えむえすぷらすさんの映画レビュー・感想・評価 - 12ページ目

カフェ・ソサエティ(2016年製作の映画)

5.0

いつものウディ・アレン節は控えめ。(そういう成分は兄に注がれていた)
予告編詐欺ですね。女性二人の間で行き来するような話かと思ったら違っていた。こんなしっとりした(ギャング成分を除けば)選択と結果の物
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夜は短し歩けよ乙女(2017年製作の映画)

4.9

時間と空間が歪曲する大学ファンタジーシティー京都。一夜で四季が巡るカオスな世界。エピローグの美術の落差が面白かったですね。
ただヒロイン像が少し男目線すぎやしませんかねえと思ったのですが、原作由来でし
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無限の住人(2017年製作の映画)

3.9

どこかちぐはぐな印象。ヒロインがただの足を引っ張る存在になってしまっている。似たようなシチュエーションだと「トゥルー・グリッド」がある訳ですが、凛ってこんなに何もできない子だったっけ?この俳優、昨年賞>>続きを読む

ノー・エスケープ 自由への国境(2015年製作の映画)

4.0

「フリーファイア」と双璧の極限状況作品。ただあちらが家族物は戦争だの系譜に近い作りなのに対して、本作は逃げる中で少し物語が深まるかなあと見せつつ、対決の方に逸れて行ってしまう。ただそれで出てくる展開に>>続きを読む

フリー・ファイヤー(2016年製作の映画)

5.0

いたーい。きがとおくなる。そして、かんたんにはしなない。

かんとくさんのにほんのかんきゃくへのこころからのことばがひどい。
「えふびいあいのほうこくしょをよみこみました。そしたらね、ひとってうたれて
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ワイルド・スピード ICE BREAK(2017年製作の映画)

4.0

フランチャイズ・シリーズものとして鉄板の安定度。キャスティングも豪華。機内の赤ちゃんとジェイソン・ステイサムのアクションは笑える。
登場人物たちのつながり、その変化が魅力の作品なので細かい事はどうでも
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美女と野獣(2017年製作の映画)

5.0

圧巻。ああいうお伽噺を再構築は大変だなあと思わされる作品でもある。
現実的な描写と物語世界を織り交ぜ、現代社会の価値観をフィッティング。無理している所が見えてしまう瞬間があるのは確かですが(冒頭の父親
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バーニング・オーシャン(2016年製作の映画)

4.3

原題はDeepwater Horizon。石油探査プラットフォーム船の船名です。
そのままの方がよかったんじゃないかという邦題問題はさておいて、描こうとしたことはシンプル。海底油井を設置して安全性を疑
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T2 トレインスポッティング(2017年製作の映画)

5.0

前作未見で見るという無謀。最初ちょっとついて行きにくかったのですが、これは悪いのは私だから仕方ない。
でも徐々に何が起きたのかわかり、そして大団円に向けて転げ落ちていく中である仕掛けがどう終わるかとい
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グレートウォール(2016年製作の映画)

4.9

一言で言えば万里の長城版MMFRでした。

MMFRの脚本やフェミニズムの扱い方は大変影響受けてますね。コマンダー・リンのキャラクター設定はフュリオサがもろ直撃してますし。食事は将軍から指揮官、兵士ま
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LION ライオン 25年目のただいま(2015年製作の映画)

3.9

予告編はわりと明るい感じで生き別れになった母親を探す物語に見えますが、映画本編は内省的。Google Earthでの探索も早い段階で明らかになりますが見つからない。そうこうしているうちに仕事を辞め、彼>>続きを読む

パージ:大統領令(2016年製作の映画)

4.0

たった4館スタート。前作はもう少しあった気がしますが。

女性上院議員がパージを終わらせるべく大統領選に出馬したところ、公務員に対する例外規定が緩められて反パージの女性上院議員も狙われる事になるが、と
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ハードコア(2015年製作の映画)

4.0

FPSゲームプレイ映像と思わせる出だし。ある相棒の存在が本人主観だけの作品をちゃんとしたストーリーのある映画に引き上げていた。この人物の扱いは結構面白い。他作品で言えば「オール・ユー・ニード・イズ・キ>>続きを読む

アリーテ姫(2000年製作の映画)

5.0

あるファンタジー世界のお姫様が自らの境遇をうち破り世界の謎を解き明かしていく。武器は自分の頭脳と手と足だけ。
本好きでいろいろと知っていたその知識を実践して推測して知恵と工夫で乗り越えて自分の足で歩き
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ひるね姫 〜知らないワタシの物語〜(2017年製作の映画)

4.0

ブログで感想書きましたが、ヒロインが途中でヒロインじゃなかったんだと気づいてしまうという思いもよらない欠陥を抱えていて勿体無い。ココネのキャラクター魅力的に動いているし、声もいい。エンドロールの歌もす>>続きを読む

ゴースト・イン・ザ・シェル(2017年製作の映画)

4.8

途中まで台詞過多(元がそういう作品だから仕方がないか)でどうなるかと思いましたが、最後は制作陣が自分たちのできることをやろうとしたのかねじ伏せにかかってそれなりにまとまった展開で終わった。

ものすご
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キングコング:髑髏島の巨神(2017年製作の映画)

4.5

良い意味で破茶滅茶。
ベトナム戦争、探検、怪獣でキングコング?もう21世紀なのに?と思っちゃうわけですが、勢いと雰囲気で押し切ってくれる。
ラピュタ混入説とかもありますが、変な家族ムービーにしてしまっ
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パッセンジャー(2016年製作の映画)

1.0

主演二人の演技ウォッチャー以外は見る必要ないと思います。
他の方が触れてますが、サイレント・ランニングは確かに頭に過ぎった。そういう点でもB級SF映画テイストがあっていいんですが、素直にそういう方向で
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SING/シング(2016年製作の映画)

5.0

字幕版。マコノヒー節が堪能できる映画。あんなに台詞があるとは思わなかったし、いつものマコノヒーがちゃんとコアラを演じていた。

ストーリーはちょっと単調かもしれない。ただそれでもマコノヒーが脱いで(誤
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モアナと伝説の海(2016年製作の映画)

5.0

ウェルメイドな神話再構築に成功したミュージカル要素も持った作品。ただ神話の物語も重視していて後半はそちらの比重が高まる。
海や髪の毛などの表現は飛び抜けている。エンドロールを見ていたら、髪の毛の担当も
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ラ・ラ・ランド(2016年製作の映画)

5.0

OP歌曲付き。意表をつく始まりから爆発的に展開して一気に収束して現実に戻ってシームレスに本編が始まる。OPで歌をうまく使うとその作品の展開の予告をする事ができる。うまい使い方をされている。

作品構造
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ナイスガイズ!(2016年製作の映画)

4.1

1970年代のTVドラマや映画の探偵ものを彷彿とさせるバディ・ムービー。キャラクターはそれぞれ立っていていい。娘役の子も素晴らしい。
1977年を背景にしていて作り込みは徹底。ジョーズ2の看板や当時走
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マリアンヌ(2016年製作の映画)

3.0

ある容疑について無実を信じて真相を知ろうと駆け回る物語。
ミステリー的に描けたはずですが、実際に容疑者が何をやっていたか見せるような工夫がないので、主人公の目線で駆け回るのを見て真相を知っていく事にな
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ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち(2015年製作の映画)

4.5

予告編だと子どもたちの特殊能力ばかりクローズアップだった印象ですが、現代アメリカからウェールズの離島に話が飛び、そこから思わぬ方向へ展開していくあたりは上手い。舞台設定と異能者が作り出した別の世界とそ>>続きを読む

沈黙ーサイレンスー(2015年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

監督や出演者らの力演は見て分かるのですが、私にとって私の見たい映画とはまた異なる作品でしたので得点は付けていません。
転ばせるための拷問で何故それで人が死んでいくのか分からないシーンがあったのですが(
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マグニフィセント・セブン(2016年製作の映画)

4.0

「七人の侍」を昨年見てますが、戦闘指揮、作戦、伝達、士気などてんこ盛りで論理的な作劇をされていたのに対して緩い。また七人の戦いの描き分けも甘い。ガトリング機銃は無敵すぎるし、もっと論理性は追求すべきじ>>続きを読む

虐殺器官(2015年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

絵は素晴らしい。でも台詞過多で映像で語るという事があまり出来てない。

冒頭の作戦、原作読んだら決定的な改変がなされてますが、あれはよくなかったのでは。何か仕込みがあってああなったように描かれてますが
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ザ・コンサルタント(2016年製作の映画)

4.8

予告編から想像もつかない家族の物語。それを見せるために舞台立てが作り込まれている。三つの物語が並行して動き、一つの絵を描き出す。
構図を隠す意図はなく、因果を示すためか変な隠し事はしていないので勘のい
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ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー(2016年製作の映画)

4.9

アメリカ映画でこんな展開を見るとは驚いた。
戦争ものだと次は俺の、私の番だというものがある。誰かに使命を果たさせるために次々と「順番」という運命を受け入れていく。
そのようにして果たされた使命が「希望
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マダム・フローレンス! 夢見るふたり(2016年製作の映画)

3.9

本作はどの程度事実なのか説得力のない脚色になってしまっていると思う。

リサイタル、1944年10月なんですよね。NYタイムスの紙面がある理由から良く出てくるのですが、その一面記事を見て「この世界の片
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この世界の片隅に(2016年製作の映画)

5.0

原作は読みました。
声はすずの子供時代は子役立てた方が良かったのでは?など疑問が合ったんですが、昭和20年のある所でもうすず役はのんちゃんしかあり得ないと思うようになった。

戦争は弱者から奪われて行
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溺れるナイフ(2016年製作の映画)

4.0

「溺れるナイフ」勢い重視の撮影。臨機応変に俳優が演じているように感じるシーンも多い。

主人公二人とヒロインを助けようとする同級生がいい。ただ物語は飲み込みにくい事件を挟んでいて、それを巡る主人公二人
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スター・トレック BEYOND(2016年製作の映画)

3.9

前作に引き続きパラレルワールドのスタートレック世界のテーマが顔を出してきた。軍隊とシビリアンの組織としての艦隊というテーマは今の世界に対するアンチテーゼであり、スタートレックが当初から担ってきた社会風>>続きを読む

ロイヤル・ナイト 英国王女の秘密の外出(2015年製作の映画)

4.0

VE DAYの夜。エリザベス王女たち姉妹の一夜のハチャメチャな冒険を描く。
脚本は緩いけど何か許せてしまうのは「英国王のスピーチ」で父王の苦労人(兄と戦争で命を縮めた人だと思う)を見ているからだろうか
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秒速5センチメートル(2007年製作の映画)

4.5

リバイバル上映で見ました。

第2話コスモナウトは素晴らしい。これだけでも見る価値あるかなと。

第1話桜花妙は本当に会えたのか?というのを疑いの目で見ていたしじれったさが引き延ばしすぎていて、そこが
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