けんくりさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

ランブルフィッシュ(1983年製作の映画)

4.0

不良少年たちの刹那的な日常を虚無的に描いた映画。日本でいうと『青い春』に近いか。

とにもかくにもミッキー・ローク演じる"モーターサイクルボーイ"の「死んだ目」と悲しい微笑みが印象に残る。

この兄は
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デューデート 〜出産まであと5日!史上最悪のアメリカ横断〜(2010年製作の映画)

3.5

トッド・フィリップス印のロードムービー。最近仕事と育児で多忙過ぎてコメディとホラーしか観れない…笑

少し映画から離れそうになると、こういう気楽な映画が自分を引き戻してくれる。

内容としては本当にハ
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ミュータント・タートルズ ミュータント・パニック!(2023年製作の映画)

4.0

また観たことがないタイプのアニメ映画が…。『スパイダーバース』をはじめ、革新的なアニメ表現の追求が進んでいる。

良い意味で洗練されてない、ある意味「途中経過」みたいな、未完成感溢れる映像がめちゃくち
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ジョン・ウィック:コンセクエンス(2023年製作の映画)

4.0

間違いなく、現代最高峰のアクション映画。

途轍もないアクションの引き出し量。シリーズ4作目で、こんなにも上映時間が長いのに、しかもキアヌの戦闘スタイルはシンプルなのに、全く飽きが来ない。

日本での
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シャーク・ナイト(2011年製作の映画)

3.0

いい具合にB級映画。

あまりにチープなサメのCGに、全てが空回りして行く登場人物の行動。医学生だったり、地頭は悪くないんだけどね…。

見せ場も多くてサービス精神旺盛なのだが、いかんせん安っぽいので
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グランツーリスモ(2023年製作の映画)

4.5

まさかこれが実話とは…。あまり事前情報を入れずに観に行って驚いた。

一言でいうと本当に胸熱。「ゲーマーを本物のレーサーにする」という夢に向かって向かって行く熱狂。成功と挫折を繰り返して、栄光を掴み取
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バイオレント・ナイト(2022年製作の映画)

4.0

多幸感溢れるクリスマス要素と、やりすぎ感満載なバイオレンスアクションのギャップがめちゃくちゃアガる映画。

なんとなく予告やキャストのイメージから、もっと毒がある映画かと思ったら、テイストはまんまホー
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シャドー(1982年製作の映画)

4.0

期待通りに面白いアルジェントのジャーロ。

力の入ったゴア描写にイカつい音楽。小気味の良いミステリー要素。もはや「様式美」として楽しめる。

その中でも今回は、ミステリー小説が題材ということで、他作品
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レリック ー遺物ー(2020年製作の映画)

4.5

認知症患者とその家族、それぞれから見た恐怖をホラーとして描いた映画。

「認知症映画」の名作といえば「ファーザー」だが、あちらからドラマ要素を薄くして、「恐怖」にフォーカスしたアプローチ。

描いてい
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ヴァチカンのエクソシスト(2023年製作の映画)

4.0

コテコテのエクソシストモノを圧倒的なテンションで描いたエンタメ映画。

実話を元にしているらしいが、もはやホラーというよりも、『ヘルボーイ』や『コンスタンティン』などのSFに近いスケール。

かといっ
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(2021年製作の映画)

4.0

一言でいうと、「気持ち悪い」「不快」。3回以上観たら確実に呪われそう。

マジで誰が何のために撮ったかわからなくって、それでいて超絶不気味な映像って、そんじょそこらのホラー映画より怖いよなぁ。

本作
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オオカミの家(2018年製作の映画)

4.0

人に悪夢を観させるために作られた映像。(完全に褒め言葉です)

物体だけでなく空間すらも常に動き続ける「流動的な」映像に凄く居心地が悪くなる。依って立つものがないと、映画を観る行為ってこんなにも不安な
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戦慄怪奇ワールド コワすぎ!(2023年製作の映画)

4.0

もうほとんど全回応援上映。こんな楽しい映画体験は久しぶりだなぁ。

このシリーズが大好きな友人が行きたいと言うので一緒に初日に鑑賞。1作目の口裂け女の回だけ予習していたが、あまり自分にはハマらず、今回
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犯罪都市(2017年製作の映画)

3.5

韓国マフィアの抗争をライトな切り口で描いたエンタメ映画。

もっとハードな映画を勝手に想像していたから少し驚いた。もちろん暴力描写は力を入れていて見応えがあるが、マ・ドンソクという「癒し」が全て中和し
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ニュー・ミュータント(2020年製作の映画)

3.0

劇場未公開も納得の作品。

正直、完全に『レギオン』の劣化版。シリーズの新陳代謝を回すなら、もっと突き抜けて欲しかった。

予告で観たホラー要素は本当に一部で、あとは普通に青春ドラマ。でも青春ドラマと
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フレッチ/死体のいる迷路(2022年製作の映画)

3.5

個性的なキャラと愉快で軽妙な掛け合いが楽しいミステリー×コメディ。

といいつつ、ミステリーとして観るか、コメディとして観るかで、評価は変わりそう。

『ナイブズ・アウト』的な様々な伏線が複雑に絡み合
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きみの鳥はうたえる(2018年製作の映画)

4.0

ひたすら怠惰で緩慢なモラトリアム。言わば「生産性がない」日々の、かけがえなさ。

高校生〜二十歳くらいまでの間の、何かで必死に取り組んで、泣き笑いして、みたいなキラキラしたものを普通は「青春」と呼ぶ。
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戦慄怪奇ファイル コワすぎ! FILE-01 口裂け女捕獲作戦(2012年製作の映画)

3.0

「コワすぎ」というタイトルとは打って変わって、ゆる〜いモキュメンタリーホラー。

そもそも「口裂け女を捕獲する」って、コンセプト自体が微笑ましい。(武闘派だけど)

正直言って、単体の作品として「面白
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search/#サーチ2(2023年製作の映画)

4.5

アイデア溢れる映像ギミックと二転三転する脚本が最高にマッチしたミステリー映画。

正直前作を観た時、「金字塔が打ち立てられたと」思ったくらいなので、同じフォーマットで、ここまで期待値を超える作品が現れ
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バービー(2023年製作の映画)

4.5

人に夢を与えるということ。「バービー」という世界的なコンテンツを通して、その功罪を描いた作品。

シンプルにここまでメタ的な領域に舵を切ったのが凄いなと思った。ただ「バービー」の世界の「夢」をおとぎ話
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ブギーマン(2023年製作の映画)

3.5

『zoom』や『ダッシュカム』(未見ですが)のロブ・サヴェッジ監督が、超王道のホラー映画を手堅く作ってきたなという印象。

それが「ブギーマン」というね。何を中身にしても良い、いわばメタファーの「入れ
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SAND LAND(2023年製作の映画)

4.0

荒唐無稽ではちゃめちゃだけど、本当に真っ直ぐなアニメ映画。これぞ鳥山明。

まず世界観がいいなぁ。『マッドマックス』や『デューン』みたいな一面の砂漠の中で、西部劇要素や近未来要素、世紀末要素など、ごっ
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トランスフォーマー/ビースト覚醒(2023年製作の映画)

3.5

特に「ビーストウォーズ」に思い入れがあるわけでもないので、いつも通りのトランスフォーマー平常運転って感じ。

期待通りのスケールの大きい映像とかっこいい変形シーン、大迫力のアクション。シンプルに面白い
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ミンナのウタ(2023年製作の映画)

4.5

GENERATIONSの「アイドル映画」と最恐の「Jホラー」。水と油みたいな二つの要素が奇跡的な融合を果たした作品。

『リング』や『着信アリ』、清水監督自身が監督した『呪怨』など、名作群のオマージュ
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破れ太鼓(1949年製作の映画)

3.5

"バンツマ"こと阪東妻三郎が観たくて。

強権的な頑固親父が、自分を変えていこうとする話。49年にこうしたテーマが既に描かれていたことが驚きだった。

だってここまでではないにしろ、うちの祖父とかかな
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エスター ファースト・キル(2022年製作の映画)

4.0

アイデアが光る秀逸な続編。前作らしさを残しつつ、また違った楽しみ方ができる。

良くも悪くも「一発勝負」な前作を、良くぞここまで上手くアレンジしたな〜と。

ジャンルとしては同じサスペンスだけど、前作
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僕と頭の中の落書きたち(2020年製作の映画)

3.5

青春ラブストーリー×統合失調症。

後者の要素が非常に独特で、統合失調症の世界を視覚化した映像は、めちゃくちゃ『レギオン』っぽいなぁと。

ついつい父親目線になってしまうが、自分の力じゃ解決できない問
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近松物語(1954年製作の映画)

4.0

溝口健二の作品はまだ2作しか観れていないけど、やはりめちゃくちゃ面白い。でも面白さを説明するのが難しい。

ストーリーとしては、近松門左衛門の人形浄瑠璃が元ネタとあって、ありがちな不幸劇。まあそうだよ
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死霊のはらわた ライジング(2023年製作の映画)

4.0

素晴らしいリメイク(リブート?)。はらわたシリーズのスピリットを継承しながら、新しい要素を入れてリニューアル。新旧のバランスがめちゃくちゃ良い。

もうロサンゼルスが舞台で、家族が主人公って時点で凄い
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ゼイ・クローン・タイローン/俺たちクローン(2023年製作の映画)

4.0

ブラックムービー×ボディスナッチャー×陰謀論もの。掛け算の相性が絶妙だった。

80年代っぽい、ざらついたルックも良い。

黒人が抱える社会問題を、ともすればシリアストーンになりがちなコンスピラシーも
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人狼ゲーム 夜になったら、最後(2021年製作の映画)

4.0

閉鎖された田舎町を舞台に、騙し騙しされの人狼ゲームが展開していくホラーコメディ。

『ヘイトフル・エイト』や、『ホテル・エルロワイヤル』などの密室系作品が好きな人には堪らないと思う。

個性的なキャラ
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ドライビング・バニー(2021年製作の映画)

4.0

本当の意味で「子どもを守る」とはどういうことなのか、突きつけてくる傑作。

子どもを守るという同じ目的のもと、手段を選ばない破天荒な母親と、児童保護のラインを標準化しようとする行政の対立。

これは是
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ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE(2023年製作の映画)

4.0

最強のお祭り映画。エンタメの最高峰。

もう全編わたって見せ場の嵐で、アイデア溢れるアクションシーンに感動すら覚える。どうしてずっと戦っているのに、こうも単調にならないのか。

それはアクションはもち
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ノック 終末の訪問者(2023年製作の映画)

3.0

あらすじを読んでいる時が面白さのピークという、シャマラン映画あるある。

「謎の訪問者がやってきて、家族が世界か選択を迫られる」という、あらすじ以上でも以下でもない。

ホラー描写も控えめだし、オチも
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エンパイア・オブ・ライト(2022年製作の映画)

4.0

映画や映画館が果たしてした役割。

映画館の中では誰もが平等。映画を沢山観ている人は、寛容的でリベラルで、他者に優しくあろうとする人が多いように思う。

それは映画や映画館が、「暗闇の中の光」のもと、
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ダークグラス(2021年製作の映画)

4.0

クオリティが高く(このジャンルには適切な表現ではない?)、安定感抜群のジャッロ。ダリオ・アルジェント巨匠の貫禄。

バキバキに決まった音楽に、手の込んだゴア描写、ヒロインの周囲の人々がバタバタと殺され
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