nanashiさんの映画レビュー・感想・評価 - 7ページ目

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こわれゆく女(1974年製作の映画)

3.7

観ていて小島信夫の小説のことが思い浮かんだ。核家族の生活、その空回りする感覚がなんとも不気味でおかしい。
今なら精神疾患にはもう少しよい対処ができそうなものだが、家族のためと愛を語っての言動は側から見
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大地(1930年製作の映画)

3.6

農村での人間と自然が対照的に描かれていて美しく、また無駄がないように思う。調べてみたところ、当時の検閲で引っかかったというトラクターが止まったあとのシーンは活力溢れる本作を象徴していた。印象的なダンス>>続きを読む

エクス・マキナ(2015年製作の映画)

3.7

序盤から現代的な北欧風の建築に興味が湧いた。調べてみると同じ建築家がつくった異なる2つの建築とスタジオセットからできていた。似た風土、手法で生まれた2つの空間を、映像の中で膨張させる実験ともとれる。写>>続きを読む

フェイシズ(1968年製作の映画)

3.4

いつのまにかシネフィルWOWOWで観れるようになっていた。
狭い空間に入れられた男女たちがコロコロと感情の浮き沈みのあるやり取りをするさまは不自然ではあるものの、展開の読めなさが緊張感に繋がっていた。

曖昧な未来、黒沢清(2002年製作の映画)

2.8

本編が面白かったからドキュメンタリーも観てみたが、現場での演出や編集へのこだわりなど、監督の立ち回り方はいろいろと府に落ち理解が深まった気がする。一方で、誰にでもできる作り方ではないというか、現場での>>続きを読む

アカルイミライ(2002年製作の映画)

3.7

オダギリジョーも浅野忠信もいい。そんなとこまで穴開いているのか!、てなパンツやピタピタの派手なシャツとか似合う人なかなかいない。
カメラの解像度がころころ変わるのが面白かった。ずっと飽きさせない緊張感
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透明人間(1992年製作の映画)

3.7

透明人間の設定がゆるくて最高。
スーツ姿の時は服まで透明なのに、なぜかコートを着ると服が見えるようになっている。あと、ここぞとばかりに服を脱ぐ。

マネーボール(2011年製作の映画)

3.8

冒頭クレメンスで始まり、往年の名選手が続々の映像にこれは実際の物語なんだ、とわくわくする。裏方の男が何かなそうとする姿のなんとも格好いいこと。
暑苦しくならない程度に全体のトーンは淡々としており、プレ
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私は告白する(1953年製作の映画)

3.6

主人公と犯人ではなく、周囲の人たちが物語を進めていく。信仰心というか男同士の根比べのような話だが、女性が結構だいじな役割となる。

2度出てくる、陽気な検事の手遊びシーンが面白くてかなりお気に入り。あ
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野性の少年(1969年製作の映画)

3.6

これでトリュフォーを観るのは2本目。やっぱり、子供への愛がすごい。愛情を注ぐ大変さや、見返りを求めるでもなく信頼し続ける苦労があるわけで、そういう責任感ある大人たちが出てくるのが救いだが...
人が木
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トリュフォーの思春期(1976年製作の映画)

4.1

出てくる全員、大人も子供も悪さもすればうっかりミスもするけど大目にみてくれるような視点を感じる。おおらかさ、のびのびとした空気が心地いい。子供への愛溢れる作品。

旅のおわり世界のはじまり(2019年製作の映画)

4.4

旅先での不安が画から伝わる。過酷なロケの一日が終わっても、主人公は仲間と一緒に過ごすことなく、ひとり街に出かける。横断歩道のない大きな道路、男ばかりで混雑したバス、薄暗い地下通路、バザールの人ごみ、見>>続きを読む

王国(あるいはその家について)(2018年製作の映画)

4.0

反復される演技によって、映画と演劇の違いなど色々な差異について考えてしまう作品。読み合わせを繰り返す様子が何度も繰り返しカメラに収められ、観客も読み合わせに参加したかのような感覚になる。この作品内の時>>続きを読む

あとのまつり(2009年製作の映画)

3.8

耳が心地よかった。音楽もいいし台詞もなんかいい。ナイスビュー、ワイフ、とか言葉がかわいい。映像と音のテンポが不思議でいい。浮遊感ある。

ゴダールを観てみたい。

三十九夜(1935年製作の映画)

3.6

短い時間なので展開が早く密度が濃い。進行が記号的なのがやや気になる。
ラブコメ要素があり華やかでよい。手錠で繋がれた男女のドタバタとサスペンス。つながれたまま靴下を脱ぐシーンが印象的。

めまい(1958年製作の映画)

5.0

夢や性的嗜好など人間の内面をモチーフに視覚的なアイデアがあふれる。
娯楽性やサスペンスは他の監督作よりずいぶん控えめに感じたが、明暗やズームを使いこなしたカメラの技術、リフレインの効いた編集などいろん
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架空OL日記(2020年製作の映画)

3.0

ドラマ版に引き続き圧倒的ファンタジー感。山場とか無いけど、いつまででも見ていられる幸せな世界。

女優に囲まれても違和感のないOLバカリズムがやっぱりすごい。非日常な光景なのになんでこんなあるあるにな
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見知らぬ乗客(1951年製作の映画)

4.4

ヒッチコックのなかでもこれはかなり好き。癖のある役を演じる俳優陣がみんな良い。妹役はヒッチコックの娘のようだが彼女も良かった。

計算されつくした編集が多いヒッチコックだが、主人公がテニスをするシーン
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知りすぎていた男(1956年製作の映画)

4.0

旅行先の言葉も宗教も異なる国で、事件に巻き込まれていく序盤の展開がすごく怖い。孤独感を煽るような恐ろしい展開でダレることはなく観れたのだが、終わってみるとヒッチコックらしいユーモラスなショットが頭に残>>続きを読む

汚名(1946年製作の映画)

3.4

スター2人の共演のせいかトリッキーさに欠ける画面がやや物足りなく感じた。もう一度見るときは編集に注目したい。

下宿人(1926年製作の映画)

-

サイレントだけど字幕を出来るだけ少なくしようという努力を感じた。字幕がつかずとも画面だけで意味がわかるやり取りが多くある。
階段を俯瞰するショットで主人公の手だけが不気味に動いていくのが最も印象的。

ヒッチコック/トリュフォー(2015年製作の映画)

3.5

最近本のほうを読みつつ順番に作品を観ていたのでこちらも。
ヒッチコックがいかにサービス精神旺盛で観客に気配りしていたかがわかる。「サプライズではなくサスペンス」、「論理よりも効果が重要」、といった発言
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ファミリー・プロット(1976年製作の映画)

4.1

男女のやり取りを中心に色々コミカルというかもはやコントっぽい。
カーアクションでの女の荒ぶりがどうしたらそんなになるのかという動き方。あとは誘拐された司教のやり取りも変だった。
お墓の鳥瞰は印象的。

大脱走(1963年製作の映画)

4.2

冒頭からあの音楽で一気に引き込まれる。ガンガン脱走するしお酒作ったり木材かき集めたり、捕虜とは思えないほどみんな生き生きしている。なかなか家では観る機会がなかったから劇場で観れてよかった。学生時代お世>>続きを読む

ロープ(1948年製作の映画)

3.7

殺人犯の2人が自信家と小心者という設定がいい。どちらかが話すたび「そんなに調子に乗るな!」「もっと堂々としなきゃ!」と思わずツッコみたくなる。これが1人の殺人犯だとこうはいかないもんなあ。ミニマムな設>>続きを読む

フレンジー(1972年製作の映画)

4.3

大スターこそ出てこないけど登場人物のキャラ設定が濃い。スリリングなシーンの最中に笑いを誘うセンスの良さ。逃亡者目線だけではなく犯罪者側からも描くことで、スリリリングな展開がより立体的に感じて楽しい。