紫亭京太郎さんの映画レビュー・感想・評価 - 8ページ目

紫亭京太郎

紫亭京太郎

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Swallow/スワロウ(2019年製作の映画)

3.4

人も羨むようなセレブな結婚生活を送るも、夫の家族からは蔑ろにされたハンターは、ある日ビー玉を飲んでみて感じた恍惚から、次々に異物を飲み込んで、充足感を得るようになる。
いわゆる「釣り合わぬは不縁のもと
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羊の木(2018年製作の映画)

3.0

犯罪者の社会内処遇のあり方としては、非常に有効な施策だと思うが、対象者の選定には細心の注意が必要であるとともに、市町村としての取組ではなく都道府県単位で受け入れて、各自治体に一人ずつ配置する方がよいの>>続きを読む

信長協奏曲(2015年製作の映画)

3.0

「『本能寺の変』秀吉黒幕説」の根拠となる秀吉の設定が斬新で面白い♪
「戦国自衛隊」とは違う角度でのアプローチで、「戦国BASARA」ほどすっとんきょうではない、本当に本当のところは誰にも分からないから
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樹海村(2021年製作の映画)

3.0

自殺できなかった人々が樹海の中で村を作っているという都市伝説は誤り。その昔、世間から“捨てられた”人々が生き延びて、村を作って暮らしたのが“事実”!
そのやるせない“事実”から、人々の怨念怨嗟が、樹海
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キング・オブ・シーヴズ(2018年製作の映画)

3.1

英国史上最高額の宝石泥棒が、史上最高齢のグループだったという興味深い実話に基づく物語は、強盗のベテランたる見事な犯行とは裏腹な、犯行後のグダグダ感に寄る年波の悲哀を感じさせて哀愁が漂うが、それでも最後>>続きを読む

キル・チーム(2019年製作の映画)

3.3

正義感と愛国心に燃えてアフガンに赴任した兵士は、目の前で爆死した上官の後に着任してきた歴戦の“英雄”と名を馳せる後任の軍曹への畏敬の念と、前上官を殺されたことへの復讐心を滾らせて任務に精励しようとする>>続きを読む

知らない、ふたり(2016年製作の映画)

3.1

思う相手に思いが伝わらない・伝えられないそれぞれのカップルが、あやとりの糸のようにつながり合う恋愛群像劇。
やがて一組のカップルが一歩前に踏み出したとき、もつれたようになっていた糸がするするとほぐれて
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森のカフェ(2015年製作の映画)

3.0

論文が書けずに悩む哲学者が、お気に入りの森林公園にあるテーブルで構想を練るところへ、「森のカフェへようこそ」といきなりやってきた“自称カフェ店員”との出会いから動き出す、世間からちょっとはみ出した登場>>続きを読む

スティーブ・ジョブズ(2013年製作の映画)

3.0

IT技術の最先端を行くスティーブ・ジョブズだが、実際にモノを作り上げていたのは相棒だったことを初めて知った。一般的な技術者でも、根っからの開発屋でもなかった異色の理系男は、決して褒められたものではない>>続きを読む

プラスチックの海/プラスチック・オーシャン(2016年製作の映画)

4.0

シロナガスクジラの映像を撮りたいと映像作家になった映画監督が、思いがけずプラスチックゴミに汚染された海を目の当たりにすることから、マイクロプラスチック汚染の進む海を追う。
真っ青に澄んだ海に入れた特殊
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ロックンロール・ストリップ(2020年製作の映画)

4.0

大阪の場末のストリップ小屋で、ストリップの前座コントを受けるハメになったダメンズの売れない劇団座長が、さまざまな“本気”に追い込まれて、ついに“本気”に目覚める姿を、大阪的な人懐っこい温かさと“オモロ>>続きを読む

悪と仮面のルール(2017年製作の映画)

2.6

シリアルキラーは、作りだそうとして作れるものではないのではないか?
ごく普通に育っている子供を殺人鬼に変えるには、その子供が生来持っている気質としての残忍性や凶暴性、共感性の低さといった素質が必要なの
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嘘を愛する女(2018年製作の映画)

3.2

五年間素性を隠して彼女と同棲してきた男の正体と真実にたどり着いた時、そりゃそうしたくなるよなと同情を禁じ得ないところはあるものの、まぁ自分のまいた種でもあるよなぁそれは、と思いつつも、“復活”できれば>>続きを読む

ズーム/見えない参加者(2020年製作の映画)

3.0

Zoomでの交霊会など危険極まりなく、無謀過ぎると思ってしまうのは、「ムー」を創刊から愛読してきた自分だけだろうか?
今どきは、Zoomで「こっくりさん」をやったりしているのだろうか?
そもそも「こっ
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チャンシルさんには福が多いね(2019年製作の映画)

3.5

全力を注いできた仕事を突然失った上に過去の仕事を0評価される仕打ちに落ち込みきった40歳独身女性・チャンシルさんだが、心癒される相手と出逢ったり、手を差し伸べてくる仲間がいたりするのは、これまで彼女が>>続きを読む

夜の罠(1967年製作の映画)

3.5

夫の浮気相手の元へ談判に行くと女は殺されていた。そして夫が逮捕され、起訴されて死刑を求刑される…浮気した夫を自分の元へ取り戻そうと女の元へと乗り込み、そして危険を顧みず真犯人を追う妻を若尾文子が熱演。>>続きを読む

勝手にふるえてろ(2017年製作の映画)

3.3

妄想が激しいコミュ障女子と、ウザ過ぎて見てられない男に辟易となりそうなところからの、急激な現実世界へのワープで一気に引き込まれていく。
いやまぁ、誰しも妄想の世界に入り込む時てあるしなぁ。
それにして
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コンフィデンスマンJP プリンセス編(2020年製作の映画)

3.3

毎度タネ明かしにおける「伏線の遡り加減」が面白く、「これでもか具合」に最後の一押しまで加えられて、お腹一杯的満腹感強めな古沢ワールド全開エンタメムービー♪
最後の最後まで必ず見届けて、生瀬さんの登場を
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ミッドナイトスワン(2020年製作の映画)

4.1

ニューハーフのショーパブで働いている凪沙は、ネグレクトを見かねた母親から押しつけられるように同居を始めた姪の一果に、バレリーナの豊かな才能を見たことをきっかけに母性が目覚め、一果の成長と共に母性が深ま>>続きを読む

無頼(2020年製作の映画)

3.6

今となっては、もうこんな極道は現れないのではないかと、ちょっとしたノスタルジーさえ感じてしまう、ある渡世人の一代記。北野武は己の中の芸人魂に基づく“滅びの美学”を乾いたタッチで描き、井筒監督は決して華>>続きを読む

レディ in ホワイト(2018年製作の映画)

3.0

何かしっちゃかめっちゃかな作りやけども、そのしっちゃかめっちゃかさが、しっちゃかめっちゃかな主人公のキャラにマッチするので、妙に楽しんで観られるという、意外に気分が上がるしっちゃかめっちゃか系ライトコ>>続きを読む

レディ・トゥ・レディ(2020年製作の映画)

3.5

かつて「ジュニア」クラスで抜群のコンビだった、日々の生活に追われる専業主婦と、売れないアラサー独身女優の二人が、ひょんなことから再びペアを組んで競技ダンスに挑む、令和的「Shall we ダンス?」な>>続きを読む

三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実(2020年製作の映画)

4.0

バブル崩壊やリーマンショックの経験に昨今のコロナ禍と、当時の誰もが予想だにしなかったであろう現在から俯瞰すれば、討論会と言う名の単なる“コトバ遊び”に見えてしまう。まだ薄く学生運動の残り香があった自分>>続きを読む

コードネーム U.N.C.L.E.(2014年製作の映画)

3.0

その昔、一世を風靡した「ナポレオン・ソロ」を甦らせた、ハリウッド映画の原点にして王道を行く、単純明快系痛快娯楽活劇!
テレビの大人気番組に触れた記憶は無いが、この「ナポレオン・ソロ」をシリーズで見続け
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さらば あぶない刑事(2016年製作の映画)

3.0

さすがのコンビも歳取ったなぁ…と思たら、それもそのはず定年間近て!
それでも全く枯れていないタカたるべしと思うも、定期検診の結果が芳しくない我が身にこれは何とかせねばと奮い起たせてくれた、バブルなニオ
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アウターマン(2015年製作の映画)

3.0

日本中で群発地震による毒ガスが発生していることを政府は国民に伏せ、マスコミも真実を追及せず、人々の知らぬ間に日本は滅びる方向へ…という件は河崎作品お馴染みの“何かのパロディ”。
今、真贋を見抜く目が試
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斬、(2018年製作の映画)

3.3

侍でありながら、「人を斬れない」という致命的な弱点を持つという主人公の設定が斬新(「斬、」だけに、とか言わない)。戦争の極限を描いた「野火」から一転、自らの腕力で相手を斬って殺すということが究極の役割>>続きを読む

罪の声(2020年製作の映画)

3.5

世間を震撼させた「グリコ森永事件」をモチーフに、世紀の大犯罪に巻き込まれてしまった子供たちに焦点を当てることで、当時から現在までの時の流れにたゆたいながら「今」に思い至るヒューマンドラマの佳作!
80
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タイトル、拒絶(2019年製作の映画)

3.6

場末感漂うデリヘルの控室で繰り広げられる、風俗嬢とスタッフの様々な“人間模様”。ビジネスライクなドライ感と、滴るようなウェット感とが交錯し、どこか物悲しく、そこはかとなく切ない。
誰もがそれぞれの「生
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スマホを落としただけなのに(2018年製作の映画)

3.1

その「落としただけ」のことが、そらもう、どエラいことになっていくという可能性は、貴方にも貴女にもアナタにも穴田にも、大いにあるワケで、ヘタしたら財布落とすよりも一大事かもしれんね、このご時世。
もう、
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真・鮫島事件(2020年製作の映画)

3.0

2ちゃんねる発祥最凶都市伝説の真相に触れて呪われた友人から、リモート飲み会を通して伝播する呪い。実際に接触することもないまま、ただ“言葉”を発するだけで呪われるとは、コロナ禍の今でも驚くべき脅威!
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ストックホルム・ケース(2018年製作の映画)

3.1

誘拐・監禁の被害者が犯人にシンパシーを感じてしまう心理状態を指す言葉の語源となった、スウェーデンで実際に起きた銀行強盗事件を元に描かれる、人の良い銀行強盗と人質銀行員の交流と警察との攻防。人質と犯人の>>続きを読む

タゴール・ソングス(2019年製作の映画)

3.3

インドにタゴールという人物がいて、彼が作った歌が、ベンガル人のほぼ全ての人々の心に深く染み込み、歌い継がれ、伝え継がれていることを初めて知った。
そして、初めて聞いた彼の歌のメロディに、涙腺が決壊しそ
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波伝谷に生きる人びと(2014年製作の映画)

3.3

小さな集落が生きるために保ってきた、「講」という組織と「結」という制度。教科書でしか目にしない、日本古来の共同体が確かに息づいている土地の有り様を、ごく平凡なシーンだからこそ、克明に描かれて胸に迫るヒ>>続きを読む

ザ・サークル(2017年製作の映画)

3.0

SNSの行き着く先とその“裏舞台”を分かりやすく描いて単純に面白い。エンドロールの「for Bill」てぇのはビル・ゲイツのことか?
FacebookとGoogleとiPhoneへのアイロニーと“警鐘
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イレブン・ミニッツ(2015年製作の映画)

3.0

ひとつひとつ微妙に交錯する群像劇が、まるで、ブラックホールに吸い寄せられて巨大な重力に押し潰され、融合してしまうように絡まりあい、あれよあれよという間に収束していくラストの数分が圧巻!確かに、世の中の>>続きを読む