3.9

クール。この言葉がこれほどにマッチするかっていうくらいゴズリングな映画。と思いきや途中からとんでもないテンションで雰囲気ぶち壊されて笑った。タランティーノ的心構えしてないっての。
キャリーマリガンが相
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フォックスキャッチャー(2014年製作の映画)

4.0

コンプレックスは人を悩ませ、強くさせ、盲目にし、クレイジーにする。
認められたい、そして理想の自分を創り上げたい。
ジョンデュポンとマークシュルツ、追い求める理想とコンプレックスの狭間で自身の無力さを
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パーマネント・バケーション(1980年製作の映画)

4.4

不協和音に満ちた世界を漂流する青年。確固たる意思で動くのではない、それはまさに声なき声に従っているだけ。この部屋に留まってはいけないという、いわば言いようのない不安。なんだか『ライ麦畑でつかまえて』を>>続きを読む

市民ケーン(1941年製作の映画)

3.8

1941年にこのカメラワークと映像技法を使うとは!実にモダン。そして、25歳オーソンウェルズのオーラ!
愛情飢餓が生み出す屈折した人間像をまあねっちりと。

キャロル(2015年製作の映画)

4.2

窓越し、人越し、レンズ越し。隔たりがある方が美しく見えるもの。
理由なんてない。磁石の引力のようにただ引き合う2人を見ていると、あー強いな、と思う。その説明できない力を感じさせる出会いのシーンと"2度
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ニューヨークの巴里夫(2013年製作の映画)

4.0

このシリーズ観てて思うのは、ヨーロッパの男女関係ってクールだなーと。憧れるね。今作はアメリカと中国も加わっていよいよごった返してて笑える。一作目のオーバーラップもあって楽しめた。
人生の落ち着き所って
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シャイニング(1980年製作の映画)

3.9

もうお腹いっぱいってくらいジャックニコルソン。
ホラー映画とはまた違う、ありがちなあざとさがなくて、純粋に不気味な雰囲気で息が詰まる感じ。特に音楽、これずっと聴いてたら鬱になりそう。
そんな考えないで
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ロシアン・ドールズ(2005年製作の映画)

3.8

僕らの人生はマトリョーシカ、か。
恋愛観も仕事も国籍も入り乱れている作品の世界観にピッタリな演出と撮り方。
キャストもいっしょに歳取るタイプのシリーズものっていいなやっぱ、特にこれはテンションが好み。

オペラ座の怪人(2004年製作の映画)

3.1

あの有名な曲流れた時はテンションぶち上がる。それ以外は、うーん。切ないだけ。
そもそもミュージカルってトントン拍子すぎて映画向きじゃないと思うんだよね、生モノ。ジェラルドバトラー感は全くない。

黒猫・白猫(1998年製作の映画)

4.3

人生酸いも甘いも運次第ってか!支離滅裂な世界に生きててもなるようになる、笑って楽しもう。
クストリッツァの前二作品は動物と音楽の印象が濃かったんだけど、この映画はその二つが主役というかそれしか出てこな
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アンダーグラウンド(1995年製作の映画)

4.9


心の中で色とりどりの花火が弾けているような、でも頭の中では爆弾が炸裂しているような。めまいを催す3時間。

渦巻く時代に振り回され、何のために戦っているかももうわからない。自分たちのリアルを見出せな
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ショート・ターム(2013年製作の映画)

4.4

光があるから影がある。
でも、影は暗いものじゃない。足元の色でいくらでも彩りを得る。
どこに立って何を見るか。

施設という区切り、ドアという区切り。1人になってもいい、でも1人にはさせない。

撮り
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サウルの息子(2015年製作の映画)

4.0

死の生産場に存在した生。しかし、これを果たして生と呼んで良いのか。
あまりに死が繰り返される中で生ける者は死を死としか考えなくなる。
「なぜ死んだ者に構う?」
そんな言葉をユダヤ人に言わせたというこ
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スパニッシュ・アパートメント(2002年製作の映画)

4.1

やっぱり文化の違いって面白いね。たかだか西ヨーロッパだけでこの差だもんな。わかりあえるものと同じくらい分かち合えない価値観もあって、まあそれは文化だけじゃないけど、そんなものがグチャグチャに溶け合った>>続きを読む