akubiさんの映画レビュー・感想・評価 - 17ページ目

akubi

akubi

映画(828)
ドラマ(5)
アニメ(0)

ホテル・ムンバイ(2018年製作の映画)

-

神さま なんてどこにいるの。??神さま ってなんなの。?

悪魔に操られた人間に操られた可愛そうな若者たちの、これはサイコでホラーでカルトな真実。

さいごにひとつ。
お客さまは神さまなんかじゃない。
>>続きを読む

EDEN(2012年製作の映画)

-

彼らはきっと、ものすごく気を張って生きているのだろうな。と、その演技で表現している(ような)のは素晴らしい。

もともと舞台で上演していたのかなというようなキャラと表現のダイナミックさよ。

カツベン!(2019年製作の映画)

3.8

あの時代の活動弁士の葛藤と哀愁と、エンターテイメントへの愛に溢れた最高の喜劇。

今日も融けるように暑かったけれど、幸せのキャラメル齧って心までとろけてしまお。

成田凌さん、ほんまに天晴れ!!◎

イエスタデイ(2019年製作の映画)

-

ビートルズを知らないまっさらで、彼らの曲を聴いたときの感動をもう一度はじめから味わえたら、どんなに心が弾むだろうか。なんて妄想。
ものごころのつく頃には既に知っていた名曲たちを久々に浴びて、嬉しくて泣
>>続きを読む

ザ・ピーナッツバター・ファルコン(2019年製作の映画)

-

彼の、刹那な幸せと冒険を切り取ったあの夏。
永遠に、続いていってほしい。
はじまる前から、終わりを考えてしまうのはなぜ。

ピーナッツバター・ファルコン。
君は君が思っているよりもずっと、強いから。
>>続きを読む

蜜蜂と遠雷(2019年製作の映画)

-

ピアノもクラシック音楽も全くの無知ですが。
音が、水溜まりに描く波紋のように概念として直接脳内に響き心に浸みてくるよう。

大拍手で響く大ホールを包む雨の音が、なんだか守られているようですき。

透明
>>続きを読む

静かな雨(2020年製作の映画)

4.3

こんなふうに、よくは知らないけれど、穏やかな湖みたいな瞳をもった誰かと、あんこたっぷりのたい焼き食べながらなんとなく話をしたい。
言葉はなにを紡ぐでもなくただ、風に吹かれて何処かへ行ってしまうような。
>>続きを読む

愛の小さな歴史(2014年製作の映画)

4.0

こんなに世界は人で溢れているのに。大切なひとはすぅーっと深淵へ消えてゆく。

愛と憎しみ。天使と悪魔。
それぞれが、きちんとなくてはならないような矛盾の神秘。

思い出すのは、裸足の裏にしみる真冬のコ
>>続きを読む

スプリング・フィーバー(2009年製作の映画)

4.5

痛み。憎しみ。悦び。怒り。哀しみ。
朝日は昇り、そして無音の夜が来る。

そとから見たら歪んでいる池はそれでも、揺らめいて煌めき、美しい。
春の強い風に吹かれて、いつ枯れるともしらない蓮の花たちがくる
>>続きを読む

飛行士の妻(1980年製作の映画)

4.4

変わり気で激しくときにはっとするくらい美しい、夏の青空みたいに豪快な女の子と梅雨空みたいにじめじめした女々しくて可愛い男の子。

突風に吹かれて漂う色づきはじめた雲と木々。
夜勤明けの白昼夢のような探
>>続きを読む

友だちの恋人(1987年製作の映画)

4.3

あの頃のあんなこと。
あの夏の甘酸っぱさのあとの、苦みと作り笑い。

女の魅力的で悪魔的な不思議がいっぱい。
こんなふうに愛してくれてありがとう。なんていつもあたたかい心地にさせてもらう。

青と緑の
>>続きを読む

CLIMAX クライマックス(2018年製作の映画)

5.0

ひさびさに。身体の奥から痺れた。
はぁ。って、声がでた。

絶頂のその先にある、可笑しさと虚しさ。
狂ってなきゃやってらんないって。??
そんで何処へ行き着くか、しってるの。?

もえる闘争心。踊れ。
>>続きを読む

世代(1954年製作の映画)

4.5

宇宙の片隅で弾けた星のように輝く青年たち。

そこここの刹那の、目覚めた青春が美しくて、どうしたらいいか迷子になる。

運命に振り回された彼ら。
揺れながら、笑いながら、壊れながら。
はかない夢。と呟
>>続きを読む

灰とダイヤモンド(1957年製作の映画)

4.0

調子外れの音楽が、ずっと鳴り響いている。

笑いながら踊るものたちはまるで、缶のなかに残されてからからと音をたてるドロップみたい。
綺麗で甘くて。そして寂しい。

暗闇になれてしまった瞳は、光を見つけ
>>続きを読む

テルアビブ・オン・ファイア(2018年製作の映画)

-

この哀しみと憎しみの現実を、コメディにして、笑いに変えてしまうという、二重の哀しみと可笑しみにはにかみながら、やはり和平を願わずにはいられない。

失っていた自尊心を少しずつ思い出して、からっぽだった
>>続きを読む

残された者-北の極地-(2018年製作の映画)

3.7

風や太陽や動物たちや花が、ありのままに生きている場所。
人 がむやみに立ち入ってはいけないような、なにより恐ろしいくらい美しい場所。
なにか聖なるちからが、うごいているような。あるいは、反対の。

>>続きを読む

地下水道(1956年製作の映画)

3.5

抜け出せない暗闇の中でのそれぞれの正義と狂気。

汚物にまみれた闘いは、いっさいの娯楽も許さず、笑うときは狂ったとき。

愛を殺すものと、愛に生きるもの。

対岸に見える緑と青が眩しすぎるから、まだ目
>>続きを読む

美しき結婚(1981年製作の映画)

3.6

友人の過度な助言は要注意。
優しい男は、罪。

恋に恋して、結婚に憧れる逃避。

本能のままにわがままな25歳の可愛らしさとじっれったさの可笑しみ。

彼女が、ぴったりの男性と巡り合う日はくるのだろう
>>続きを読む

ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密(2019年製作の映画)

-

このレビューはネタバレを含みます

あーあ。なんてみっともないんだ。
って俯瞰してるけど。
もしかするとあのおもちゃのナイフでも笑えない、なんてこともあるかもね。

どんでん返しがあるようでない、おかしなプロップスがキュートな二時間サス
>>続きを読む

わたしは光をにぎっている(2019年製作の映画)

4.3

なんだかいつも、ピントが合わない。
この人たちがなにをゆっているのか全然わからない。

いつからそんな高みから見てる。??

自分から歩み寄らなければ、何処へも辿り着けない。
世界はこじんまりと、小さ
>>続きを読む

あなたを、想う。(2015年製作の映画)

-

夢の中への扉。過去への入り口がゆらゆらと、寄せてはかえす波のよう。

わたしは、恨んでいたのだろうか。それともただ、理由が知りたかっただけなのだろうか。

人魚と自分を重ねていたロマンチックに悲しい過
>>続きを読む

慶州(キョンジュ) ヒョンとユニ(2014年製作の映画)

4.7

雨の音。お茶を注ぐ音。金魚が揺蕩う音。虫たちが必死に生きる音。
心のなかの沈黙。

コントのようなキュートな可笑しみと、詩のような明媚なやさしさの中で漂う、孤独と死。

生きている と 死んでいる の
>>続きを読む

男と女 人生最良の日々(2019年製作の映画)

-

胸がきゅんとなっていたあの頃の心地のよい痛みを思い出して、嬉しくて、けれどちょっぴり寂しくて。
過去にももう戻れないし、生まれ変わってもう一度貴方に会えるという保証も見つからないし。

『ラブストーリ
>>続きを読む

憂鬱な楽園(1996年製作の映画)

4.3

気だるい太陽が眩しすぎるから。
世界に色をつけて、自分を保つ。

勝者でいるつもり。??
はじめからなにも持ってなんかいやしないし、思いどおりになんてならないんだよ。
爆発寸前で壊れそうな自分という輪
>>続きを読む

ボーダー 二つの世界(2018年製作の映画)

4.0

針のない時計。裸足で踏みしめる湿った土。山盛りのサーモンマリネ。

ボーダレスな愛が、動物たちと森の囁きと交じり合う。

そうか。人間は残酷で、けれどとても優しくもなれるいきものなんだ。

わたしたち
>>続きを読む

ちえりとチェリー(2015年製作の映画)

-

自分の中の怪物と闘っているのはきっと大人も一緒だろう。
祈りが通じることも、運命に流されることしかできないときも。

大人になるって、寂しいな。
世の中の仕組みなんて、わからない方が幸せだ。
周りに合
>>続きを読む

存在のない子供たち(2018年製作の映画)

-

植えつけられた思想は、時代や社会が変わってゆくなかでもともに変わることはなく取りのこされ、たくさんの矛盾と不幸を産み堕とす。

笑うことも、泣くことすら忘れてしまった子供たち。
大人たちが憎いと、そん
>>続きを読む

パリのランデブー(1994年製作の映画)

4.3

偶然の天使が舞い降りて、
甘くて苦いノルタルジーに浸かる。
虚しさのあとには、ぽっと灯る心の灯り。

ロメールの夏。
すてきなはじまり。

どこへもゆかないけれど、どこかへいってきたような、ランデブー
>>続きを読む

ひと夏のファンタジア(2014年製作の映画)

4.4

一期一会の出会いから、なにかははじまっている。
袖ふれあうも、その刹那にも。

ひとと話すのが苦手なのに。
映画の中のひとたちのお話にはきちんと耳をかたむけている。
こちら側にいる安心感。自ら閉ざす扉
>>続きを読む

フィッシャーマンズ・ソング コーンウォールから愛を込めて(2019年製作の映画)

-

魂で歌う うた 。
響く海の彼方まで。わたしたちのふるさとの、果てのはてまで。

指揮者はきっと妖精で、人魚たちが観客だった、あの遠い昔から、まるでなにかのちからが宿っているかのように伝えてきた不思議
>>続きを読む

トスカーナの幸せレシピ(2018年製作の映画)

-

『適量』がわからないのはわたしも同じ。
"フルパワー" でいけるほど自信がないときもあるし、
程々の力の抜かし方が見つからない。
だから引き算をするしかないときもある。

けれど、フルパワーじゃない自
>>続きを読む

好男好女(1995年製作の映画)

3.4

燃えつづける愛の焔の輪廻。
くりかえす哀しみの歴史。

運命なんて美しく呼ばれるものなんかそこには存在しない。
大切なひとが何者かによって強制的にこの世界から排除された遺されたものたちの、哀歌だけ。
>>続きを読む

愛の嵐(1973年製作の映画)

4.0

愛の嵐に溺れた3つの心。

執着の依存。依存するという執着。
でも愛って結局、執着なのよね。

他人からみたら美しくなんてないし、きっととってもグロテスクなものだから。

正気な言葉なんて、耳を塞いだ
>>続きを読む

三月のライオン(1992年製作の映画)

4.8

生きている を思い出す。
生きている は、壊すこと。殺すこと。なくなること。融けること。

永遠がほしい。
ぜったいに壊れない、永遠が。

濃くて甘い、血の味にくらくらしながらぶら下がっている愛という
>>続きを読む

風が吹くまま(1999年製作の映画)

4.3

風の吹くまま、林檎の転がるにまかせて。
ひとは恋をし、静かに息をひきとるのを待つ。

けれど、ひとも生き物もつねに抗い、このうつくしい世界を見つづけようとする。

そしてまるで陽だまりの中にいるように
>>続きを読む

ベトナムを懐う(2017年製作の映画)

-

ホームドラマのようなコメディにのせて。
じっとりと悲しく苦しかった過去が、柔らかい光に照らされたS字とともに顕になったとき、赦しの唄とあなたもようやく "故郷" へ還ることができました。
そしてわたし
>>続きを読む