キャストのおかげで、キャストのせいで「らんまん」ならぬ「ごじらん」と言うワードが頭を過ぎるほどに、良くも悪くも日本人的。当然一番の良さは、絶望的ですらあるゴジラの存在感だ。
冒頭、まだ幼いゴジラが無>>続きを読む
これは美しくて辛く、痛い、「シン・白鳥の湖」。
逆剥けとか爪とか、どうにも画面から目を背けたくなるような痛さ。銃で撃たれるとか日本刀で切られるんじゃなく、地味だけど想像できる痛さ。このニナの痛みがじ>>続きを読む
学生時代に観たはずなんだけど、どうにも記憶に残っていない…。
比較的分かりやすいストーリーではある。なのに殆ど覚えていないと言う事実…。
おいおい耳拾っちゃうのかよ…と思ったら、純愛の振りして平気>>続きを読む
「呪われたフォン・エリック一家」なんて言われてしまうと、呪いの原因をはっきりさせた上でその不幸に打ち勝ってもらいたいところだけれど、残念ながら映画と違ってうまくはいかない。Truth is stran>>続きを読む
チネ・ラヴィータの閉館を明日に迎えて、ラスト鑑賞。
弁護士も検察も真実を追わない。マスコミなんてもっと露骨。現代社会を皮肉るように、裁判の勝敗は描くが真実は描かない。
その結果、結審後のサンドラの>>続きを読む
無類の犬好きとしては、そんなに凝ったストーリーでなくとも、あそこまでわんさかと犬が出てくるんだから終始ニヤニヤである。
傷心のダグラスの胸の上で心配する子に涙が出てくるし、一生懸命にパトカーを探す子>>続きを読む
数とは序数性と基数性を持つ概念である。この概念性を映像としても際立たせるように、コントラスト強めのモノクロームで視覚を補う。さらにクリント・マンセルをはじめ、オウテカやオービタル、エイフェックスツイン>>続きを読む
ラストシーン。二人の表情は見えないが、きっと最高の笑顔に違いない。
その最後も含めて、起承転結ほぼすべての行動が褒められたもんじゃない。殺人、強盗、誘拐監禁に器物損壊。ドラッグに逃げずに酒に留めたの>>続きを読む
倫理観とか常識とか法律とか。私たちは色々なものに包まれて生きている。つまりこれが「良識ある世界」だ。生とか死とかは、この影響が正に強いわけだけれど、この生と死の傍にいる「性」って、意外とこの包まりから>>続きを読む
LA、NY、パリ、ローマ、ヘルシンキの夜を走る、TAXIシチュエーションコント傑作選といった本作(当然コントではないが)。
ドライバーと客の会話劇であり、ロードムービーのようでもある。何も起きないよ>>続きを読む
「なんだか思ってたんと違う」
そんなこと、生きていれば幾らでもありそうなものだが、ここまで酷くて杜撰だと観ている方は「そらそうだよ!」と薄ら笑うしかない。
決して「変な顔」を見て笑っている訳ではな>>続きを読む
「過去のない男」に引き続き、アキ・カウリスマキ監督の最新作。
まあ、特に何もない(ホラッパに聞かれたら怒られそうではあるが)恋愛映画だ。恋する二人が若年者だったら目も当てられない。観る価値ない。本作>>続きを読む
フィンランドという国について、どんな人たちがどういう風に暮らしているか分からない。幸福度が高いらしい。サウナが好きなはず。ムーミン、マリメッコ、イッタラにアラビア。あと「かもめ食堂」か。
え!?主人>>続きを読む
何もない日常が繰り返す。その繰り返される日々は、あなたにとって意味がなくとも、彼にとっては価値がある。
トイレ掃除してるって本当?
こんな所に住んでいるの?
他人の評価がどうであれ、彼は創意工夫と>>続きを読む
前作から5日後の世界。実際は前作から3年後の公開。前作をアマプラで観たのは1週間前。この絶妙にズレた時間軸なんてモノともしないぜ!と言わんばかりに、のっけから問答無用のジョン・ウィック。しびれる。>>続きを読む
犬!!!(怒)
愛犬家としては観たくない映画。でもその代わり全力でジョンを応援できた。投げたりした後のトドメの追撃がエグい。
たまには頭空っぽにして、こんな時間を過ごすのもありなのです。ポップコー>>続きを読む
雰囲気よく進むストーリー、マーゴット・ロビーの相変わらずの美しさ、そしてロバート・デ・ニーロの存在感。
悪いはずは無いんだけど、特に響くこともなく…。いやでも、悪くは無いんだよなー…が延々とループす>>続きを読む
まず最初に、映画に「共感」を求めるならば、本作は観なくて良いだろう。
そもそも「共感」なんてものは、自分の中に既存する小さな価値観に沿わせているだけだ。流石に「反感」とまでなってしまえば作品としては>>続きを読む
年末に「セーラー服と機関銃」がローカル局で放映されると聞いて録画しておいたのだが、再生してみると橋本環奈が現れた。
「もう口がカレーなんだよね…」
行きつけのカレー屋が臨時休業だった時のように、目>>続きを読む
90年代後半。友人に勧められて借りてきたVHS。忘れられないあの日の衝撃。小さなブラウン管でしか動いてくれなかった彼らの姿をスクリーンで観る感激。いい日だ。パンフまで売ってる。
妻に「一番好きな映画>>続きを読む
年末に「ブラッシュアップライフ」を観なおして、年始の今から「侵入者たちの晩餐」を観ようと思うので、正月休み最終日になんとなく観るバカリズム作品。
細かい伏線回収など、さすがと唸るロングコント。アレは>>続きを読む
エンタメではないが、エンタメである必要はないのだろう。でも、デイミアン・チャゼル監督作品としては素直に物足りなくはある。
なんせ人という生き物は、他人の輝かしい功績ばかりに目が行き、一部の切り取られ>>続きを読む
クリスマス近くにになると必然的に目に入る。
余りにも王道過ぎて、気取るファンには薄ら笑いで扱われるけど、ふと味わってしまったら最後。皆んな笑顔になってしまうんだ。
手の内は分かっている。すべて予定>>続きを読む
若いという事実。これだけで苦しくて激しくて、阿呆臭くて小っ恥ずかしくて、どうにも目も当てられないくらい理不尽だったり荒唐無稽だったりするんだけど、おじさんも実はこう見えて、昔は若かったから分かるよ。分>>続きを読む
原作読了のタイミングで大きな衝撃を受け、本作公開後も高い評価だったので期待していたんだけれども…。
今まで「普通」扱いされていた最早古い人。「多様性」を高らかに謳う今風な普通の人。そんな人らの括りの>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
震災時に福島県内にいたもので、それに因んだ作品は避けてきた。例の事故のせいで人間の嫌な部分をリアルに見てきたから、わざわざ映画でまでと思うのだ。
ただ今回は仕方がない。相馬市・南相馬市で全編を撮影し>>続きを読む
ヒトラーによる大戦の狂騒を「Komm Gib Mir Deine Hand!」とビートルズの喧騒に重ねて見せるオープニングで一気にのめり込んだ。
悲惨であるべき戦争を、カラフルにポップに見せつける。>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
磯村勇斗が凄い。他の俳優陣とのギャップを感じざるを得ないほどに凄い。彼の言葉が正論のように聞こえてしまうほどに、圧倒的な説得力がある。つまり、他の論が、幸せが霞んでしまう。
そんな彼の演技に唯一応え>>続きを読む
クィアムービー好きなのですよ。奔放な思考、奔放な音楽。馬鹿みたいに明るくて、明るすぎるからこそ隣り合う闇。でもこの暗さすらもおっ広げに生きるクィアカルチャーが好きなのです。
過去の栄光がくすんだお爺>>続きを読む
最近はリマスター版と言う形で古い映画をスクリーンで観ることができる。本当にありがたいのだけれど、25年以上前の作品ともなると「あれ、コレ観たっけか?」と記憶が曖昧なことが多くなる。
田舎町での本作リ>>続きを読む
難解らしい。監督も「2回観てね!」と言っているぐらいに難解らしい。人がいっぱい出てくるらしい。その人らの相関が分かりづらいらしい。
…下馬評どおりだった。いっぱい人が出てきて難解だった(そのまんま)>>続きを読む
セリフも少なく、大きな出来事が起きるわけでもない。独特なアスペクト比(サイレント映画時代のものらしく納得)も手伝い、映画というよりも壮大なMVといった印象もある。
他愛のない夫婦の他愛のないラブスト>>続きを読む
小僧感あるブラッド・ピットと、現役感のあるモーガン・フリーマン。この二人の演技をマジマジと観るだけで幸せな127分、ほぼ真っ暗。でも128分経ったころには、皆さんご存知の状態に…。
キリスト教的な発>>続きを読む
アステロイド・シティを観る前に、本作を観てウェス・アンダーソン汁を身体に染み込ませようと企む。見事に汁まみれだ。
エンターテイメントと言うエンターテイメントをごった煮にして皿に整然と盛った至極の時間>>続きを読む
面白いとか面白くないとかではないんだ。大切なのは、鬼才デヴィッド・クローネンバーグ、御歳80歳にしてまだまだお盛ん!!ということ。
特異な世界観を観る側に押し付け、特異な性癖を観る側に見せ付ける相変>>続きを読む
「子ども×超能力×団地」の世界観。大友克洋からインスピレーションを受けていると小耳に挟み、書棚で日に焼けた「童夢」を読んでから映画館に向かう(なんと、童夢の内容はほとんど忘れていた…)。
子どもって>>続きを読む