nanashiさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

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ブルータル・ジャスティス(2018年製作の映画)

2.8

言われている通り、時間の引き延ばしは上手いのだろうと思った。人物間の、心理的にも物理的にも距離感がずっと縮まらないままだったような。覗き穴からの視線と、クライマックスの銃撃戦の空間がどことなくコミカル>>続きを読む

マネー・ショート 華麗なる大逆転(2016年製作の映画)

3.5

こちらも面白いが政治に比べて、お勉強感が強かった。ただ個別の事象に留まらず、資本主義の構造的問題に触れるあたり、深いなというか、スケールの大きさを感じる。

バイス(2018年製作の映画)

4.1

娯楽色の強いドキュメンタリーは新鮮で、面白かった。副大統領チェイニーの強腕ぶりの裏で、家庭内の同性愛者の娘に理解を示す親、のような振れ幅が肝だと感じた。公人と私人の立場で、信条が矛盾する一個人の複雑さ>>続きを読む

ライフ・ゴーズ・オン 彼女たちの選択(2016年製作の映画)

3.5

クレジットではメイン扱いではないリリー・グラッドストーンの三編目が素晴らしかった。途中まで音の事は気に留めず見ていたのだが、終盤のクライマックスで、音楽が掛からず周囲の環境音に意識が向く瞬間があり、い>>続きを読む

ニノチカ(1939年製作の映画)

2.5

ロマンスに力点を置きすぎで少々期待外れ。陽気な3人組といい萌えの演出であったり、キャラクターを楽しむ目的なら良いのかも。マクガフィンの扱いが適当なのが可笑しい。

デニス・ホッパー/狂気の旅路(2017年製作の映画)

2.4

40年来の付き人サティヤの語りが中心のドキュメンタリー。サティヤの謎の格好良い映像や、彼とホッパー弟の対談が微妙だった…
後半、ヴェンダースやデヴィッド・リンチ、ゲーリーなど、ヨーロッパでの受容や、他
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怒りのキューバ(1964年製作の映画)

4.2

カメラワークがすごい。高度も空中移動も自由自在。普通ならカットを割りそうなところでも演者を追い続け、そのまま俯瞰ショットになったり。プロパガンダ作品として群衆を捉えることへのこだわりを感じる。

アメリカの友人(1977年製作の映画)

4.4

少し、ヒッチコック…?と思ったが、それとはまた違う方向に突き抜けた面白さだった。嫌味なくごく自然に、周辺環境と人物の関係が撮れているというか。
リアリズムもあり、サスペンスもありで、時間があっという間
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女が階段を上る時(1960年製作の映画)

4.1

高峰秀子が色っぽい。華やかな銀座の舞台だけでなく、裏にある思惑や日常生活に触れても、なお色っぽい。

ヴァンダの部屋(2000年製作の映画)

-

特集3本目。貧民街のドキュメンタリー。音楽もわかりやすいナレーションも無い。咳と瓦礫の音ばかりが大きく鳴り響く。人はあまり動かず、3時間狭い範囲から出ないので、ひたすら場所を観ている感覚が強い。

溶岩の家(1994年製作の映画)

-

‘21/1/11 再見
初期3作をまとめて観れたので、フィクションからドキュメンタリーへの移行期にあることが理解できた。役者と辺境との関係が印象的。

666号室(1982年製作の映画)

3.3

流通体系が変わっていくメディアに対して、根源的な問いを投げかけるドキュメンタリー。
全体としては芸術論に傾きがち。経済情勢と制作の関係を、具体的な数字を交えて簡潔に伝えるスピルバーグの聡明な姿が際立っ
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(1989年製作の映画)

3.8

オールナイトで。これ以降の作品とは違いクラシックな形式。見所は色々あったと思うが、ソファ周りのシークエンスが何故か頭に残っている。位置を動かして、会話があって、倒れ込んで、の流れが短いながらも、えらく>>続きを読む

キートンの警官騒動(1922年製作の映画)

4.0

短編だけど、出てくる人数がとても多い贅沢なつくり。
アクションが魅力的なのはもちろん、引きの画で、警官に変装して佇んでいても、すぐにそれとわかるキートンの姿かたちが印象的。動かずとも惹きつけられるのは
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ファンタスティック Mr.FOX(2009年製作の映画)

4.4

たぶんウエス・アンダーソンの中で一番好き。印象的な横移動に加えて縦移動もできる、穴掘りとの相性。縦横無尽にスライドする展開が物語もぐいぐい引っ張る。

ROOM237(2012年製作の映画)

1.5

よく見てるなあ、と思う考察があるものの、陰謀論への接続がかなり多いので、すぐにしんどいなと思った。寓意の読み取りや精神分析はまだしも、「ここの空をよく見ると、キューブリックの顔が隠されてる。」的コメン>>続きを読む

チキンラン(2000年製作の映画)

3.4

養鶏場からの「大脱走」。舞台設定から雌鶏になってるところがポイント。かわいいだけでなく、風刺が効いていて面白い。

ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語(2019年製作の映画)

3.2

これまで若草物語は触れてこなかったが、こんなにも今と同時代的なテーマを持っていることが意外だった。昔のお話しでありながら、キャスティング・衣装・美術などに今っぽい感性をみる。細部の作り込みが見事。

ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス(2016年製作の映画)

3.5

淡々と進むがひとつひとつの話が面白いので不思議と観れる。膨大な本の返却ため、半自動化されたシステムはひとつとっても、規模や掛かっている金額が違う。電子書籍の導入や、貧困層へのネット環境の提供などは、図>>続きを読む

キートンの大列車追跡/キートン将軍/キートンの大列車強盗(1926年製作の映画)

-

もしかするとキートンをちゃんと観たの初めてかもしれない。無茶苦茶面白い。ピタゴラスイッチ的な連鎖していく面白さがある。列車の上を駆けていき、運転席にスポッとダイブする愛らしさは、装置を転がる球のよう。

私をくいとめて(2020年製作の映画)

3.0

のんの感情溢れる演技が良くて釘付けになる瞬間が何度かあった。のほほんとした場面から怒りや悲しみが溢れるときの急降下する具合が凄くて胸を打たれた。

ほったまる日和/ほったまるびより(2014年製作の映画)

-

とても艶かしかったり、身体がただのモノになる瞬間があったり、印象が転じていき面白い。はがれた皮膚や埃ひとつない古民家の、清潔さが気持ちいい映像。

Grand Bouquet(2019年製作の映画)

3.6

Aプログラムを観賞したなかで一番出来が良く、緊張感があった。両プログラムに入っているのも納得。音響が生々しく肉感的で一気に引き込まれた。時にグロテスクな音と、花を使った視覚表現の重ね方、対極なイメージ>>続きを読む

ホモ・サピエンスの涙(2019年製作の映画)

4.2

建物の開口の位置とか、人が現れたり、はけたりする位置とか、ロイ・アンダーソン作品のなかでも空間が特に良い。
メイキングも面白かったのでソフトで出るなら欲しい。

ローラーガールズ・ダイアリー(2009年製作の映画)

3.8

成長の物語として正統派でありつつ、マイナースポーツを選んだり、学校の外に出て行くあたりが良かった。

トゥルーマン・ショー(1998年製作の映画)

3.6

リアリティショー自体は今でも人気だが、作品自体はなぜか古く感じた。