【ロボット映画をパロディしようぜ!】
人間とロボットの交流を描く、というモチーフはSFのひとつの定番でしょう。『チャッピー』とか『A.I.』とか、すぐに思いつく。ただ、日本映画ではあんまりないよ>>続きを読む
【ストーリーは100点、差別を扱う映画としては30点】
とにかくストーリーの上手さが印象的である。
差別主義者だったトニー(ヴィゴ・モーテンセン)が、天才ピアニスト、ドクター・シャーリー(マハーシャ>>続きを読む
娘と映画に行く、第2弾。
正直に言っていいですか。
こども映画とはいえ、ちょっと大丈夫?というのが率直な感想。
なんというか・・・感動する要素をあちこちにちりばめて、ストーリーを犠牲にしたんじゃ>>続きを読む
多忙と疲労で映画を見る気力を失ったここ最近であった。
でもこれは娘と見た。
プリキュア、まったく興味なかったけど、娘がいると、避けて通れない道である。
で、新作のスタプリの映画を見にいく羽目・・>>続きを読む
原作の絵がもつ独特の「あの線の感じ」を、全編作画するのは大変だったんじゃないだろうか…と思った。話は原作にけっこう忠実で、映画化するからって変に攻めたところがないので、安心して楽しめた。というかもうそ>>続きを読む
【若き日のマルクスとエンゲルスの苦悩】
映画では運動家・理論家としての顕彰よりも、マルクスの若さ、青さに光をあてる。プルードンに論争を挑み、ヴァイトリングを徹底的に論破し、エンゲルスの父の知り合いの>>続きを読む
【話はめちゃ面白い、でも、「勝てば官軍」でいいのか?】
脚本の上手さは抜群。
ゲイリー・オールドマンの演技は恐ろしいまでの迫力と魅力。
重厚な映像は鮮烈。
特殊メイクもすごくて、これがゲイリー・オー>>続きを読む
【殺人犯があなたの身の回りにいたら、どうしますか】
殺人犯があなたの身の回りにいたら、どうしますか。
それを知って、あなたは他の人と同じようにその人と友達づきあいができますか。
その人が自分の身内を>>続きを読む
【『仁義なき戦い』リスペクト、ではなくむしろディス】
『仁義なき戦い』みたいな映画かと思っていたけれど、違った。ナレーションのつけ方、小指が飛ぶシーンとかは『仁義なき戦い』のオマージュかな、と思った>>続きを読む
【最後の一言で「あれっ?」ってなる映画】
1930 年代、世界恐慌後のアメリカ農民の生き様を描き、資本主義社会の矛盾を厳しくつきつける。開発によるダストボウル(砂嵐)で耕作ができなくなったジョード一>>続きを読む
【抑圧のなかの微かな光について】
濱田岳ってロビン・ウィリアムズの佇まいに似てるな、と思った。
それはいいとして。
抑圧と戦うことって、めちゃくちゃむつかしい。だからこそ、そこには憧れが生まれるんだ>>続きを読む
【伏線は回収しない。なぜならこの映画はミステリではないから】
犯人捜しのミステリかと思ったら大間違い。怒りと赦しがテーマのドラマだった。ミステリのもつ「犯人は誰?」という観客の興味を逆手にとって途中>>続きを読む
【スラム育ちのゴロツキが実は王族でしたって、ディズニーアニメじゃないんだから】
1ヶ月くらい多忙で、全然映画を見られなかった。ちょっと落ち着いたので、再開。
さて売春宿育ちのアーサーが実は王族の後>>続きを読む
【イーストウッド流の現代西部劇】
実に含蓄のある映画である。タイトルからしてもう、イーストウッドが有名になった西部劇のオマージュになっている。フロンティアは宇宙。イーストウッド流の現代西部劇、という>>続きを読む
【こんなところに日本人、って考えはよくないよね】
ボリビアの革命闘争にチェ・ゲバラとともに参加した日系人、フレディ・前村・ウルタードの物語。ただ物語の前半はフレディが日系人であることは明らかにされず>>続きを読む
【恋は日射病のようなもの、ってうまい喩えなのか?】
1920年11月、クリミア半島で革命勢力の赤軍に敗れた白軍は降伏し、兵士たちは拘束される。降伏した白軍の中尉は、1907年ヴォルガ川での思い出のこ>>続きを読む
【この家の間取り図を誰か書いてくれ】
『創世記』をモチーフにした映画、ということはもうあっちこっちで書かれているので、それはまあ改めてここで説明することもない。そこに何かを付け加えるという知識も、僕>>続きを読む
【ワン・カット・オブ・ザ・サスペンス】
140分、ワンカット映画。もうそれだけですごい。しかも路上での撮影シーンもたくさんあって、きっと想定外のハプニングも少なくなかっただろう。けど、見ていて全然気>>続きを読む
【クズ人間の話だと思いきや、そうでもない】
出てくる人間は「クズ」ばっかり、という謳い文句の映画。たしかに主役の蒼井優(十和子)はクレーマー、無職、おまけに…(これは映画のラストにかかわるので書かな>>続きを読む
【アナログで、モダンで、ポエティックな映画】
「同じ日は1日としてない」「何もない日常」といった謳い文句で紹介される、この映画。確かにその通り。「繰り返しだけど、違う」っていう反覆のありようは、まさ>>続きを読む
【世界恐慌なにするものぞ、色恋沙汰は普遍の真理】
時代設定は1930年代。前半はハリウッドの映画界、後半はニューヨークの社交界が舞台となる。相変わらずの「アレン節」、軽妙かつ洒脱、脚本の妙で男女の恋>>続きを読む
【観客に「お前は神の視点なんだぞ」と迫ってくるおせっかい映画】
時は19世紀前半、アメリカ・イギリス・フランスが毛皮を世界各地に輸出するために内陸・海上の動物たちを追って進出してくる。この映画の主人>>続きを読む
【そのイチャコラにも意味がある…たぶん】
難民問題に力を入れるショーン・ペンの作品ということで、アフリカにおける難民の壮絶な状況の描写は、直接的で残酷で、目をそむけたくなる。たぶん、彼の経験が生きて>>続きを読む
【サイードもびっくり、オリエンタリズム全開映画】
1273年、西進してきたバトゥのモンゴル軍と戦ったリャザン公国の戦士の物語。元ネタは『バトゥのリャザン襲撃の物語』という14世紀の作品だという。史劇>>続きを読む
【キング・アーサーの「キリスト教をぶっ飛ばせ!」】
キング・アーサー。5世紀後半から6世紀初めのブリトン人の王とされるが、伝説上の人物である。この映画では、ローマ帝国支配時代のアーサーが、サクソン人>>続きを読む
NHK戦争証言アーカイブズというサイトがある。その名のとおり、NHKが集めた戦争に関する証言を集約したページである。そこでは数多くの証言がアーカイブされているが、語られる戦争の体験は、苛酷、凄惨、酸鼻>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
黒人差別の映画と思いきや、ホラー映画で、でもやっぱり黒人差別の映画であった。
ストーリー展開は、最初の1時間は恐怖を徐々にあおるようにゆっくり展開し、残りの30分くらいからネタばらしと度重なるどんで>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
ストーリーは実に「ベタ」で、特に衝撃的とか「どんでん返し」とかはない。「こうなるだろうな」と思ったらだいたいその通りである。でも、そんな話なのに、強く心を揺さぶるものがこの映画には、ある。
それ>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
物語は、一人の中年サラリーマン(といってももとは役員級だが)の再生物語である。仕事も家庭もうまくいかなかったアラン(トム・ハンクス)が、一人の女性との出会いから前向きになっていく…そういう話である。正>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
2001年のアメリカ同時多発テロ事件以降、「アメリカン・ヒーローは何を目指すのか」を問うような映画が作られた…と思う。『ダークナイト』とか。で、15年経って作られたこの映画では、ついに正義や民衆のため>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
タイトルは「いちばん長い日」だけど、映画は1945年4月の鈴木貫太郎内閣成立から描かれる。原作はそんなだっけ?と思って読み直してみたら、やっぱりこの映画独自のプロローグだった。まあ、それ自体は親切だし>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
人間はすべて独善的で愚か。何度も何度も、あらゆる形で語られてきたテーマである。
だからこの映画を見ているときは、ありがちなこのテーマにちょっと厭いていた。ただ、よく考えてみるとこの映画の「愚かさ」の>>続きを読む
戦争をしているときに、美術品は救うべきか?
「そんなことをしている場合ではない」という意見もあるだろう。でもこの映画では、そうではない。最初、美術品救出部隊を率いるストークス(G・クルーニー)は、美>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
前編の感想は「10代の天才の苦悩は僕には眩しすぎる」。後編は、前編のような主人公桐山の苦悩にスポットは当たらない。宗谷名人に挑戦する桐山の話を軸にしつつも、周辺に居る人にスポットライトがあたる。ライバ>>続きを読む
1940年のダンケルク撤退戦を描いた映画。とにかく、色々な面で異色である。空、海、陸の3つの視点で描かれ、3つの視点が、映画の進行とともに交錯する物語の構造。背景がほとんど描かれないキャラクターたち。>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
この映画の主人公桐山は「天才」棋士。ひとつのことに打ち込んでいる「天才」はかっこいい。実際桐山はかっこいい。
でも「天才」と思われている当人は、本当は努力の人だったりする。さらに家族に問題を抱えてい>>続きを読む