たかはたさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

ゲット・アウト(2017年製作の映画)

3.8

差別というのは本質的に胸糞が悪いというのがよくわかる。この伝わらない微妙なものの数々をここまで、しかも映像の表現で伝えられるのは本当に唯一無二だと思う。監督作やっとコンプしたけども私はジョーダン・ピー>>続きを読む

女は冷たい嘘をつく(2016年製作の映画)

4.0

女たちの物語だ。ありふれた幼児誘拐サスペンスに、身体に訴えてくるようなダイナミズムを持ち込むのは女たちの差異とそれをつなぐフェミニズムなのだ。
仕事に忙殺されているが経済的余裕のないシングルマザーのジ
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JSA(2000年製作の映画)

4.5

パク・チャヌクが自分から撮ったやつじゃないしなと思って後回しにしてたけど、パク・チャヌクはずっとパク・チャヌクだったのだね。ここで惜しくも満足にできなかった(と彼が思った)、女性表象を『親切なクムジャ>>続きを読む

ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい(2023年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

左京区と立命館とを両立させようとするのは欲深いと思う。なぜ私がこんなに方言や地方表象にこだわるのかはっきりとはわからないけれども、方言はそこに私や私たちがいることの指標になっていて、だから無くなってい>>続きを読む

ハント(2022年製作の映画)

4.5

はい、おれが観たい韓国映画はこういうやつ〜!83年のアウンサン廟爆破事件がモチーフってことでいいのかしら。『新しき世界』以降も含めた韓国映画の「記号」をいくつもなぞりつつ、それを換骨奪胎していく、良質>>続きを読む

沖縄スパイ戦史(2018年製作の映画)

4.5

「軍隊が駐留すれば必ず秘密戦が始まり、秘密戦は必ず住民を利用する」

ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語(2019年製作の映画)

3.8

ジョーのセリフわかりみが深くて、うちら一緒に住もうよここにおいでよもう一人くらい住めるよあなたの部屋が必要だと思うから引っ越してもいいしさ…

シアター・キャンプ(2023年製作の映画)

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Filmarksの試写。まわり私しか笑ってなかったのにレビュー見たらみんなウケててちょ〜頼むで〜ってなってる(私は私で笑いが文化的にハイコンテクストだったゆえ2割くらいしか拾えてない)。この映画はこの>>続きを読む

燃えあがる女性記者たち(2021年製作の映画)

4.5

私たちは、カバル・ラハリヤの記者たちの姿に、自分が本当は何ができたのかを思い出す。自分が無力ではないことに、動けない場所になどいないことに、深く強くうなづく。行き詰まっているのなら、私たちは再び学ばね>>続きを読む

そばかす(2022年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

あーですよねえ。解決策が見つからないんでしょうよ。法制度の立て付け、リプレゼンテーション、マジョリティ(ここでは恋愛をする人)の口の数の驚きの多さ、そしてその総体(それを「言説」と言うね)によって、エ>>続きを読む

82年生まれ、キム・ジヨン(2019年製作の映画)

3.8

『初恋の悪魔』の2話でも団地の主婦が「専攻が白亜紀でね」的なセリフがあって、それいいやんと思ってんけどここでもっと大々的にやってて良かった。女性が演劇科に進学するのは子どもに上手く読み聞かせするためで>>続きを読む

福田村事件(2023年製作の映画)

3.8

まず今の社会が、「日本人の誤殺」っていう角度をつけないと関東大震災における朝鮮人虐殺をメジャー映画として作れない社会であることがとても残念。一方で、宣伝や役者の発信などから感じていたその「不十分感」は>>続きを読む

ジュディ 虹の彼方に(2019年製作の映画)

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1969年のストーンウォール・ライオットの背景として語り継がれるゲイアイコン、ジュディ・ガーランドの伝記映画。かなり目配せが利いてるというか、クローゼット(押入れ)を肯定的に登場させてみたり、選曲(と>>続きを読む

アニエスによるヴァルダ(2019年製作の映画)

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アニエス・ヴァルダが自身の映画について解説してくれるセルフドキュメンタリー。才能があって、フェミニストで、人間スケール。私はいつか髪の毛が白くなった頃、ヴァルダと同じ髪型と髪色にしたい。
クリスチャン
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「A」(1998年製作の映画)

3.8

マッチョアカデミア感あふれるゼミ教室と、女子学生たちがエスケープして荒木とお茶会する研究室の感じのコントラスト、とてもいい。私は後者に同一化する。

ヨーゼフ・ボイスは挑発する(2017年製作の映画)

3.8

ヨーゼフボイスやっぱめっちゃおもろいな。思ってたよりもっとチャーミングで、大地を生きてる感じの人だった。その優しさを裏付ける「何事も吸収するが絶えず傷ついていた」 という証言。緑の党集会の悲しそうな顔>>続きを読む

プリシラ(1994年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

都会の壁がqueerを守ってくれる現実しんどい!

殺人者の記憶法:新しい記憶(2017年製作の映画)

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靴はそういうことだったか。でも、えー!こちとら記憶信じるなって言われてるから何も信じないですけど!これ女性に対するヘイトクライムかどうかって結構重要な分水嶺だったよね、つまりキムビョンスは生き/テジュ>>続きを読む

殺人者の記憶法(2017年製作の映画)

4.5

認知症を持っている人を行動の主体とみなす究極じゃないですか…!認知症と記憶と尊厳というテーマはここ数年よりもっと思っていることなので改めて詳しく観たい。思ったより피(血)の話やったし、あとは靴のモチー>>続きを読む

レイダース/失われたアーク《聖櫃》(1981年製作の映画)

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これがなぜ「ダメダメ」なのか説明できる言葉を残したサイードはマジでグッドな仕事をしたよね。こんなにも表象の問題に愚鈍で、「他者」に対する蔑視を長きにわたり社会に吐き続けてきたハリウッドはいくら反省して>>続きを読む

バービー(2023年製作の映画)

3.8

良かった点
・ガールズパーティーがシスノーマティヴじゃないところ
・初級フェミニスト映画でありつつガチフェミにも初心を思い出させるところ
・「コッポラの最高傑作で〜」
・「4時間後...」
・映画史を
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リトル・ガール(2020年製作の映画)

4.5

早く観てよ、これを。みんな悲しんでるし怒ってる。サシャの涙はあっちでもこっちでも流れてしまっている。トランスのこと何も知らない知ろうともしない、トランスの人生と何もかも関係のない人たちが壊れたように風>>続きを読む

未来を花束にして(2015年製作の映画)

4.5

(これを100分もかけて観た上で、01:15:のシーンを観てもなお、「法律は守ろう」とか寝言ほざく輩がいそうなので先に言っておかなければいけない日本マジバカ大国すぎるけど一応言ってあげるね、構造を疑え>>続きを読む