iさんの映画レビュー・感想・評価

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Playground/校庭(2021年製作の映画)

4.5

直視できない残酷さ
冒頭から子供たちのはしゃぎ声や雑多な物音・足音の混沌さに飲み込まれそうになりながら、自分が同じくらいの歳に感じていた校庭や教室の居心地の悪さを思い出した

学校は限られた人数の教師
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TATAMI(2023年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

「聖なるイチジクの種」を見ようとして映画館に来たら勘違いでまだ上映しておらず、どうしよ〜と思ったら同じ時間帯・同じイランを題材とした映画としてTATAMIを観れたので結果オーライ○

こんなの本国じゃ
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野いちご(1957年製作の映画)

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モノクロの陰影が本当にきれい 過去に縋り、(悪)夢に追い詰められる老人、という意味ではかなり敵と通ずるものがあった 夢の中でもイサク本人が年老いた男でしかいられないのは、取り戻したくても取り戻せない時>>続きを読む

あの歌を憶えている(2023年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

恋愛映画という括りでは語れないほど、この映画は抱えすぎている

お互いの傷をやさしくなぞるような瞬間は心地良いが、性暴力のトラウマ、若年性認知症を抱えたふたりが触れ合う姿はぽかりと空いた心の穴を埋める
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ラ・ジュテ(1962年製作の映画)

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映像表現から抽出して簡素化した映画 映像ではないけど最低限の映画的要素で構成されてる

連続性のない画像にストーリー(ナレーション)を付加することで連続性が生まれているのがおもしろい ラストの疾走感な
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映画を愛する君へ(2024年製作の映画)

3.0

席の決め方とかのくだりは面白い わたしは大抵真ん中の端よりを取りがち
学校で上映会するの憧れるな〜

ドキュメンタリー調と映画調が入り混じる感じが慣れず、置いていかれる瞬間が多かった
いろんな名作の一
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(2025年製作の映画)

4.4

このレビューはネタバレを含みます

「生き延びるために生きることが受け入れられない」という台詞がなんとなく腑に落ちる 
Xデーと銘打っておきながらもいつ訪れるかわからない死に怯え、それをひた隠すように仕事や料理や掃除をする 一見整った生
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午前4時にパリの夜は明ける(2022年製作の映画)

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ミカエルアースの描く物悲しくてほんのり温かい生活が好きだ〜 
いつか母になるとしたら、エリザベートのように女性としても親としても魅力的な人間でありたい 悲しい時抱きしめてくれるひと、プリンを作って一緒
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ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい(2023年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

ある種のセルフセラピーみたいな
人と話すのって誰かを傷つけるし、自分も傷つく。だからぬいぐるみ相手に話す。
イヤホンをして歩きながらぬいぐるみと喋るシーンは電話越しの相手と話すのと一見何も変わらない。
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夏の庭 The Friends 4Kリマスター版(1994年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

小学生の時手に取った湯本香樹実の古本と同じ匂いがした。ページを捲って浮かぶ景色や登場人物がそこにあって、なんだか懐かしかった

お爺さんを追いかけ回すきっかけになる、死を見たいという理由を橋の縁を歩き
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お引越し 4Kリマスター版(1993年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

叫んで走ってのシーンが多くて目が離せないし、ひとつひとつのシーンが巧妙に設計されている感じがした オールタイム級に好き!

ラストの海辺で船に手を振るシーンなど、こちらあみ子はお引越しからかなり影響を
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バグダッド・カフェ 4Kレストア(1987年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

こんなに切ないお話だったかしら
以前はぼけ〜っと観ていて、これで終わり?と思ったけど今回はいろいろ発見があった

初めて観た当時のイメージでほのぼのロードムービーだと思っていたけど、男性から離れ自立し
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瞳をとじて(2023年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

キングの娘を探す俳優、を探す監督
という二重構造がラストに効いてくるとは

裸足、煙草、壁塗り、紐
向けられるまなざしの強さ
映画や音楽や写真という記録が誘発する記憶
忘れても自分の奥底がすべて覚えて
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時々、私は考える(2023年製作の映画)

4.3

「ちゃんと生きるって難しい」

空想に満ち溢れた豊かな世界観の音楽と映像がとても好きだった 足元や口元、蛇や鹿、全てのショットが気持ち良い
居なくなりたくなるような瞬間、こういう感情を共有できる映画に
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ストップ・メイキング・センス(1984年製作の映画)

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ライブ映像として断片的にしかみたことなかったんだけど、単なるライブ映像ではなくひとつの舞台芸術や映像作品として本当〜にクオリティが高い!象徴的な肩幅バカ広スーツがマジでイケてるし、楽器が一個ずつ増えて>>続きを読む

ミュージック(2023年製作の映画)

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極限まで言葉を排して目と耳に訴えかけてくる映画 監督の行きすぎたとまで言える美学はショットとしての美しさはあるものの、物語自体の理解には及ばなかった オイディプス王のストーリーは何となくしか覚えていな>>続きを読む

ゴンドラ(2023年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

車椅子のおじいさん危なすぎるし、ゴンドラデートもどんちゃん騒ぎだし、いろいろファンタジーだけどみんなが楽しいならいっか!という純度の高さ
わたしたちは言葉という情報に囚われすぎているのではないか...
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トウキョウソナタ(2008年製作の映画)

4.5

コメディとホラーの境界がわからなかったり、何となく掴めない独特な間や空気感、気味が悪くて気持ちの良いカット割りなどなど、家族モノを撮っても最高に黒沢清だ...

狂人になり得る凡人・香川照之、クリーピ
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幻の光(1995年製作の映画)

4.0

小津安二郎を観たことがなくても気が付くくらいわかりやすい小津的定点撮影。ベルイマン、タルコフスキーの感じもある。あんまり他の監督を引き合いに出すのも気が引けるが、実際デビュー作というのもあってそれだけ>>続きを読む

ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

誰もが傷を、自分がしたことの証を背負っている 本音と建前の狭間で揺れている それらと、自分と、相手と向き合うことを怠ってはならない 残された者は、受け入れがたい「本当」と折り合いをつけて生きて行かなけ>>続きを読む

落穂拾い(2000年製作の映画)

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アートのため、生きるため、拾う理由も拾う対象も様々あれど行為そのものにフォーカスしてフラットに扱っているのがおもしろい 

外に向かうヴァルダの視点は軽妙でおしゃれでお茶目だけど、度々挟まれる自身の老
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逃げた女(2019年製作の映画)

3.9

にゅ〜っとズームする瞬間が癖になる、猫にまで🐈

誰かと会話をしたくなる映画
映画館の座席の赤、不器用に剥かれた林檎が愛おしい ひたすらに日常を描くこの何でもなさが好き

移動、移動、戻る、たまには逃
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レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ(1989年製作の映画)

4.0

刑務所でも演奏しちゃうboys

food...food...からの生の玉ねぎ可哀想すぎる笑 みんな大好きborn to be wild🇺🇸

ジェーンとシャルロット(2021年製作の映画)

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冒頭からTOKYO
ジェーンの振る舞いは気高いのに自然体で、堂々としていて、自信に満ちている シャルロットの撮るジェーンの写真がかなり素敵

一人っ子なので、特別な次女がいる家庭ってどんな感じなのだろ
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