紫亭京太郎さんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

紫亭京太郎

紫亭京太郎

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ちょっと思い出しただけ(2022年製作の映画)

4.5

たまたま立ち寄った劇場で元カレの姿を見かけて甦る思い出の数々を、走馬灯のように時系列を遡って描くラブストーリーは、「めっちゃ思い出してるやん」的でありつつ激しく共感して心に刺さる。
伊藤沙莉の表情が、
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レッド・スパロー(2017年製作の映画)

3.0

バレリーナよりも、諜報部員に天賦の才があったのではないかと思えて仕方ないダーク・ヒロインの誕生物語。アメリカとロシアは、冷戦時代の対立構造の要因であったイデオロギー以前の問題で、民族として反りが合わな>>続きを読む

バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生(2016年製作の映画)

3.0

ワンダーウーマンは「喧嘩をやめてぇ~♪」的に登場するのかとゲスな想像をしていたら、とんでもない登場の仕方でビックリ&爽快!
闘い済んでのシーンは衝撃!
アメリカンコミックらし~いラストは、恐怖の未来か
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KAPPEI カッペイ(2022年製作の映画)

3.0

くっだらないことを、コメディアンやお笑い芸人ではなく、硬派を打ち出せる演技力豊かな俳優達が、目一杯真剣マジメにやりきっていることこそ、この映画の醍醐味であり面白味!
バカバカし過ぎて、ホンマにくだらな
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ノイズ(2022年製作の映画)

3.1

過疎化も進み、島を支えるような産業も無く、衰退の一途をたどっていた、“島民全員が知った顔”のような小さな離島の「復興の兆し」に湧く中、突然入り込んだ“雑音”が、それまで“無音”だった島に“騒音”を引き>>続きを読む

ウエスト・サイド・ストーリー(2021年製作の映画)

3.2

子供の頃にテレビで見た“ジョージ・チャキリス版”についての記憶がほとんど残っていなかったことを痛感しながら観ていたが、移民同士の間にあった分断と根強い人種差別に嘆息。そしてそれは今もあるのだろうし、現>>続きを読む

三度目の、正直(2021年製作の映画)

3.3

冒頭からなんとなく漂う不穏感が、終盤イッキに収斂して少し“解決”をみたところから、何か憑き物が落ちたようになる主人公・春の雰囲気にホッとしてエンドロール。
春の弟・毅の姿は、“男”の典型的な姿勢であり
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真・事故物件 本当に怖い住民たち(2021年製作の映画)

2.8

事故物件に、怪奇現象の映像が撮れるまで過ごすというYouTube企画で泊まり込んだアパートが、心霊スポットというより“ヘルハウス”だったというとんでもない物語。
怒涛の急展開を見せる後半のグロテスク描
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コーダ あいのうた(2021年製作の映画)

3.5

聾唖者の漁師家族の中で唯一の健聴者である長女には、ボーカリストとして豊かな才能があったという、何か皮肉な運命を前に、家族の“愛”のあり方をそれぞれが見つめ直し、未来に向かって皆の幸福を目指して、より深>>続きを読む

マネー・ショート 華麗なる大逆転(2016年製作の映画)

3.0

数学が大の苦手で数字に弱く、いまだに経済に疎い自分にも、アメリカの金融市場に起きていたことが何だったのかがよく分かる上質のエンターテイメント。
エンタメとして愉快だが、実生活的には不愉快な話でもある。
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北の桜守(2018年製作の映画)

3.0

吉永小百合映画出演120作目の記念を飾る“舞台”が「北の三部作」最終章の演出として面白い♪
テテオヤが亡くなって独り暮らしをしているハハオヤを持つ自分には絶対泣いてまうラストへの卑怯な展開も、“舞台”
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1941 モスクワ攻防戦80年目の真実(2020年製作の映画)

3.3

ナチスドイツの大軍が想定外の速さでそれんに侵攻してきたことから、モスクワを守るため、増援部隊到着まで敵の進軍を阻止する命を受けて最前線に投入された、士官候補生達の激闘と悲劇を、凄まじい臨場感で描くロシ>>続きを読む

牛首村(2022年製作の映画)

3.3

「恐怖の村」シリーズ第三弾は、北陸の最凶心霊スポットを舞台にして、かつての風習・因習が産んだ悲劇が呼び起こす悪夢を描いた、シリーズの特徴でもあるダークファンタジー系ホラー。
ヒューマンドラマとしての要
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RENDEL レンデル(2017年製作の映画)

3.0

フィンランド発ダークヒーロー映画。
妻子を無惨に殺され、己も殺されかけた男が、復讐の鬼と化して超人に変身し、巨大な悪の組織に一人立ち向かう。案外どつかれ弱くて、細かいクスグリのある暗黒ヒーローモノとい
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さがす(2022年製作の映画)

4.0

娘はどこで父親の“素行”に気づいていたのだろう。切なすぎるラストのセリフが大阪弁なため、更にこっちの胸に突き刺さってきて、嫁を絞め殺しかけた時の原田の苦悶レベルに悶えてしまいそうになる映画館の外。
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ハウス・オブ・グッチ(2021年製作の映画)

3.3

パトリツィアはマウリツィオを愛していたのは間違いないだろうが権力や金や名誉に踊らされる自分を、マウリツィオも己れの才覚を、それぞれが客観視できなかったことが、それぞれの“敗因”とはいえ、そうさせない程>>続きを読む

香川1区(2021年製作の映画)

4.0

ドキュメンタリー「なぜ君は総理大臣になれないのか」の小川議員が闘った、昨秋の衆院選を追う続編にあたる物語。
前作よりも画面から伝わる熱量が上がっているが、それは本人の熱量ではなく、明らかに彼の周りの熱
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マニアック・ドライバー(2021年製作の映画)

3.0

昔のイタリアのホラー映画として、鮮烈な血の色となめらかな柔肌のイメージが脳裏に焼き付いているが、そんな懐かしい薫りを感じさせられながらもイマドキなAV的エロスが炸裂する、正に血湧き肉踊る和製ジャッロ映>>続きを読む

シークレット・マツシタ/怨霊屋敷(2014年製作の映画)

2.5

「ノロイ」もビックリ!「パラノーマル・アクティビティ」が裸足で逃げそうな、「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」風驚愕映像でペルーの人々を恐怖のどん底に突き落とし、失神させまくって大ヒットを記録した、リマ>>続きを読む

スティーブ・ジョブズ(2015年製作の映画)

3.0

IT技術の最先端を行くスティーブ・ジョブズだが、実際にモノを作り上げていたのは相棒だったことを初めて知った。一般的な技術者でも、根っからの開発屋でもなかった異色の理系男は、決して褒められたものではない>>続きを読む

クライ・マッチョ(2021年製作の映画)

3.5

かつて受けた“恩”を返すべく、国境を越えてメキシコへ入り、恩人の息子を“誘拐”したジジィが、親に絶望して闘鶏の「マッチョ」とストリートに暮らしていた彼に、自らの人生を総括するように新天地で生きていく術>>続きを読む

マリアンヌ(2016年製作の映画)

3.0

ナチス要人の暗殺にペアで取り組むことになった男女のスパイが惹かれ合い、やっとの思いで掴んだシヤワセが、諜報部員であったればこその要因で壊れていく悲しさを、マリオン・コティヤールの美しさが引き立たせる、>>続きを読む

雨にゆれる女(2015年製作の映画)

3.0

“己”を隠して生きる男の元に、素性の知れない女が押しつけられたことから変わり始める男の日常。
やがて距離が縮まり、互いの過去を知るほどに、二人が出会った因縁の皮肉が、二人の“罪”を掘り起こし、二人の関
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偶然と想像(2021年製作の映画)

4.5

「偶然」から巻き起こる「想像」を巧みに描いた傑作オムニバス映画!
登場人物の「想像」が描く世界と、観る側が働かせる物語のその先の「想像」とが奏でる、三話の絶妙なハーモニーに劇場で悶絶♪
矢継ぎ早にやり
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スーサイド・ライブ(2017年製作の映画)

3.0

昨今のテレビ業界の現状と、SNSにまみれた民衆の姿を、分かりやすく且つデフォルメして描きながら、世の中をリードせんと言いながらも結局は大衆に踊らされるテレビマンの悲劇を、最高レベルの後味の悪さで投げか>>続きを読む

ヒトラーに屈しなかった国王(2016年製作の映画)

3.0

立憲君主制を堅持し、民主主義を守るために、「人間」としての己を殺して、国の主権を貫くための一つの「機関」に徹する覚悟は、到底庶民には及びもつかない。国王の鉄の意思と鋼の信念こそ、王室に受け継がれるべき>>続きを読む

衝動(2021年製作の映画)

3.0

アイデンティティが崩壊した少年と、声が出なくなった少女。
二人とも、凄惨な体験から人格が崩壊してしまったかのように、ただ生きているだけの日々の中で出会って、本人達にも意識が無いまま惹かれ合い、“裏社会
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明日へ 戦争は罪悪である(2017年製作の映画)

3.0

おそろしくストレートなタイトルそのまんま、ど真ん中にストレートを投げ込んでくる、戦時中に戦争反対を掲げた実在の僧をモデルに、絶対反戦を謳う正統派反戦映画。
学校の教材に丁度イイ感じとは思うねんけどなぁ
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成れの果て(2021年製作の映画)

3.5

ある夜、姉が意を決して妹に告白した結婚の報告から不穏な空気が最後まで漂い続ける、息苦しさが興味を掻き立ててきて観ているこちらの本性まで露になる重量級ヒューマンドラマ。
とある地方都市の狭いコミュニティ
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私はいったい、何と闘っているのか(2021年製作の映画)

3.3

仕事もプライベートも“あと一歩”のところで終わってしまってカッコ悪く、何かと冴えないウジウジイジイジダメ男も、結婚という人生でも最重要場面のひとつで一世一代のカッコ良さを発揮し、決断して行動できたのな>>続きを読む

エターナルズ(2021年製作の映画)

3.0

「アベンジャーズ」達と“並行”して人類を見守ってきた別チームがいたというだけの話ではなく、「宇宙の仕組み」について驚愕の真実を教えてくれるという、終末思想を標榜する怪しい新興宗教みたいなテイストを漂わ>>続きを読む

ダ・ヴィンチは誰に微笑む(2021年製作の映画)

3.0

13万円で落札した絵が、最後には510億円で落札されるまでに“成り上がる”様子を追った、ミステリー小説のようなドキュメンタリー!
アート界の裏側が赤裸々に明かされるのだが、絵画取引の背景に「その絵が好
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COME & GO カム・アンド・ゴー(2020年製作の映画)

4.0

中崎町を中心とした、大阪の「キタ」を舞台に、観ていて息苦しくなるほど厳しい在日外国人の現実を、うっすら笑いを含んで描くことで、さらりと心に刺さってくる、ドキュメンタリーテイストの群像劇。どこか“遠いと>>続きを読む

オレの獲物はビンラディン(2016年製作の映画)

3.0

日本ならゲーリーみたいな人間はソッコー病院送りと保護観察処分か。
江戸落語の与太郎みたいに町内の皆で温かく人を見守る文化が昔の日本にもあったんやけど。世に寛容とか鷹揚とかいう概念が薄れたのはいつからや
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全員死刑(2017年製作の映画)

3.0

“西村組”的でB級テイスト薫る映像が心地よい、頭の悪ーい連中が、頭の悪ーい生き方をして、自滅に気付かず破滅していく凶悪犯罪ムービー。
やっぱり「君子危うきに近寄らず」な生き方せんとアカン事を再認識。そ
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劇場版 きのう何食べた?(2021年製作の映画)

3.7

テレビ大阪で見た“夜中ドラマ”で受けた切なさが、波状攻撃で襲ってくる“イマドキカップル”の温かい日常にこれも波状の泣き笑い。
折々のセリフに、様々なことに思いを馳せたり、なにやら琴線をいじり倒されたり
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