showさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

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新聞記者(2019年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

◆ヒーローを待っていても政治は変わらない

数年前までなら、もしかしたら「まあドラマだよね」と思っていた話かもしれない。「ある大学の開設が生物兵器の開発と実は結びついている」という筋書きに、「そうだっ
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それでも夜は明ける(2013年製作の映画)

4.4

このレビューはネタバレを含みます

◆黒人差別の歴史を具体的に知ることの意味

1841年、ワシントンD.C.で騙されて奴隷として売られた自由黒人ソロモン・ノーサップによる奴隷体験の12年を描く。非人間的に扱われる黒人奴隷の悲惨さを描く
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犬ヶ島(2018年製作の映画)

3.2

◆オリエンタリズムか、あるいは否か。

 エドワード・W・サイードの『オリエンタリズム』っていう本がある。有名な本だ。けっこう長い本だけど、僕なりの理解だと、こんな感じだ。

ヨーロッパの白人にとって
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教授のおかしな妄想殺人(2015年製作の映画)

3.0

◆大学教員はそんなにモテるのか

世の中で、人文系の大学教員ってどういうイメージなんだろうか。気難しくて、コミュニケーションが下手。服装とか髪型とか、気をつかったりしない。だけど、ひとつのことを突き詰
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スチャダラパーの悪夢(2009年製作の映画)

3.5

◆10年前なら冗談ですんだ…のか?

Youtubeで限定公開。ツアーのなかで、アニがやたら怪しげな「ヴァイブス」を語りだし、「ヴァイブストレーナー」なるおばちゃんをツアーに同行させ、それにボーズは反
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オール・ユー・ニード・イズ・キル(2014年製作の映画)

3.5

◆あと、邦題がダサい

ラノベ原作のハリウッド映画。ストーリーとしてはよくできていると思うが、中盤までは『魔法少女まどか☆マギカ』を彷彿とさせる展開。ただケイジが「ほむら」、リタが「まどか」という配置
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オー!ファーザー(2013年製作の映画)

2.9

◆話がなんだかとっちらかっている

父親が4人いる家庭で育った少年「由紀夫」を主人公にした、サスペンスコメディ。なんだけど、率直にいってあまり設定が生かされていないという印象だった。父親が4人いてそれ
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ラスト・プリンセス 大韓帝国最後の皇女(2016年製作の映画)

3.0

◆歴史は物語の婢

高宗の子で、李朝最後の王女となった徳恵姫の物語。ただ、内容は韓国映画的なステレオタイプに歴史をあてはめてすぎているという感じである。すでに色々なところで指摘されているが、徳恵姫が英
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SCOOP!(2016年製作の映画)

3.0

◆やっはり福山は仕事ができてモテる男

起承転結のはっきりした、よくできた映画。リアリティより映画としてのエンターテイメント性重視という姿勢が明確で、その割り切りは素晴らしい。ただその分突き抜けた何か
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DENKI GROOVE THE MOVIE? 石野卓球とピエール瀧(2015年製作の映画)

3.5

◆電気は昔から電気

2014年のフジロックのライブを中心に、過去の映像と関係者のインタビューで構成される電気グルーヴのバイオグラフィー映画。

古くからのファンにはわりあい既知の情報で構成されている
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クローバーフィールド/HAKAISHA(2008年製作の映画)

3.0

◆そんなきっちり撮れますか

謎の巨大生物が大都会を襲うというよくある話だが、視点が逃げる人のカメラ、という点が独自。ただし、それがゆえに制約が大きく、無理があるんじゃないかとも思ってしまう。

たと
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湯を沸かすほどの熱い愛(2016年製作の映画)

2.8

◆完璧な慈母に違和感を感じてしまってしょうがない

よくできた映画だけど、しっくりこない。小さい伏線、大きな伏線、きっちりと回収。タイトルの意味も最後にはっきりする。そういう「ストーリーの妙」はすごい
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九龍猟奇殺人事件(2015年製作の映画)

3.7

◆事実は小説のように奇…ではないが、それでも十分恐ろしい

実際の少女バラバラ殺人事件を題材にしたサスペンス・・・ということなのだけど、謎解きという意味のサスペンスではなく、「なぜ猟奇殺人事件を起こし
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日本で一番悪い奴ら(2016年製作の映画)

3.4

◆けっこうやさしい「ばいおれんす映画」

ストーリーは始まりから終わりまで寄り道がなく直線的、無駄がなく起承転結がはっきりしていてよくできている。

暴力的ではあるけれど、直接身体から血を流させるシー
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君の名は。(2016年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

◆出会いがゴールの恋愛は、終わるしかない

「男女が入れ替わる話」以上の情報を持っていなかったので、タイムリープのSFものだとわかって少し意外だった。

ストーリーじたいはさほど難解ではない。だけど、
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聖の青春(2016年製作の映画)

3.3

◆師匠の話がもっとみたかった

29歳で亡くなった棋士・村山聖の生き様を映画化。役作りのために20キロ太った松山ケンイチには驚き。動きのない将棋という素材だが、映画としてちゃんと成り立っていてすごいな
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夜は短し歩けよ乙女(2017年製作の映画)

3.5

◆サイケデリックでシュール、「乙女」はかわいい

森見登美彦の小説をアニメ映画化。原作はいちおう読んでいたうろ覚え…なんだけど、その薄らとした原作の記憶と、映画の印象は全然違う、と思った。

原作では
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お嬢さん(2016年製作の映画)

3.0

◆日本植民地時代という時代設定に意味はあるのか?

1930年代日本を舞台にした、サスペンス。ストーリー展開は明快で見事。わりと早い段階でオチは見えるのだけど、そのわかりやすさは単純ゆえに理解できたと
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トランセンデンス(2014年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

◆ネットワークを「敵」とすることは難しい

映画に出てくる「敵」というのは、たいがい「姿のあるもの」である。ところが、この映画の「敵」は「ネットワーク」だから、物理的な肉体がない。物語の形式じたいは「
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鰻の男/メイド・イン・チャイナ(2014年製作の映画)

3.0

◆差別と資本主義と…唐突な恋愛?

中国で鰻の養殖業を営む男が、水銀汚染のため韓国輸出が禁止され、その再検査を求めて韓国に密入国するところから話ははじまる。言葉の通じない中、強烈な中国差別を受けながら
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名探偵ピカチュウ(2019年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

こどもっぽい勧善懲悪の話かなと思っていたのだけど、見ているとラスボスは実は…的などんでん返しを入れてきたりして、脚本にこだわりを感じる。幼児には難しいくらいかもしれない。戦いというかアクションのシーン>>続きを読む

ボヘミアン・ラプソディ(2018年製作の映画)

3.3

◆ハッピー・エンド。しかし人生は、世界は続く。

ストーリーは完璧。親子の確執、移民の苦境、ゲイとしての葛藤、フレディの孤独、バンド内の内紛、それらすべてを、Live Aidの恍惚ともいえる高揚が回収
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スイス・アーミー・マン(2016年製作の映画)

3.1

◆神は死んだ。大いなる軽蔑の時を体感しようぜ

 一人で無人島に取り残されたとき、すがるのは神。『ロビンソン・クルーソー』以来そう相場が決まっている。

 どっこい、この映画ですがるのは死体・・・なの
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貞子(2019年製作の映画)

2.2

このレビューはネタバレを含みます

◆youtube世代の2010年代Jホラー・・・にはなりきれず

いっつも、堅苦しい書き方なんで、しゃべってるように書いてみます。なんでって?いやそれは、この映画は堅苦しい文体で書くんじゃなくって、話
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SING/シング(2016年製作の映画)

3.3

このレビューはネタバレを含みます

◆ひと味効いた父性不在の物語

廃業寸前の不人気劇場再生をかけて、支配人バスター・ムーンが新人歌手のオーディションを開催。ところが、ちょっとした手違いで賞金10万ドルになってしまった賞金目当てに、オー
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翔んで埼玉(2018年製作の映画)

2.6

◆みんな「県」にアイデンティティを感じすぎ映画

内容をどうこう言う映画じゃ、ない。役者はみんな頑張っている。ばかばかしい映画に全力投球。コメディとはそういうものだ、ということを演者みんなが体現してい
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アナと雪の女王2(2019年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

◆「水には記憶がある」?

今回のテーマは、「自然と人間の調和」。自然界を統合する精霊たちと、人間の関係が軸となって物語が展開していく。

また、「信頼していた人物の裏切りと、それに対する『真実の愛』
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イエスタデイ(2019年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

◆資本主義は悪魔のひき臼

ある日突然、ビートルズが消えた世界のなかで、曲を覚えている唯一の男の物語。奥手の男の恋愛物語もあるんだけど、それは表面で、芯はダニー・ボイルらしい資本主義と格差社会に対する
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IT/イット “それ”が見えたら、終わり。(2017年製作の映画)

3.0

■本当に怖いのは、こどもを支配する親?

ホラー映画なんだけど、少年少女の冒険譚という色合いも強い。『ドラえもん のび太と恐怖のピエロ』みたいなストーリーで翻案できるんじゃないかという感じである。途中
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新感染 ファイナル・エクスプレス(2016年製作の映画)

3.3

このレビューはネタバレを含みます

■親切なゾンビ映画さん

韓国の高速鉄道KTXの車内で発生したパンデミック・パニック。とにかく展開が急なんだけど、説明不足ということがなく非常に丁寧でわかりやすい。

さらに、単なる恐怖映画ではなく、
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ライオン・キング(2019年製作の映画)

3.0

『ライオン・キング』フルCG版。こどもと一緒なので吹き替え版。それにしてもCG凄すぎる。さて物語は貴種流離譚、わかりやすい物語の構造をもっていて、「こどもにも理解させよう」という意思を感じた。だから、>>続きを読む

15時17分、パリ行き(2018年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

【遅い球なのに本格派ピッチャー、みたいな映画】

「何が役立つかはわからない」「いざという時に、行動せよ」という、この映画がもつメッセージは、やはり強い。テロリストに立ち向かい制圧した彼らは、立派であ
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銀魂2 掟は破るためにこそある(2018年製作の映画)

3.0

【タコみたいなぐにゃぐにゃ映画】

柳楽優弥、三浦春馬、吉沢亮、長澤まさみ、岡田将生、勝地涼、中村勘九郎など、とにかく豪華キャスト。ストーリーはあってないようなもの。一応、真選組の主導権争いというスト
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万引き家族(2018年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

【「家族」ってこういうもんでしょ、と思っているイメージを揺さぶる】 

血は繋がっておらず犯罪行為で生きているが、精神的につながっている家族。血は繋がっていて社会的地位もあるが、DV、ネグレクトが常態
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フレンチ・コネクション(1971年製作の映画)

3.5

【アウトロー刑事映画の原点】

主人公の刑事・ポパイは、暴力的、小汚い、言葉遣いもひどいアウトローな刑事。殺し屋を追いかけるためなら、市民の車も強奪する。しかもあちこちぶつけまくってボロボロにする。
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