ラダさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

ラダ

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江戸川乱歩猟奇館 屋根裏の散歩者(1976年製作の映画)

3.8

田中登監督の切り取る風景は、耽美で退廃的でいつも引き込まれてしまう。さらに、江戸川乱歩の世界観が加わった本作。日活ロマンポルノという枠からはみ出す傑作。

石橋蓮司の怪演は必見。

風に濡れた女(2016年製作の映画)

3.7

ロマンポルノでありポルノの枠に収まらない作品。

後半は、濡れ場もガッツリ。三週間便秘の状態からドンッ!と出たようなSEXが繰り広げられます。が、それがすべてじゃない、感情のぶつかり合い。「映画」とし
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恋人たちは濡れた(1973年製作の映画)

3.2

「風に濡れた女」を鑑賞後、本作をリスペクトした作品と聞き鑑賞。

どこの偉い人が「名作」と言ったのか知らんけど、個人的には駄作。面白くもなければ、何も残らず、エロくもない。VODで観たことが唯一の救い
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団鬼六 美女縄化粧(1983年製作の映画)

3.0

団鬼六はじめて観た。ある意味マンガですね、内容は。勝手にもっと文学的なイメージ持ってました。これがたまたま?

若き大杉漣の演技に注目です。

誰も知らない(2004年製作の映画)

4.3

ヨコハマ映画祭の柳楽優弥の涙をきっかけに、明らかに重くて避けてた本作を観る。周りのオトナから差し伸べられる手を期待しながら、溜息を吐きながら。

身勝手なオトナへの呆れと、ベランダで育つ植物のように力
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牝猫たち(2016年製作の映画)

3.1

白石和彌監督作品が好きだからこそ、若干の肩透かしを食らった感が否めない。白石監督だからこそ、もっとぶっ飛んで欲しかった。いや、ぶっ込んで欲しかった?

デリヘルという世界を中心に、牝猫たちのフィルタを
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トレインスポッティング(1996年製作の映画)

4.4

T2公開に向けて、久し振りにレントンやスパッドたちに会ってきた。画面のなかの彼らは、当たり前だけど昔と変わらず糞野郎。20年かぁ。なんか自分だけ年くったみたいで少し悲しい。

20年前と同じところで笑
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恋の罪(2011年製作の映画)

2.9

エログロナンセンスな、園子温の独壇場。文学的な要素が強く、難解と言えば難解。父親への歪んだ愛から始まる「城」への道のりは、普通に生きている僕らには理解できないのが当たり前だろう。

神楽坂恵とアンジャ
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ジョゼと虎と魚たち(2003年製作の映画)

4.0

邦画好きが口をそろえて名作という本作。録画しつつ、気が乗らずスルーしてた一本をやっと観た。

あらすじを言ってしまえば男女の出会いと別れ。シンプルなラブロマンス(ラブロマンス苦手なんだよなー)。そこに
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ユージュアル・サスペクツ(1995年製作の映画)

4.8

20年ぶりに観た。いや懐かしい。

アレがコレなんですよね。映像である事を巧く使った云云かんぬん。いやそれにしてもアイツがこうで。

未だ観てない若い人のためには、何も言わぬことが吉。カイザー・ソゼ。
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実録・阿部定(1975年製作の映画)

3.5

愛のコリーダより好きかもなー。

しかし、江角英明がリアル両さんにしか見えず、藤竜也と比べると、ダダ漏れる愛やエロスの説得力に欠ける。

宮下順子の熱演もさることながら、やはり田中登。ドキリとさせるカ
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T2 トレインスポッティング(2017年製作の映画)

4.1

T2公開初日。映画館の便所にポスター。スタッフさんも分かってらっしゃる。

クソ野郎はクソ野郎のまんま。歳はとっても中身なんて基本変わることなくて、でも周りの環境だけは容赦なく変わっていく訳です。コレ
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ザ・ストーン・ローゼズ:メイド・オブ・ストーン(2013年製作の映画)

4.2

武道館でローゼズを観て、自分史上でマッドチェスターブームが再来。Blu-rayを即購入。

あの頃、ローゼズを少しでもかすった人には感涙モノです。だって、イアンとジョンと、レニとマニが揃って映っている
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悪人(2010年製作の映画)

2.9

「悪」とは何か?って事を延々とこねくり回す訳ですが、ある意味古典。すべてが既定路線。今さら胸に刺さるところは無かったのです。擦れてるんですかね、すみません。

あれだけの役者陣が、若干勿体無いという印
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ポテチ(2012年製作の映画)

4.0

やはりこの組み合わせだ。伊坂幸太郎の小気味いい文章をそのままテンポ良く映像化する中村監督。短い作品だけど、十二分に鑑賞後の余韻を楽しめる。

何が解決した訳でも、点と点が繋がった訳でもないけれども、あ
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人のセックスを笑うな(2007年製作の映画)

3.5

盲目に恋する松ケン。そして何よりこのキャスティング以外考えられないだろう!という永作博美。

賛否あるようだけど、映画は賛否あるぐらいが丁度いい。台本の存在を疑問視してしまうほど楽しげなシーンは、見て
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カッコーの巣の上で(1975年製作の映画)

4.8

歴史的名作。名優たちの快演と怪演。魂を揺さぶられ、瞬きを忘れるように見入った。

体制と反体制。物言えぬ精神病棟は、物言えぬ社会を表わすのか。正義を振りかざし、手枷足枷とルールを盾に患者たちをコントロ
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リリイ・シュシュのすべて(2001年製作の映画)

3.2

色々と中二の香りが青臭くて、栗の花のような臭いがして、見終えた後は少々食傷気味に。まあ、中学生の話だから中二臭がするのは当たり前なのだけれど。

市原隼人や蒼井優、高橋一生の若さに目が行き、それ以上で
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ビジランテ(2017年製作の映画)

3.1

難しい。初見では色々理解が難しかった。が、もう一度観てみようという気にはならなかった。

三人の兄弟。飛び出した者。跡を追った者。社会的に堕ちた者。それぞれの立場から、もっと溢れるような感情表現が見た
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ロッキー・ホラー・ショー(1975年製作の映画)

4.2

ロッキーホラーショーバージンは、古田新太主演の舞台。その世界観にやられて映画を観ることに。

あらすじとかを語り出したら無粋なわけで。音楽がとにかく格好良く、壮大なMVを観ているかのように引き込まれる
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SCOOP!(2016年製作の映画)

3.4

二階堂ふみ、吉田羊、リリー・フランキー、滝藤賢一と役者はイイのだが、福山雅治感100%の主役が如何にも受け付けない。だから福山雅治好きにはイイんじゃないでしょうか。木村拓哉といい、何やっても同じに見え>>続きを読む

恋の渦(2013年製作の映画)

3.9

ゲスい!ムカつくし、やかましいし、こういう若者に共感する部分なんて1mmもないね。なんて最初は思っていました…。

複数の部屋を舞台に繰り広げられるのは、どうしようもない若者らによる群像劇。ヒリヒリと
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君の名は。(2016年製作の映画)

3.8

地上波初放送で初見。やっと観た。

あの頃はシン・ゴジラ派でした。周りが騒げば騒ぐほど、意地でも観てやんない!と思ってたけど、観たら観たでやっぱりよかったです。

時間軸がどうのこうのと言う面倒臭そう
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オー!ファーザー(2013年製作の映画)

3.4

岡田将生の学ラン姿と宮川大輔の体育教師役に若干の気持ち悪さを感じつつも、伊坂幸太郎の原作の良さでカバー。

父親が疎まれる現代の中で、(四人まとめてではあるが)父親の格好よさや威厳、子との絆をしっかり
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運命じゃない人(2004年製作の映画)

4.2

一本だった意図が、話が過ぎるごとに二本三本と細く分かれ、複雑に絡み合って進行していく。緻密に組み立てられたストーリーに思わずため息。

アフタースクールといい鍵泥棒のメソッドといい、内田監督の本領発揮
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友だちのパパが好き(2015年製作の映画)

3.9

クソ野郎とキチガイとかすとガキによる、どうしようもない恋愛コメディ、恋愛ドラマ。荒唐無稽でありつつも、その世界の中でしっかりと人の心情を描ききってるあたりが、山内ケンジ監督ならではか。

ある意味映画
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22年目の告白 私が殺人犯です(2017年製作の映画)

2.5

テレビでやってたから観た。

のほほんとサスペンスを楽しむには丁度イイんじゃないでしょうか。色々言いたいことあるけど、言ったら負けな気がするのでこんなところで。

仁義なき戦い 広島死闘篇(1973年製作の映画)

4.1

血と裏切りと戦後ニッポン。

激しい暴力と裏切りの繰り返し。相変わらず血の赤色が強烈だ。雨に濡れる山中(北大路欣也)が進む破滅の道。第一作に比べて物語がややウェットなため、ある意味観やすく、堅気の人間
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仁義なき戦い(1973年製作の映画)

4.1

「孤狼の血」の観覧をきっかけに、はじめて体験したレガシー。正直、抗争の細かいところは分からないし、出てくる役も多いので覚えられない。もっと言ってしまうと、仁義やら何やら、意味が分からないのですよ。この>>続きを読む

そして父になる(2013年製作の映画)

3.7

福山雅治が苦手なので避けていた作品を、是枝監督パロムドール受賞おめでとう!ってことで鑑賞。

非常に難しい題材を柱にして、家族のかたちを模索する。血とは何か。思い出とは何か。親とは?子とは?価値観によ
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帝一の國(2017年製作の映画)

3.4

女子がキャーキャー言う感じの若手俳優がズラリ。原作も読んだ上で、映画の尺によくまとめたと感心。その世界観を壊すことなく、テンポよく仕上げた漫画の映画化としてはかなりの良作。

それにしても、菅田将暉は
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ニンフォマニアック Vol.2(2013年製作の映画)

3.9

vol.1と2に分かれているけど、それぞれにレビューするなんて不粋です。

色情狂。性欲とは人間が持つ正常な欲望であり、色情に狂うということは、それは狂おしいほど「人間」な訳です。そして、愛に対して敵
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タンジェリン(2015年製作の映画)

4.2

ゲイ世界の住人による日々のリアルを描く。

何も特別じゃない。ちょっと違うのが、出演者がマイノリティだってこと。その後世界の中で起きる痴話喧嘩を、センス溢れる映像と音楽で観せてくれる。久びさに洋画観た
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0.5ミリ(2014年製作の映画)

4.1

高齢化社会の中、目を塞いでしまいがちな問題をハートウォーミングかつコミカルに描く。安藤サクラ演じるサワは、悪魔のように忍び寄り、天使のようなあたたかさを振りまく。同時期に百円の恋を観たが、劇場で観たか>>続きを読む

TATSUMI マンガに革命を起こした男(2010年製作の映画)

3.3

戦後を「劇画」を通して俯瞰する。

戦後から現代までの時代を辰巳氏原作の作品をアニメーション化して追う。シンガポール人監督作品とのことだが、こういう題材こそ日本人監督が料理して欲しかった。とは言え、佳
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