全体的に室内の画が良いのだが、特にロンドンに移ってからはイレーヌの不貞を理由とするシャルルの死がピストルによって示唆され、室内に緊張感が醸し出されていて素晴らしい。イレーヌを演じたエレナ・ソフォーノワ>>続きを読む
思春期の周囲や自分に対するもどかしさ、背伸びしたい感じがよく表れている。クララの家にピアノの椅子を届けに行くシーン、ラストの舞台袖からクララを観に行くシーンは滑らかなカメラワークが良い。シャルロットが>>続きを読む
冒頭の砂漠の画から引き込まれる。敵方のアラブ人狙撃手たちは最後になるまで出てこないが、その中にはヴィクター・マクラグレンが語っていた息子ほどの若者もおり、部隊の仲間たちは勿論この若者も殺してしまったと>>続きを読む
松五郎の引く車の車輪が映されて時間の推移が示される演出はベタだけど感動してしまった。何度も使われるので次第に感動は薄れていったが…
最初の寄席での大乱闘や学生同士の喧嘩のシーンでは三船敏郎の躍動する肉>>続きを読む
佐野周二はともかく笠智衆の学ラン姿が見もの。掃除のためにテーブルの上に載せてある椅子を下ろすという動作が何度か出てきて印象に残った。
かなり寝てしまったので評価は避けるが、肝心な場面でスローモーションになる演出が印象的だった。「運動」好きなシネフィルをからかっているような。
木村文乃と砂田アトムがベランダで戯れるシーン、砂田が幽霊のようにシーツを被って木村の方へ近寄ると鳥避けのディスクが揺れて日光が反射し、永山絢斗が2人の関係に気付くという流れが良かった。最初に砂田がいる>>続きを読む
序盤で風間杜夫が宮下順子と出逢う場面、宮下に仕える老婆が戸口で風間を招く手がアップで撮され、暗い玄関口を通って家の中に入ると宮下が現れ、部屋にある「夢」の掛軸が撮される。素晴らしい幻想的なシーン。
UFOが飲み込んだ人々の血をOJらの家の上で降らせて家を赤く染めるシーン、第2形態の捕食シーン(口から緑色のテープみたいなものが出てくる)が良かった。映画に限らず見せ物では大真面目にハッタリを切れるか>>続きを読む
この作品は日本に勝った後に撮られているし、マッカーサーの功績を称えるような文句も出てくるものの、作品単体で見れば日本軍による攻撃を受けて米軍がフィリピンから撤退させられる負け戦を描いている。まず冒頭の>>続きを読む
ヴァージニアズ・フューチャーと名付けられた雌馬を主人公とした異色の作品。生まれたての彼女が初めて目にした人間たちの映像が歪んでいて工夫を感じる。もちろん馬が何を考えているかなんて分からないので人間が馬>>続きを読む
ウィキペディアによると公開当時の1975年には既に和田アキ子=女番長的なイメージがついていたようだが、作中で原田芳雄が「色っぽくなった」とか言ってるので「エエ女」的な扱いもあったのかなと想像した。
横>>続きを読む
序盤で2人が洲崎パラダイスに辿り着くシーン、妖しい音楽が流れる中で入口のネオンがロングで収められたショットが素晴らしい。作中では赤線地帯の中はほとんど描かれないが、それゆえに新珠三千代や河津清三郎が中>>続きを読む
女たちを救うためにカーンに身体を差し出したカートライト(アン・バンクロフト)が廊下で独り佇むシーン、カーンが人払いをして彼女と対峙するシーンでの切り返しなどが素晴らしい。西部劇の父と呼ばれたジョン・フ>>続きを読む
フランキーが窓から逃げようとしたところを警察に射殺されるシーン、彼が撃たれるところは直接映されないが(コードのためか)、窓に掛けられた掌の動きで彼が絶命したことが示される。ジポがフランキーの通夜に行っ>>続きを読む
ロマンポルノ以前に日活が作った成人映画だが、やってることはほとんどロマンポルノだ。サムの黒人描写は今なら絶対許されないし(良いこと言ってるとは思うのだが)、順とサムに乗っ取られた別荘の母娘がバカすぎて>>続きを読む
ややダレた(特に終盤のギャングとの対決シーン)感じがしたが、額縁職人のブルーノ・ガンツが額縁の中に頭を突っ込むシーン、彼の工房を外から窓枠越しで捉えたシーンなどが印象に残った。
ストーリーはくだらないが冒頭のシーンをはじめとして素晴らしい画が幾つもある。シネマヴェーラの紹介文には「昭和のファム・ファタール物語」とあるが、河合美智子はファム・ファタールと言えるのか?
このレビューはネタバレを含みます
監督がネタバレを異様に気にしているようなので。黒沢清が監督との対談で語っていたように、途中まではクラリスが死後の世界から見てるのかなあとも思ったが、スキーリゾートが初めて出てくるシーンで何となく輪郭が>>続きを読む
この監督の作品を観るのは初めて。フェリックスがアルマを追いかけてきたと彼女に電話で告げるシーン、雲行きが怪しくなってくるにつれて彼にかかる木陰も濃くなっていたような気がする。アルマが足の治療を受けるシ>>続きを読む
青森から出てきた素人の佐々木英明が東京で「北村英明」として劇中劇の主役を務めるという形になっており、映画の冒頭とラストでは佐々木英明として「映画はスクリーンの中にしか存在しない」というテーゼを観客にぶ>>続きを読む
先にリメイク作の『太陽は光り輝く』を観てしまったせいか、あまりハマらなかった。昔の映画を今の価値観でジャッジすることには抵抗があるが、黒人が「神様が肌を白くしてくれる」みたいなことを歌っている場面には>>続きを読む
サイレントだが劇伴が素晴らしく、調べてみるとZachary Marshという人の手によるものらしい(Spotifyで聞ける)。
馬車が谷底に落っこちていくところを俯瞰で捉えたショットに迫力がある。
あまりにも面白い映画。ランス(ジェームズ・ステュアート)がリバティ・バランス(リー・マーヴィン)を撃った(ように見える)後、トム(ジョン・ウェイン)はハリー(ヴェラ・マイルズ)のために増築した家に悶え>>続きを読む
ベトナム戦争以前にこれほど正直に敗戦を描いたアメリカ映画があるというのに驚かされた。しかも愚将の思い付きに振り回されたが故の敗戦で、それが「名誉ある敗戦」に仕立て上げられる過程が観客には示されるのだ。>>続きを読む
蓮實重彦が『ジョン・フォード論』の中で、馬には映画のカメラはこの動物のために発明されたと思わせるものがあるというようなことを書いていたが、確かに馬の全身はスタンダードサイズの画面に収まりが良い。
高峰>>続きを読む
この作品を観た後でジョン・フォードが女性の機微に疎いマッチョな監督だなどということは決して言えない。ヘンリエッタ・クロスマンは序盤の頑固さこそ和らいでいくが一本筋の通ったところは変わらず、皆と共に墓地>>続きを読む
ハチャメチャな登場人物が多く至るところで笑えるのだが、レスターが月夜に草むらで独り神に語りかけるシーン、オーガスタで薪が売れず座り込むシーン、都会に出た子どもについて妻と話すシーンには胸が締め付けられ>>続きを読む
坂妻のキャラクターと彼の住居がある界隈で機関車が通る度に白煙が立ち込めるシーンは良かったが、娘の説教あたりからはじまる道徳的な雰囲気がどうも好かなかった。占領期に撮られたということも影響しているのだろ>>続きを読む