山田五十鈴の横顔が画面のかなりの部分を占めるような構図が何度か出てきて面白かった。パターナリスティックな語りに陥ることもなく、不良として生きていく山田のふっきれた表情を正面から捉え直すラストも良い
池部良が中田康子の誘いを断った後、実家の京マチ子の下を訪れるシークエンスが素晴らしい。まず停電のため点滅する電灯が今後の緊張感を煽っており、京が柳永二郎との結婚後に池部が自分に冷たくなったことを切り出>>続きを読む
白人たちのクリスに対する何とも言えない対応がイヤな嫌悪感をもたらす前半が良かった。クリスが白人たちにカメラを向けた瞬間に彼らもクリスに気づく場面では『ノープ』にもあった「見る/見られる」の関係がよく表>>続きを読む
山本富士子はシャワーをぶっかけられたり川に転落したりと水難に遭いやすいのか。こないだ観た『女妖』でも金魚すくいの水槽に飛び込んでいたが。
なかなか退屈で上映時間90分程度の作品とは思えなかった…
今時の男は女性よりセンスがあったり家事ができたりする、そんなことが60年前から言われてたんですね。
叶順子が船越英二の裏に隠れる場面が何度かあったのが印象に残った。
根上淳が疑心暗鬼をこじらせ、高松英郎を殺すために下関に向かうシークエンスは別の映画になったかのよう。ただそれまで根上が船越英二から送られてくる高松の動静に怯える下りはワンパターンで緊張感がなかった。
小野道子の家の医院内で卒業パーティーの準備をする女性4人の軽やかな動きが若々しい。品川隆二がプロ球団入りを蹴って南左斗子とスケート場に来るシーンで、プロ選手になるより平凡な父親になりたいと言って南と共>>続きを読む
叶順子がシンプルな白い服を着て、砂浜で田宮二郎に身体を任せるラストが感動的だった。水商売の叶はライバル企業の菅井一郎と寝るよう田宮から頼まれ、それが原因で田宮と別れることになるのだが、菅井と寝る際の叶>>続きを読む
金魚すくいの水槽に飛び込んで爆笑し、浅草ではしゃぎ回って連れ込み宿まで行ってしまう山本富士子が可愛らしい。野添ひとみのエピソードでは井の頭線高井戸駅が出てくるが、1960年には環八も通っておらず長閑な>>続きを読む
めっちゃ面白い。冒頭でジェリー藤尾が参考書の壁を手前に向かって倒すショットなど画面に工夫がある。監禁シーンなど室内の場面はシネスコサイズながら画面内に人々を配置することで閉塞感をよく出している。大江健>>続きを読む
ここからもうひと悶着あるかというところであっさり終わってしまった。長谷川一夫と山田五十鈴の会話が面白く、温泉地で気持ちを確かめ合うシーンが微笑ましい。2人の話が新聞に出ていると山田が弟子たちと話すシー>>続きを読む
山本富士子が好きなのでツンデレな彼女が観れて満足。船越英二が山本の着物を褒める場面が一度あるが、それ以外にも色々な着物や帯が出てきて楽しめる。
この監督の特徴かまでは分からないが、会話する2人を真正面>>続きを読む
画面がスタンダードサイズなので背景が切り詰められ、アンヌの苦悩を追いかけることに焦点が置かれている。音の使い方が上手かったと思う。
アンヌが妊娠を知ったときに発する「不公平よ」という台詞や、将来的に子>>続きを読む
冒頭から暴れまくる千葉真一。大和から来たビジネスマンの前で空手?を披露するシーンや「戦争だ~いすき🖤」といった台詞、そして松方弘樹の子分のチンピラに撃たれて絶命するシーン(最期の痙攣なんだよ)に至るま>>続きを読む
尾上九朗右衛門に連れられて山に入った八千草薫が笛を吹くと、山に隠れていた三船敏郎がシルエットで現れ出てくるシーンが良かった。
レスリー・チャンの背中に冥銭の文字が転写されて物語が駆動するというのが良い。蘭若寺に潜む霊魂やロウロウの舌、ラストの閻魔大王?などは今から見るとチープだが、それも含めかつての香港映画の元気のようなもの>>続きを読む
三部構成の第一部、ハメ撮りが流出した後(そのことが観客に示されるのは途中だが)にエミが街中を彷徨するシーンが続くが、長回しでここで切れるかなというところを過ぎてもしばらく続くので違和感をおぼえた。何ら>>続きを読む
ユリヤが別に最悪な人間とは思わないのだが、女性が自分勝手な行動を取るときに抱く(ように仕向けられている)謙遜的な自己嫌悪を示した題名と言える。
冒頭のユリヤを横から捉えたショットは、高台で行われたアク>>続きを読む
宝塚音楽学校出身の朝比奈順子のロマンポルノデビュー作。同年公開の『バックが大好き!』ではキュートな役柄を演じていたが、今作では自分の性欲を抑圧している控えめな女教師の役。『バックが大好き!』ではパキッ>>続きを読む
この監督は前作『ユニ』が素晴らしかったので期待していたのだが、まったく楽しめなかった。音楽が始終鳴っているのがうるさくてかなわない。
宙ぶらりんになったロープウェイがもう一つの話を導くという説話的な仕掛けが良い。チョン・ボソクがイ・ウンジュが処女だと知るところ、彼女の血がついたシーツを見て喜ぶところ、別の女性の名前を呼んだことを咎め>>続きを読む