まささんの映画レビュー・感想・評価

まさ

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彼方のうた(2023年製作の映画)

3.9

以前観た同じ杉田協士監督作品である「春原さんのうた」が印象深く、たまたま下高井戸シネマで特集上映を知り、監督ご本人の登壇もあるなら是非と馳せ参じて鑑賞。前作と同様に本作も行間が多く、セリフや劇伴は最小>>続きを読む

ひとつの歌(2011年製作の映画)

3.9

下高井戸シネマの杉田監督特集上映にて鑑賞。上映後には、監督と撮影を担当された飯岡幸子さんが登壇。杉田監督の初長編作である本作。やはり杉田監督独特の空気感は本作にも流れていた。本作も最小限のセリフと劇伴>>続きを読む

四月になれば彼女は(2024年製作の映画)

3.8

予告編で気になり、よく見たら仲野太賀、お、中島歩まで出ていて、これは観るしかない。原作は未読。大学時代は写真部という設定もあり、美しい風景画がいくつも出てくる。その瞬間にある目に見えないものをなんとか>>続きを読む

パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

3.8

好きだったあの子は今頃どうしてるのかな、なんてこんなオジサンになっても時々思うことはある。付き合ったのかどうか曖昧な関係であればなおさら、付き合っていれば…なんて想像、というか妄想を未練がましく膨らま>>続きを読む

コットンテール(2022年製作の映画)

3.9

リリーフランキーがいい味を出してそうな香りを感じてチョイス。リリーフランキーは、やはり期待を裏切らない。怪しくていい加減、不器用で頑固、それでいて情深い男、まさにハマリ役だ。周りの役者も素晴らしい。錦>>続きを読む

52ヘルツのクジラたち(2024年製作の映画)

3.7

孤独を抱える人たちの物語。何よりも杉咲花の力を感じさせる作品だった。先日公開の「市子」を見て、本作を見たら、もう杉咲花の圧倒的な力を思い知らされる。虐待や差別が生む孤独の取り上げ方もよかったが、やや出>>続きを読む

落下の解剖学(2023年製作の映画)

3.5

夫の死の真相に迫る法廷劇。提示される証拠が示すものは何か。事実と心証の境界は実に曖昧なものだと思い知らされる。夫婦の関係性や親子の絆についての繊細な描写は見応えがあり、出演陣の演技がそれを支えていた。>>続きを読む

ソウルメイト(2023年製作の映画)

3.6

オリジナルをアマプラで以前鑑賞して印象深かった作品。韓国版でどう描かれるのかを楽しみにしながら鑑賞。二人を結びつける細かい設定が変わっているほかは、ストーリーの本筋は維持されていたように思う。幼い頃か>>続きを読む

ナイト・オン・ザ・プラネット(1991年製作の映画)

3.8

世界各地の夜のタクシードライバーと客との会話劇5話のオムニバス構成。夜にタクシーを求めるそれぞれのワケありな客とドライバーとの一期一会が生まれる、夜のタクシーという舞台設定がいい。さらに世界のあちこち>>続きを読む

風のゆくえ(2022年製作の映画)

3.7

付き合う彼女と台湾旅行へ行くことが決まっていながら、彼女に別れを告げた男。彼女との幸せな日々と、孤独で不器用な彼の孤独な日々をクロスオーバーさせながら、男の歪とも言える精神世界を描く。恋愛や女性に対す>>続きを読む

瞳をとじて(2023年製作の映画)

3.5

「ミツバチのささやき」から31年ぶりの長編新作となるビクトル・エリセ監督の作品。「ミツバチのささやき」は時間が合わずに、未鑑賞のままこちらを鑑賞。離ればなれになった家族のそれぞれの時間と記憶。劇中劇と>>続きを読む

熱のあとに(2023年製作の映画)

3.4

予告編の雰囲気で妙に気になり、仲野太賀も出てるってことでチョイス。レビューをチラチラ見てると、難解とか、共感できない、とか目に入りつつも臨場。確かに共感を求める作品とは違う。ストーリーを追いかける作品>>続きを読む

一月の声に歓びを刻め(2024年製作の映画)

3.4

喪失を抱えた人たちの物語のオムニバス。それぞれの喪失、深さ、現れ方も人それぞれ。なかなか理解されない苦しみ、そしてとんでもない切っ掛けが絡まった糸がほどける糸口になることもある、そんなことを感じさせる>>続きを読む

過去負う者(2023年製作の映画)

3.7

社会は誰のものなのだろうか。そんな言葉が頭をよぎる。罪を犯して刑務所で受刑し出所した人たちに就労先を紹介する情報誌を発行している活動を参考にして作られた本作。行き過ぎた自己責任を迫る社会への問題提起と>>続きを読む

夜明けのすべて(2024年製作の映画)

4.2

予告編から観ようと思っていた作品。病気や障害を抱えた人を描くのだろうことは予告編からなんとなくつかめたが、それをどのように描くのか、どのようなメッセージをどう伝えるのかが興味深かった。これは観て良かっ>>続きを読む

コット、はじまりの夏(2022年製作の映画)

3.5

予告編を観て、主人公の少女の素晴らしい演技とともに、どのような家族像が描かれるのか興味を持ち、鑑賞。繊細で少しずつ打ち解け、成長していく難しい少女の役を彼女は見事に演じていた。これは大きな見所だ。そし>>続きを読む

ふたりの傷跡(2022年製作の映画)

3.1

チラシの映像とストーリーの雰囲気からチョイス。監督の経験などを踏まえて、若者の自死の問題の投げ掛けや傷ついた若者へのエールの意味合いも込めた作品だという。これがエールとなったかどうかはともかく、描きた>>続きを読む

違う惑星の変な恋人(2023年製作の映画)

4.0

山田涼介と浜辺美波の「Silent Love 」を観て、時間的にもう一本観れるか…と本作をチョイス。お、これにも中島歩が出ているではないか、しかもメインに。と、このチョイスに運命的なものさえ感じる。そ>>続きを読む

サイレントラブ(2024年製作の映画)

3.3

予告編でこれはストーリーで泣けるかもと期待。さらに浜辺美波をはじめ出演陣もなかなかのラインナップで、中島歩まで出てるではないか、とさらに期待して臨む。うむ、これは期待を高めすぎた。出演陣の演技は良かっ>>続きを読む

コーンフレーク(2020年製作の映画)

3.9

前日に観た「凪の誘惑」と同じ監督の作品を上映ってことで鑑賞。長編初監督作品らしい。同棲関係が長くなったふたりの微妙にすれ違う心を描いた作品。ところどころ微笑ましい演出も交えながら、微妙な心の動きを丁寧>>続きを読む

凪の憂鬱(2022年製作の映画)

3.9

チラシの雰囲気でチョイス。監督とメイン出演陣女性2人の舞台挨拶まであるとのことで鑑賞。連続作品になっているらしく、それらは未鑑賞、予習なし、飛び込み状態。それでも十分楽しめた。でも観ていれば、出演陣の>>続きを読む

哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.0

別に観なくても…、でも時間が空いたし、なんか評価も高いし。え、R18+なんや。じゃあ観てみるか。で、観て正解。R18+なエログロは確かにてんこ盛り(笑) でもそれもきちんと効果的な演出になっている。独>>続きを読む

最悪な子どもたち(2022年製作の映画)

3.5

やや荒廃した地域に住む、荒れた少年少女をオーディションで出演させる映画制作と彼らの変化を追いかけるドキュメント的なストーリー。オーディション場面から始まる展開と、演技経験のない若者たちを実際に起用した>>続きを読む

燈火(ネオン)は消えず/消えゆく燈火(2022年製作の映画)

3.5

予告編の雰囲気からチョイス。ネオン職人である夫を失くした妻をめぐるストーリー。20年以上前に訪れた香港の賑やかなネオンサインで埋め尽くされた道路を思い出す。そうかもうあの街並みはないのか。きらびやかな>>続きを読む

道で拾った女(2023年製作の映画)

3.4

いつものミニシアターでなんとなく面白そうな本作をチョイス。トラックドライバーの男とホームレスの女、どちらも訳ありの二人のロードムービー。憎めない登場人物が魅力的であり、艶っぽいシーンも思いのほか多かっ>>続きを読む

カラオケ行こ!(2024年製作の映画)

3.9

ヤクザと中学生というあり得ない組合せの最高な二人。経緯はそれぞれやけど歌に向き合う二人の姿が微笑ましい。悩み多き中学生と世の中の汚れたところを生きるヤクザ。互いから滲み出る優しさと真面目さが絶妙な関係>>続きを読む

宝くじの不時着 1等当選くじが飛んでいきました(2022年製作の映画)

3.6

空いた時間に何か見るものはないかと、たまたまフィットした本作を鑑賞。意外にも小さいスクリーンの客席の最後の一席だった。北朝鮮軍と韓国軍というシビアなところを材料に、高額ロトを介在させて、なかなかなコメ>>続きを読む

笑いのカイブツ(2023年製作の映画)

3.9

とにかくブッ飛んだ映画だった。原作は読んでないが、これが自伝的ストーリーだというのだから驚きだ。笑いに全てをかける、って言葉はあちこちに転がってるんやろうけど、ここまで全てをかけてる奴はいない。社会で>>続きを読む

ティル(2022年製作の映画)

3.6

アメリカであった黒人に対する差別はもちろん知識では知ってはいるが、このようにストーリーとして描写されたものを見ると、その理不尽さ、深刻さを強く感じる。作品に描かれた母親が直面した現実とそれに立ち向かう>>続きを読む

ミツバチと私(2023年製作の映画)

3.5

自分の性別に悩みを抱える8歳の子供と母や周囲の大人たちのそれぞれの葛藤を描く。多様なあり方を認めることは実に難しい。でも、様々な衝突や困難の先には希望があることも見せてくれた。主人公の少年は、繊細で複>>続きを読む

女優は泣かない(2023年製作の映画)

3.8

スキャンダルで干されていた女優と彼女の復帰ドキュメンタリーを撮る崖っぷち女ディレクターが織り成す体当たりストーリー。いやぁ久々に感情の忙しい作品だった。芸能界や番組制作の舞台裏をコメディタッチで描きつ>>続きを読む

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.0

鑑賞中に包まれる雰囲気が最高に心地いい。ずっと見ていられるし、このまま見ていたくなる。変わらない日常の中で、空や木々、人々が見せる日々違う表情が愛おしい。東京の街も、そこでの人々の佇まいも美しい。流れ>>続きを読む

青春ジャック止められるか、俺たちを2(2024年製作の映画)

3.6

シネマスコーレを舞台にした映画をシネマスコーレで見るという贅沢な体験。この劇場に込められた情熱を感じることができたのは、非常によかった。折しも、閉館した名古屋シネマテークが、ナゴヤキネマ・ノイとして復>>続きを読む

光る校庭(2022年製作の映画)

3.5

主人公である小学5年の男児が身近な死と向き合うストーリー。子供の持つ残酷さ、純粋さ、優しさが見事に描かれている。なによりメインの子役二人の演技、雰囲気が素晴らしかった。

INTERFACE 知能機械犯罪公訴部 -ペルソナ-(2022年製作の映画)

3.5

終映後に舞台挨拶があり、全国上映会を目指して名古屋でパイロット上映。AIが更に進化、普及し、法廷で裁かれもするという近未来を描いた作品。こんな未来がやって来るのかも、と思わせるほどよくできた設定とスト>>続きを読む

市子(2023年製作の映画)

3.6

市子の過去と今、それぞれに取り巻く人たちを映し出しながら、彼女の悲しい生い立ちに迫っていく。その生い立ちと今の彼女とつながった時、その壮絶な来し方に言葉をなくす。ただ欲を言えば、もう少し心を揺さぶる演>>続きを読む

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